医療秘書ってどんな資格?難易度・過去問・通信講座・独学勉強法まで全て解説!
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医師
安藤広真
「医療秘書ってどんな資格なの?」
「難易度や合格率などの試験データが知りたい!」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
医療秘書は、医療という名が付いている通り、主に医療機関で行う秘書業務のエキスパートを指します。
目指している人にとって、具体的な仕事内容や試験の合格率や必要な勉強時間など、気になることは多いですよね。
そこで資格Timesでは、医療秘書の取得メリットや試験データについて解説していきます!
医療秘書についてざっくり説明すると
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3級の合格には300時間の勉強が必要と言われている
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問題集や過去問をフル活用していくと良い
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多くの医療機関で活用できる資格で、病院勤務希望者は必須
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ダブルライセンスも狙いやすく、関連資格も多い
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医療秘書検定ってどんな資格?
医療秘書とは、医療機関に勤務する秘書スタッフとしての実務マナーや医療法規・医学用語・医療事務に関する知識を身に着け、業務の専門性を高めることが目的の資格です。
医療に関する事務やマナー・法規の知識を身につけたいと考えている人は取得を目指すべきです。
医療秘書検定の主催団体
試験は、一般社団法人医療秘書教育全国協議会が主催しています。
医療機関において医師や看護師など医療スタッフを裏方からサポートする事務職のエキスパートを育成することを目的としています。
それにより、医療事務がさらに円滑化され、医療の質を高めることにつながるため、社会的意義がとても高いと言えます。
医療秘書検定は歴史の長い人気資格
1988年の検定開始以来、60回以上の試験が実施され、これまでに40万人程もの人が受験してきた権威ある資格です。
1回の試験で5,000人以上の人が受験していることからも人気があることが分かります。
医療関連の検定試験は多くありますが、医療秘書検定はその中でも歴史が長く受験者数の多い検定であり、注目度は非常に高いと言えます。
また、それだけ医療機関で求められているという裏返しでもあります。
医療秘書検定の難易度
医療秘書検定には4つの級が設けられており、上位の級になるほど難易度は高まります。
医療秘書検定の試験範囲と出題形式
検定は、易しい順に3級・2級・準1級・1級の4つのレベルがあります。
試験は飛び級受験はできませんが、その他の制限は特に設けられていないため、受験資格は誰にでもあります。
試験形式は学科試験と実技試験に分かれています。
学科試験はマークシート方式で行われるため、比較的対策はしやすいと言えます。
一方、実技問題では実際に診療報酬請求書を作成することが求められるなど、実務を想定した形式となっています。
しっかりと演習を重ねて問題に慣れておかないと解くことはできません。
合格率・合格ライン・勉強時間は?
合格率は、難易度が上がる高い級になるにつれて低下します。
合格率は3級では約70%、2級では約50%、準1級・1級では約30%となっており、徐々に狭き門になっていることが分かります。
特に準1級と1級は3人に1人しか合格できません。
3級・2級は難易度も低く、多数の合格者が出るのに対し、準1級・1級はかなり難易度が上がるためしっかりと対策しなければ合格できない難しい試験となっています。
試験の合格ラインは、どの級であっても全体の60%以上の得点ができれば合格できます。
飛び級受験はできないため、まず初めの一歩として3級の合格を目指すことになりますが、3級であれば1日3時間ほどの勉強を2週間ほどすれば合格できるので、3級の合格はそれほど高いハードルでは無いと言えます。
気軽に受験することができるのも医療秘書の魅力でもあります。
医療秘書関連の勉強をしていなくても大丈夫?
