司法書士口述試験の合格率が100%って本当?試験概要から本番の流れまで解説!
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「司法書士試験の試験内容ってどんなもの?」
「口述試験って簡単なの?」
司法書士試験を受ける際、試験内容についてこのような疑問を抱いた人も多いでしょう。
司法書士試験は筆記試験と口述試験の2つに分かれています。
司法書士の資格を取得するためには、どちらも必ず合格しなければいけません。この記事では司法書士試験の口述試験について解説しています。
口述試験の流れや試験会場、試験の際に用意するべきものなど、口述試験を受けるために必要な情報についてもまとめました。
筆記試験よりも難易度が低いと言われる口述試験ですが、やはり事前準備は必要なのでこの記事を参考にぜひ対策してみてください。
司法書士試験の口述試験をざっくり説明すると
- 筆記試験の合格者のみが受験可能な試験
- 面接試験形式で行われる
- 試験を受けられるのは全国で8か所のみ
- 難易度は筆記試験よりも低く合格しやすい
司法書士試験の口述試験とは?
司法書士の口述試験は筆記試験と異なり口頭で回答する試験です。
これは筆記試験を合格した人のみ受けることが可能で、筆記試験が不合格だった場合は受けることができません。
筆記試験の合格発表は9月末ごろですので、口述試験の日程は筆記試験の合格発表後2週間ほどです。
合格発表の翌日から4日後ほどで筆記試験の合格通知と共に、口述試験の受験票が送られてきます。 筆記試験の結果を確認して合格であれば早めに試験の準備を始めましょう。
口述試験は面接形式で、毎年10月中旬の平日に行われます。
令和5年度(2023年)の口述試験の日程は10月23日(月)、最終合格者の発表は11月10日(金)午後4時となっています。
試験は部屋に案内された後に受験者1人に対して面接官2人がつき、それぞれ受験者に質問します。受験者は与えられた質問に対し、口頭で適切な答えを回答していきます。
試験時間は15分です。口述試験の試験範囲は「筆記試験と同一内容」とされていることが多いですが、基本的には司法書士法・不動産登記法・商業登記法の3科目の中から出題されます。
よって、筆記試験合格後はこの3科目に的を絞って回答の準備を進めていくことになります。
口述試験の流れ
ここでは口述試験の試験会場や、試験の流れについて解説します。
口述試験がどのように行われるのか、流れをあらかじめ理解しておくと本番でも慌てることが少なくなりますので参考にして下さい。
試験会場について
口述試験の会場は筆記試験と異なり会場数が限定されています。
試験会場は高等裁判所がある都道府県の法務局ですので、全国で8カ所しかありません。
筆記試験受験会場 | 口述試験の会場 |
---|---|
札幌 | 札幌 |
仙台 | 仙台 |
東京、横浜、さいたま、千葉、静岡 | 東京 |
名古屋 | 名古屋 |
大阪、京都、神戸 | 大阪 |
広島 | 広島 |
高松 | 高松 |
福岡、那覇 | 福岡 |
そのため受験者は指定された会場へ行って試験を受けることになりますが、住所によっては試験会場までの移動に時間がかかることもあります。
自宅から試験会場までの距離がかなり離れている場合は、当日では間に合わないため前日から会場となる都道府県に入って宿泊する可能性が高くなるでしょう。
口述試験の会場は受験票に記載されていますので、受験票が届いたら早めに試験会場を確認するのがおすすめです。
試験時間について
口述試験の試験時間は、合格者あてに送られる受験票に記載されています。
試験時間は午前の部と午後の部に分かれ、受験者は指定された時間までに会場に行って試験を受けなければいけません。
午前と午後の2つに分けて試験が行われるため、公平を期すために試験内容はそれぞれ異なったものが出題されます。
また、注意事項の説明のために試験時間の30分前には着席する必要があります。
遅刻はいかなる理由であれ認められないので、当日は余裕をもって会場に向かうようにしましょう。
試験開始について
口述試験の受験会場に行くと、試験の順番を決定するためにくじを引きます。 東京都など試験会場が大きい場合は、当然受験人数も多くなります。
そのため引いたくじの番号によっては、試験を受けるまでに時間がかかる可能性も考慮しましょう。
自分の番号が呼ばれたら、係の人が試験を実施する部屋へと案内してくれます。ドアをノックし、中に入るように言われたら速やかに入室して下さい。
入室後は挨拶を行い、面接官が指定の場所に座るように指示するまでは着席してはいけません。着席の指示が出たら座って試験開始となります。
自分が引いた番号が呼ばれるまでは、番号順で振り分けられた教室で待機することがほとんどです。
待機している間は、参考書などに目を通しても構いません。実際の待ち時間では、ほとんどの受験生が予備校の口述模試で渡される口述試験対策レジュメや参考書を読むなどして最終準備を進めていきます。
口述試験の疑問点
「口述試験を受ける時はどのような準備をしたらいいのかわからない」と悩んでしまう人も多いのではないでしょうか?
