土地家屋調査士試験は独学で合格できる?勉強時間やおすすめテキストも紹介

土地家屋調査士試験は独学でも合格できるの?

勉強時間はどのくらい?おすすめのテキストは?

などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。

結論から言うと、土地家屋調査士試験に独学で合格することは可能です。しかし、合格率8%程度の難関試験のため、その道のりは険しいと言えるしょう。

今回は土地家屋調査士試験の独学について、勉強時間やおすすめテキストなどを紹介します。

これを読めば、土地家屋調査士を目指すあなたにぴったりの勉強方法が見つかるはずです。

土地家屋調査士試験の独学についてざっくり説明すると

  • 合格には1,200〜1,800時間程度の勉強が必要
  • 関連資格の有資格者や業務経験がある場合は独学でも対策可能
  • 試験難易度の高さや市販テキストの少なさを鑑みると、独学は避けた方が無難

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土地家屋調査士試験は独学合格できる?

土地家屋調査士の独学表

そもそも土地家屋調査士試験に独学で合格する人はいるのでしょうか。試験に受験資格はないため、独学で挑戦すること自体は可能です。

またネット上には独学で合格した人のブログ記事などが散見されることから、独学で合格する人も例年一定数いると推測できます。

ただし土地家屋調査士試験は合格率8〜10%の難関試験のため、通信講座や予備校を利用して合格を目指すのが一般的です。

通信講座や予備校なら試験対策に特化した内容を短期間で学べるため、独学で時間をかけて勉強するよりも効率的と言えるでしょう。

よって土地家屋調査士試験は、独学でも合格可能な試験ではあるが、通信講座や予備校を利用する方が良いと結論付けられます。

土地家屋調査士の試験内容を確認

土地家屋調査士試験では、筆記試験と口述試験が行われます。筆記試験の試験科目および試験時間は以下の通りです。

午前・午後 試験科目 試験時間
午前の部 平面測量10問・作図1問 2時間
午後の部 択一式20問・書式2問 2時間30分

一方口述試験では、1人15分程度の面接が行われます。

午後の部および口述試験の出題範囲は以下の通りです。

  • 民法に関する知識
  • 登記の申請手続(登記申請書の作成に関するものを含む。)及び審査請求の手続に関する知識
  • その他、土地家屋調査士法第3条第1項第1号から第6号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力

土地家屋調査士の合格率は8~10%

土地家屋調査士試験は、国家資格の中でも有数の難関試験です。合格率は例年8〜10%を推移しています。

口述試験では大半が合格するため、合格率が低い原因は筆記試験にあると言えるでしょう。筆記試験の難点としては以下のようなものが挙げられます。

  • 計算や作図問題が出題される
  • 足切り制度が存在
  • 試験時間に対して問題量が多い

土地家屋調査士試験の合格率や試験内容について以下の記事で詳しくまとめています。ぜひご覧ください。

独学合格には長い勉強時間が必要

初学者が土地家屋調査士試験に合格するには、1,200〜1,800時間の勉強が必要と言われています。

これは1日3時間程度、週に20時間程度勉強したとしても、1年半程度かかる計算です。多忙な社会人なら毎日3時間も勉強するのは難しいため、それ以上の時間がかかるのは必至と言えるでしょう。

