医療事務管理士試験の難易度は?合格率や勉強時間・偏差値まで徹底解説!

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医師

安藤広真

「医療事務の仕事がしたいから資格が欲しい」

「医療事務管理士は難しいの?」

そんな風に思っている人はいませんか?

医療事務管理士は日本で初めて医療事務資格として認定された資格で、受付業務やカルテ管理などの診療に関わる事務業務全般について学びます。

転職や就職にも有利となるため、人気のある資格でもあります。

そこで今回は医療事務管理士の難易度や合格率、受験資格などについて詳しく丁寧に解説していきます。

この記事を読めば医療事務管理士の試験や勉強法が分かるはずです。。

医療事務管理士についてざっくり説明すると

  • 医科と歯科を選ぶことができる
  • 受験資格不要で合格率も60~70%なので挑戦しやすい
  • 20~30代の女性の受験者が多い
  • 幅広く認知されていて就職のアピールにも役立つ

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医療事務管理士試験の難易度

医療事務管理士の難易度表

医療事務管理士資格には医科と歯科がありますが、どちらも他の医療事務資格と比べると比較的易しい資格です。

学科試験と実技試験に合格しなければ資格取得できませんが、しっかりと対策すれば十分に合格を狙える資格で、独学で勉強する人も少なくありません。

医療事務管理士の試験は試験範囲とは?

学科試験・実技試験共に筆記の試験がおこなわれます。

学科試験は医科・歯科ともに共通の方式と出題範囲ですが、実技試験は多少異なる部分があります。

それぞれどのような試験なのか確認しておきましょう。

実技試験

実技試験では診療報酬明細書(レセプト)に関する問題が出題されます。

医科・歯科ともにレセプトの誤りや不備を点検する「点検問題」が1問とレセプト作成2問の計3問で構成されています。

レセプト作成は歯科は外来の2問ですが、医科は入院もあるため入院・外来の各1問が出題されます。

レセプトは医療事務の業務の中でも特に重要なので、ひたすら演習してしっかり解けるようにしておきましょう。

学科試験

学科試験は医科・歯科ともにマークシート方式で10問出題されます。

出題範囲は法規・保険請求事務・医学一般の3分野で、具体的な内容は以下の通りです。

分野 内容
法規 国民保険などの医療保険制度・後期高齢者医療制度・公費負担医療制度などに関する知識
保険請求事務 診療報酬点数の算定方法・診療明細書の作成業務・医療用語などに関する知識
医学一般 各臓器の組織や構造などの基礎的な解剖学・生理機能・傷病の種類などに関する知識

医療事務管理士試験の受験資格

医療事務管理士の試験を受けるための受験資格は設けられていません。

年齢・性別・学歴はもちろん、医療業界での実務経験も問われないため、これから医療関係の仕事に就職・転職したい人でも目指すことができる資格です。

だれにでもチャンスが与えられていると分かれば挑戦しやすいですよね。しかもテキストをもとにしっかりと勉強すれば十分に合格を目指せる資格でもあります。

医療事務管理士の難易度を偏差値で表すと?

医療事務管理士は医科の方が診療科目が多くて広範囲に渡っての知識が必要になるため、歯科よりも難易度が高いと言われています。

しかし偏差値は医科・歯科ともに43~44程度なのでそこまで難しい試験ではありません。

医療事務管理士は医療事務管理の仕事を目指す多くの人が受けるポピュラーな資格であるため、対策方法もたくさん出回っています。

難易度は低めと言えるでしょう。

医療事務管理士試験の合格率

医療事務管理士がそこまで難しくないのは分かったと思います。でも実際どれくらいの人が合格しているのか、どれくらい勉強すれば合格を目指せるのか、気になりますよね。

医療事務管理士の合格率は分野ごとに違う

実施年月 医科分野
2023年2月 72.0%
2023年1月 70.0%
2022年12月 64.4%
2022年11月 76.2%
2022年10月 71.4%
2022年9月 69.4%
実施年月 歯科分野
2023年1月 83.6%
2022年11月 73.9%
2022年9月 69.2%
2022年7月 75.5%
2022年5月 80.79%
2022年3月 66.3%

