通関士の勉強時間の目安は何時間?独学時のスケジュール例や勉強法も解説
「通関士になるにはどれくらい勉強すれば良いの?」
「どんなスケジュールで通関士の勉強を進めれば良いの?」
これから通関士を目指そうとしている人たちの中には、このような疑問を抱いている人もいるでしょう。結論から言うと、勉強時間やスケジュールの立て方は、人によって大きく異なります。
この記事では、通関士試験の一般的な勉強時間はもちろん、自分に合った勉強スケジュールの立て方も解説します。この記事を読めば、自分独自の勉強スケジュールを立てて、通関士を目指すことができるでしょう。
通関士の勉強時間についてざっくり説明すると
- 通関士に必要な勉強時間は人によって異なる
- 通関士の試験勉強はいつから始めるかがポイント
- ゆとりを持たせた通関士の勉強スケジュールを立てる
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通関士試験合格に必要な勉強時間とは?
通関士の試験に合格するためには、最低でどれくらいの時間勉強すれば良いのでしょう。大体の勉強時間を知っておくと、ある程度の目安になるでしょう。
そこで、ここでは具体的に必要な勉強時間について解説します。
必要な勉強時間は400〜500時間
通関士試験に合格するために必要な勉強時間は、一般的には400~500時間と言われています。
これは、毎日通関士の勉強時間を確保した場合、1日3時間でだいたい4~5カ月弱の勉強期間に相当します。
400~500時間なら、1日の勉強時間を多く取って短期の勉強期間で合格しようと考える人もいるでしょう。
ですが、1日に多くの勉強時間を取っても、高い集中力を持って勉強しない限り、実力はあまり身につきません。
それよりも、毎日決まった勉強時間を必ず確保し、長期的な勉強期間でコツコツ積み重ねる方が良いのです。
人によって必要な勉強時間は異なる
上でご紹介した400~500時間という勉強時間は、あくまで一般的な目安です。実際には人によって、通関士の試験合格に必要な勉強時間は異なります。
その理由として、勉強が得意か否かが挙げられます。もともと勉強が好きな人は集中力があり、自分なりの勉強方法も身についています。その場合は勉強時間も勉強期間も目安よりも少なくて済むでしょう。
また、勉強できる環境にあるかどうかや仕事内容によっても異なります。残業が少なく、毎日決まった勉強時間が確保できる環境であれば、必要な時間はすくなくなります。
また、もともと通関士に関わる仕事に携わっている場合も予備知識があるため、少なくて済むでしょう。
試験勉強はいつから始めるべき?
通関士の試験勉強はいつから始めれば良いのか、という疑問を抱いている人もいるかもしれません。具体的な勉強時間は、その人の状況によって異なります。
その中でも今回は、一般的な会社員が通関士の試験合格を目指した場合について解説します。
必要な勉強期間から逆算して考える
一般的な会社員の場合、必要な勉強時間を試験日から逆算して考えるのがおすすめです。試験は毎年1回しかないため、効率よく勉強するには逆算した方が良いのです。
まずは自分が1日にどれくらい勉強できるかを理解しておきましょう。
携わっている仕事や抱えている仕事量などにもよりますが、勉強時間は通勤時間や帰宅後になります。場合によっては深夜になることもあるでしょう。それらを考慮に入れると1日2~3時間と想定されます。
また、毎日勉強時間を取ることができるとは限りません。会社の付き合いなどで、飲み会に参加しなければならないこともあります。
その場合は勉強時間は取れないと考えた方が無難です。すると、1週間で取ることができる勉強時間は20時間程度が限界です。
次に全体の勉強時間を上で計算した時間で割っていきます。
通関士の試験合格に必要な一般的な勉強時間は400~500時間で、これを1週間分の20時間で割ると、20~25週間になります。
1か月は4週ですから、だいたい5~6カ月程度かかると計算されます。
最後に通関士試験の開催時期を調べて、その時期から所要期間を弾くと、いつから勉強を始めるべきか見えてきます。
通関士の試験は例年10月上旬に開催されます。ここから逆算すると、遅くとも5月の初め頃から勉強を始めなければ、試験に間に合わないことになります。
独学で勉強する際のスケジュール一例
独学で勉強する際のスケジュールの一例をご紹介します。ここでは、先ほどの項目で算定した5~6カ月程度で、通関士の試験合格を目指すと仮定します。
通関士の試験は3科目あり、それぞれの科目にどれだけ時間をかけるか考える必要があります。
