公認会計士が目指せるキャリアは?コンサル会社のCEOに直接取材してきました!
「公認会計士のキャリアにはどんな選択肢があるの?」
「公認会計士のスキルを生かして活躍したい!」
このような考えをお持ちの方も多いかと思います。
公認会計士は監査法人に就職するものと思われがちですが、実はその専門性を生かして様々なキャリアを選択することが可能となっています。
今回は公認会計士のキャリアの可能性を探るべく、ブルーリーフパートナーズ株式会社代表取締役CEOの小泉誉幸様にお話を伺ってきました!
ぜひ最後までご覧ください!
公認会計士になるまで
本日はお忙しい中、インタビューの時間を設けていただきありがとうございます。
資格Timesを運営しております、株式会社ベンドの近藤と申します。本日はどうぞよろしくお願い致します。
ブルーリーフパートナーズ株式会社の代表取締役CEOを務めております、小泉と申します。
よろしくお願い致します。
よろしくお願い致します!
まずは、小泉様が公認会計士の取得を目指されたきっかけを教えてください!
そのことをお伝えするために、少し遠回りにはなるのですが、私の生い立ちから説明させてください。
私の実家は会社を経営しておりまして、高校生まではそのまま家業を継ぐつもりで、大学に行く気すらありませんでした。
しかし、高三の三者面談で大学に行って欲しいと突然言われまして。(笑)
当然勉強したことなんてなかったので、現役では全落ちしてしまい浪人してしまいました。
この当時偏差値35くらいだったのですが、浪人中は1年間真面目に勉強して、偏差値を20上げて専修大学に合格しました。
たった一年で偏差値を20も上げたのはかなり凄いですね!
ありがとうございます。
もちろん、自慢できるような偏差値の大学ではありませんが、この時の経験から「同じスタートラインで勉強をすれば負けない」という自信を持つようになりました。
こうした経緯で専修大学に入学したのですが、、
大学1年の時に専修大学の就活課に行った時、専修大学の卒業生が就職する主な企業やその年収を知って、悪い意味で衝撃を受けました。
これなら実家の事業を継いだ方が何倍もマシだと。(笑)
そうなんですね!
確かに、大手企業でも所謂「高年収」になるまでにはなかなか時間がかかりますからね。
そのことを就活課の方に伝えたら、「会計士に受かれば世界が変わるかも」と言ってくださって。
実家のこともあって元々起業を視野に入れていた僕にとっては、会計や財務の知識が学べる会計士が魅力的に映ったということもあり、大学2年の春から会計士の勉強をスタートしました。
大学1年生のうちから将来をしっかりと見据えていてすごいです!
確かに、公認会計士の勉強をすれば経営に必要な会計の知識も身につきますから、将来的に起業を考えていた小泉様にとってはぴったりの資格だったと言えそうですね!
そのまま大学4年の時に短答式試験に合格し、翌年は資格浪人をして論文式試験にも合格しました。
ただ、公認会計士の合格祝賀会などに出席しても、周りの方々はみんな東大とか早慶の方々ばかりで、専修大学の人なんて数人しかいませんでした。
ずっと勉強してこなかった私が悪いのですが、そこで「やはり学歴はあった方が良い」と感じて、早稲田と慶應の大学院入試を受けることにしました。結果、どちらにも合格したので、慶應の大学院に進学しました。
学生の中には学歴で悩んでる人もいると思いますが、何歳になってもキャリアは自分のやる気次第で変えられるということを伝えたいです。
偏差値35から公認会計士に合格して、その後さらに慶應の大学院に進学されたのですね…!
ビリギャルよりも小泉様の方がすごい気がします!(笑)
公認会計士としてのキャリア
コンサルティング業界から起業まで
小泉様は公認会計士試験に合格後、慶應院から新卒として就活をされたと思うのですが、どのようなキャリアを歩まれたのでしょうか。
実は会計士の勉強を通じて「監査業務」は自分の性に合わないと感じていました。
むしろ将来の起業に役立つような経験を積みたいと考えていたので、「監査法人」へと就職する会計士が多い中、私はコンサルティング企業であるシグマクシスに就職をしました。
大多数の公認会計士合格者が監査法人への就職を考える中、小泉様はコンサルティング企業へと就職されたのですね。
シグマクシスは当時まだ新卒採用を始めて3年目ほどの、かなり勢いのある会社でした。また、比較的自由に仕事をさせていただけたので、その点も魅力的でしたね。
ですが、大手コンサルだったこともあり、コンサル先も大手企業さんばかりで。
起業したてでお相手できるような企業さんとはコネクションができないなと感じたので、3年ほど務めたのち、中堅中小企業の事業再生を行っているロングブラックパートナーズに転職しました。
会計士だからと安易に監査法人を選ぶのではなく、将来を見据えて就職先を選ばれたのですね!