試験内容は精神健康法などを含む医療管理学や医療秘書実務、薬学に関する知識、情報処理に関することなど、医療に関する専門的なことが幅広く問われます。
「自分は医療事務や医療機関での実務経験がないから歯が立たないのではないか?」と考えてしまう人もいるかもしれませんが、それは全く心配する必要はありません。
受験資格は特に設けられていないためことなら、基本的には試験範囲の内容をテキストをもとに勉強すれば問題ありません。
医療秘書ついて学ぶ意欲を持っていれば、自然と知識が身についていくため、知識があるかどうかは関係無いのです。
そのため、これまでの経歴を気にする必要はなく、しっかりと勉強して試験に挑戦することができます。
医療秘書検定を取ることをおすすめする人
医療秘書検定の入口となる3級は取得しやすい難易度となっています。
医療に興味がある人のほか、秘書などの裏方業務に携わりたい人にも受験をオススメします。
2級までなら、短期間の勉強でも合格しやすいため、すぐに資格を取得したい人にもチャンスがあると言えます。
この資格を取ったことによりさらにステップアップを目指すきっかけにもなるため、まずは簡単な級から取得を目指してみましょう。
医療秘書検定の勉強法
試験の出題範囲は公開されており、一定の出題傾向も公になっているため対策がしやすいのが特徴です。
級ごとに難易度は変わっても、試験内容や出題内容は級を通じて一貫しているため、下位の級から積み重ねてきた勉強も無駄になりません。
そのため、ステップアップを目指す際にも勉強しやすいのです。
使う教材は、医療秘書教育全国協議会や出版社から医療秘書検定試験の問題集やテキストが各級ごとに出版されているため、これらを使って勉強すると良いでしょう。
こうした問題集を使ってコツコツと勉強していけば、独学での取得も目指せます。
また、スキマ時間などを利用して勉強するクセをつければ、早期の取得も狙えるでしょう。
医療秘書検定専用テキスト・問題集も市販
医療秘書教育全国協議会や参考書出版社から医療秘書検定試験専用の問題集が各級ごとに出版されています。
勉強を進める際には、それらのテキスト・問題集を勉強の中心に据えると良いでしょう。
この問題集を何周も繰り返し解くことで本番に向けての実践力や応用力を身に着けることができるため、わからない問題があれば何度も解き直すようにしましょう。
過去問での練習もおすすめ
過去問題集が級ごとに医療秘書教育全国協議会から公式に出版されています。
これを使えば、試験本番と同じ時間を計測しつつ本番さながらに実際の問題を解くことができ、自分の実力を測ることができます。
過去問を使うことにより、頻出問題の把握や重要ポイントを押さえることが容易になるため、過去問は合格に向けての最重要ツールとなります。
ぜひ積極的に活用し、解答を覚えてしまうくらいまで解いてみることをおすすめします。
過去問は、書店やインターネット上の通販サイトなどでも市販されており、比較的入手は容易です。
必ず手元に準備して勉強を進めるようにしましょう。
通信講座も存在
独学だと不安だと考えている人は、通信講座を利用すると良いでしょう。
資格のキャリカレなどが医療秘書講座の通信講座を実施しているため、興味がある講座の資料請求などしてみてください。
通信講座を使って学ぶことで、短期間で効率よく学習することができ、映像のコンテンツなどがあれば移動中などでも勉強できるといったメリットを享受できます。
通信講座であってもスマホなどを使って添削指導も受けらるため、安心して勉強が進められるでしょう。
通信講座の一番の強みは何よりも合格のノウハウが詰め込まれた教材とカリキュラムを提供してくれることで、勉強に自信がない人でもこれらのカリキュラム通りに進めれば自然と合格できる学力を身に付けることができます。
医療秘書検定の勉強をするメリット
医療秘書資格は就職・転職にも有利
そもそも、医療秘書資格ほ保有を採用条件としている求人は多くはありませんが、医療事務などの求人は全国にあります。
医療秘書になるためには、必ずしも医療秘書の資格を取得している必要は無いのです。
しかし、医療秘書は単なる医療事務に加えて医者や看護師のスケジュール管理や、来客応対など業務が多岐にわたるため多くの医療機関で求められる人材です。
主な仕事の場となる病院や診療所は全国で10万施設以上もあるため、自分の住む場所などに合わせて働きたい場所をすぐに見つけることができるようになるでしょう。
また、日本は超高齢化社会に突入しているため、医療機関の社会的役割の重要性はますます高まっていくことが予想されます。
こうした医療事務などの仕事に就職・転職を目指す場合には、医療秘書という資格は非常に有利になるでしょう。
特に準1級以上の資格を持つ人は貴重であり、準1級以上の取得をしておくと医療業界では引く手あまたの存在となれます。
自分自身の価値を高めるためにも、積極的にステップアップを図っていきましょう。
医療秘書検定の試験日程・会場・申し込み方法
試験は年に2回実施されており、次回の第64回試験は2020年6月7日(日)に行われる予定です。
会場は北海道から九州まで全国各地で受験できるため、ホームページなどで必ず確認しておきましょう。
申し込みは郵送で行うことになっており、第64回試験の申し込み期間は2020年の4月7日から5月7日です。
申し込みをうっかり忘れてしまうとこれまでの勉強が無駄になりかねないので、忘れないように早めに行いましょう。
医療秘書検定に受験資格はある?