独学でそれだけの長期間勉強し続けるのは困難です。よって土地家屋調査士を目指すなら、やはり通信講座や予備校を利用するのが良いでしょう

土地家屋調査士の勉強時間のリアルな声を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

特に法規の出題範囲が広い

土地家屋調査士試験では、特に法規に関する問題が幅広く出題されます。

法規には不動産登記法に加え、不動産登記令や不動産登記規則、不動産登記事務取扱手続準則などの関連法規も含まれます。

さらには過去の事例である「先例」に関する出題もなされるため、出題範囲は実に膨大です。

簡単に暗記できるならまだ良いものの、不動産登記には独特の言葉や概念が登場するため、理解するだけでも苦労が伴います。

通信講座や予備校の講義を聞いて何とか理解できるという人も多いため、独学での合格の道は険しいと言えるでしょう。

独学で勉強することにもメリットはある

こちらを見る女性

ここまで大変さばかりを述べてきた独学での対策ですが、独学で勉強することにはいくつかのメリットも存在します。

費用を抑えられる

独学の最大のメリットは、受験コストを抑えられるということです。

通信講座なら20〜30万円、予備校なら30〜50万円程度の費用が年間で必要になりますが、独学ならそれらの費用は必要ありません。

参考書は1冊数千円程度なので、たくさん買い込んだとしても2〜3万円程度の済むことがほとんどでしょう。

しかし、市販の参考書は通信講座や予備校の講義に比べると具体性に欠けるため、電卓の使い方や作図方法などがわかりにくい場合があります。

よって参考書を読んでも問題の解き方が分からないという事態も想定されるため、費用が安い分大変なことも多いと言えるでしょう。

好きな時間・場所で勉強できる

予備校に通う場合は、どうしても時間と場所の制約を受けます。

場合によっては授業に合わせてスケジュールを変更したり、自宅から遠い教室までわざわざ通わなければならないこともあるでしょう。そのため、多忙な社会人には不向きな選択とも言えます。

一方で独学なら自分のペースで学習を進めることが可能です。早朝や深夜に学習したり、自宅や近所のカフェを利用するなど、時間や場所は自分の好きなように決められます。

ただし、それは通信講座にも言えることであり、独学ならではのメリットではありません。時間や場所の自由さが欲しいだけなら、通信講座を選んだ方が良いでしょう。

得意不得意に合わせて勉強できる

独学には、自分の得意・不得意に合わせて勉強量を変えられるというメリットがあります。

土地家屋調査士試験では、法律や計算、作図など幅広い範囲から出題がなされるため、予備校なら他の受験者と一緒にそれらを一通り学びます。

しかし、例えば法学部で不動産登記を研究していたという人なら、初学者に混じって一から法律を学ぶ必要はないでしょう。

そのような人は法律の勉強はそこそこにして、計算や作図などの対策に時間をかけるべきです。このように勉強量を自由に調整したいという場合なら、独学での勉強もおすすめできます。

達成感や自信を得られる

予備校や通信講座では、試験対策のプロの下で効率的な勉強を行うため、ある意味合格できて当然です。

そのため、合格した場合は達成感ももちろんあるでしょうが、安堵感の方がむしろ強いとも考えられます。

一方独学で一から勉強方法を考え、数年がかりで勉強を続けてきた人が、合格を勝ち取った喜びは一入でしょう。自分自身の行動力に大きな自信も得られるため、そのような成功体験がしてみたいという方にはおすすめです。

土地家屋調査士の独学が無理と言われる理由

顔を隠す人

独学で土地家屋調査士を目指すことには、費用が抑えられることをはじめ、いくつかのメリットがあります。

しかし、以下のようなデメリットがあることも事実です。

また、明らかにメリットよりもデメリットの方が大きいので、土地家屋調査士の独学は無理だと言われることも少なくありません。

ここでは土地家屋調査士の独学をおすすめしない理由を解説します。

モチベーションが維持できない

土地家屋調査士試験には1,200時間以上の勉強が必要と言われているため、少なくとも1年以上は勉強を続けなければいけません。

働きながら取得を目指す場合なら満足に勉強時間を確保できないこともあるため、2、3年がかりの挑戦になることもあるでしょう。

それだけの長期間たった一人で勉強を継続するのは困難です。ついサボりがちになって自然とフェードアウトしてしまったり、理解に行き詰まり挫折してしまうという危険もあります。

数学問題の理解が難しい

数学の問題を解くには、公式などの原理的な理解に加え、それぞれの問題への応用力も必要です。

数学が特別得意という場合は別ですが、そうでないならプロの講師から解き方のテクニックを習った方が、はるかに勉強が捗るでしょう。

市販のテキストでは、そうしたテクニックが網羅的に収録されているわけでは必ずしもないため、独学では一つ一つの問題に時間がかかってしまいます

客観的な採点ができない

択一問題はまだしも、書式問題を自分で採点するのは困難です。自己採点では正解でも、客観的な採点の下では間違っているということも考えられます。

そのため、誤解に気が付かないまま試験を迎えてしまうこともあるでしょう。

また書式問題が自分で解ける場合はまだ良いですが、書き方が分からないという場合は独学では対策しようがありません。

参考書や問題集が少ない

土地家屋調査士は比較的マイナーな国家試験です。人気の国家資格ならどこを探しても潤沢に教材が見つかりますが、マイナー資格の場合はそうはいきません。

大きい書店やオンラインショップで探す必要があるのですが、それでもなかなか苦しみます。

また説明が難解で分かりにくいものも多いため、良いテキストを見つけるのは大変です。ひと昔前に発行されたものなら直近の法改正が反映されていないため、試験勉強の際に不都合も生じます。

