医療管理秘書士ってどんな資格?難易度から過去問・通信講座・独学勉強法まで解説!

この記事は専門家に監修されています

医師

安藤広真

「医療管理秘書士ってどんな仕事をするの?」

「試験の難易度や合格率はどの程度なの?」

このような疑問をお待ちの方もいるのではないでしょうか?

医療管理秘書士は、医療事務系の資格であり、医療機関などで重宝される資格です。

しかし、似たような名称の資格も多くあるため具体的な仕事内容は何なのか、いまいち分からない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、医療管理秘書士の仕事内容や必要な勉強時間、試験の難易度や合格率などのデータを解説していきます!

医療管理秘書士についてざっくり説明すると

  • 指定された学校などのカリキュラムで勉強することで十分合格を狙える
  • 難易度が低いため、まとまった勉強時間が確保できなくても問題ない
  • 就職や転職の場でメリットがある

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医療管理秘書士ってどんな資格?

大きな疑問

医療管理秘書士は、医療機関に勤務して医師などの医療スタッフが診察などの業務に専念できるように秘書業務を行う資格です。

医療管理学や医療秘書としての実務的知識、医学や薬学に関する知識を身に付け、業務の専門性を高めることを目的としています。

医療管理秘書士として働きたい人はもちろん、医療に関する事務や接遇などの知識やスキルを身に付けたい人には取得をオススメします。

医療管理秘書士資格の主催団体

試験は一般社団法人医療教育協会が主催して行っています。

医療秘書管理士は 「医療機関において医療の総括的責任を持つ医師の機能の一部を担い、情報の円滑化に資するなど、広く医師の業務を補佐し、医療事務がさらに円滑化されること」を目指して創設されました。

また「病院組織における管理者・病院長・副院長・診療部長・診療各科医局長・診療補助部門医局長が本来の業務に専念できるように援助し、秘書業務を行うため」の上級事務職員資格であると定義されています。

医療管理秘書士は隠れた狙い目資格

医療秘書管理士試験は1回の試験で1,000人以上の人が受験しています。

医療関連の検定試験は数多くありますが、医療管理秘書士の合格率は90%以上を誇ります。

難易度が低いため、すぐに結果を出して自分に自信を持てるようになる穴場資格と言えます。

また、協会指定の単位を取得したときに医療秘書士という資格を得ることができます。

さらに、医療管理秘書士試験の点数に応じて心療実務士資格の1級から3級までのいずれかの資格も取得できるため、最大で3つの資格を得られる非常にコスパのよい資格なのです。

医療管理秘書士試験の難易度は?

難易度は星いくつ?

医療管理秘書士試験の試験範囲と出題形式

医療管理秘書士は年2回行われ、1月と10月に実施されます。

ただし、受験資格は医療教育協会が指定する大学・短期大学・専門学校において協会規定科目の単位を取得した者に限られるため注意が必要です。

出題形式は選択問題形式となっており、対策は容易です。

なお、試験科目は医療管理学概論(医事・医療・精神保健各法を含む)、医療秘書実務、医事業務に関する医学一般、医事業務に関する薬の知識(医療管理学に含む)、医療事務演習(医療事務総論(医療保険制度)、医療保険請求事務演習)、情報処理・実技の6分野です。

一見難しそうな科目名ですが、合格率は高い試験であるため心配しなくても大丈夫です。

合格率・合格ライン・勉強時間は?

医療管理秘書士試験の合格率は9割を超えます。

ただし、受験者は全員協会指定の学校で定められた単位を取得している人であるため、一概に簡単な資格とは言えません。

合格基準は、試験問題全体の60%以上に正解することとなっています。

医療管理秘書士の受験資格を得るためには、必要な単位の取得を目指し学校の試験勉強をしなければなりません。

このように手間とコストがかかってしまう点に注意しましょう。

学校で単位を取得するためには数年かかってしまいますが、こうした学校の試験勉強は医療管理秘書試験に直結しています。

そのため、このような学校の勉強をこなしていけば、しっかりと合格できる試験になっているのです。

医療管理秘書士の知識ゼロからでも合格できる?

