社労士試験の「一般常識」対策のポイントは?要点を抑えて完全攻略!
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社労士試験の科目の中で、受験生が最も対策に悩まされるのがおそらく「一般常識」ではないでしょうか。
出題範囲も広く、的を絞り辛いため、合格レベルにある受験生でもこの科目の1点を落とすことで不合格となってしまいます。
そこで、この記事では社労士試験における「一般常識」の内容や対策等について紹介していきます。
読み終わる頃には「一般常識」に対する不安を払拭し、受験生の皆さんが自信を持って社労士試験本番に臨めるようになるでしょう!
社労士試験の「一般常識」対策をざっくり説明すると
- 社労士試験では「労一」と「社一」という2種類の一般常識が問われる
- 「広く、浅く」の勉強が大切
- 日頃から厚生労働省の施策を把握しておくべき
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社労士試験における「一般常識」とは
そもそも「一般常識」とは、「労務管理その他の労働に関する一般常識」と「社会保険に関する一般常識」の科目の総称のことを指しています。
社労士試験業界では、「労務管理その他の労働に関する一般常識」を「労一」、「社会保険に関する一般常識」を「社一」と省略することがあります。
この記事でも、以下それぞれ「労一」「社一」と記載します。
「一般常識」の出題形式
出題方法ですが、選択式(空欄補充)と択一式(五肢択一)の2種類となっています。選択式では、労一、社一からそれぞれ5問ずつ出題されます。一方、択一式では、各5問ずつの計10問が出題されます。
「一般常識」の合格点
社労士試験には、選択式、択一式ともに、総得点の合格基準点のほかに、科目ごとに合格基準点が設定されています。選択式における科目ごとの合格基準点は各3点、択一式は4点が原則となっています。
ただし、その年の社労士試験の難易度や受験者の得点分布などを踏まえて、過去に実施された社労士試験との公平性の観点から合格基準点の補正(俗に「救済措置」と呼ばれているもの)が実施されることがあります。
これにより、例えば選択式の合格基準点が2点になったり、択一式の合格基準点が3点になったりすることがあります。
たとえ選択式、択一式とも総得点で合格基準点を上回っていたとしても、選択式の労一で合格基準点を下回ってしまったら、当然のことながら不合格となってしまいます。
これが俗にいう「足切り」と呼ばれているもので、社労士試験の合格倍率が高くなっている理由の1つであり、かつ、もっとも恐ろしい点でもあります。そして、特に一般常識においてはこのようなケースが多々発生してしまいがちなのです。
社労士試験の合格基準点についての詳細は以下の記事をご覧ください。
「一般常識」の出題範囲
社労士試験の合格を勝ち取るためには、一般常識をどのように攻略するかにかかっていると言っても過言ではありません。しかしながら、「一般常識」という言葉が示すとおり、その出題範囲は多岐に亘っています。
ここでは、社労士試験における一般常識の出題傾向と対策について見ていきます。
「一般常識」の出題内容
科目 | 主な出題内容 |
---|---|
労一 | 主科目以外の労働に関する諸法令、「労働経済白書」、(労務管理用語) |
社一 | 主科目以外の社会保険に関する諸法令、「厚生労働白書」 |
労一では、主科目以外の労働に関する諸法令と、「労働経済白書」と呼ばれる統計資料から主に出題されています。まれに、労務管理用語について出題されることもあります。
一方で、社一では、主科目以外の社会保険に関する諸法令と、「厚生労働白書」と呼ばれる統計資料から主に出題されています。
「一般常識」の出題傾向
諸法令
労一で出題される可能性が高い労働に関する諸法令としては、主に労働組合法や労働関係調整法、最低賃金法、職業安定法、労働者派遣法、高年齢者雇用安定法、男女雇用機会均等法、育児介護休業法などが挙げられます。
一方で、社一で出題される可能性が高い社会保険に関する諸法令としては、国民健康保険法や船員保険法、介護保険法、老人保健法、児童手当法、社労士法などが挙げられます。また、国民年金法や厚生年金保険法、健康保険法との複合問題で出題されるケースもあります。
どの法律も細かいところまで覚えるのは大変な労力を要するので、費用対効果が高いとは言えません。まずはテキストの中で太文字や朱書きされているような基本的な内容の理解に努めて、その後は問題集などで周辺知識を補充していく形が良いでしょう。
また、厚生労働省のホームページには、法律の概略や分かりやすいリーフレットが掲載されていることが多いので、そこをチェックするのも良いでしょう。
これらの知識は、社労士になった後にも活きてくる知識ですので、是非、社労士としての一般常識を取り込んでいくというスタンスで取り組みましょう。
統計資料
まず、「厚生労働白書」についてですが、社労士試験で出題される厚生労働白書の範囲は大体決まっています。
ページ数そのものは500ページ以上に及びますが、その内容は他の科目で勉強した部分の現況や沿革などが問われているに過ぎませんので、そこまで身構えする必要はないでしょう。但し、そうはいっても全てを覚えようとして読んでいると時間が足りなく非効率となります。
そこで大切となってくるのが、いかに重要なポイントを押さえながら勉強できるかということです。そのためには予備校の単科講座(オプション講座)や専用教材を活用するのも有効な手段の一つになります。
次に「労働経済白書」についてですが、労働経済白書とは労働に関係する様々な統計資料から我が国の労働経済の現況や将来展望について報告書としてまとめたものです。毎年テーマが決められており、ページ数は200ページ程になります。
こちらは厚生労働白書と比較してある程度対策が取り易いものと言えます。まずはページ数が少ない「概要版」を読んで、白書が伝えたいことを押さえていくのが良いでしょう。
「一般常識」の勉強法を学ぼう
「一般常識」の出題範囲について紹介してきましたが、自分の力だけで具体的な勉強法にまで落とし込むのはなかなか難しいかもしれません。
そこで活躍するのが資格学校のクレアールが出版している「非常識合格法」です。
「非常識合格法」には社労士試験を突破するための学習スケジュールや勉強法が具体的に示されているので、一般常識の対策にも極めて役立ちます。
現在クレアールでは、この「非常識合格法」を先着100名様限定で無料プレゼントしています。
社労士試験受験生であれば知っておかないと損するノウハウが凝縮された書籍となっていますので、この機会を逃さず手に入れておきましょう!
