【社労士試験】過去問の活用法や解き始めるタイミングまで徹底考察
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社労士
のんびり社労士いけい
「社労士試験には過去問が大事って聞くけど、実際過去問ってどうやって活用すればいいの?」
一口に過去問が大事と言われても、実際どのように過去問を使っていいのか分からず困っている方も多いと思います。
そこでこの記事では過去問を生かした勉強法からおすすめの過去問集まで詳しく解説していきます。
記事を読み終わる頃には、過去問を使った勉強の道筋が具体的に見えているはずです!
社労士試験の過去問活用法をざっくり説明すると
- 過去問は効率の良い勉強法に必須の存在
- 本番試験問題には過去問の類題も多い
- 過去問集にはいくつか種類が存在する
- 過去問は勉強開始直後から活用できる
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社労士試験では過去問を軽視すると失敗する
「過去問は大事らしいし、とりあえずやるだけやっとくか…」
こんな風になんとなく過去問学習をしていては、せっかくの過去問も台無しになってしまうかもしれません。
ここでは、過去問を軽視すると陥りがちな失敗例を見ていきましょう。
やってしまいがちな誤った過去問の使い方
社労士の試験範囲は大変広いので、間違ったやり方では合格は極めて困難です。その例を見ていきましょう。
- 過去問学習の効果を意識することなく、なんとなく過去問を解き進める
- テキストや問題集を学習のメインとして、過去問演習を1〜2回しか行わない
これでは、よほどずば抜けて優秀な方でない限り、試験ではほとんど点数が取れないでしょう。
後述するように、過去問を活用することで重要事項とそうでない問題のメリハリがつく上に、知識のアウトプットがしやすくなります。
まずは過去問の正しい活用法を知ることが、学習効率を高める上で大事になってきます。
法改正には要注意
社労士の試験の法改正は毎年行われます。毎年4月に法改正された範囲は、その年の社労士試験の範囲に入ります。
法改正は、国会で審議され決まります。前年から試験勉強している人は、4月以降の法改正が決まってから、どこがどのように変わったかをよく理解しながら勉強を進めてください。
一般常識の試験範囲である厚生労働白書にも必ず書かれる内容ですので、しっかり対策が必要になります。
制度が変わるということは、前の制度と今の制度があるということです。その違いが試験では出てきます。
こうした法改正事項は過去問では対処できないので、直前対策という形になりますがしっかりと勉強する時間を確保しましょう。
社労士試験で過去問が重要である理由
多くの人が賛同するように、社労士の試験において過去問は大変重要になってきます。
過去問とは実際に試験に出た問題なので、過去問を辿ることで効率の良い勉強ができます。また、多くの資格試験がそうであるように、社労士試験でも過去問に多くの必須事項がちりばめてあります。
このように、社労士の試験に合格するための近道が過去問に隠されていると言えます。
それではまずは過去問の重要性を確認していきましょう。
過去問を使った学習のメリットは?
上述の通り、過去問を活用することによるメリットは数多く存在します。ここでは過去問が社労士試験に向けた学習において具体的にどのように役立つのかについて説明していきます。
試験問題の出題傾向が分かる
過去問を解く最大のメリットです。
社労士の過去問を解き進めることで、社労士の試験問題の出題傾向やどんな問題が頻出なのかが分かります。
社労士試験の勉強は、仕事や育児の合間など、大きな時間的な制約の中で行わなければならないので、的を絞った勉強が大切になります。
そんな時、過去問を研究することで本番試験の出題傾向が良くわかるので、学習範囲を絞るのに役立つというわけです。
また、頻出問題は大事な得点源でもあります。過去問を通じて何度も頻出問題と当たることで、本番試験で出題されても失点しないで済むでしょう。
過去問とほぼ同じ問題が出題されることも
社労士の試験では、過去問と同じような問題が出題されることが多くあります。
過去問を丁寧に勉強していくことで、試験中に 「この問題以前に見たことがあるな」 と思うことが出てくるはずです。そうなれば、試験中でも心に余裕が生まれ、試験全体の成功にも一役買ってくれるでしょう。
このように、過去問は似たような問題をしっかりと正解する為の備えでもあるのです。
落ち着いて本番試験に望むことができる
試験中に落ち着いて問題を解くことは自分の力を発揮する源です。
本番と同じ形式である過去問を何度も繰り返し解くことによって、本番試験でもいつもの調子で問題に取り組むことができます。
また、過去問を解く際に時間を測っておけば、本番での時間配分の対策もバッチリでしょう。
自分の苦手分野が明確に分かる
過去問と解いていると、何度も間違えたり、どうしてもわからない問題に直面することもあるでしょう。
自分の苦手分野を明確にしていくことができるのも、過去問のメリットになります。
社労士試験においては不得意や不安に思っている問題は繰り返し解いて理解を深め、不得意な状態から脱却することが極めて重要です。