独学時の教材の少なさは多くの受験生が直面する問題で、教材が見つからないから予備校や通信講座の利用を決めたという方も多いです。

書式問題の対策が難しい

先述した通り、書式問題は自己採点が困難です。答えが一つに決まる客観問題ではないため、プロの講師に採点してもらうのが良いでしょう。

また計算や作図を攻略するには一定の技術が必要であり、それらを独学で身に付けるのは大変です。

よって通信講座や予備校でそれらの対策を行う方が、圧倒的に効率が良いと言えるでしょう。

質問や相談ができない

独学の大きなデメリットは、疑問や悩みを解消するのが難しいということです。

昨今はオンラインのコミュニティなどもあるため、そこで質問や相談をすることは可能ですが、匿名の場合は信用できる情報かどうかは分かりません。

疑問や悩みがいつまでも解消されないと、試験勉強に対する不安が募っていくため、モチベーションの維持が難しくなります

その点、質問や相談のサポート体制が整っている通信講座や予備校であれば、不安を即解消して快適な勉強が可能です。

土地家屋調査士の独学に向いている方

夕陽と少年

土地家屋調査士の勉強法としては、基本的には通信講座や予備校の利用をおすすめしますが、以下のような人は独学に向いていると言えるでしょう。

関連する資格の勉強をした方

法律系の資格を取得している場合は、既存の知識を土地家屋調査士にも応用できるため、独学での対策に向いています。

例えば司法書士の場合、不動産登記や民法に関する知識はすでに有しているため、法令の勉強が比較的楽に進められるでしょう。

また行政書士でも民法を扱うため、択一式では有利です。

さらに法律系資格ではありませんが、マンション管理士でも区分所有法を学ぶため、区分建物の勉強が捗るでしょう。

数学に苦手意識がない方

書式問題では、放射計算や交点計算、面積計算など様々な計算問題が出題されるため、数学が苦手な方は対策に苦労するでしょう。

近年の計算問題は若干易しめと言えますが、それでも一定の数学的知識とセンスは必要です。そのため、独学で勉強を進めるには、少なくとも数学が苦手でないことが条件になります。

数学の対策に自信がないという場合は、通信講座や予備校を利用した方が無難です。

業務に携わった経験がある方

土地家屋調査士事務所での勤務経験があり、登記や測量に携わったことがあるという方なら、独学でも対策は可能でしょう。

実務上よく用いる用語や概念には慣れていると考えられるので、試験対策には有利です。

ただし、現場と試験では異なることも多いため、知っている内容でもきちんと学び直すのが良いでしょう。事務所の関係者に質問や相談をするのもおすすめです。

根本的に勉強ができる方

同じ初学者でも、知識の習得スピードや問題解決能力には個人差があります。

一般的には1,200時間程度の勉強が必要と言われる土地家屋調査士試験でも、勉強が得意な人なら短期間で合格できることもあるでしょう。

また他の難関資格や大学受験などを独学で突破してきた方なら、一人でも効率的に勉強するノウハウを持っているはずです。そのような方は、土地家屋調査士試験にも同じ要領で合格できる可能性があります。

とは言え、そのようにずば抜けて勉強ができる方はごくわずかです。基本的には独学での挑戦はおすすめしません。

おすすめの土地家屋調査士のテキスト

積み上がった本

土地家屋調査士試験の対策テキスト選びには以下の内容を参考にしてください。

まずは「土地家屋調査士六法」

土地家屋調査士試験に挑戦するなら、「土地家屋調査士六法」は入手しておきましょう。

こちらは東京法経学院から6,160円で出版されています。こちらは最新の法改正に対応しているため、旧バージョンを持っている場合でもぜひ手に取って変更内容を確認するべきです。

見やすさや読みやすさに定評があるため、テキスト感覚で法令を読むことができます。

過去問は日建学院のシリーズ

過去問演習を行う際は、日建学院のシリーズを用いるのが良いでしょう。「択一式過去問」「記述式過去問」「令和元年度本試験問題と解説&口述試験対策集」の3種類が出版されています。

