医療秘書の仕事内容は?業務内容や就職・転職先など求人の実態を調査!

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医師

安藤広真

「医療秘書ってどんな資格なの?」

「医療秘書の具体的な仕事内容を知りたい!」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

医療秘書はその名の通り、医療機関で生かせる資格です。

秘書としての仕事だけで無く、事務作業や情報の管理なども行うため、想像以上に業務の幅は広いです。

こちらの記事では、まだまだあまり知られていない医療秘書の仕事内容や求人の実態について解説します!

医療秘書についてざっくり説明すると

  • 医療機関で活躍で期待される資格
  • 秘書業務以外にも様々な仕事内容がある
  • 需要と将来性がともに高い
  • 全国で求人がある

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そもそも医療秘書とは

大きな疑問

医療秘書資格は、医療機関などで勤務する医療秘書として働く際に生かせる資格です。

医療秘書としての専門知識と技能の能力を証明するもので、採用する医療機関においては志望者の習得レベルを判断する目安となります。

つまり、この資格を持っていることで、実務マナーや医療法規点医学用語・医療事務などに精通し、幅広い知識と技能を持つことの証明となります。

検定は1988年から一般社団法人医療秘書教育全国協議会によって行われており、1年に6月と11月の2回実施されています。

毎年1万人以上が受験する人気資格であり、今後ますます注目されるであろう資格です。

なお、試験の難易度は3級・2級・準1級・1級に分かれており、難易度に応じて段階的に受験する仕組みになっています。

最も簡単な3級の試験には受験資格は特に設けられておらず、誰でも受験することができます。段階的にステップアップをしていき、スキルを高めていくことが出来ます。

医療秘書の仕事内容

スーツの女性

医療秘書は、医療機関における事務作業のスペシャリストです。

病院や診療所などの医療機関は全国に10万以上あり、そこでは実務能力だけでなく、医療分野における幅広い知識が必要とされます。

高齢化が進行することに伴って、住民に医療を提供する場として医療機関の重要性はますます高まっていくでしょう。したがって、同様に医療事務の作業も重要になってくるのです

しかし、実際には医師や看護師は患者の診療や対応などに追われ、スケジュール管理や来客の接待といった雑務までは手が回らずに疎かになってしまっているのです。

そこで、医療の分野での秘書業務のエキスパートである医療秘書の活躍が求められるようになりました。

医療秘書は直接医療に携わることはあまり無いものの、医療機関の円滑な運営を陰で支えるという使命のある立派な仕事だと言えるのです

具体的な業務内容

医療機関や薬局・製薬会社などで活躍でき、一般企業の秘書と似たような業務もあれば、薬剤や医療技術に関する資料作成といった、医療現場ならではの業務もあります。

その中で、業務は主に3つあります。

  • 秘書業務
  • 事務・保険請求業務
  • 情報管理業務

以上3つに大別されます。

秘書業務に含まれるものは、医師のスケジュール管理や来客・電話対応、医師や看護師の補佐医療情報の収集・整理、書類作成・整理などの裏方業務です。

事務・保険請求業務に含まれるものは、窓口での患者の対応や診療報酬請求に関わる事務手続きなどです。

情報管理業務に含まれるのは、患者のカルテの管理や検査結果やレントゲンフィルムの整理、行政上の届け出・報告などです。

どれも表舞台に出る訳ではありませんが、医療機関では欠かすことのできない重要な業務です。

独占業務は持たない

医療秘書は、認知度の高い資格の一つではあるものの、独占業務はありません。

そのため、医療秘書にしかできない仕事というのは、法律上無いことになります。

また、資格を必要条件としている医療機関の求人も少ないのが実情です。

しかし、今後は医療機関の利用の多くを占める高齢者の人口はどんどん増えていくため、医療機関の存在は重要になってきます。

そのため、現役世代にしかできない仕事はますます増えていくと考えられており、それに伴い重要性も見直されて医療秘書の仕事や給料は増えていくことが予想されているのです。