試験内容は医事・医療・精神健康法などの医療管理学や医療秘書実務、医学や薬の知識、情報処理実技についてなど、幅広く問われます。

科目名は難しそうですが、基本的には学校の授業や試験をしっかりと受けて、テキストをベースに勉強すれば全く問題ありません。

医療管理秘書士ついて学ぶ意欲を持っていれば、医療管理秘書士についての事前知識の有無は関係ないので、安心して試験に挑戦して大丈夫です。

医療管理秘書士資格を取ることがおすすめな人

医療管理秘書士試験は合格率は非常に高いため、資格を確実に取得して仕事に生かしたい人や、まずは簡単な医療系の資格試験に合格して自信をつけたいひとには特におすすめです。

そのため、医療に興味がある人のほか、秘書などの裏方業務に携わりたい人は積極的に受験を検討しましょう。

医療に関する事務だけでなく、秘書業務も学ぶことができるため、幅広く役立つ知識を得ることができます。

医療管理秘書士試験の勉強方法

勉強する人

試験の出題範囲が公開されており、出題傾向も掴みやすいため、対策は容易です。

試験内容は学校の授業との一貫性があり、初期の勉強から積み重ねてきた知識も無駄にはならないため、非常に効率的に勉強できます。

基本的には協会指定の学校で勉強をすれば合格できるレベルに達することができるため、授業や学校の試験をしっかりとこなせば対策は十分です。

医療管理秘書士試験に関連するテキスト・問題集は市販されている

医療管理秘書士試験専用の問題集は市販されていません。

しかし、類似する医療事務や医療秘書関係の試験とは共通の出題内容も多いため、これらの資格試験対策のテキストでも十分に対応できます。

そのため、医療事務や医療秘書試験対策で出版されているテキストや問題集も、医療管理秘書士試験の対策に大いに役立つため、フル活用しましょう。

実際に書店に足を運んで自分に合った教材を選び、それを中心に据えて勉強を進めていきましょう。

過去問は市販されていない

残念ながら、試験の過去問は公式には出版されていません。

そのため、過去問を購入して試験対策をするという正攻法は通用しにくいので、本番に向けての実践力と応用力を身に付けるのにかなり苦労してしまうのではないかと考えてしまう人が多いです。

しかし、合格率の高さからもわかるように、市販のテキストと協会指定の学校での勉強をしっかり行えば十分に合格できるだけの学力は身に付くので、心配する必要はありません。

日頃の学校のカリキュラムをしっかりと受けることが、合格への近道なのです。

通信講座で独学形式も

協会指定の学校の中には、医療管理秘書士の通信講座を提供しているところも多くあります。

講座を利用して学ぶことで、短期間で効率よく学習することができるため確実に合格を目指したい人にはオススメです。

また、学習ツールも充実しているため自宅や移動中などのスキマ時間を利用して勉強できるといったメリットもあり、まとまった勉強時間を確保できない人は利用すると良いでしょう。