択一式と記述式のテキストは、それぞれ8年分の過去問を収録した充実の内容です。また記述式の過去問には小問ごとに詳細な解説がついているため、独学でも記述式の解法を学ぶことができます。

テキストを選ぶ際の注意点

テキストを選ぶ際には以下の2点に注意しましょう。

最新情報が反映されている

土地家屋調査士試験では、出題範囲の法令が改正されることがあるので注意しましょう。

テキストや問題集は最新版を買うのがおすすめです。ちなみに上記で紹介した日建学院シリーズでも令和2年度版の問題集が発売されています。

解説を読んで理解できる

土地家屋調査士試験では、暗記だけで対策できる問題はわずかです。そのため、十分に内容を理解していなければ合格することはできません。

よって、テキストや問題集は解説が充実しているものを選ぶのが良いでしょう。特に計算や作図問題は解法を理解するのが難しいので、解答プロセスまで詳細に書かれたものを選ぶべきです。

土地家屋調査士を独学する人におすすめのテキストについては、以下の記事でより詳しく紹介しています。

独学で勉強する上でのポイント

腕を組む少年

独学での勉強法を解説する前に試験の基本情報をおさらいしておくと、土地家屋調査士試験では筆記試験と口述試験が実施されます。

筆記試験には午前の部と午後の部があり、毎年10月に行われるのが通例です。筆記試験に合格すれば翌年1月に実施される口述試験の受験資格が与えられます。

そして口述試験にも合格すれば、土地家屋調査士の資格を取得できます。

午前の部は免除を受ける

午前の部に関しては受験者の9割以上が免除を受けるため、毎年受験するのは数十人程度です。

午前の部の問題は難しく、午前・午後の両方を1日で受験するのは大変なので、免除を受けて午後の部に集中するのが得策だと言えます。

ちなみに午前の部の免除は、以下のいずれかを取得している場合に適応されます。

  • 測量士
  • 測量士補
  • 一級建築士
  • 二級建築士

上記では測量士補が最も取得しやすい資格のため、測量士補を取得して午前の部をパスする人が多いです。

測量士補試験の合格率は35%程度で、特別簡単な試験とは言えませんが、土地家屋調査士に比べると取得しやすい資格と言えるでしょう。

午後の部の足きりに注意

午後の部は、択一式50点・書式50点という配点です。択一式が各2.5点×20問、書式が土地1問・建物1問という出題構成になります。

それぞれの方式で基準点(例年30〜35点)が設定され、全体でも合格点(例年70〜75点)が設けられます。

つまり午後の部に合格するには、各方式のボーダーラインを突破し、かつ全体の合格基準を満たさなければなりません。

そのため、両者でバランスよく得点する必要があります。択一式での正答率を上げ、ミスがあるごとに減点される書式ではミスを減らすことが重要です。

隙間時間を利用する

独学で試験対策には時間がかかります。そのため、少しでも早く合格するには、スキマ時間を有効利用するのが良いでしょう。

テキストやそのコピーなどを持ち歩き、通勤時間や昼休みを利用して学習するのがおすすめです。

またスマホアプリを利用するのも良いでしょう。例えば「土地家屋調査士 過去問」というアプリでは、平成23年度以降の過去問を全て解くことができます。

スキマ時間を利用して過去問演習を行うと良いでしょう。

自分の今の実力を知る

「計測できるものは改善できる」という言葉があるように、得点能力をアップさせるには現時点の能力を逐一確認することが重要です。

そのため、例えば択一式の問題では、正答率を毎回計算すると良いでしょう。演習を繰り返し、全ての科目で8割以上の正答率が出せるように練習するべきです。

また予備校が実施している模擬試験を受験するのも良いでしょう。受験者全体での順位なども分かるため、自分の実力を客観的・相対的に知ることができます。

過去問の活用方法

過去問演習で間違えた問題や知識が不正確な部分は、テキストに戻ってよく復習するようにしましょう。

ただ過去問を解くのではなく、過去問とテキストでの復習というセットを何度も繰り返すことで、徐々に理解度は深まります。

過去問を解く際は、間違えた問題に付箋を貼っていくと良いでしょう。クリアした問題から付箋を剥がしていけば、残った付箋で自分の苦手を可視化することができます。

またよく間違える箇所をノートにまとめるのもおすすめです。こうした工夫をしておくことで、試験直前の復習作業が捗ります。

完璧を目指さない

試験対策は頻出範囲を中心に行うのが鉄則です。そのため、例えば民法の債権など、試験にあまり登場しない範囲に関しては、力を入れて対策する必要はありません。

頻出範囲や出題傾向を知るには、過去問を繰り返し解いたり、ネットで情報収集するのが良いでしょう。

また根を詰めて勉強し過ぎると疲れてしまいモチベーションにも影響するので、適度にリフレッシュすることも大切です。休日を設けてショッピングしたり、日帰り旅行に行くのも良いでしょう。

