社労士と労働基準監査官はどっちが難しい?科目免除についても解説!

更新日時 2019/09/12

「社労士と労働基準監督官、どっちが難しいの?」「自分の持っている資格によっては、試験で科目免除が受けられるって本当?」

このような疑問から、社労士と労働基準監督官、どちらの資格を受験するのが良いか迷っている方も少なくないことでしょう。社労士と労働基準監督官では試験の難易度も異なります。

ここでは社労士と労働基準監督官の難易度について、さらに科目免除についても詳しく解説します!

この記事を読めば、社労士と労働基準監督官のどちらが難しいかなど、それぞれの違いもわかるはずです!

社労士と労働基準監督官の難易度をざっくり説明すると

  • 社労士のほうが労働基準監督官よりも合格率が低い
  • 社労士試験に合格すると労働基準監督官の科目免除が受けられる
  • どちらの資格を取るかによって活躍できる場所が異なる

労働基準監督官と社労士の難易度比較

はかりとクエスチョンマーク

労働基準監督官と社労士はどちらの資格の方が難易度が高いのでしょうか?

社労士試験の合格率は一桁%を推移している一方で、労働基準監督官試験の合格率は法文系(A)で10%台前半、理工系(B)で20%台前半を推移しており、社労士のほうが合格率が低いといえます。

実際、予備校のテキストなどを使って何年間も対策したのちにようやく受かるような場合もあり、必要な勉強量が多いため、社労士試験の方が負担が大きいです。

労働基準監督官試験合格者の社労士試験での優遇

本と人間

労働基準監督官試験に合格していると、社労士試験を受験する際に科目免除を受けられるというメリットがあります。

科目免除による難易度の低下

労働基準監督官の資格を持っていると、申請により社労士試験の科目のうち労働基準法、労働安全衛生法の科目が免除になります。これは選択式40点中の5点分、択一式70点中の10点分にあたります。

社労士試験では、科目別合格制度がないため全ての科目で科目別合格点を超えなければなりません。

よって総得点の6~7割が合格基準となる社労士試験において科目免除を受けられることは大きなメリットと言えます。労働基準監督官試験に合格していると社労士試験の難易度を下げられるのです。

労働基準監督官と社労士の試験の概要

女性とチェックリストここからは労働基準監督官試験と社労士試験、それぞれの試験概要について確認していきたいと思います。

労働基準監督官の試験の概要

労働基準監督官の試験概要を確認します。

基本情報

試験は年一回です。1次試験が6月上旬、2次試験が7月中旬に行われます。

[時間割]

  • 1次試験
試験種目 解答題数・解答時間 配点比率
基礎能力試験(多肢選択式) 40題・2時間20分 2/7
専門試験(多肢選択式) 40題・2時間20分 3/7
専門試験(記述式) 2題・2時間 2/7
  • 2次試験
試験種目
人物試験
身体検査

試験科目や配点

法文系のA理工系のBがあります。試験科目は以下の通りです。

1次試験基礎能力試験の知能分野、知識分野の試験範囲は両者ともに同じであり、専門試験の内容は両者で異なります。

1次試験

[労働基準監督A]

■基礎能力試験(多肢選択式:40題)

1.知能分野(27題)

試験科目 出題数
文章理解 11題
判断推理 8題
数的推理 5題
資料解釈 3題

2.知識分野(13題)

試験科目 出題数
自然・人文・社会(時事を含む) 13題

■専門試験(多肢選択式:48題出題:40題解答)

  • 必須問題(12題)
試験科目 出題数
労働法 7題
労働事情(就業構造、労働需給、労働時間・賃金、労使関係) 5題
  • 選択問題(36題中28題)
試験科目 出題数
憲法・行政法・民法・刑法 16題
経済学・労働経済・社会保障・社会学 20題

■専門試験(記述式:2題出題:2題解答)

試験科目 出題数
労働法
労働事情(就業構造、労働需給、労働時間・賃金、労使関係)

2次試験

  • 人物検査
  • 身体検査
  • 身体測定

[労働基準監督B]

1次試験

■基礎能力試験(多肢選択式:40題)→労働基準監督Aの範囲と同じ

■専門試験(多肢選択式:46題出題:40題解答)

  • 必須問題(8題)
試験科目 出題数
労働事情(就業構造、労働需給、労働時間・賃金、労使関係、労働安全衛生) 8題
  • 選択問題(38題中32題)
試験科目 出題数
憲法・行政法・民法・刑法 16題
経済学・労働経済・社会保障・社会学 20題

