AI登場で税理士の仕事がなくなるって本当?税理士の将来性や今後を徹底予測

更新日時 2019/12/06

「税理士の将来性は低いって話を聞いたけど、本当だろうか…」

「AIの登場で税理士の仕事は失われる?」

近年では電子化やAIの登場の影響を受けて、様々な仕事が失われつつあります。

この影響を受けるのは士業である税理士も例外でなく、「AIが税理士の仕事を奪う確率は90%」という大胆な予想まで見られるほどです。

しかし、厳しい試験を乗り越えて高度な専門性を身に付けた税理士が、そんな簡単に機械に代替されてしまうなんてことがありえるのでしょうか?

ここではAI登場によって税理士の仕事が本当になくなるのか、税理士の将来性や今後を徹底的に予測していきたいと思います。

この記事を読めば、AIと税理士の関係が明確にみえてくるはずです!

AI登場と税理士の将来性についてざっくり説明すると

  • AIの進歩により「今後は税理士の仕事がなくなるのではないか」という予測がある。
  • IT大国のエストニアは「税理士が消えた国」として有名になった。
  • AIが得意な単純作業や経理的な仕事は人工知能に取られる可能性がある。
  • AIでは代替できない業務があり、現在の税理士業界の動きを見ても将来性があるといえる。

AIにより税理士は無くなる?

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昨今ではAIの登場によって多くの職業が将来的にAIに代用されるという話題が各所で挙がっています。

税理士もその例外ではなく、一部の有識者からは「人工知能が導入されれば多くの税理士がその仕事を失うのではないか」と予測されています。

以下では本記事の趣旨である

  • AI登場後に税理士の仕事がどうなるかを分析する
  • 予測が正しいかどうかを判定していく

ということを中心に、詳しく考えていきたいと思います。

IT発達で仕事は減少気味?

AI登場以前にも、2014年頃からIT技術の発展によりクラウド会計ソフトが登場し始めました。

多くの会社が導入したため、今まで税理士や会計士が行っていた記帳代行などの会計業務を機械が行ってくれるようになり自動化が進展しました。

それに伴って税理士を解雇する企業が増えたため、このころから「税理士の仕事はなくなるかも知れない」という議論が積極的になされるようになりました。

6000人分の人工知能が登場

米国では弁護士をAIに置き換える実験が行われました。そこではAIが中堅弁護士6000人分の仕事である、判例等資料をピックアップするという作業をこなせるようになったというデータがあります。

これは弁護士に限った話ではなく、税理士にも同様のことがいえます。同じ税法という法律を扱う士業である税理士は、AIの登場によって大きな打撃を受ける可能性が濃厚になったとされています。

エストニアを例に税理士の将来性を考える

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エストニアは人口130万人程度のヨーロッパにある小国家です。ここでは「オンラインで出来ないのは結婚と離婚と不動産売買だけ」といわれるほど、行政サービスの電子化・機械化が進展しています。

機械化によって「税理士が消えた国」として話題になっているエストニアですが、どのような都市でオンライン化が進んだのか、税理士が消えたといわれる背景は何でしょうか。

ここでは、エストニアの例から日本の税理士の将来について考えていきたいと思います。

世界一のIT国家エストニア

エストニアは人口130万人の小国家です。天然資源などに乏しく人口も少ないエストニアでは、政府が少ない人材を有効活用するために政府の主導によって、行政手続きの電子化や簡素化が行われてきました。

例として、国民にICチップを配布し、銀行預金の管理や健康保険、運転免許証を一本化するなど、前例のない規模の電子化を成功させてきた国です。

税理士・会計士なしの税務申告

2000年にはe-tax制度や税金が3種類(配当課税・社会福祉税・付加価値税)しかないフラットタックス制度の導入によって、税務申告などが全てオンラインでできるようになりました。

またスマホなどでの納付申告も可能になったため、法人で99.9%、個人で99.8%もの高い割合でのオンライン申告が実現しました。

このようなことから、一時期「電子化により税理士が消えた国」として世界中に紹介され有名になりました。

今でも存在する税理士たち

「税理士が消えた国」として有名になったエストニアですが、実際にはまだ法人向けに税務申告や節税をコンサルしたりする税理士は存在します。

その理由としては、税務業務や会計業務は改善されたものの、帳簿の作成や税務申告などはやはりまだ負担のかかる業務として存在するため、税理士・会計士に委託する企業がまだまだ多いからです。

AIの進展と税理士の未来

現在、エストニアでは機械化が進む一方で、世界的な潮流としての会計基準の統一化にも取り組んでいます。

もちろん、日本でも会計基準統一化や多国籍企業における課税逃れを阻止するための税制改革が進められているため、税理士・会計士活躍の場が世界へと開かれてきています

そのため、グローバル化に伴う会計基準の変更統一や税制の改正の実現により、将来的な税理士の仕事はなくならないどころか、増えるかも知れないといわれています。

税理士はやっぱりなくならない?

電子化を突き詰めたエストニアでさえ、税理士の仕事はなくならず残り続けています。

世界的な会計基準の統一化や税制改革の流れに乗って、今後も業務が拡大すると予想されていることからも、税理士という仕事はなくならないとする意見も増えてきています。

むしろ日本の税理士がグローバルに活躍できる可能性が広がっているといえるのではないでしょうか。

AI登場でなくなる仕事と残る仕事

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「税理士はなくならない」とはいえ、AIは明らかに税理士の独占業務の一部を行えるようになるのは事実です。

そのためAIに置き換えられるような業務と置き換えることができない業務を知っておくことが大切です。

AIはどのような作業を得意とするのでしょうか?反対にAIが苦手とするものは何でしょうか?

