土地家屋調査士の口述試験とは?試験概要からおすすめ対策法まで解説!
「土地家屋調査士の口述試験って何?」
「土地家屋調査士の口述試験が不安なので、概要や注意点が知りたい」
こんな疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
口述試験とはいわゆる面接試験のようなものです。筆記試験とは様式が異なるため、試験そのものに不安を感じている人もいるかもしれません。
そこで、この記事では土地家屋調査士の口述試験における概要や注意点について解説します。具体的な対策法についても紹介しますので、参考にしてください。
土地家屋調査士の口述試験についてざっくり説明すると
- 口述試験は試験官2人に対して受験生1人で行なわれる
- 口述試験で不合格になった人はいないと言われている
- 対策法を知っておくことで合格しやすくなる
土地家屋調査士の口述試験概要
土地家屋調査士の試験には筆記試験と口述試験の2種類があります。多くの人たちが苦手としているのが、口述試験です。まずは、具体的な試験内概要について解説します。
試験の内容
土地家屋調査士の口述試験は、試験官2人に対して受験生1人という形式で行なわれます。一人だけで口述試験に臨むことになるため、状況に緊張してしまい、苦手だと感じる人が多いようです。
また、面接の順番は当日に現場でくじ引きにて決定します。いきなり一番最初を引き当ててしまうということもあるため、どの順番で回ってきても極度に緊張しないように、万全の準備をしておくことが大切です。
試験時間は約15分、合計15問ほどの質問を試験官が行ない、受験生は口頭で答えることになります。口述試験では資料などの持ち込みができません。しっかり暗記しておく必要があります。
なお、口述試験は筆記試験に合格した人だけが受験できます。土地家屋調査士の最初の難関は筆記試験だということです。
試験の日程
土地家屋調査士の口述試験は、例年1月中旬に行なわれます。筆記試験は10月に行なわれますが、合格発表は1月上旬です。その後、口述試験が実施されます。
合格発表から2週間程度しかないため、筆記試験の発表を待って口述試験の準備をしていたのでは間に合いません。筆記試験が終了したと同時に、口述試験の対策を始めた方が良いでしょう。
このように、筆記試験と口述試験の間に時間がほとんどないため、両方の試験に対する戦略的な準備と計画が成功の鍵となります。
口述試験の実際の合格率
土地家屋調査士の口述試験のみの合格率は発表されていません。具体的な数字が発表されていないため、不安に感じる人もいるかもしれません。
口述試験については、欠席や沈黙をしない限りは不合格にならない、と言われています。よほどのことがない限り、口述試験で不合格にならないとも受け取ることができます。
しかし、土地家屋調査士の試験そのものは、難関資格試験に分類されています。そのような難しい筆記試験を合格した人だけが口述試験を受験します。実力のある人が対策をとって合格をしていると考えることもできるのです。
口述試験は簡単なように感じられる意見も見受けられます。ですが、油断は禁物です。しっかり対策を行なって、口述試験に臨みましょう。
口述試験の注意事項
口述試験は、管区法務局が指定した試験会場で行われます。具体的な試験会場は口述試験受験表に記載されており、それ以外の場所での受験はできません。また、試験時間についても変更は不可です。
試験会場に持ち込みが可能なのは、口述試験受験表と筆記用具のみです。試験の待合室では、対策集などを読むことができるようになっています。ただし、試験会場では資料の持ち込みは不可です。
服装については特に決まりはありません。極端な話、カジュアルな服装をしても良いということです。しかし、口述試験は第一印象も重要です。スーツで口述試験を受験するのが一般的です。
土地家屋調査士の口述試験の対策法
ここまでは土地家屋調査士の口述試験の概要や内容について解説してきました。
ここからは合格するための具体的な対策法について紹介します。
これまでの学習で得た知識を復習
口述試験で出題されるのは、筆記試験対策として学習してきた知識がほとんどです。学んだ知識がしっかり身についているかどうかを、口述試験でチェックしています。
口述試験では、資料を参考にすることはできません。また、筆記とは異なる様式のため、緊張してしまって答えが出てこないという可能性もあります。