■専門試験(記述式:4~6題出題:2題解答)

  • 必須問題(1題)
試験科目 出題数
工業事情 1題
  • 選択問題(3~5題中1題)
試験科目 出題数
工学に関する専門基礎(機械系、電気系、土木系、建築系、衛生・環境系、応用化学系、応用数学系、応用物理系等の工学系の専門工学に関する専門基礎分野) 3~5題

2次試験> 労働基準監督Aの範囲と同じ

合格基準

  • 1次試験

第1次試験の基礎能力試験及び専門試験(多肢選択式)の得点が基準点(満点の30%)以上である場合、両試験種目の標準点を合計した得点に基づいて第1次試験の合格者を決定します。

  • 2次試験

第1次試験合格者のうち、専門試験(記述式)において基準点以上であり、かつ、人物試験及び身体検査に合格した者について、基礎能力試験、専門試験(多肢選択式)及び専門試験(記述式)の標準点を合計した得点に基づいて最終合格者を決定します。

社労士の試験の概要

社労士の試験概要を確認します。

基本情報

年1回の実施で、8月下旬の日曜日に行われます。

[試験の時間割]

出題形式 時間
選択式 80分
択一式 210分

試験科目や配点

  • 選択式
試験科目 配点
労働基準法・労働安全衛生法 1問(5点)
労働者災害補償保険法 1問(5点)
雇用保険法 1問(5点)
労務管理その他の労働に関する一般常識 1問(5点)
社会保険に関する一般常識 1問(5点)
健康保険法 1問(5点)
厚生年金保険法 1問(5点)
国民年金法 1問(5点)
合計 8問(40点)
  • 択一式
試験科目 配点
労働基準法 7問(7点)
労働安全衛生法 3問(3点)
労働者災害補償保険法 7問(7点)
雇用保険法 7問(7点)
労働保険の保険料の徴収料等に関する法律 6問(6点)
労務管理その他の労働に関する一般常識 5問(5点)
社会保険に関する一般常識 5問(5点)
健康保険法 10問(10点)
厚生年金保険法 10問(10点)
国民年金法 10問(10点)
合計 70問(70点)

合格基準

選択式試験、択一式試験ともに「総得点」と「各科目点」が評価の対象となります。いずれも基準点以上の得点を取ると合格で、例年、総得点は60%~70%が基準点です。

総得点が基準点を満たした上で科目点も全て基準点に届かないと、合格できません。

どっちの資格を取るべきか

YesとNoのボールと女性

試験合格者のうち労働基準監督官として採用される割合は、文系で5割、理系で3割ほどです。公務員として安定的な仕事をしたい場合は労働基準監督官の試験を受けるべきです。

その一方で、開業して大きな儲けを狙う場合や、社内での昇格を目指す場合は、国家資格で独占業務がある社労士試験がおすすめです。

資格選びのポイント

労働基準監督官の場合は、受験するのに年齢制限があり、また仕事においては定期的に転勤があるのが一般的です。

そして労働基準監督官と社労士は、どちらも労働者を守る仕事ですが、活躍できるフィールドや果たす役割も変わってきます。

今の環境、将来のライフプラン、両者のメリットとデメリットを考えてから資格取得を目指すのが良いでしょう。

労働基準監督官から社労士になる道もある

両手をあげている女性

選択肢の一つとして、労働基準監督官から社労士になる方法もあります。労働基準監督官での経験を社労士に大いに活かすことができるので、新たな仕事でのステップアップが期待できます。

社労士と労働基準監督官の難易度まとめ

社労士と労働基準監督官の難易度まとめ

  • 社労士のほうが労働基準監督官より合格率が低く難易度が高いといえる
  • 労働基準監督官に合格すると社労士試験で科目免除が受けられるので、試験勉強の負担が減り、社労士試験の難易度を下げられる
  • 試験方式は両者の間で大きく異なる
  • 資格取得を検討する際には、両者のメリット、デメリットや自らのビジョンをよく考えることが大切である

社労士と労働基準監督官の難易度について詳しくみてきました。

社労士と労働基準監督官、どちらも専門性を持ったやりがいのある仕事です。

もし迷っているなら早めのご決断をおすすめします。

ぜひ資格取得を前向きに検討してみてください!