躊躇せず基本に戻る

詳細は後述しますが、土地家屋調査士試験の内容には難しい概念や複雑な考え方などが山のように存在します。

それらの理解が不十分だと、実際の演習問題に確実に正答することは不可能です。

基本事項の理解に不安を覚えたら、本番直前であっても愚直にテキストに当たりましょう

分野ごとの勉強法

パソコンを見る女性

ここからは具体的な勉強法を分野ごとに紹介していきましょう。

民法は他資格の過去問を使う

民法では「総則」「物権」「相続」からそれぞれ1問が出題されます。よってこれら3つを重点的に対策すべきです。

ただし、土地家屋調査士試験で民法が出題されるようになったのは平成16年度以降なので、過去問の蓄積がそれほど多くありません。

そのため、行政書士など他の資格の過去問も使って演習量を増やすのが良いでしょう。

不動産登記法は出題数が多い

不動産登記法は土地家屋調査士試験の重要科目です。近年の傾向では、択一式20問中16問は不動産登記法関連の出題であり、合格にはこの科目の攻略が欠かせません。

まずは用語の理解および暗記から始めましょう。暗記する際は似たような用語に注意する必要があります。

例えば「表題登記」と「表題部の登記」や「敷地権」と「敷地利用権」などの用語が不動産登記法には存在しますが、これらは名前こそ似ているものの内容は別物です。

これらの用語を、意味を含めてきちんと理解していなければ、条文や問題の内容を理解することはできません

不動産登記法に関しては過去問は潤沢に存在するため、演習量をこなして重要箇所を押さえましょう。

土地家屋調査士法は過去問を押さえる

土地家屋調査士法に関しては、択一式で1問しか出題されません。出題範囲も狭いため、過去問をきちんとこなしておけば十分対応できます。

時々細かい知識が出題されることもありますが、出題数が少ないのであまり気にする必要はないでしょう。

土地家屋調査士法を完璧にするよりは、出題数の多い不動産登記法により多くの時間を使うべきです。

書式の「土地」は計算がマスト

書式問題は「計算」「申請書」「作図」で構成されていますが、土地の問題では特に「計算」が重要です。

中でも座標値の計算は必ず出題されますが、それを間違えるとその後の計算が全て狂ってしまいます

また「点の移動」「放射計算」「交点計算」「補正計算」に関しては、電卓の使い方も含めて解法をマスターしておきましょう。

申請書はパターンが限られているため、比較的対策がしやすい科目です。「分筆」は頻出なので重点的に対策しておきましょう。

作図に関しては、とにかく図面をたくさん書いて慣れることが重要です。

書式の「建物」は申請書がポイント

書式の「建物」の申請書はパターンが多いため、演習量を積んで慣れることが必要です。

まずは基本的なものからマスターし、徐々に問題の難易度を上げていきましょう。

計算では引っかけ問題が出題されるため、過去問演習の段階から問題文をよく点検する習慣をつけておくことが大切です。

また作図がスピードが求められるため、時間を測って練習するのが良いでしょう。特に区分建物は難しいため、重点的な対策が必要です。

土地家屋調査士資格を取得するメリット

スマホを見る女

難易度の高い土地家屋調査士ですが、その分取得するメリットも大きい資格です。

独占業務なので需要が安定

土地家屋調査士は「表示に関する表記」についての業務独占資格です。そのため、取得すれば安定的に仕事を得ることができます。

不動産に関わる資格なので需要が安定している点も魅力です。平均年収は600万円前後と言われており、取得すれば一般の会社員よりも高収入が期待できます。

また独立・開業に向いている点も魅力と言えるでしょう。事業に成功すれば年収1,000万円以上も夢ではありません。

出張や転勤が少ない

土地家屋調査士は各法務局の管轄エリア内で業務を行いますが、エリアは限定的なので遠方へ出張することは滅多にありません

また企業へ就職する場合でも、全国規模の大企業でない限り、異動や転勤がほとんどないという点も土地家屋調査士の特徴です。

そのため、仕事とプライベートを両立させやすい職業と言えるでしょう。

フィールドワークもある