そこで、何度も紙に書いて暗唱しましょう。声に出したり、文章を目で追うだけでは不充分です。紙に書き出すことでアウトプットとインプットが同時に行なえるので、知識がより定着します。
特に調査士法1条や2条など条文は、口述試験では頻出度が高い分野です。このあたりは何も見なくてもスラスラ言えるようにしっかり暗記してください。
このように暗記と実践的な練習を重ねることで、口述試験においても冷静に自分の知識を表現する能力を高めることができ、試験の成功につなげることが可能です。
問題集や資格学校各社のセミナーを活用しよう
口述試験は、試験官と対面して口頭で受験する試験です。単独の筆記試験とは様式が大きく異なるため、面接のリハーサルを行なうことが重要です。
ただ、自分で面接のリハーサルを行なうのが難しいと感じる人もいるでしょう。その場合は、口述試験対策セミナーを活用しましょう。
会社・学校名 | 講座名 | 受講料(税込) | 受講条件 |
---|---|---|---|
LEC | 土地家屋調査士口述模試 | 無料 | 事前予約制 |
LEC | 筆記試験合格者対象 口述試験ガイダンス | 無料 | 筆記試験合格者 |
東京法経学院 | 土地家屋調査士 口述模試 | 無料 | 受講生の中から筆記試験合格者 |
アガルートアカデミー | 電話による口述模試 | 無料 | 対象講座の受講生限定 |
早稲田法科専門学院 | 口述試験対策資料 | 一般:1,620円、受講生:無料 | - |
上記は資格学校各社で開催されている口述試験対策セミナーです。講座を受講しなくても対策セミナーのみ受講できるところもあります。これらも活用して対策を行なうことをおすすめします。
実際に声に出すことが大切
セミナーなどを活用せず、独学で口述試験対策を行なう場合は、声に出すことを意識してください。実際に行なってみるとわかりますが、頭の中で理解できていることを言葉で表現するのは、かなり難しいのです。
ボイスレコーダーやスマートフォンの録音機能などを活用しましょう。頭の中で整理して文章を組み立て、声に出して説明する練習を繰り返し行なってください。
また、録音することで自分が声に出して解説した内容を客観的に分析することも可能です。時間をおいて改めて聞いてみると、更に客観的な分析が可能になるのでおすすめです。
録音した内容を聞きながら、自分の表現のクリアさや語彙の選び方、話し方の改善点を見つけることができるとともに、次回の練習に活かすことで、段々と自信を持って口述を行う能力が向上します。
試験本番に注意すること
口述試験は、試験本番でも気を抜くことはできません。そこで、試験本番に焦点を当てて特に注意することを紹介します。
本番の切り抜け方
本番では、問われたことにピンポイントで答えるようにしてください。余計なことを答えるのはあまり良くありません。仮に答えが不足している場合は、試験官が追加で質問します。それから答えれば問題ありません。
本番で一番ありがちなパターンが、答えに詰まってしまうことです。緊張しすぎて、質問が聞き取れないということも起こるでしょう。その場合は、素直に聞き返してください。試験官が助け舟を出してくれることがあります。
口述試験で頻出されるキーワードはしっかり押さえておくことも重要です。「取引上の安全や問題」「調査士制度の職務」などのキーワードを用意しておくと、答えに詰まった場合でも、何とか絞り出すことが可能です。
不合格回避のために必要なこと
不合格を回避するためには、沈黙と欠席をしないことです。欠席をしないのは当然ですが、沈黙も不合格の原因になる可能性があります。わからなければ「わかりません」や「もう一度お願いします」などのように伝えましょう。
また、調査士法2条の条文には「常に品位を保持」と書かれています。品位のある受け答えが求められているので、尊敬語・丁寧語・謙譲語などを使って話すように心掛けましょう。
土地家屋調査士の口述試験についてまとめ
土地家屋調査士の口述試験についてまとめ
- 試験は例年1月中旬に行なわれるが、筆記試験合格発表後2週間しかない
- 対策として面接のリハーサルを行なうことが重要
- 不合格を回避するためには、欠席と沈黙を絶対に避ける
土地家屋調査士の口述試験について解説してきました。具体的な合格率は発表されていませんが、よほどのことがない限り不合格になることはないと言われています。
しかし、しっかり対策をしておかないと足元をすくわれることになりかねません。自分で面接のリハーサルを何度も行うなど、徹底した対策をして口述試験に臨んでください。