【最新版】マイナンバー制度が社労士に与える影響と注意点

更新日時 2020/01/27

「マイナンバー制度って社労士の仕事にどんな風に影響するの?」

このような疑問をもたれる社労士の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

マイナンバーは個人情報の扱いに関する取り決めですので、労務人事を扱う社労士の業務にももちろん無関係ではありません

この記事ではマイナンバー制度と社労士の業務にどんな関係があるのかや、覚えておきたい注意点について説明していきます。

この記事を読めばマイナンバーについてはバッチリです!

社労士とマイナンバーについてざっくり説明すると

  • マイナンバーは「特定個人情報」という重要な個人情報
  • マイナンバーの取り扱いは社労士に委ねられることが多い
  • マイナンバー制度により社労士の需要が高まっている

マイナンバー制度をおさらいしよう

CHECKの文字の写真

そもそもマイナンバー制度ってどんなものか知っていますか?

「なんか突然送られてきた番号だよね?」というくらいの認識で、実はなにに使うためのものか詳しく知らない人は意外と多いです。

まずはマイナンバー制度についてしっかり確認していきましょう!

マイナンバーの基礎知識

マイナンバーとは住民票を持つすべての人に与えられた12桁の番号(個人番号)のことで、この番号は原則として生涯変わることはありません

各自に送付された通知カードに番号が書いてあり、希望者は申請手続きすることで「個人番号カード」に切り替えて交付してもらうことが出来ます。

「個人番号カード」は顔写真付きで氏名などの情報が記載されるので運転免許証などと同様に身分証としても使うことが出来ます。

法人には13桁の法人番号が割り振られます。これはマイナンバーと異なり、原則として公表され利用目的も限定されていません。

マイナンバーって何に使うの?

マイナンバーはマイナンバー法に基づいて、社会保障・税・災害補償などに利用範囲を限定した上で導入されました。

マイナンバーの導入には今まで各機関でそれぞれに管理していた国民の個人情報を一元化することで各種の行政手続きを簡素化するという目的もありました。

企業は従業員の社会保険や税の手続きをするため、個人情報である従業員のマイナンバーを収集して管理する義務が生じます。

社労士とマイナンバーの関係

パソコンを持つ女性の写真

では具体的にマイナンバーが社労士の業務にどのように関係してくるのか見てみましょう。

取り扱う際の注意点も合わせて紹介します。

そもそも社労士って何をするの?

社労士は社会保険関係や労働関係の法律に関するスペシャリストで、「社会保険労務士」という国家資格を持ち、雇用や保険、年金といった様々な分野で活躍しています。

労働基準法などの労働法令に沿って働きやすい職場の環境になるように提案したり、企業の代わりに書類作成・事務手続きをするのが社労士の主な業務です。

社労士の業務の中でも労働保険や社会保険に関わる書類作成や提出代行、就業規則や賃金台帳の作成は、社労士の独占業務となっていて、社労士にしか出来ない仕事です。

社労士はマイナンバーをどのように取り扱うの?

社労士は労働社会保険諸法令に基づいて申請書や帳簿書類を適正に行わなければいけません。その業務の中でマイナンバーが記載された特定個人情報を扱うこともあり、そのために安全管理措置を講じることが求められます。

社労士が企業から業務を委託されている場合、マイナンバーの取り扱いも委託されることが多く、社労士は顧問先からのマイナンバーの相談に対して適切に助言をすることも求められます

社労士には社会保険労務士法によって守秘義務が課せられています。さらにマイナンバーにはマイナンバー法特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドラインなどが設けられていることもあり、社労士の職業倫理の観点からも適正な取り扱いを求められます。

マイナンバーの保管についての決まりは?

マイナンバーは、マイナンバー法によって「特定個人情報」と定義されますが、従来の個人情報保護法も適応されます。

特定個人情報は一般的な個人情報よりも機密性の高い重大な情報とされているため、漏洩や盗用などがあった場合、従来の個人情報保護法よりも重い罰則が科せられます

マイナンバーを取り扱う際は、適切な手段で管理することがとても重要になります。

【原則】利用するごとに取得しなければならない

マイナンバーは必要がある場合に限って何に使うかを説明した上で提供を求めることが出来ますが、利用目的をひとつしか伝えていなければそれ以外で使うことは出来ません。

使用後は速やかにマイナンバー情報を破棄するのが大原則で、新たに利用が必要になった場合は改めて提供を求めなければいけません。

例外的にマイナンバーを保管できる場合

ただし、継続的な雇用が続くと分かっている従業員の場合は、その従業員の社会保障関連事務や税務処理を毎年おこなうことも分かっているので雇用関係が続いているうちは廃棄せずに継続して保管することが認められています。

退職者のマイナンバー保管はどうすれば良いの?

