社労士の仕事がきついと言われる理由は?やりがいのない地味な仕事ばかりって本当?
この記事は専門家に監修されています
社労士
のんびり社労士いけい
「社労士の仕事はきついと聞くけど本当?」
「社労士の勉強中だけど、本当にやりがいのある仕事なの?」
このような疑問や不安のお持ちの方、いらっしゃいませんか?
せっかく社労士資格を取得したのに、毎日嫌な仕事ばかりだったら残念ですよね。実際、社労士の仕事には魅力があるものなのでしょうか。
ここでは社労士の仕事の忙しさや仕事のやりがいについて解説していきます!
社労士の仕事についてざっくり説明すると
- 開業当初はかなり大変であり、苦労する人が大半である
- 社労士は法人や個人など、様々な場面で頼られる存在である
- 顧客と信頼関係を築くことが大切であり、仕事のやりがいにも繋がる
社労士の仕事がきついと言われる理由5選
社労士は毎年5万人近くの人がチャレンジする大人気国家資格です。
一方で、実際に社労士として働いている人の経験談などを聞くと社労士の仕事をきついと感じる人も多いようです。
開業直後は集客が大変
社労士として開業しても、すぐに仕事を任せれたり受注できるわけではありません。実際には集客や営業活動を頑張っていく必要があります。
まず苦労するのは、開業後の集客活動です。当然ほかの競合社労士も多いため新規の顧客を獲得するべく営業をしていく必要がありますが、営業活動が実を結ぶまでがとても大変なのです。
開業して最初のうちはほとんど収入がないまま過ごさなければならないケースも多いため、開業してすぐに仕事が受注できるケースはとても稀であると覚悟しておく必要があります。
その上、自分の専門性やサービスの質を伝え、信頼関係を築くためのコミュニケーション能力も求められます。それが不十分な場合、長期的なビジネス関係を維持するのは一層難しくなるでしょう。
常に勉強し続ける必要がある
社労士は社会保険や労働保険など、生活に身近な法律の専門家です。
少子高齢化の進展などもあり、年金や健康保険に関する法律は毎年のように法改正が行われたり新しい法律が生まれています。社労士として活動する以上、仕事に関わる法律は常に最新の情報を仕入れておかなければなりません。
最新の法律や制度を知らないと他の社労士と差を付けられ、信頼されなくなってしまいます。そのため、ニュースや新聞などの時事情報には敏感になっておきましょう。
正確さが求められる
社労士の仕事は細かい計算などをする機会が多くありますが、どれも正確さが求められます。
例えば離職票の作成や給与計算などは1円のミスもなく作成することが求められます。もしもここで計算ミスなどをしてしまうと、労働者の方が受け取れる失業給付や労災給付の金額が不利になってしまうことがあるからです。
このように、社労士の仕事は冷静さと高い集中力、そして細部への配慮が必要不可欠となるのです。ここに緩みが生じると、一度に多くの人々の生活やビジネスに深刻な影響を及ぼす可能性があります。
先に挙げたケース以外であっても、法律に関わる社労士はちょっとしたミスでも大きな問題に発展する可能性があるため、適当な仕事は許されません。そのため常にプレッシャーはつきまとう仕事と言えます。
士業事務所の給料が低い
一般企業に勤めたり自分で開業などせず士業事務所に社労士として勤めた場合、一般企業よりも給与水準は低いです。
しかし、士業事務所で働く場合は給与以外にメリットがあります。それは、実務経験を多く積めることです。
社労士として働いていく際に、試験勉強で得た知識だけでは実務はこなせません。将来的な独立を目指すためにも、必ず実務経験が必要となります。
士業事務所に勤務することで社労士としての実務力を働きながら身につけることできる上に事務所運営についても学ぶことができるため、金銭面のデメリットよりも経験を積むメリットの方が大きいです。
社労士ならではの理由ではないことも多い
インターネット上では、社労士の仕事はきついという書き込みをよく見かけます。しかし、その多くは仕事の人間関係や給与の安さなどついて嘆いている人が多く、社労士ならではの理由ではありません。
仕事量や人間関係は社労士特有の問題点ではないため、このような書き込みを見て社労士に問題があると勘違いしないよう気をつけなければなりません。
このような書き込みに踊らされて取得を断念するのは馬鹿馬鹿しいことです。
どの企業でもどんな仕事でも、給与が満足にもらえないことや人間関係が悪化することは起こりうるものです。ネット上には本当に様々な情報が飛び交っているので、情報をしっかりと見極める力も大切です。
社労士の仕事にやりがいはあるの?
