メディカルクラークってどんな資格?試験形式と勉強法まで徹底解説!
「メディカルクラークって名前だけ聞いたことあるけどどんな資格なの?」
「メディカルクラークって具体的にどんな仕事をするの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
メディカルクラークの正式名称は「医療事務技能審査」で、病院やクリニックなどの医療事務をする際に生かせる仕事です。
取得していると医療関係の就職活動や転職活動で役立つことが多いですが、試験の仕組みや合格率なども気になりますよね。
こちらの記事では、メディカルクラークの試験の合格ラインや必要な勉強時間、また仕事内容などについてわかりやすく解説します!
メディカルクラークについてざっくり説明すると
- 正式名称は医療事務技能審査試験
- 必要な勉強時間は100~200時間程度
- 受験資格はなく、難易度も比較的低め
- 医療現場で活躍できる資格
このページにはプロモーションが含まれています
メディカルクラーク(医療事務技能審査)ってどんな資格?
病院やクリニックなどに勤務する事務員に人は、診療報酬請求事務・良質なサービスの提供としての患者接遇など、質の高い専門技能が求められています。
そこで、実務や知識を精通している人の評価基準として、採用の場や研修の場などで活用するためにメディカルクラーク資格があります。
簡潔に言うと「病院における事務能力の高さの証明」ということになります。
メディカルクラークの主催団体
メディカルクラークの資格試験は、日本医療財団が主催しています。
この財団は、他にもドクターズクラーク・メディカルオペレータ・ケアクラークなどの医療にかかわる資格を主催しており、医療現場の事務員の能力の啓発に力を入れています。
なお、メディカルクラークは「医療事務業務に従事する者の有する知識および技能の程度を審査し、証明することにより、医療事務職の職業能力の向上と社会的経済的地位の向上に資すること」を目的を目指して始まった資格であり、事務能力の評価の基準となります。
試験には45年の長い歴史があり、知名度と社会的な信頼度も高いと言えます。
そもそもメディカルクラークとは
メディカルクラークとは、試験の合格者に与えられる称号であり試験の正式名称は「医療事務技能審査試験」です。
日本最大級の医療事務試験で、診療報酬請求事務業務や窓口業務など、医療事務に従事する上で求められる能力が備わっているかが審査されます。
医療事務技能審査試験は医科と歯科に分かれており、医科では歯科を除く全ての診療科で必要とされる知識が問われ、歯科では歯科に特化した知識が問われる形式となっています。
医療事務資格の中で最も人気
正式な受験者数は発表されていないものの、メディカルクラークは毎年2万人の受験者がいると考えられています。
この数は医療事務の資格の中では最も受験者数が多く、非常に人気の資格であることがわかります。
資格試験では珍しく毎月試験が行われています。
これは、毎月問題を作る労力を割いてでも受験回数を増やし、医療現場の人を増やしたいという背景もあるのです。
メディカルクラークの仕事のやりがい
メディカルクラークは、主に医師や看護師が患者の治療に集中できるように裏方としてサポートを行います。
病院によっては直接患者と関わる機会も多いため、自分のしたことに対して患者から感謝の言葉をもらえることも多いです。
そのようなときに、医療の現場に携わっている人間としてやりがいを感じることができるでしょう。
また、医師や看護師のサポートをしているため、患者以外でも医療現場で活躍する医師や看護スタッフに感謝されることも多く「自分が医療に貢献している」という実感を得ることができるでしょう。
このように、人の役に立っているという実感を得やすいことがやりがいと言えるでしょう。
メディカルクラーク(医療事務技能審査)の難易度
メディカルクラークの試験範囲と出題形式
メディカルクラーク試験は以前は1級と2級に分かれていましたが、現在は統合され一つになっています。
医科と歯科の二つの試験に分かれてはいますが、審査領域のほとんどは共通しています。