出典:技能認定振興協会(JSMA) 試験実績

医療事務管理士の合格率は試験ごとに異なるものの、おおよそ医療分野60%、歯科分野70%程度です。

歯科に比べて医科の合格率はやや下がるものの、他の医療管理事務関係の資格に比べれば合格率は高いと言えます。

例えば 「医療事務実務能力認定試験」は51%、医療事務資格の難関資格と言われる 「診療報酬請求事務能力認定試験」は30% 程度となっています。

医療事務管理士試験の合格基準点

合格基準点は医科・歯科ともに同じです。

まず実務試験はレセプト点検問題1問、レセプト作成問題2問の3問それぞれが50%以上の得点をしなければいけません。

さらに3問の合計が70%以上必要です。

例え1問が満点だったとしても他の問題が50%以上の得点を出来なかった場合は不合格になってしまいます。完璧を目指して回答する必要はありませんが、必ずすべての問題に手を付けるようにしましょう。

学科試験は70%以上の得点で合格です。

以上は会場試験の場合です。インターネット試験は実技・学科の総得点率が70%以上で合格となります。

医療事務管理士合格までに必要な勉強時間

個人差はあるものの、医療事務管理士に合格するためには6カ月で350~450時間程度の勉強時間が必要だと言われています。

毎日勉強すれば1日2時間の計算になります。もし平日に1時間しか勉強できなかったとしても土日で5時間ほど勉強すればクリアできます。

決して不可能ではない勉強時間であり、難易度も高くないと言えるでしょう。

また医療事務管理士試験はテキストや計算機を持ち込むことが可能なため、すべてを暗記する必要はありません。

覚えられない箇所は素早く確認できるようにしたり、必要な情報をまとめたりと、勉強しながら試験当日に持ち込む資料をしっかり準備するようにしましょう。

より効率的に勉強したい人は通信講座などを受講することを検討してみてはいかがでしょうか?

医療事務管理士の受験者層

医療事務管理士の受験者を性別比で見ると圧倒的に女性が多く、年代別では20~30代が多いです。

専門学校で学んで受験する人も多いですが、通信講座で勉強して資格取得を目指す人も少なくありません。

特に社会人は通信講座で勉強して就職や転職に生かそうと考える人が多く、中には出産を機に資格取得を考えて子育てをしながら勉強をがんばる人もいます。

決して簡単なわけではありませんが、一日の大半の時間を勉強に費やさないと合格できない難関資格とは違って、仕事や家事・育児と両立しながらでも十分合格は狙える資格なことからも、難易度は高くないと言えるでしょう。

医療事務管理士と他の医療資格の難易度を比較

ここまで医療事務管理士はそこまで難易度の高い資格ではないと説明してきましたが、より難易度が伝わるように他の医療事務系の資格と比較してみましょう。

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)

日本医療教育財団が実施している試験で、40年もの歴史があることから信頼があり、知名度も高い資格です。

医療事務管理士と同じように医科と歯科があり、試験は医科は毎月、歯科は年6回おこなわれているため挑戦しやすいです。

合格率は65%前後なので医療管理士と比べると少し難易度が上がりますが、それでも比較的簡単な試験だと言えます。

また受験資格が不要な点も挑戦しやすいポイントです。

医療事務管理士と勉強内容が重なっている点も多く、かなり実践的な内容になっているため医療事務管理士のステップアップとして取得したり、ダブルライセンスとして狙うのもおすすめです。

医療事務技能審査試験に合格するとメディカルクラークの称号が付与されます。

診療報酬請求事務能力認定試験の難易度は下記の記事も併せてご覧ください。

診療報酬請求事務能力認定試験

診療報酬請求事務能力認定試験も受験資格はなく誰でも挑戦できる資格ですが、他の医療事務資格の中でも最難関で最高峰の資格と言われていることから難易度の高さがうかがえます。