2社目では事業再生に携わられたとのことですが、事業再生とはどういった業務なのでしょうか。
事業再生というのは、倒産しそうな会社をどう立て直すかという仕事です。
具体的には、時代の変化にビジネスモデルを合わせて変化できなかった企業や経営者の無駄遣い等により、資金繰りが悪化した企業に対し、自力再生が可能か、スポンサーと共に再生可能か、清算したほうがいいのか等の実態把握、その後の事業計画策定、その実行支援を行うという仕事です。
こちらは大変面白い仕事で、非常に様々な企業様と関わらせていただきました。都心だけで活動していたら絶対に関わることのなかったニッチなビジネスにも沢山触れることができましたので、その経験も現在の起業の糧となっていますね。
ロングブラックパートナーズを退職後、現在のブルーリーフパートナーズ株式会社を創業いたしました。
当社ではこれまでの私の経験を生かし、成長戦略のコンサルティングから事業再生まで、中小企業様のあらゆる課題の解決をサポートさせていただいております。
また、「みんなの税理士相談所」などのプラットフォーム運営や、M&Aによる事業拡大などにも挑戦しております。
公認会計士というと大手監査法人に入社して安定したキャリアを歩むというイメージを持っていましたが、小泉様のように独立に向けてキャリアを進められる方もいらっしゃるのですね!
公認会計士の資格はキャリアアップに繋がる?
コンサルティングや事業再生等を行われていましたが、こうした業務を遂行するにあたって公認会計士の資格は小泉様のキャリアにどのように生きていますか?
やはり、基本的に株式会社は営利団体なので、利益をどれだけ出せるのかが大事になってきます。
そうなった時、会計というのは共通言語として常に必要となってくるので、当然ながら会計の知識は私のキャリアの中で非常に役立ちました。
特に、会計の専門家としてその軸からコンサルティングを行うことができたのは、非常に大きいと思います。
なるほど!
小泉様の場合、公認会計士の資格そのものというより、資格試験の勉強を通じて得た知識がキャリアに生きたということでしょうか。
おっしゃる通りです。
会計士の独占業務は監査業務だけで、コンサルティングやデューデリジェンス、M&A仲介等は資格がなくても行うことができます。
そのため、あくまで私の場合はですが、資格を持つこと自体にはあまり意味がなかったですね。
独占業務のある資格であったとしても、生かし方は人それぞれなのですね!
税理士と公認会計士はどっちがおすすめ?
税理士と公認会計士、どちらの資格を取ろうかと迷う方も多いです。
小泉様としては、それぞれどのような特徴や強みがあるとお考えですか?
やはり、合格さえできれば税理士の資格もついてくるので、大学生等で勉強時間が豊富に取れる環境にあるのであれば、会計士の方がおすすめですね。
ただ、会計士は大手企業を相手にする仕事が多いです。対して、中堅中小企業は税理士の土俵なので、やはり自分がどういうお客様と仕事をしたいかを考えた方が良いと思います。
公認会計士の資格が大企業向きで、中小企業向きではないのはなぜでしょうか?
会計士は法人税等は勉強するものの「税務」の専門家ではないので、所得税とか相続税とかの細かい税金を扱う際は、やはり税理士試験に合格されている人の方が強いからです。
このように、公認会計士と税理士ではお客様が変わってくる場合が多いので、やはりどういったところに興味があるかという点も重視すべきだと思います。例えば、「お客様の顔が見えた方が良い」とかなら税理士ですね。
大切なのは「資格取得後にどんな仕事をしたいのか」をしっかりと考えることなのですね!
一方で、短期決戦が求められる公認会計士試験に、社会人になってからチャレンジするのは難しいとも思います。
その点、1年ずつ科目合格を重ねていける税理士の方が目指しやすいのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
それはおっしゃる通りですね。
働きながら資格取得を目指される社会人の方であれば、税理士の方が圧倒的におすすめです。
税理士であれば1年に1科目ずつ無理なく合格を重ねていって、5~6年で着実に合格を目指せるので、現在の仕事と両立しながらでも十分取得を目指せると思います。
公認会計士については、正直働きながら合格している人はほとんど見たことがないですね。
私個人の印象に過ぎませんが、社会人から公認会計士を目指すのであれば、1~2年は勉強に集中できるような環境に身をおかないと、かなり厳しいのではないかと思います。
今目指すべきおすすめの資格は?