医療秘書の年収・給与

平均年収は、一般的に320万円程であると言われています。

しかし、人によってばらつきがあり、400万円以上の年収を稼ぐ人もいます。順調にスキルアップし出世することで年収は少しずつ上がっていくでしょう。

また、医療機関は安定した職場環境であるのも大きな魅力です。

医療機関なだけあり福利厚生もかなり手厚いため、手取りの年収以上にワークライフバランスのとれている充実した生活を送る医療秘書の方が多いのです。

かなり安定した身分なので、安心して長く勤めたいと考えている人にとっては理想的な職とも言えます。

医療秘書と医療事務の違い

医療秘書に似ている資格に医療事務という資格があり、名前が似ているためかよく混同されがちです。

しかし、実際には両者に大きな違いがあります。

大きな病院にある「総合案内」などをイメージしてみてください。

医療事務が働く場所は、主に病院や診療所の受付窓口であり、来院した患者さんの対応や保険証を確認などを行います。

また、その他にも患者の情報や診療する部位などをヒアリングした上でカルテを登録したり、診療科へ案内したりする仕事をしています。

さらに、診療報酬の点数を計算し、明細書(レセプト)の作成や診療費の受け取りなども医療事務の仕事です。

一方、医療秘書は医療事務が行う事務手続きや保険請求に加え、秘書業務や情報管理業務なども担っています。

そのため、医療秘書の方が医療事務よりも仕事の範囲は広く、責任も大きいです。

職場のよって求められる仕事は違うものの、その分仕事はたくさんあるため資格を持っていることで貴重な人材として評価されるでしょう。

医療秘書と医療クラークの違い

医療事務の他にも類似した職業があり、医療クラーク(医療事務作業補助者) が挙げられます。

医療クラークの主な仕事は、医師や看護師の業務量を軽減するために書類の作成や業務の補佐をすることです。

カルテや診断書などの文書作成などの事務業務を、医師の指示に従いながら補助する専門職が医療クラークなのです。

書類作成の他には、カルテを入力したり行政機関への届け出を行ったりすることも仕事に含まれます。

しかし、医療秘書は上記のような仕事に加えて、医療に関する事務や秘書としての仕事も行います。

そのため、医療クラークよりも業務の範囲は広く、職場内の立場も上位になることが多いです。

医療秘書になるには?

学ぶ女性

医療秘書として働くためには、特に取得が必須とされている資格はありません。

つまり、特別な資格を持っていなくても医療秘書として働くことができるのです。

実際、資格を有していることを必須条件としている求人は少なく、幅広く募集をかけている医療機関も多いです。

しかし、資格を有していることで、医療秘書として就職・転職する上で有利に働くケースは多いです。

実務においては、医療に関する豊富な知識と事務の実務能力を併せ持っていないと仕事になりません。

そのため、無資格だとスムーズ業務ができないという背景もあり、医療秘書の技能検定に合格した上で就職活動をする人も多いです。

最初に受験することになる3級の合格率はおおよそ70%です。

比較的難易度は低く、集中して勉強すれば1ヶ月以内の勉強で合格も目指せるレベルに達することができるため、自信をつける意味でもスムーズに取得することがオススメです。

医療秘書試験の概要

こちらでは、試験の概要について解説します。

試験は6月と11月の年2回行われ、受験手数料は級によって異なります。

受験手数料は3級は4,000円、2級は5,100円、準1級は5,800円、1級は6,500円となっています。

試験の特徴として、他の医療系の資格とは異なり主催団体の提供する講座等を購入する費用はかからないことが挙げられます。

そのため、他の医療系資格よりも総費用が低く、取得のメリットを考慮すればコスパの良い資格であると言えるのです。

次は、試験内容についてです。

学科試験の出題形式は全てマークシート形式の問題で、選択問題が30問出題されます。

難解で時間がかかりがちな記述式問題の出題はないので、比較的試験対策がしやすいでしょう。

実技試験は学科試験よりも難易度は上がり、医療報酬明細書を作成することが課されます。実務に近い形式です。

医療報酬明細書は普段は作成しないようなものなので、しっかり書き方を対策する必要があるでしょう。あらかじめしっかりと練習問題や過去問題を通じて明細書の書き方には慣れておくようにしてください。

出題形式・内容はには一定の型があるため、しっかりと対策すれば年2回の試験に合格することができます。

医療秘書試験の詳細は下記の記事をチェック!