なぜなら、社労士の試験は合格基準点が各科目で設定されており、1科目でも基準以下の場合は不合格になってしまうからです。科目によらず満遍なく点数を取っていくためには苦手科目をなくすことは必須です。
自分の苦手克服の為にも、まずは過去問を活用して苦手分野を把握していきましょう。
過去問を最大限活用するためのポイント
それでは、社労士の過去問を活用するにはどのようにするのが良いのかをいくつかのポイントに絞って紹介していきます。
過去問を解くと言っても、ただ何となく問題を解いていては理解できませんし、問題と答えを記憶してしまって、この問題の答えは「ア」とだけ暗記しても意味がありません。
一日でも早く社労士として活躍する為に、何年も勉強する体力も時間もないのが現実ですから、過去問を効率良く活用して自分に地力と自信をつけていってください。
論点別の過去問題集を活用する
社労士の過去問題集は、いろいろな形式の問題集があります。
他の資格試験ではあまりない傾向ですが、社労士の過去問はそれぞれの特徴をよく理解して、その特徴のある過去問を活用していくのが大切になってきます。
特に理由がなければ論点別の過去問題集を活用していくのが良いでしょう。理由は、その名の通り過去問が論点別に収録されているので、各分野ごとに集中して勉強できるからです。
論点別の過去問には他にも次のようなメリットがあります。
- 知識を定着させやすい。
- 出題傾向がつかみやすい。
- 自分の苦手分野が一目でわかる。
このように論点別の過去問を活用することで、闇雲に過去問に取り組むよりも効率よく合格を目指せるでしょう。
一方で年代別の過去問題集では以下のような現象に陥りやすいです。
- 出題傾向が掴みにくい。
- 目的を持った問題集の活用がしにくい。
- 自分の苦手分野が把握しにくい。
もちろん、年代別過去問には「本番と同じ流れで試験問題を解くことができる」という大きなメリットも存在します。
ただし、そう言った過去問の使い方は全ての科目を学習し終えてからしかできませんし、問題形式に慣れるという目的であれば後述するように公式HPなどで過去問をダウンロードすれば済む話です。
各科目で効率よく学習を進めたいのであれば、論点別の過去問題集を活用していくことをお勧めします。
一問一答形式であるか確認する
一問一答形式の過去問題集であると更に学習が進めやすいでしょう。
一問一答形式であれば、選択肢5肢を比べて解くと言った形を取ることなく、その問題の正誤を直接考えることができます。これは知識を定着させるのにとても便利な上に、隙間時間を活用しての勉強にも最適です。
一問一答形式の過去問集には、他にも次のようなメリットがあります。
- 一問一答なので、問題を解く時間が短くてすむ。
- 正誤の根拠や論点を把握しやすい。
- 知識の整理がしやすい。
- 記憶するべきところが明確になりやすい。
このように、一問一答形式の過去問を活用することで1つ1つの問題をより深く理解できます。
過去問は10年分を目安に解こう
それでは実際、過去問は何年分くらい解けば十分なのでしょうか。
資格Timesでは過去問は10年分を目安に解いていくことをお勧めします。
理由は、10年分を解くことで多種多様な問題にあたることができますし、自身の経験の引き出しを増やすことができるからです。
10年分も過去問を解けば、よく出る問題とあまり出ない問題を自分で判別し、優先順位をつけて勉強していくことができるようになります。
他にも過去問を多く解くことには頻出問題を繰り返し解くことができるというメリットもあります。
過去問は10年分も解けば、社労士の試験の傾向はバッチリわかるでしょう。何より、これだけ自分は過去問を解いてきたという自信にもなります。
過去問を解き始めるタイミングは?
それでは、実際に過去問題集を購入して過去問を解き始めるのはいつから始めればいいのでしょうか。
多くの人がやってしまいがちですが、参考書を全部読んで、全範囲を勉強してから過去問に移るのは間違いです。
インプットしたら、すぐにアウトプットすることを繰り返さなければ、知識の定着はなかなか図れません。
したがって過去問を解くタイミングとしては、各科目の各章である項目を勉強してインプットしたら、すぐに過去問を解いていくことが正解です。
参考書の各項目の第1章を勉強したら、その項目の第1章の過去問を解いていきます。通常の問題集と併用するのも効果的です。
そうして、第1章→問題集→過去問→(第1章の復習)→第2章→問題集→過去問→(第2章の復習)→・・・ というように、参考書および問題集と過去問を往復するように勉強してきます。
過去問を解いて、わからないことはすぐに、参考書に戻り確認していきましょう。その繰り返しが、極めて効率の良い知識の定着になるのです。
また、参考書→過去問を繰り返すことで、どこがインプットできていないか確認できますし、試験ではどのように問題が出てくるのかを確認することもできます。
過去問を生かして学習範囲を絞る
過去問をといて試験の傾向を把握することで、学習範囲を上手に絞ることができます。
とはいえ、自分の力だけで学習範囲を絞ると「本当にこれで合っているのかな…」と不安になりますよね。
大手資格学校のクレアールでは、そういった受験生の悩みを解決する、社労士試験のノウハウ満載の書籍を先着100名様限定で無料プレゼントしています!