ここでは、口述試験を受験する時の持ち物や試験対策、万が一不合格だった場合などのよくある疑問についてまとめました。
口述試験は筆記試験よりもはるかに難易度が低く、ほぼ100%合格する試験だと言われていますが、試験対策などを怠ると不合格になる可能性もゼロではありません。
どのような準備や試験対策をしておくべきかチェックしておきましょう。
持ち物は何を持っていくべき?
口述試験を受ける時に必要なものは受験票と筆記用具です。特に受験票は試験会場や開始時間などが記載されていますので、忘れないようにしましょう。
筆記用具は黒のボールペン、または万年筆以外は使用することができません。こちらも事前に準備しておいて下さい。
口述試験は面接形式で行われますので、人によっては強い緊張を感じる可能性があります。
緊張しやすい人は、少しでも緩和できるように、水などの飲料水や飴など軽く口にできるものを持っていくのもいいでしょう。
飲料水は携帯しやすいようにペットボトルに入ったものを選ぶと便利です。コーヒーやお茶は利尿作用があり、余計に緊張が増す可能性もあります。
そのため試験前はなるべくこれらは控え、ミネラルウォーターにするのがおすすめです。考書などは持ち込んでも問題ありませんが、携帯電話やアラーム機器などは持ち込み禁止です。
これらの機器が作動すると周囲の迷惑になるだけでなく、試験に悪影響を及ぼしかねません。試験会場に入る前には、必ずこれらの電源を切りカバンの中に入れて保管しておきましょう。
口述試験にはどんな服装で行くべき?
口述試験における服装に関して、特別なルールは定められていませんが、多くの受験者がスーツを選んでいます。そのため、形式に則ってスーツの着用が推奨されます。
合否を左右するほどの要素ではないものの、司法書士としての専門的な立場を反映し、試験官に対して良い印象を与えるために、ビジネスライクな装いが求められることが一般的です。この試験はあなたの専門的な資質を評価するものであり、そのためには、実際の業務で着用することの多いスーツを着て、真剣かつ尊厳のある態度を示すことが望ましいでしょう。
口述試験の合格率は100%?
口述試験は司法書士としての実務知識があるかの確認するための試験ですので、試験内容は筆記試験に比べると難易度は低くなります。
出題される内容も毎年似ているため、対策を行いやすいと言われ、口述試験の合格率は100%に近いと言えるでしょう。
万が一のことがない限り受かる可能性は高いと言われる試験ですが、不合格になることもありますので試験の準備は怠らないようにしておくのがベストです。
試験対策として一番重要なのは、口頭の説明に慣れておくことです。
口述試験は筆記試験に合格した人しか受けられませんので、出題される問題について知識面の心配はあまりないでしょう。
しかし机上で考えながら回答していく筆記試験と異なり、与えられた質問に対し即座に口頭で回答することは、初めてだと意外と難しいものです。
試験時間は15分と限られていますので、試験の回答は論理的なだけでなく簡潔であることも求められます。
口述試験は筆記試験よりも厳格ではないため、受験者が質問に窮した場合は試験官が助け船を出してくれることもあると言われています。
しかし、口述に慣れていないとパニックになり、そのようなチャンスを逃してしまう可能性もあるでしょう。
口述に慣れておくと焦ることなく試験に臨めますので、あらかじめ口述試験の模擬試験などを行っておくことをおすすめします。
もし受からなかったらどうすれば良い?
口述試験の合格発表は毎年11月上旬です。万が一口述試験に落ちてしまった場合は、その年に口述試験を再度受験することはできません。
もし不合格だった場合は来年まで受験を待つ必要があります。しかし口述試験に落ちても翌年筆記試験からやり直す必要もないです。
次回の筆記試験は免除可能ですので口述試験に専念して受けることができます。ただし、筆記試験の免除は必ず申請をしなければいけませんので、申請手続きを忘れないようにして下さい。
司法書士試験の合格発表は、受験地管轄の法務局や地方法務局で行われます。公式ホームページや官報からも確認することができますので、合格発表日にはきちんとチェックするようにしましょう。
合格した場合は司法書士試験合格者証が交付され、11月下旬までに合格証書の交付式が行われます。
司法書士試験の口述試験は難しくない!
司法書士試験の口述試験まとめ
- 試験時間は15分の面接形式
- 出題範囲が限定的で対策しやすい試験
- ほぼ受かるが、試験対策は入念に
- 質問に即座に論理的に答えることが合格へのカギ
司法書士試験の口述試験は、筆記試験に受かった人であれば合格する可能性がとても高い試験です。
しかし対策なしで試験に臨むのは難しいので、頻出範囲を中心に勉強を継続することが大切です。 もし不合格だったとしても、次の試験で再度受けることは可能です。
司法書士試験は合格率が低く難関の資格試験です。司法書士は仕事を開始してからも常に勉強が必要な職業なので、常に学習は怠らないことがおすすめです。
ぜひ準備を万全にして口述試験に臨みましょう。