「一般常識」の対策のポイント
これまで書いてきたとおり、社労士試験における一般常識は出題範囲がとても多岐に亘っており、全てを網羅して学習することは費用対効果も悪く、そもそも不可能と言えるでしょう。
しかしながら、一方で足切りを回避する程度の水準までは知識レベルを持っていかなければ、他の科目でどれだけ高得点を稼いだとしても、全てが水の泡となってしまいます。
つまり、一般常識の試験対策を立てていく上で何よりも肝要なことは、「割り切り」です。努力が反映されにくい科目だからこそ完璧を目指さず、足切りさえクリアできれば良いという前提で「広く、浅く」学習を進めることがコツになります。
総得点の合格基準点に足りない分については、努力が比較的反映されやすい科目(国民年金法や厚生年金保険法、健康保険法等)で得点を稼いで帳尻を合わせるという作戦で臨むのも一案でしょう。
以下に、労一、社一それぞれの対策例について紹介していきます。
労一対策
多くの社労士試験受験生にとって、鬼門となるのが選択式でしょう。法令分野の目的条文や理念条文、責務条文などが出題されることがありますが、これについては、重要そうな語句(太文字や朱書きの周辺文章など)に気をつけながらしっかり条文を読んでいれば十分対策可能です。
より厄介なのが、労働経済や社会調査、法律の沿革など、受験対策が中々立てにくい事項が出題された場合です。
「労働経済白書」に関しては、予備校が実施する白書対策講座などを利用するのが効率的です。普段、社労士試験の勉強を独学で学習している人も、この対策講座だけは受講しておいた方が他の受験生との差を最小限にとどめることができます。
しかしながら、それでも初見の問題は毎年出題されます。この問題への対策としては、普段から様々な方面にアンテナを張りながら、厚生労働省が特に力を入れている施策を事前に抑えておくことです。
日頃から新聞やテレビのニュースなどに目を通しておき、厚生労働省がどのような施策を重視しているかを把握しておくことで、その施策に関連する問題が出題されたとしても、正解する確率を高めることができるでしょう。
社一対策
択一式編
社一の択一式に関しては、ほとんどが法令に関する問題で占められていますので、法令問題に重点を置いて学習しておけば、足切りを回避することは可能でしょう。
ただし、最近は出題内容が細かくなっている傾向にありますので、細かい知識も含めてしっかりと抑えておく必要があります。
また、択一式に関しては社一、労一で1つの科目になっていますので、仮に労一で見たことがない問題が出題されて得点を落としたとしても、社一でリカバリーすることも可能です。
そういった点からも、社一は択一式の足切りを回避するためのキーポイントと言えるでしょう。
選択式編
労一で労働経済白書から出題されること以上に、社一では厚生労働白書から出題されることが多々見受けられます。これについても、予備校で実施されている白書対策講座などを利用するのが効率的でしょう。
また、社一でも、社会保険の仕組みや社会保障の沿革などが出題されることがあります。特に、選択式では厚生労働省が公表しているような文章の一部が空欄となっていることがあります。
そのため、労一と同様に、厚生労働省がどのような施策に力を入れているかを事前に把握しておくことが大切です。具体的には、医療や年金、介護、育児などが挙げられます。
労一・社一共通対策
労一、社一ともに、その年の出題内容によっては誰も見たことがないような問題が出題されることもあります。
そのような前提を踏まえて、日々の学習で一般常識に関する知識を蓄積していくことは勿論ですが、知識が無くても文脈や常識の範囲内で選択肢を絞っていくなど、正解に少しでも近づけるようなテクニックも社労士試験では必要となってきます。
予備校の模試を活用しよう
一般常識対策を行う上で、社労士試験の各予備校が開催している模試を受験することも大変有益です。
特に選択式においては、もし予備校の模擬試験に出題された問題がそのまま社労士試験本番でも出題された場合、その模試を受けた人とそうでない人では得点率にかなりの差が開いてしまいます。もしかしたら、その1点が合否を分けてしまうかもしれません。
どの予備校も、練りに練った模試を毎年作成していますので、是非色々な予備校の模試を受験してみて下さい。
模試の活用方法についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
社労士試験の「一般常識」対策まとめ
社労士試験の一般常識対策まとめ
- 「労一」と「社一」の対策法はそれぞれ異なる
- 一般常識で満点は目指さない
- 日頃から関連情報には注意を向けておく
社労士試験の一般常識について説明しました!
冒頭でも書いたとおり、社労士試験における一般常識は「足切り」の恐怖がどうしても付きまとう科目と言えますが、今回ご紹介した対策を実践することで、きっと一般常識への苦手意識を克服することができ、試験合格に一歩近づけることでしょう。
是非、日々の勉強に役立ててみて下さい。皆さんが社労士試験に見事合格されることを願っています!