過去問の活用法や学習範囲の絞り方など、社労士試験突破には必須の内容が書かれているので、受験生であれば必ず手に入れておくことをおすすめします。
過去問を使った効率的な勉強法は?
社労士の試験範囲は広いので、全部を完璧に勉強するには膨大な時間がかかります。しかし前項で見たように、過去問を活用することで全範囲を隈なく学習する必要は無くなります。
ここでは、過去問を使った効率的な勉強方法は具体的にどのようなものなのかを紹介していきます。
暗記メインで学習を進めよう
社労士の試験は、選択式と択一式があります。学校での数学の問題ように、記述式で式の途中経過を記入していくわけではないので、それぞれの頻出問題を中心に暗記メインで勉強を進めていくスタイルにしていきましょう。
頻出問題や重要事項などは、結論を暗記してしまうことが大切になります。具体的にはどのような問題があるか、一例を下記に書いていきます。
- 労働者災害補償保険法ー給付基礎日額
- 雇用保険法ー所定給付日数
- 健康封建法ー高額療養費
- 国民年金法ーマクロ経済スライド
ポイントは、数字を暗記することです。また、過去問の頻出問題は問題文ごと覚えてしまいましょう。
社労士の問題では、覚えなければならないことが沢山あります。暗記を中心に勉強するスタイルを勧めましたが、闇雲に取り組んでもなかなか覚えることが難しいのが現実です。
覚えたことを忘れないためには、忘却曲線を意識しながら勉強することが大切です。
以下に忘却曲線について解説した動画を掲載しておきます。忘却曲線についてあまり良く知らないという方は、一度ご覧になると良いでしょう。
暗記だけでは対応できない科目に注意しよう
当然暗記だけでは対応できない科目も存在します。
具体的には労働保険の一般常識や社会保険の一般常識は、何かを暗記するだけでは対応が難しい問題が出てきます。
過去問で例を挙げると、1960年代、1970年代の給付制度に関する問題が出題されました。この問題では、どの年代にどのような制度が採用されていたかを問う問題になります。
これは沿革・時代背景を考えさせる構成になっていたため、単に暗記だけでは対応できない問題となっており、回答には制度や背景を理解しておく必要がありました。
このように、暗記するだけでは不十分な科目もあるので、科目に合わせた勉強の仕方を身につけていきましょう。
過去問は完璧に解けるようにしておこう
社労士試験の合格基準点は毎年変わります。
例年全体で6割程度の得点率が必要と言われていますが、人それぞれ得意不得意があるので、自分がどの科目で点を取るのかを考えての勉強することが必要です。
試験では重要頻出問題や重箱の隅をつついたような問題まで、いろいろな問題が出てきます。その中で、他人ができる問題は自分もできないと合格できません。
そういった意味で、過去問が100%解けるようにしておくことが、周りの受験生に遅れを取ることなく社労士の試験を勝ち抜くために重要なのです。
本番の時間内に解けるようにしておこう
過去問を使って勉強していくことでその科目の理解は深まり、問題の正答率も上がってくるでしょう。そこで次は、時間を計って時間内に問題を解く練習しましょう。
択一式試験では、1問あたり3分で解かないと全ての問題の回答ができません。問題を読むスピードや回答する時間を計って、全問回答できるよう練習しましょう。
社労士の試験本番では、緊張もしており問題を丁寧に読まないと解けないので、制限時間より少し早く問題を解き終わるよう訓練しておくと良いでしょう。
そうすれば、見直しも出来るので凡ミスを防ぐこともできます。
問題を解く順番は本番前に決めておく
時間を計って問題を解く練習をしていけば、自分のできる問題、不得意な問題が分かってくるのですが、問題は前から解く必要はなく、できるところから解いていくことが重要になってきます。
試験時間は選択式試験が1時間20分。択一式試験は3時間30分となっています。一問にかける時間を考えて、全問解くことが大切です。未回答を作らないことを考えて、問題を解く順番を前もって決めておくことも、合格への近道となります。
得点源である社会保険科目から解いていくのもありですね。とはいえ、解く順番は人それぞれですので、自分にあった順番を過去問を解きながら考えていってください。
過去問の解く時気をつけること
過去問を解く時は、当たり前ですが、問題を読んで回答したあと、答え合わせをすることになります。
しかし、実はそれだけでは記憶の定着には不十分なこともあります。単純な繰り返しで試験に失敗しない為に、勉強の際のポイントを見てみましょう。
過去問の関連条文や関連事項の活用