一番良いのは関税法に2、通関業法に2、通関実務に6という割合です。400時間の勉強時間なら、関税法と通関業法にそれぞれ80時間、通関実務に240時間という配分です。
関税法と通関業法は基礎知識が中心なので、まずはこの2科目を集中的に勉強します。その中で徐々に通関実務の演習も積んでいきましょう。
大まかなスケジュールとしては、最初の2カ月は関税法と通関業法の知識の習得と暗記に取り組むのが良いでしょう。その後、通関実務の勉強をしながら、並行して各科目の過去問に取り組みましょう。
〈スケジュール例〉
科目 | 比率 | 時間 | 期間 |
---|---|---|---|
関税法 | 20% | 80時間 | 最初の2ヶ月 |
通開業法 | 20% | 80時間 | 最初の2ヶ月 |
通関実務 | 60% | 240時間 | 3ヶ月目から |
スケジュール通りにいかないことも想定
上で紹介したスケジュールはあくまで一般的なモデルケースです。実際には仕事などの都合でスケジュール通りに勉強を進めることは困難になります。
スケジュール通りに勉強を進めることは重要ではありません。本当に重要なのは通関士の試験合格です。実際に勉強を始めたら、柔軟にスケジュールや進め方を修正していきましょう。
通勤時間や会社での休憩時間を勉強時間に充てて勉強時間を補填することもできます。また、早起きして朝に勉強をすると思考がすっきりしているので、より自分の中に学んだことが定着します。
更に、スケジュール通りに進まないことを想定してもっと早くから勉強に取り掛かる方法もあります。
可能なら、有給を使って勉強時間を確保することも考慮に入れると良いでしょう。資格取得のために有給を使用するのは、自分のスキルアップにつながりますから大変有意義な有給の使い方と言えます。
通関士試験の独学時の勉強に関して、以下の記事で詳しく記載しています。
合格に近づくためのおすすめ勉強法
せっかく通関士の勉強をするなら1回で合格したいものです。通関士の試験合格に近づくためには、どのような勉強法が良いのでしょう。
今回は、独学合格に近づくためのおすすめ勉強法をご紹介します。勉強のスケジュールを立てる際の参考にしてください。
合格に近づくためには...
- 全体像を把握して計画を立てる
- 法律を最優先で暗記
- 合格点を意識した勉強をする
- 繰り返し演習して慣れよう
- 勉強の量と質を確保する
- 通信講座の利用もおすすめ
まずは計画を練って全体像を把握
具体的なスケジュールを立てる前に、大まかな計画を立てる必要があります。大まかな計画を立てることで、自分の生活スタイルや得意不得意などの全体像を把握し、勉強法に活かすのです。
通関士の試験は年に1回だけですから、まずは時期を明確にすることができます。また、通関士の試験科目は3科目です。それぞれの科目に対してどんな教材を使ってどんな順番で進めるのかも決めておくと良いでしょう。
ただし、勉強する順番については、関税法と通関税法は先に勉強を始め、その後で通関実務の勉強に取り組んでください。
関税法と通関税法はどちらから始めても問題ありません。教材についても、簡単なものからレベルアップする勉強法が良いでしょう。
独学で勉強する場合には、計画を決めていてもその通りにならないことが多々あります。
通学するという制限がないため、勉強が後回しになってしまうからです。独学で勉強する際には覚悟を決めて、毎日決まった勉強時間を確保しましょう。
通関業法
通関業法は初学者が勉強を始めるのに最もおすすめな科目となっており、3科目の中で比較的学習内容が狭く、最も簡単と言われています。
したがって、まずは通関業法から始め、通関士の勉強の流れやコツを掴みながら勢いをつけると良いでしょう。
関税法等
関税法等は、複数の法律から出題され、最も範囲の広い科目です。暗記する内容も多く、通関士試験において最も時間を費やす分野となっています。配点も他2科目が45点満点であるのに対し、この科目は60点満点と高めになっています。
また、通関実務と関連性が高く、通関実務と並行して学習するとより理解しやすいでしょう。
通関実務
通関実務は計算問題と申告書問題が中心となっています。計算と言っても中学1年生の1次方程式が理解できれば解ける問題であり、電卓も使用できるため高度な数学の知識は不要です。
通関実務では、計算よりも読解力が求められ、関税定率法の知識がしっかりと定着していることが大切です。
他2科目で学習した内容を活かしながら、通関実務の学習を進めると良いでしょう。
法律の暗記が何よりも大切
通関士の試験勉強で最も重要なのは、法律の暗記です。通関士の業務に携わっていない限り、多くの人たちは法律に関する事前知識がほとんどありません。
聞きなれない言葉もたくさん出てくるため、地道に積み上げて落とし込んでことが大切です。