通信講座を使うことは、忙しくて学校に通うのは難しいが、独学で資格を取得したいという方にとって安心して勉強を進めることができるというメリットがあるのです。

また、勉強慣れしていない人にも丁寧に学習ができるので安心できます。

医療管理秘書士試験の勉強をするメリット

リフレッシュする女性

医療管理秘書士資格は就職・転職でも有利

資格を勉強・取得することで、主に就職活動や転職活動の面でメリットがあります。

医療管理秘書士資格を自体を条件とする求人は多くはありません。

しかし、医療機関は全国に多くあり、医療事務や医療秘書などのポストの求人は全国各地に多数あるため、資格を持っていれば職にあぶれることは無いでしょう。

医療管理秘書士の主な仕事の場となる病院や診療所などの医療機関は全国で10万施設以上もあります。

そのため、自分の住んでいる場所にあわせて働きたい場所をすぐに見つけることができるため、家庭の都合などで引っ越しを余儀なくされたとしても安心なのです。

つまり、こうした医療事務などの仕事に就職・転職するときには、医療管理秘書士という資格は非常に有利になります。

医療管理秘書士検定の試験日程・会場・申し込み

日程は要確認

試験は年に2回実施されています。

協会指定の学校が試験会場になるため、普段勉強している環境で本番も受験できます。

そのため、会場に向かうまでの過程で道に迷ったりする不安はありません。

会場は全国各地の地方都市にも設置されるため、普段住んでいる場所の近くで受験することもできます。

申し込み期間は試験日の2ヶ月前~試験の2週間前までとなっているため、申込み期間が始まったら忘れないうちになるべく早く手続きをしましょう。

医療管理秘書士検定の受験資格

医療管理秘書士検定には受験資格が設けられています。

医療教育協会が指定した大学・短大・専門学校で協会指定の単位を取得したことが受験するための条件となるため、これをクリアできなければ受験できません。

このような制約が行われる理由は、一定以上の単位の取得を条件とすることで受験生の質の高さを担保するためです。

医療機関という大きな役割を果たしている場所で働く人を想定しているため、このようや制約はやむを得ないのです。

しかし、こうした条件があるからこそ資格取得後は高く評価される資格です。

多くの医療機関で高く評価してもらうことができ、また転職市場でも自分の価値を高めることができるのです。

医療管理秘書士試験の受験料

受験料は7,000円です。

合格率の割には受験料はやや高いので、一発合格を狙いましょう。

ただし、医療管理秘書士として認定されるには別途10,000円が必要となります。

また、受験料だけでなく受験資格取得までに大学か短大または専門学校に通わなくてはならないため、授業料も別途かかる点に注意が必要です。

様々なコストはかかってしまうものの、「同時に3つの資格を取得できるチャンスがある」という観点では非常にコスパのよい資格であると言えます。

また、医療機関で働く上でつぶしが利く資格なので、取得後のメリットや安定した雇用などを考えると、自分への有意義な投資となります。

医療管理秘書士検定と合わせて狙える類似資格

様々な資格

医療秘書技能検定試験

医療管理秘書士試験の類似試験に、医療秘書技能検定試験という試験があります。

名称が非常に似ているため、間違えないように注意が必要です。

医療秘書技能検定試験を通じても、医療機関で医師や看護師などの医療スタッフの業務を支援するのに必要な知識を得ることができます。

医療秘書技能検定試験に受験資格は設けられておらず、受験者も多いため広く認知されている資格でもあるため、ネームバリューが高いと言えます。

受験範囲の重複もあり、医療管理秘書士試験受験を考える人は併せて勉強すると相乗効果があると言えます。

同じ年に同時合格は十分狙えるため、ぜひダブル合格を目指しましょう。

医療秘書技能検定は3級から始まり、1級に近づくにつれて徐々に難易度が上がっていきます。

準1級や1級は難易度は高いものの、その分社会的評価も高いため、医療管理秘書士試験合格後はさらなるステップアップとして受験することもオススメです。

医療秘書技能検定の詳細は下記の記事をご覧ください。

医事管理士資格認定試験

医事管理士認定試験は、日本病院管理教育協会が実施している試験です。

試験は年2回実施され、合格率は90%程と医療管理秘書士試験と類似する点も多くこちらもダブル取得を狙いやすい資格となっています。