過去問を解いて、それに対しての関連条文や関連事項を参考書等で紐解いていくことで深い知識になっていきます。
社労士は、労働・社会保険の法律の専門家です。関連法に深い知識・応用力が必要です。その為に答え合わせの際に一緒にチェックしておきたい事項を以下に書いていきます。
- その回答に至った根拠
- 関連する法律
- 参考書の関連項目
- 重要判例
- よくある間違い
以上のようなことを一緒に理解することで、記憶は深く定着されるだけでなく、応用問題にも対処しやすくなります。
過去問を購入する時の考え方
ここでは過去問題集を購入する時に注意する点を紹介していきます。
過去問を活用するポイントでも書きましたが、社労士の過去問はいろいろな形式の問題集が売っています。その中で、どれを購入するのが良いのかという問題ですが、当然ながら自分にあった問題集を購入するというのが大切になってきます。
各章の構成はどのようになっているのか、年代別なのか論点別なのか、一問一答形式なのかなど、多くの要素があるので、自分が重視するポイントを満たしたものを購入しましょう。
資格Timesが最もおすすめする過去問集は「出る順社労士 ウォーク問 本試験型過去問題集」です。
前項でおすすめしたように「論点別」かつ「一問一答形式」となっており、効果的な学習を力強くサポートしてくれる過去問題集となっています。
社労士試験の過去問はどこで見つけるべき?
ここでは、社労士の過去問はどこで見つけるのが良いかを見ていきます。本屋やネットなど、どこでも過去問を見つけることが出来そうですが、使いやすいもの、使用目的に合ったものを選ぶようにしましょう。
オフィシャルサイトから誰でも閲覧可能
ご存知かとは思いますが、社会保険労務士試験オフィシャルサイトから誰でも過去問を閲覧できます。ネットですぐ閲覧できるので便利です。
ただ、回答だけで詳しい解説がないのが残念なところです。
これを過去問学習のメインに使うことは難しいので、本番試験直前に年度別で過去問を解きたい時などに活用するのが良いでしょう。
社労士過去問ランドを活用しよう
社労士のオフィシャルサイトの他にも、社労士過去問ランドから過去問を手に入れることが可能です。
ここは試験問題を科目別にして勉強しやすくしたサイトになります。
学習機能として、一問一答、実践テスト、対戦テスト、付箋機能などがある上に、交流機能として掲示板、ブログ、プロフィール、メッセージ機能などもついています。
過去10年分以上の5252肢用意されていて、ボリュームもバッチリです。
択一式の選択肢とその解説が詳しく掲載されており、解説は以下の範囲まで説明されています。
- 関連条文
- ポイント
- 難易度
- 出題根拠(条文や通達)
- 知っておくべき条文や判例
- その他の解説
一問一答形式の出題ですので、PCだけでなくスマホでも隙間時間に閲覧でき、関連カ所の参考書も読むことができる優れたサイトです。
関連カ所の条文を一つ一つ紐解いて深く理解することは試験の合格には必要ですし、将来社労士になっていけば、条文を探っていくことは大切なことになるので、このサイトでしっかり勉強していきましょう。
仕事をしている人など忙しい人には、通勤時間に問題を解いたり、休憩時間に活用することができるのが、ネットでのサイトのメリットになります。こういったサイトはどんどん活用していきましょう。
紙媒体の過去問題集をメインで取り組もう
過去問ランドは優れたサイトですが、紙媒体の過去問をメインで学習するのは非常に大切なことです。
実際の試験は紙で配られ問題を解いていきますので、紙媒体の過去問は使いやすく効率的です。また、自分の考えやポイントなどを書き込むことができるので、知識定着にも都合が良いです。
ネットの問題を印刷することもできますが、印刷するのは面倒くさく手間も時間もかかります。効率的な勉強の為にも、紙媒体の過去問を購入することをお勧めします。
紙媒体の問題集をメインとして、ネットでも補助的に一問一答形式の問題を解くことで効率的に勉強できるのではないでしょうか。
過去問の活用方法まとめ
社労士の過去問まとめ
- 過去問は社労士合格には必須の存在
- 過去問集は論点別かつ一問一答形式のものがおすすめ
- 過去問が閲覧できるサイトも活用すべき
社労士試験において過去問は、出題傾向が分かったり、過去問とほぼ同じ問題がでたり、苦手分野が分かったりと多くのメリットがあります。
過去問はWEBサイト等でも手に入りますが、メインの過去問題集は紙のものを利用して、本番形式で演習できるようにしておきましょう。
皆さんも社労士合格に向けて過去問を効果的に活用してください!