検定に受験資格は設けられていないため、年齢・性別・実務経験問わず誰でも受験することができます。
3級は難易度も低く、気軽に受験できるため医療秘書検定は誰でも目指しやすい資格であると言えるでしょう。
ただし、2級以上の受験にはそれより下位の級に合格している必要があるため注意が必要です。
また、連続する二つの級は同じ回の試験で併願できるため、自身がある人は一気に上位級の合格を目指してみるもの良いでしょう。
医療秘書検定の受験料
級別で受験料が変わってきます。
具体的には3級の受験料は4,000円、2級の受験料は5,100円、準1級の受験料は5,800円、1級の受験料は6,500円となっています。
ただし併願の場合は割引措置がとられ、2・3級の同時受験は9,100円、準1・2級の同時受験は10,900円、1・準1級の同時受験は12,300円となっています。
いずれにしても、安くはない受験料なのでなるべく一発で合格できるように勉強を仕上げるようにしましょう。
受験の際には、ノート・参考書の持込みは自由となっているので、参考書や自分でまとめたノート・点数表は必ず持参するようにしましょう。
医療秘書検定と合わせて取りたい類似資格
医療秘書士
医療秘書検定の類似資格に、医療秘書士という資格があります。
名称が非常に似ているので、間違えないように注意してください。
この検定を通じて、医事課における受付業務や一般事務・統計などの医療秘書としての基礎を身に着けることができます。
医療秘書士試験に受験資格は設けられていません。
合格率は90%以上と難易度も低いため、とても取得しやすいです。
医療秘書検定受験を考えている人には、併せて勉強して取得しても相乗効果のある試験と言えます。
医療管理秘書士
医療管理秘書士試験は、医療秘書士試験を実施してる医療教育協会が運営している試験です。
医療秘書士試験よりも難易度が高く、より高度な知識や技能が求められます。
そのため、医療秘書士試験に合格した後に、医療秘書検定上級試験に合格することを目指している人にはオススメの資格です。
医療秘書士試験と医療管理秘書士試験の合格ラインは、ともに医療秘書検定試験と同じです。
「60%以上の得点」が合格ラインとなっているので、医療秘書検定試験と同じ感覚で勉強を進められるメリットがあります。
医療機関の事務員として働くにあたり、より高い技能と知識を身に着けることができるため、医療秘書士試験と医療管理秘書士試験の受験は医療秘書検定を受験する人にとってとても有意義なのです。
医療管理秘書士の詳細は下記の記事をチェックしてください。
医療事務
医療事務は医療秘書とよく間違えられる資格です。
医療秘書は、病院の医院長や医局などの秘書として医師や看護師のスケジュール管理や来客の対応が主な業務です。
一方、医療事務は病院の受付や会計・カルテの整理などの事務業務を主に行っています。
同じ事務員でも、業務の内容は違うため混同しないようにしましょう。
医療事務に関する試験は多くあり、取得を目指している医療秘書検定の級に応じて医療事務の試験も併願すると良いでしょう。
どちらも取得できれば、医療機関では貴重な人材となることができ、転職や就職の選択肢を広げることができます。
医療秘書に向く人
適性がある人
医療秘書は、医療の現場の表舞台に立つことはありません。
あくまでも裏方で医師や看護師のサポートを行い、治療をスムーズに進めるための補助的な役割を果たします。
そのため、「裏方として働くことが好き」という人や「縁の下の力持ち的なポジションで働きたい」と考えている人は医療秘書に向いています。
また、職場内のスケジュールの調整や応対など、医学知識以外にもコミュニケーション能力が求められるため、多くの人と話すことが苦にならずどの人とも円滑なコミュニケーションが取れる人は適性があります。
やりがい
医師や看護師が行う治療を通して「自分が医療に貢献している」というやりがいを感じることができるでしょう。
医療の現場に立たずとも、このようなやりがいを感じることができる職業は多くありません。
また、多くの人から感謝の言葉をもらえる機会があるため、それもまたモチベーションになるでしょう。
このように、陰ながら多くのことに貢献する喜びを感じることができる人は、医療秘書に向いています。
医療秘書のまとめ
医療秘書のまとめ
- 就職や転職の場面などで、多くの取得メリットがあるため医療業界希望者はオススメ
- ダブルライセンスを達成すれば、より自分の価値を高めることができる
- やりがいも感じられるため、早めの取得が吉
- 需要も将来性も十分あるため、安心して働くことができる
医療秘書の魅力ややりがい、取得のメリットについてお分かりいただけたと思います。
3級は難易度も低くとても取得しやすいため、まずは気軽に受験してみましょう。
合格できればさらにステップアップを目指すモチベーションにもなり、様々な相乗効果も出てきます。
特に医療機関への就職を目指している人の場合、採用の場だけでなく就職後の昇給や昇進に影響が出るなど、様々なメリットがあります。
医療機関の仕事に興味がある人は、ぜひ前向きに取得を検討してみてはいかがでしょうか?