小泉様からみて、おすすめの資格はなんでしょうか。
あえて、公認会計士以外の資格からお選びいただきたいです!
これは社労士(社会保険労務士)ですね!
社労士は東大早慶といった超高学歴の方々はあまり受験しないので、会計士や弁護士などの資格と比べると競争がかなり穏やかなのです。
その上、社労士の得意とする給与計算や助成金の申請などの需要は尽きることがありません。
競争が穏やかで、かつ需要も豊富なので、社労士の資格を持っていると仕事がめちゃくちゃ来るみたいです(笑)
需要は常に存在するのにも関わらず、超強力なライバルがいないのが社労士なのですね!
資格の難易度的にも狙いやすいですし、かなりコスパの良い資格と言えそうですね!
実際、私も社労士の方を採用したくてしたくて。。
ありとあらゆる転職サイトやエージェントを活用して社労士の方を探しているのですが、全然採用できていません(笑)。
需要に対して社労士の数が明らかに足りていないのだと思います。
ですから、社労士の資格を持ってれば、就職や転職で引っ張りだこだと思いますよ。
もちろん企業内でも重宝されますし、超おすすめの資格ですね。
社労士の方はなかなか転職市場に出てきてくれないのですね!
この記事をお読みになっている方で社労士の方がいらっしゃいましたら、ぜひブルーリーフパートナーズへの転職を検討してみてください!(笑)
社労士の方、大歓迎です!
また、今は税理士もおすすめですね。
税理士は私の時代と比較して受験者数が半分程度になっているにも関わらず、新規設立される法人数はむしろ年々増加しています。
つまり、法人の数に対して税理士が足りないという状況が起こりつつあるのです。
さらに、税理士の平均年齢はなんと60歳を超えています。つまり、今から10年後とかには税務に詳しい人材が大幅に減っているということです。
そのため、今後ますます税理士は需要が高まっていくと思いますよ!
社労士も税理士も、需要に対して人材が大きく不足しているのですね。
何か資格を取りたいとお考えの方は、ぜひ社労士や税理士を検討してみてはいかがでしょうか。
資格の勉強をしながら働ける会社も
小泉様の会社では、資格試験勉強中の方に何か特別な待遇等はされているのでしょうか。
弊社は資格試験の学習中の方も働きやすい環境を整えています!
私個人としても社員が資格試験に合格すると嬉しいですし、会社としても有資格者が増えることにはメリットしかありませんからね。
具体的な措置としては、例えば試験直前などの有給休暇を奨励したり、試験合格後の資格登録費用(例えば税理士などでは20~30万円必要)を弊社が負担したりなどしています。
また、ご要望を伝えていただければ、できるだけ柔軟に対応させていただいております。
例えば、ある資格学習中の社員の場合、「2ヶ月間の給与を2割にして、その間は週一勤務にする」といった対応を、お互いの合意のもとで実施したりしました。
ここまで柔軟に対応してくれる企業は聞いたことがありません!
働きながら資格試験を目指される方にとっては、まさに理想的な環境だと言えそうですね。
今後の展望
小泉様の今後の展望についてお伺いしたいです!
今後は社労士事務所や司法書士事務所などの設立を積極的に進めていきたいと考えています。
「ブルーリーフパートナーズのグループに仕事を頼めば、全ての士業がいて、あらゆることを任せられる」という環境を整え、ワンストップ型のコンサルティングファームを目指していきたいです。
併せて、積極的な自己投資もしていきたいと考えています。
結局社員のことを考えると、「自分で意思決定をして、事業推進していく場」をできるだけ沢山作ってあげることが大切なのだと思っています。
自己投資をした会社であれば、そこの役員として事業推進ができるので、社員の方もモチベーションを持って仕事に取り組めるのではないかと考えています。
小泉様は社員の方の「働きやすさ」や「仕事のやりがい」も大切にされているのですね!
資格を生かして働きたい方、主体性を持って活躍したい方は、ぜひブルーリーフパートナーズで働くことを検討してみてはいかがでしょうか。