顧客に感謝される「先生業」である
社労士は社会保険などのプロフェッショナルなので、様々な方面から頼られます。
また、悩んでいる顧客の相談に乗ることができる先生業なので、顧客から「先生」と呼ばれ頼られる存在となれます。
一方で、そのようなやりがいのある相談業務ばかりが社労士の仕事ではありません。特に最初の開業したての頃などは給与計算などの地味な業務が殆どです。
相談相手として頼られるようになるには、資格だけでなく地道に経験を積んで成熟している必要があるのです。
そのため、 給与計算などの地味な仕事であってもミスがないよう丁寧に取り組み、顧客の信頼を得られるように努力していかなければなりません。
社労士ならではの人脈も
社労士として社労士会に登録すると、講習や勉強会・研究会などを通じて他の社労士の方との人脈が作れます。
また、労働保険関係を専門として扱う場合・就業規則など労働環境の整備に携わる場合などは、経営者の方や他の士業の方と関わる機会も増えるため、そこでも人脈を作ることができます。
様々な経営者の方や他の士業の方と人脈を築くのはとても重要です。
なぜなら、経営者の方などと親しくなり信頼関係を築けると、新しく他の顧客を紹介してもらえるとケースが多々あるからです。
新たに顧客を獲得するのはとても労力を使いますが、このように紹介してもらえると手間も省けるのでとても助かるのです。
社労士資格を生かして転職するという道も
転職は当たり前になってきている
近年は、転職市場の拡大と発展に伴い転職者数が増えています。
年度 | 転職者数(万人) |
---|---|
2010年 | 283 |
2011年 | 284 |
2012年 | 285 |
2013年 | 286 |
2014年 | 290 |
2015年 | 298 |
2016年 | 307 |
2017年 | 311 |
2018年 | 330 |
2019年 | 353 |
2020年 | 321 |
2021年 | 290 |
リーマンショック以降、転職者の数は右肩上がりで増加し、最大で年間350万人もの人が転職をしていたました。しかし、新型コロナウイルスの影響で2020年からの2年間は転職者数は一時的に減少しています。
十数年前と違って終身雇用制度が崩壊しつつある現代においては転職は当たり前になってきています。
また、少子高齢化の影響からどの業界も慢性的な人手不足です。そのため転職がしやすい状況となり、以前は転職が厳しいとされていた35歳以上のミドル層の転職も活発に行われています。
収入面や環境面だけでなく視野を広げていくという意味でも、転職することは常に選択肢の一つとして考えておくべきと言えるでしょう。
社労士資格で有利に転職を進められる
社労士は人事・総務のプロフェッショナルであるため、どの業界でも重宝される資格です。
どの企業でも、給与計算や就業規則などの厚生を扱う部署はあります。社労士の知識があれば、そのような部署で活躍が期待できます。
加えて、会社によっては社労士を持っていることにより資格手当がもらえるケースもあるため、金銭面でもメリットがあります。
また、一般企業ではなく労働保険や年金に特化した転職も可能です。
年金事務所やハローワークでは常に相談員のような求人があります。他にも、年金の裁定などを専門に扱う社労士事務所などもありますのでそのような場所に転職することにより専門的な知識が身に付けることもできます。
社労士資格を生かせる求人は?
社労士の資格は難易度が高く取得できている人は多くないので、一般的な求人サイトで社労士資格を重視する求人を探すのは難しいです。
社労士の求人は日本最高レベルの転職エージェントであるリクルートエージェントで探すのが最もおすすめだと言えるでしょう。
リクルートエージェントは10万件以上の非公開求人を保有しているのでハイレベルな求人も豊富であるうえに、社労士の高度な専門性に対する理解も非常に深いです。
さらに転職支援実績No.1の転職エージェントなので、信頼度も抜群です。
無料の転職相談をすることで年収1000万円を超える社労士求人も一挙に探すことができますので、社労士資格のお持ちの方は是非ご登録されることをおすすめします!
ダブルライセンスがしやすいのも魅力
社労士に加えて、他の資格を取得することでより自分の市場価値を高めることができます。
社労士の資格はダブルライセンスによるスタップアップの第一歩にも最適だと言えるでしょう。
社労士とFP
FPは年金や健康保険に加え、相続や生命保険などの個人のお金や家計相談に関するプロフェッショナルです。
社労士は社会保険や年金などを専門としているため、FPとの相性は良いといえます。
社労士とFPのダブルライセンスを生かせば、顧客である企業の労務相談に加えて、従業員のライフプランに関する相談などのコンサルティング業務などができるようになります。
社労士と中小企業診断士
中小企業診断士は、企業の経営戦略や将来のビジョンなどの相談に乗る経営コンサルのプロです。
対法人の営業においては、社労士と中小企業診断士を保有していることでとても強みとなります。
社労士の資格を生かして労務相談に乗ることに加えて、中小企業診断士の資格を生かした経営に関するアドバイスなどのコンサルティング業務を展開することで企業から信頼を得られるでしょう。
社労士と簿記
企業の業務において、経理業務は必須です。簿記の資格を持っていると経理のプロフェッショナルになれます。
簿記と社労士のダブルライセンスにより、労務関係の業務から経理業務まで一手にこなすことが可能になるので、企業から信頼されるでしょう。
社労士の仕事に関するまとめ
社労士の仕事に関するまとめ
- 様々な場面で頼られるため、色々な場所で活躍できる
- 転職市場においても有利になる
- 人脈を生かしていけば仕事が無くなることはない
社労士の仕事は一般的にきついと言われるほど困難ではありません。
たくさんの顧客を抱えると仕事が忙しくなり「きつい」と感じることはあるかもしれませんが、この反面、様々な人から頼られているためやりがいを感じるはずです。
社労士は今後も需要はあるため、取得を目指している人はぜひ頑張って合格をつかみ取りましょう!