以下ではこれらについて具体的にみていきたいと思います。

経理ができても意味がない

税理士の独占業務として、以下の3つがあります。

  • 税務代理(申告書の提出や税金の納付を依頼者に代わってやること)
  • 税務書類作成(納税や税務申告に必要な書類を依頼者の代理で作る)
  • 税務に関する相談(節税対策の提案や税金に関するアドバイスを行う)

上記のうち、AIにもっとも取られやすい業務は「税務書類作成」です。

理由としては、簡単な業務のルールに乗っとって事務処理や記帳代理の仕事をこなしていくのは、パターンに基づいた処理を行うという、AIが最も得意とする領域であるからです。

AIに取って代わることのできない業務は?

経理的な単純作業はAIが得意としていますが、逆に代替されにくい業務もあり、具体的には以下があげられます。

  • 企業の税に関するデータ(貸借対照表や損益計算書など)をもとにした専門的知識に基づく経営者へのアドバイス
  • 魅力的な節税施策の提案といった「税務に関する相談」

理由として、相談業務のようなルールが曖昧で自由裁量の大きな業務はAIが苦手だということがあります。

いまは予想外の売り手市場

税理士の平均年齢は60歳を越えており、税理士業界でも高齢化が進んできています。

また、税理士のなり手が減少している割にオリンピック開催に向けて好景気に沸く日本では会社設立が相次ぎ、税務コンサルタントとしても業務が増加してきています。

今の日本では税理士が不足しており、予想外の売り手市場となってきているという現状です。税理士として生き残るためにはコンサル業務こそがヒントになるといえます。

需要の減少に向け残る仕事を

日本の好景気はオリンピックの開催(2020年)を目処に終了し、経済は失速する見通しです。

そんな不景気と機械化による需要減少時代を生き抜くために必要なのが、AIに真似できない「税務コンサルティングスキル」です。

具体的にはクライアントから悩みを聞き出す対話能力や、魅力的な業務提案を行うことができる創造性を今のうちから磨いておく必要があります。

将来的に活躍できる税理士とは?

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AIが登場しても税理士がなくなるということはなく、今後の活躍の場も広がることが期待できます。

しかし税理士は資格を取ったからといって安泰ではなく、税理士として生き残るための努力をする必要があります。

AIに代替されないような税理士として活躍するために、どのようなことを意識するのが良いでしょうか?

AIと共存する

AIの登場によって「税理士の仕事が脅かされるのでは?」と不安があるかも知れませんが、考え方によってはAIと共に仕事をすることで、税理士としての仕事がしやすくもなります。

税理士には確定申告の時期などの繁忙期があります。仕訳作業やデータ処理等の事務作業をAIが担うことで、税理士は税務署とのやり取りや税務相談といった専門業務に専念できます。

たとえば人工知能にできることはAIに任せて、税理士は仕上がったデータや数字から物事を読み取って顧客にコンサルティングを行えば、AIと税理士がそれぞれの強みを発揮することができます。

コミュニケーション力がある

税理士というと、一日中机に向かって仕事をしたり、難関の国家資格ということもあり敷居を高く感じるかも知れませんが、あくまでもイメージに過ぎません。

実際は、顧問先を回って企業の担当者や社長などと接することも多く、税務の専門家として相談に乗ったりアドバイスをする機会があるので、さまざまな人の立場で物事を考えて行動することが大切です。

ロボットはパターン処理は得意でも、新しいことを考えて展開したり深い会話をすることは苦手です。良い仕事をするには人と人との信頼関係が大前提です。

「この人に相談したい」と思えるような税理士になれるように、日頃からコミュニケーションスキルを意識しておくとよいでしょう。

AIが進化しても税理士の未来は明るい?

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結論としては税理士には将来性があります。しかし時代の流れやAIの進歩とともに、税理士が果たす役割は変わりつつあります。

今後の税理士に求められること

私たち国民にとって日本の税金のシステムは複雑であり、税務の専門家である税理士は頼れる存在です。 税金といっても、法人税、相続税、国際税務など、取り扱う分野もさまざまです。

得意とする専門分野を身に付けることで、お客様から相談があったときにも良質なサービスを提供できます。税理士だけでは扱えない範囲をカバーするためには他の士業と連携することも大事です。

税理士はやりがいのある仕事です。AIには取って替わることのできない仕事がありますコミュニケーションを大切に、業務を工夫して勉強し続ける姿勢が大切だといえるでしょう。

AI登場と税理士の将来性まとめ

AI登場と税理士の将来性まとめ

  • エストニアでは税務申告のオンライン化が進んだものの、税理士は存在している。
  • AIに取られやすい業務は税務書類作成である。
  • 税務相談の業務はAIに代替されにくく、生き残るためにはコンサルティング業務に力を入れることが大切である。
  • 税理士の仕事はなくなることはなく将来性があるといえる。

ここまで、AI登場によって税理士の仕事が本当になくなるのか、税理士の将来性や今後を考察しました。

技術の進歩によってAIに代替えされやすい業務があることも事実ですが、エストニアの例からもわかるように税理士の仕事がなくなることはありません。

現在では税理士が活躍できるチャンスはむしろ広がっています。興味のある人は、ぜひ税理士を目指していただければと思います。

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