試験の形式は学科・実技Ⅰ・実技Ⅱの3科目に分かれてり、この形式についても医科でも歯科でも同じです。
実技1は400字以内での記述問題が2問出題され試験時間は50分、次に行われる学科試験は3択の問題が25問出題され、試験時間は60分となっています。
実技1の出題内容は、自分が受付担当者として患者さんから質問を受けた際に、どのように応対するかを400字程度の文章で答える問題です。
学科試験の出題内容は医療保険制度・公費負担医療制度・診療報酬算定などから3択問題で出題されます。
最後は実技2が行われ、診療報酬請求事務における明細書点検が4問出題され、試験時間は70分です。
内容は4枚のカルテを基に作成されたレセプト4枚を照合し、誤りを訂正するという問題です。
試験では資料の持ち込みが許可されており、それを見ながら解答するため解答時間は長くなっています。
メディカルクラークの合格基準と合格率
合格ラインは「3科目とも得点率が70%を超えていること」で、特定の科目で満点でもある科目が7割未満だったら合格できません。
合格に必要な勉強時間は100~200時間程度と言われています。
なお、試験科目免除制度というものがあり、3科目を同時に受験した回で得点率が70%を超えた科目は、6カ月間試験免除となります。(一部合格ということです)
これに該当すると、半年の間は不合格となった科目にだけ集中することができるため、合格の可能性が大きく高まります。
試験の合格率は公表されていないものの、近年では60%近いと考えられているため比較的取得はしやすいと言えます。
医療事務をしていなくても大丈夫?
試験を受ける上で、受験資格は設けられておらず、医療事務の実務経験の有無も関係ありません。
基本的には試験範囲の内容をテキストや問題集を使って勉強すれば良く、実務経験が無いからと言って合否に関係ないので気にする必要はありません。
これから医療事務を目指す人が事前に勉強をしていることが多く、転職の際にも有利になるなどのメリットがあるため早期の取得がおススメです。
メディカルクラークの難易度は下記の記事をチェックしてみてください。
メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)の勉強法
学科・実技1と2と、3種類の方法で試験が行われますが、それぞれの問題で問われていることの1つ1つはあまり難しくありません。
それぞれの出題形式に慣れ、演習を重ねていけば全く問題ありません。
また、持ち込みが可能であるため、節約したいからと言って限られた参考書だけ準備するのはお勧めしません。
また、これまでに分からなかった箇所や不安な箇所などを自分なりにまとめたノートを作っておくと試験当日も安心でしょう。
おすすめテキスト・問題集
メディカルクラークの試験対策に特化したテキストや問題集はありません。
そのため書店で関連テキストを探すか、フリマアプリで売られている教材を元に勉強することになります。
市販のテキストで代用する場合は、以下の内容が学べるものを選びましょう。
-
医療保険制度・介護保険制度の基礎知識
-
患者接遇マナーや職場でのコミュニケーションスキル
-
医療費(診療報酬点数)の算定方法
過去問も販売されていない
メディカルクラークには、過去問が公表されていないため資格試験対策でで王道の過去問を使った対策ができません。
そのため、テキストや通信講座を中心に対策して自信を付けていくしかありません。
あまり実践力を身に付けているという実感がなく不安を感じることも多いと思いますが、試験は月1回試験は行われるため焦る必要は無いでしょう。
不安があっても、一度試しに受験してみて試験本番の難易度や雰囲気をつかむことも重要です。
前述した一部合格制度もあるので、不合格だった場合は追加で勉強するということも可能なため、ある程度勉強をこなしたらどんどん受験してみましょう。
講座ならしっかり対策可能
独学だと不安だという人は、通信講座などを受講すると確実に合格に近づくことができるためおすすめです。
ニチイ学館が通学・通信の2種類で医療事務講座コースを実施しているため、興味がある人は資料請求などしてみると良いでしょう。
講座を使って学ぶことで、