雇用契約があった従業員が退職したときには、速やかに適切な方法でその従業員のマイナンバー情報を廃棄しなければいけません。

しかし、退職後も繰り越し分の給料の支払いがあるなど、今後まだ事務処理に利用することが必要な場合は利用目的が果たされるまで保管することが出来ます退職後最長で7年間保管することが許可されます

マイナンバーの安全管理対策の方法

打ち合わせをしている写真

先に説明した通り、今までの個人情報よりも取り扱いに注意が必要なマイナンバーですが、具体的にはどのようなことに注意すれば良いのでしょか?

実際にマイナンバーを取り扱う際に注意するべき点、準備するべきことについて見ていきましょう。

機密情報が漏えいする原因は?

厳密に管理されているはずの機密情報が漏えいする原因の大半は組織的管理の甘さヒューマンエラー、盗難紛失などの物理的脆弱性、システム管理などの技術的脆弱性によって発生します。

社労士もリスクに対してひとつずつしっかり対策を取って万全に備えることが重要です。

安全管理のための4つの注意点

マイナンバー法ではマイナンバーをはじめとする特定個人情報を適切に管理運用するために、各種の安全管理措置を講じなければならないことになっています。

ここでは4つの安全管理措置についてひとつずつ確認していきます。

組織的管理

安全管理を行う組織体制を整える管理措置です。責任者や取り扱い担当者を決めて責任や役割を明確化したり、情報漏えいが発生した時の対応策を講じておく必要があります。

担当者以外の人がマイナンバーに関わる業務をしないのはもちろんですが、簡単に手にしたり見たりできないように注意を払うことも重要です。

人的教育

ヒューマンエラーをなくすための管理措置です。個人情報を扱う従業員に対して監督したり、マイナンバーの扱い方などの社員教育を徹底しておこないます。

マイナンバー業務を行う担当者による不正な漏えいや、内部者による盗難などを防止して適正な取り扱いが継続して運用されるようにします。

物理的対策

物理的に情報を奪われたり紛失することを予防する管理措置です。マイナンバー関連の事務作業は別室で行い入室者を制限する、不要になったマイナンバー情報は確実に廃棄する、関連書類は決められた保管場所での保管・施錠を徹底するといった対策をおこないます。

技術的対策

不正アクセスなどのシステム上のトラブルを防ぐ管理措置です。アクセス制御で利用者を制限したり、セキュリティ強化で外部からの不正アクセスを防ぐ対策を講じます。

廃棄システムも作るべし!

機密書類の管理業務は保管よりも廃棄の方に手間やコストがかかることも少なくありません。

特にマイナンバーが記載された書類やデータは、二度と復元できないように処理しなければいけないので、確実に処理がおこなわれたことを確認する必要があります。

廃棄することを前提にあらかじめスムーズに破棄できるシステムを用意しておくと良いでしょう

マイナンバー制度導入で社労士の仕事が増える?

喜ぶ人たちの写真

マイナンバー制度ができたことによって社労士の仕事は簡素化できて減ってしますのかと考えられがちですが、果たして本当にそうでしょうか?

実はマイナンバーの情報を管理するために企業の負担が増えていますが、企業はその管理業務のために新しい人を雇う余裕がありません

そこで新しい従業員を増やすよりも国家資格を持っている社労士の方が信頼できるし、専門的な相談ができるので社労士に依頼した方が良いと考える事業主が増えています。

そのため社労士の需要はマイナンバー制度により更に高まっていて、社労士の存在価値も上がっています。

マイナンバー制度で今後増えることが予想される社労士の業務

そんな需要が高まることが予想される社労士ですが、どんな業務が増えることが考えられるでしょうか?

まず先にも書いたようにマイナンバーの取り扱いや管理が必要になったことで、負担が増えた企業から社労士への依頼が増えることが考えられます。

またマイナンバーは取り扱いが難しいので今までの顧問先から社労士としてのプロの目線でアドバイスを求められることもあるでしょう。そこでマイナンバーを取り扱う担当者に対して研修を行うことも考えられそうです。

さらにマイナンバー制度のことを勉強したい会社員の人や中小規模事業者の人向けにセミナー開催も考えられます。

社労士のマイナンバーの取り扱いまとめ

社労士とマイナンバーまとめ

  • マイナンバーはマイナンバー法により一般的な個人情報より厳しい管理運用が求められる
  • 社労士は業務の中でマイナンバーを適正に使用することが求められる
  • マイナンバーの管理は企業にとって負担なので社労士の需要・存在価値は高まっている

マイナンバー制度が導入されたことにより社労士の需要はますます高まっていくことが予想されます。

このチャンスに社労士の資格を取得してみてはいかがでしょうか?