こちらも医科と歯科があり、試験は年に2回おこなわれます。

医療事務管理士やメディカルクラークを取得した後にステップアップとして挑む人が多く、キャリアアップやより好条件での転職を考えて挑戦する人もいます。

難関資格ではあるものの、医療事務管理士で勉強したことと重複する箇所も多いためステップアップとして挑戦する人も多い資格でもあります。

難関資格だからこそ、病院によっては資格手当が出ることもあります。

診療報酬請求事務能力認定試験の難易度は下記の記事も併せてご覧ください。

医療事務管理士の注目ポイント

医療事務管理士は社会的信頼度や認知度の高い資格のため、取得することで得られるメリットがあります。

幅広く認知された資格である

実は医療事務管理士は日本で最初に誕生した医療事務の技術品質を保証する資格で、その歴史は50年にも上ります。その知名度は高く、資格取得者はのべ18万人以上もいます。

これほどの実績がある資格のため、医療機関にも幅広く認知されていて社会的信頼度も高く、就職や転職の際には十分なアピールポイントにもなります。

医療事務で即戦力として働くことができることを証明する資格であるため、医療事務職を目指す多くの人が勉強しています。

資格を生かして働く場が豊富

医療事務管理士は幅広い知識が必要なため、資格を取得すれば受付・会計・カルテ管理などの業務や診療内容を入力して診療費の料金計算をするオペレーター業務・レセプト作成・病棟クラークなど、幅広く活躍することができます。

さらに就職先は病院だけではなく、保険調剤薬局や健康保険組合、損害保険会社などもあり、求人需要が多いのも魅力のひとつです。

そして全国どこでも使える資格であり、どこの地でも必要とされる仕事であるため、引っ越しが必要になっても働き先を見つけることができるはずです。

また雇用体系も豊富なため、自分に合った働き方を選択することも可能です。

医療事務管理士は独学合格できる?

難易度が高くないのに認知度・信頼度が高くて、就職や転職に有利となれば、取得したい人が多いのも納得です。しかし医療事務管理士を取得するためにはどのように勉強すれば良いのでしょうか?

独学で勉強する際の注意点を確認しておきましょう。

独学合格を目指す時の注意点

医療事務管理士を独学で受験するなら、テキストなどを用意するのもスケジュールを考えるのも進捗管理するのも、すべて自分でおこなわなければいけません。

学習スケジュールの設計は重要

合格するためになによりも重要なのは継続的に勉強することです。試験範囲の勉強が終わらなければ試験に合格できるわけがありません。

そのためには、勉強を始める前にまず学習スケジュールを立てて継続しやすい環境作りをしましょう。

限られた時間の中で効率的に勉強するには基礎知識の習得を中心に勉強するのがおすすめです。

レセプトの範囲は重点的に対策

レセプト請求は医療事務の中でも一番専門性が高く、項目が多い分野です。

しかし実技試験では3問出題されることになっている上に、それぞれが50%以上得点しないと足切りされて不合格になってしまいます。

1項目ずつしっかり勉強を進めて、試験に対応できるようにしておきましょう。

過去問は重点的に取り組む

実際の試験問題に慣れるためにも、過去問を解いて問題に慣れておくことも重要になります。

医療事務管理士の試験は出題傾向が決まっているため、過去問に挑戦しながら分析をすることで重要なポイントや頻出問題を把握できて、より効率的に勉強を進めることができます。

医療事務管理士まとめ

医療事務管理士まとめ

  • 医療事務系の資格の中でも難易度が低めで挑戦しやすい
  • 他の医療事務系資格へのステップアップにもおすすめ
  • 知名度・信頼度が高いので就職や転職にも役立つ
  • 勉強時間を確保して継続的に勉強できれば独学でも合格できる

医療事務管理士は独学でも合格が目指せるのに、認知度が高くて医療事務のスキルアップや就職・転職の際にとても役立つ資格です。

医療事務系のスキルアップをしたい、未経験だけど医療事務系の仕事に挑戦したいという人はぜひ資格取得を検討してみてください。

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