土地家屋調査士はデスクワークに加え、測量など野外での仕事も行います。

時々フィールドワークで運動ができるため、良い気分転換になるでしょう。

また顧客をはじめ、調査する土地の隣人や土木事務所の関係者など、様々な人と関われる仕事でもあります。

外に出て多くの人と一緒に仕事を行うため、アクティブな方に向いている職業と言えるでしょう。

ダブルライセンスで有利になる

土地家屋調査士の中には、司法書士や行政書士、測量士補などとのダブルライセンスで活動する人も数多く存在します。

ダブルライセンスをすることで業務の幅が広がるため、より一層の活躍が期待できるでしょう。

例えば司法書士を取得すれば、土地家屋調査士の独占業務の他に「権利に関する登記」も可能になります。そのため、土地や建物のスペシャリストとして引く手あまたの存在になれるでしょう。

一例として、土地家屋調査士と行政書士のダブルライセンスに関する詳細は以下の記事で詳しくご覧ください。

独学と通信講座ではどっちがおすすめ?

二人の子供 土地家屋調査士は合格率が10%を切る難関資格であり、さらに参考書や問題集など、独学で勉強するための環境を整えにくい資格です。

よって、よっぽど自信がある場合を除いて、基本的には通信講座や予備校を使って対策を行うのが無難であるといえるでしょう。

合格に必要な要素を的確に押さえたカリキュラムを手に入れられたり、講師によるわかりやすい指導を受けられるので、独学の時よりもはるかにスムーズに学習が進むこと間違いなしです。

また、予備校と通信講座を比較した際には、通信講座のほうが価格が抑えられるのでおすすめです。

予備校の場合は、価格が40万円を超えるものも珍しくない一方、通信講座は30万円前後で押さえられるケースが多く、中には20万円中盤~後半程で受講できるケースも存在します。

10万円ほどの価格差はかなり大きく、指導のクオリティもさほど変わらないことから、直接指導を受けたいという人以外は、基本的に通信講座で十分であるといえるでしょう。

政府からの給付金を賢く利用

厚生労働省では、働く人々のキャリア形成を支援するため、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練の受講に補助金を出す教育訓練給付制度を設けています。

これにより受講費用の一部が助成されます。

受給には一定の条件を満たすことが必要ですが、該当される場合はぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

アガルートの通信講座が特におすすめ

土地家屋調査士の通信講座の中でも特におすすめなのは、低価格と高いクオリティを併せ持つアガルートの土地家屋調査士講座です。

多くの人が受講する土地家屋調査士の一発合格カリキュラムの価格は約35万円となっており、相場と比べると比較的お得な価格で講座を受講できるといえるでしょう。

また、講座のクオリティの証明である合格実績も非常に優れており、2022年度では全国平均の5.58倍となる53.65%の驚異の数字をたたき出しています。

よって、多くの人が難関資格を合格を狙えるスキのない講座であることが伺えます。対策を始める人はぜひアガルートの講座で勉強を始めてみてはいかがでしょうか?

アガルートの公式サイトはこちら

土地家屋調査士試験の独学まとめ

土地家屋調査士試験の独学まとめ

  • 独学のメリットは費用が押さられること
  • 独学はモチベーションの維持が難しい
  • スキマ時間も有効利用するのがおすすめ

土地家屋調査士試験の独学について解説しました。

土地家屋調査士試験は合格率8%程度の難関試験のため、独学での対策には向いていないと言えるでしょう。ただし、関連資格を有している場合や業務の経験がある方は、独学でも対策可能です。

独学には費用が押さられるという大きなメリットがありますが、モチベーションの維持が難しいことや質問・相談相手がいないことなどのデメリットも存在します。

そのため、基本的には通信講座などの活用をおすすめします。通信講座で効率よく学び、短期間での合格を目指しましょう!

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