最も良い勉強法は法律の名前と重要ポイントを一緒に暗記しておくことです。
重要ポイントも一緒に暗記しておくことで、より法律名を自分の中に落とし込みやすくなります。試験でも迷ったり分からなくなったりすることが少なくなるでしょう。
あくまでも合格点を意識して勉強する
通関士の試験の合格点は6割以上が目安です。そのため、全部を完璧に理解したり覚えたりする必要はありません。分からないところや解けない問題があっても良いのです。
ただし、重要なポイントがわからないのはあまり良いとは言えません。
試験で合格できても、実務に携わるようになった時に困ることになる可能性が高いからです。
独学では重要なポイントはもちろん、試験での出題頻度が多い問題も重視した勉強法を心がけましょう。
それらは試験だけではなく、実務でも重要になるということです。重点的に勉強しておくと将来的にも困らなくなります。
また、試験の合格点は6割ですが、6割を目指して勉強すると実際の試験では6割に満たない可能性が高くなります。よって、それ以上の7~8割を目安にして勉強することをおすすめします。
過去問演習は何度も繰り返す
書店では通関士の過去問題集が多く出ているので、実際に手に入れて繰り返し解いていきましょう。
間違えたところはもちろん、時間をおいて最初から問題を解き直すなどの勉強法を取り入れると、内容がより深く理解できます。
過去問演習を繰り返すことは、知識や能力の底上げにもつながります。試験合格はもちろん、将来通関士としての業務に携わった時の力にもなるので、試験日ギリギリまで何度も繰り返し演習しましょう。
繰り返し問題を復習しよう
通関士の試験科目は3科目ですが、試験内容は膨大です。短期間で通関士に関係する知識を完全に覚えてストックしておく、ということは不可能に近いのが現状です。
ただ、繰り返し問題を演習することで、大切な知識や出題頻度が高い問題を定着させることはできます。また、しっかり定着させることで、実際の試験で解ける問題の数は増え、合格する確率も高くなるでしょう。
繰り返し問題を演習する際には、苦手な部分だけでは不十分です。苦手な部分ばかり集中して演習を行なっていると、得意な部分の知識が薄くなっていく可能性が高くなります。
苦手な部分はもちろん、得意な分野も繰り返し復習しましょう。
通関士試験のおすすめ勉強方法について知りたい方は以下の記事をご覧ください。
勉強の量と質を確保する
当たり前のことではありますが、上記の内容をすべて意識したうえで質の高い勉強をし続けることが大切です。
そのためには、勉強できる環境を作りルーティーン化することを意識すると良いでしょう。
今では自宅・学校・カフェ・図書館など様々な場所で勉強することが可能ですが、その中で自分に合った場所を1つか2つ作っておいてここなら絶対に集中できるという状態になることが理想です。
また、ルーティーン化という面では朝の時間や休憩時間なども活用しながら絶対に勉強できるという時間を作りライフスタイルに合った習慣を作れるように努力しましょう。
通信講座で効果的な勉強を実現
通関士試験は試験内容の難易度が高く、競争率もかなり高くなっているので、独学での学習に不安を感じている人も多いのではないでしょうか?
このような人には通信講座で一発合格を確実に目指すという選択肢をおすすめします。
わかりやすい講義・テキストはもちろん、サポート体制も万全であるため安心して学習を進められること間違いなしです。
通関士の通信講座を受講する際には、フォーサイトの通関士講座の受講をおすすめします。
フォーサイトは全国平均の3.87倍となる61.2%の高い合格率(2021年度実績)を誇る通信講座であり、実績の高さに裏付けられた高い講座のクオリティが売りです。
こだわりぬいたテキスト・講義をはじめとして、eラーニングシステムによるスマホ学習のサポートも万全となっていることから、スキのない講座であるといえるでしょう。
通関士の勉強の際にはフォーサイトの通関士講座の受講を検討してみてはいかがでしょうか?
通関士の勉強時間についてまとめ
通関士の勉強時間まとめ
- 一般的な通関士の勉強時間は400~500時間
- 試験日から逆算してスケジュールを立てる
- 苦手分野だけではなく、得意分野も繰り返し復習する
通関士の勉強時間やスケジュールの立て方、勉強法などについて解説してきました。
通関士の試験内容は知識が膨大なので、完璧を目指すと合格が遠のいてしまう可能性が高くなります。
問題の出題傾向をしっかり見極め、重要なポイントや出題頻度が高い問題を中心に知識を深めていくようにしましょう。
覚悟を決めて勉強に取り組めば、必ず合格できますから、頑張ってくださいね。