医療秘書試験の難易度・合格率

試験の受験者が毎年10,000人程いる人気の資格であり、今後さらに受験者は増えていくと考えられます。

また、試験の合格率は、例年3級で約70%・2級で約50%・準1級と1級で約30%でとなっています。

下位の級になればなるほど当然難易度は低く、合格率も高くなる傾向にあります。

一方、準1級・1級になると合格率も低くなり難易度は高くなります。単純に合格率だけ見ると3人に1人しか受からない計算になるので、かなり難関試験と言えるでしょう。

そのため、計画的に勉強を進めると際には時間をかけてしっかりと対策をする必要があります。わからない箇所があったら丁寧に潰していき、捨て問題を少なくするなどの工夫が求められます。

出題範囲は医療秘書として必要な知識の他、医療機関の組織・運営、医療関連の法規、医学の基礎知識、医療事務などであり、非常に幅広い分野の知識が求められます。

最初は「浅く広く」勉強して、徐々に「深く広く」勉強することを心がければ十分に合格圏に到達できます。

合格後登録は不要

医療秘書は、特定の資格を取得していなければ働けない職業ではありません。

学歴や年齢制限がなく、医療機関の求人に応募して採用されれば、誰でも医療秘書として働くことができるのです。

多くの資格では、合格しただけではただの「合格者」としての位置づけとなりますが、医療秘書の場合は試験合格後に登録する必要はありません。

つまり、合格するだけで「医療秘書」を名乗ることができ、働くことができるのです。

医療秘書になるためには、テキスト代や受験料の他には登録料などの余分なコストはかからないため、コスパが良いのです。

したがって、働き始めることのハードルはとても低く、医療機関での仕事を希望し、すぐに働きたい人には特におすすめの資格です。

医療秘書資格取得メリット

それでは、資格の取得メリットについて見ていきましょう。

まず、合格後に間を開けずすぐに働くことができるので、今の仕事を退職後も収入を得ることができます。前職の在職中に転職活動をして内定を得ておけば、収入が途切れることなくスムーズにキャリアアップすることができます。

また、医療機関は全国にあり、地域によらず需要が高いので全国どこでも仕事をすることができます

今後、少子高齢化が進めば病院やクリニックなどの医療機関の人手不足などが予想されます。資格を持っていれば場所を問わずニーズがあるため、家庭の都合などで引っ越しを余儀なくされたとしても就職先には困らないでしょう。