ただし、この試験を受験するにも協会が指定する大学や短大、専門学校で医療実務に関する所定の科目を履修することが条件となっています。

ホームページなどで自分が条件をクリアできているか確認してみてください。

医療管理秘書士試験の受験をするか医事管理士認定試験の受験をするかはよく考えて決めるべきです。

自分のキャリア構成を長い目で考えたときに、本当に必要なのかどうかを見極めてから取得を検討しましょう。

医事管理士資格の詳細は下記の記事をご覧ください。

医療事務管理士技能認定試験

医療事務管理士技能認定試験は、技能認定振興協会によって行われています。

50年以上の実績のある試験で、こちらも認知度が高い試験で、多くの医療機関で評価されています。

年6回試験が実施されるため、医療管理秘書士試験よりもチャンスは多いです。

しかし、合格率は医科・歯科どちらの区分でも60%台と難易度は医療事務系の試験では比較的高めです。

ただし、受験資格は設けられていないため、大学や短大・専門学校に通う必要はありません。

比較的短期間の勉強で、早めに資格を取得したいという人にオススメと言えます。

また、医療管理秘書士試験の練習を兼ねて受験してみても良いでしょう。

似たような分野からの出題はあるため、日程的な余裕があれば模試感覚で受けるという選択肢もアリです。

医療事務管理士の詳細は下記の記事をご覧ください。

医療管理秘書士に向く人・取得を目指すべき人

キャリアウーマン風

それでは、医療管理秘書士に向く人はどのような人なのか、見ていきましょう。

  • 会社や企業での秘書経験を持っている

一般企業の秘書と医療機関での秘書業務は異なるものの、似ている部分も多いです。

具体的には上層部の方のスケジュール管理や電話応対や書類の管理などです。

このように一般企業での秘書経験がある人は、そのまま医療秘書の業務に経験を応用することができるため、適性があると言えます。

  • 秘書検定の資格を既に取得している

医療とは関係ないものの、秘書検定という資格も存在します。

前述したとおり、秘書業務経験があれば医療秘書の仕事に通じるものが多くすんなりと業務に入ることができるため、既に秘書検定の資格を取得している人は医療管理秘書士の資格を検討しても良いでしょう。

  • 病院やクリニックなど、医療機関の仕事に興味を持っている

高齢化が進む中で、医療機関は今後ますます重要な存在となります。

そこで、医療機関での業務に関心を持っており就職や転職を考えている人はぜひ取得を目指すべきです。医療機関の人手不足も懸念される中で、非常に貴重な人材となれるでしょう。

  • 色々な人と良い関係を作れて、コミュニケーションスキルが高い

医療秘書としての仕事は、病院長や医師長などの上層部の人だけではなく、看護師や事務職の人とも連携を取って仕事を進める必要があります。

そこで、スムーズに仕事を進めるためにはコミュニケーション能力は必須となるので、コミュニケーションスキルが高い人は医療秘書の仕事に適性があると言えます。

また、小規模なクリニックなどでは患者さんとも接する機会も多くあるため、患者さんから直接お礼の言葉を言ってもらえる機会もあります。

つまり、患者さんとも良い関係を築くことができれば、自分のやりがいにもつながるため好循環を生み出せるのです。

  • 書類整理やビジネス文書の作成・管理が得意

幅広い業務を行うとはいえ、医療秘書業務の基本はやはり書類整理や文書作成などの事務作業です。

このように地味で、時には単調な仕事であっても、高い集中力を持って取り組める人は医療秘書に向いています。

また、事務作業が得意な人であれば、医療管理秘書士を取得することで実務・知識ともに高いレベルで備えていることを証明できるため、取得を目指すと良いでしょう。

医療管理秘書士のまとめ

医療管理秘書士のまとめ

  • 合格ラインは6割以上の正解で、難易度はかなり低い
  • 医療事務の事前知識が無くても全く問題ない
  • 学校のカリキュラムをしっかり受けることが合格への近道
  • 関連資格も多く、ダブルライセンス以上も狙いやすい

医療管理秘書士は医療機関において欠かせない人材です。

難易度が低い割にはつぶしが利くため、とてもコスパの良い資格と言えるでしょう。

学校で組まれている講座を受けるだけで十分に合格できるようになるため、興味がある方はぜひ学校のホームページなどを見てはいかがでしょうか?

医療管理秘書士は魅力が多い資格なので、ぜひ取得を検討してみてください!

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