- 独学よりも効率的に勉強できる
- ニチイの合格のノウハウを享受できる
- 孤独を感じずに勉強できる
などのメリットがあります。
メディカルクラーク(医療事務技能審査)を取得するメリット
メディカルクラークを取得することで、診療報酬請求事務業務や窓口業務など医療事務職として求められる能力を備えていることを対外的に証明できます。
そのため、転職して新たに医療事務の仕事ができるようになったり、採用や選考の場で有利になるというメリットがあります。
また、近年は少子高齢化の進展で医療機関の重要性が高まってるため、資格を正当に評価してくれる環境も整っています。
この資格だけでは事務能力の優劣を差別化できないという意見もありますが、メディカルクラークは医療事務に携わる人の資格の中では王道の資格なので高いネームバリューがあります。
また、他の医療系の資格を取得する際に役立つほか、自分が就職したい診療科の専門的なことを学ぶ際にも土台となる知識を得られるため、確実にスキルアップできるというメリットがあるのです。
なお、資格を取得した後に履歴書に書く場合は、単に「メディカルクラーク」とだけ書くのではなく、正式名称で主催団体とともに書く必要がある点に注意が必要です。
具体的には、以下のような書きぶりになります。
「2019年10月 日本医療教育財団 医療事務技能審査試験 合格」
試験日程・会場・申し込み方法
在宅受験で回数も多い
試験は前述したとおり毎月行わており、試験会場は在宅受験をする人が多いです。
なお、通塾していたり・専門学校生で通っている場合は学校が会場として申し込んでいる場合があるため、確認してみてください。
受験の申し込みは、受験の申込書を受験日の2か月~3週間前までに取り寄せて、必要事項を記入したうえで申し込まなければなりません。
うっかり忘れてしまうと受けようとしていた日に受けられなくなってしまうので注意してください。
申し込み時の注意
受験料は7,500円です。
4月の段階で、毎月何日に試験が行われるかが発表されているためホームページなどで確認しておくと良いでしょう。
試験の流れは、以下のようになります。
- 試験当日の午前中に試験問題が自宅に届く
- 問題を受け取り解く
- 翌日までに発送記録が残る方法で返送する
なお、医科と歯科の試験は同じ日に行われるため、併願はできません。
メディカルクラーク(医療事務技能審査)と合わせて取りたいおすすめ資格
同じ医療系資格として、以下の資格の取得もおすすめです。
医療事務管理士
医療事務管理士は、日本で最初の医療事務の資格として広く認知された資格として知られている医療系資格です。
病院スタッフとして必要な、受付・治療費の計算、診療報酬明細書作成・カルテ管理などを行うスキルを認定する資格で、メディカルクラークと似ていることが分かります。
学科と実技の2つの試験がある点も共通しており、ダブル取得がしやすいメリットもあります。
インターネット試験で、24時間いつでも受けることが可能なため自分の都合に合わせて受験することができます。
医療事務管理士の詳細は下記の記事をチェック!
診療報酬請求事務能力認定試験
診療報酬請求事務能力認定試験は、メディカルクラークよりも難易度が高く、スキルアップに適している試験です。
この資格を持っていることで、レセプト業務を行うにあたって自身の信頼性をアピールでき、非常に重宝されるでしょう。
実際にレセプト業務を行ってからでも受験する価値のある資格であるため、現職の方も積極的に受験することをおすすめします。
診療報酬請求事務能力認定試験の詳細は下記の記事をチェック!
メディカルクラーク(医療事務技能審査)まとめ
メディカルクラークまとめ
- 難易度は低く、少ない勉強時間で取得可能
- 医療機関に就職したいときには大きなメリットがある
- その他関連する医療系資格も併せて取得すると良い
少子高齢化が進んでいく中で、医療機関の果たす役割の重要性はますます高くなっていきます。
メディカルクラークのように医療機関で働く人の負担が増えていくことが予想されるため、今後需要が高まっていくでしょう。
やりがいも大きく社会的意義のある仕事なので、取得を検討してみてはいかがでしょうか?