つまり、医療秘書は「いくらでもつぶしが利く」仕事なのです。

試験内容に関しても、学科試験は全て選択式試験であり面倒な記述問題がありません。

また、実技試験で課される医療報酬明細書の作成には一定の型があるため、全体的に対策がしやすい試験なのです。

そのため、しっかりと勉強すれば比較的合格しやすく資格であるのでコスパが良く非常に魅力的なのです。

このように、様々な面で取得メリットがあるため、今後ますます注目されると予想されています。

仕事のやりがいと将来性

将来性のイメージ

今後日本ではさらに高齢化が進み、患者数も激増することが懸念されています。

それに伴って医療の現場での事務も増え、人手が求められ医療秘書の需要も増えていくでしょう。

都市部だけでなく地方でも必要性は認識されており、全国的に医療秘書への注目が高くなっています。したがって、仕事は今後ますます増えていくことが容易に想像できます。

目立たないながらも、医師や看護師などの医療スタッフを裏方から支える医療秘書は医療現場になくてはならない存在です。

よって、患者のためにチームの一員となり医療をしているというやりがいを感じる場面は非常に多いと言えます。

医療秘書の需要

高齢化の影響として、特に医療の提供を必要とする後期高齢者の人口は2025年頃まで急増し、その後も後期高齢者の人口は横ばいになると予想されています。

そのため、医療機関の利用者数は今後も増加していき、医者・看護師の負担はますます増えていくでしょう。

医療秘書は医療機関においては欠かせないスタッフであるため、医者と看護師の需要の増加と相まって、医療秘書への需要もさらに高まると考えられます。

医療秘書の業務のきつい点

医療秘書のきつい点として、細心の注意を払わなければならない場面が多いことがあります。

患者から声を掛けられやすい場所にいることも多く、けがや病気を抱えた患者の相手をしなくてはならないため、精神的な負担は大きいでしょう。

特に、体調の優れない患者や忙しい医師と接する際には神経質になりがちです。

また、医療秘書の仕事は、主に医師が円滑に仕事をできるようにサポートすることであるため、患者を救うためには医師との信頼関係を築くことが非常に重要です。

裏方から現場を支える場面の多い仕事であるため、医療現場の表舞台で活躍する機会は多くありません。よって、人によっては「自分が患者を救った」という実感を感じにくいかもしれません。

しかし、医師や患者さんから信頼されたり感謝されることもあるため、大変さや地道な業務がやりがいにつながる仕事でもあるのです。

医療秘書は仕事がないの?

医療秘書以外にも医療事務やクラークなどの医療系の資格は多くあるため、医療秘書や医療事務の仕事は既に仕事をしている人で十分足りると言われることがあります。

しかし、他に例がないスピードで高齢化が進み、現役世代の人口が減るなかで医療秘書の需要依然として増えています。

医療機関も当然人手が必要になりますが、そこで前時代的に無資格者を多く使用すると医療の質を下げてしまう恐れがあります。

そして、数ある医療系の資格の中でも歴史の長い医療秘書は非常に信頼性が高く、医療秘書資を持つ人への求人は多いのです。

そのため、医療秘書の仕事は今後ますます増えてくと考えられるため、需要だけでなく将来性も非常に高いと言えるのです。

実務経験も大切

資格の取得も重要ですが、実務経験も同様に重要です。

医療秘書には医師や患者との信頼関係の構築が大切で、マニュアル通りに対応するだけでなく場合によっては臨機応変な対応も求められます。

そのため、試験に合格するための知識だけでなくコミュニケーション能力など、円滑に医療秘書として仕事ができるように現場での実務経験を積むことも大切です。

しかし、こうした実務経験は試験に合格後に働きながらでも身につけられるため、未経験だからと言って落ち込む必要はありません。

医療秘書の求人状況

鳩と紅葉

医療秘書が契約を結ぶ相手は大きな病院や町のクリニック・診療所などの医療機関が中心になります。

医療秘書としての求人は求人サイト上などで多数掲載されているため、求人は全国各地にあり、住む場所に合わせて働くことができます。

興味がある人は試しに検索してみると参考になります。

医療秘書の主な就職・転職先

医療秘書という資格は、病院やクリニック働く際には直接生きてくる資格で、雇用する側から見ても資格の有無で大きく印象が変わります。

そのため、こうした医療機関に就職や転職をする際には即戦力と考えられることから、資格を取得していることで非常に有利になるでしょう。

また、資格があれば、医療に限定されることなく「秘書」としての一定以上のスキルがあることの証明にもなります。

つまり、医療業界に限らず一般企業でも「秘書」としての能力を認められ、活躍できる可能性もあるでしょう。

医療秘書の求人は全国にある

病院や診療所など、医療を提供する機関は全国各地にあるため、医療秘書の求人は全国に数多くあります。

そのため、生活の場所に合わせて医療機関に就職・転職するチャンスは多いと言えます。

医療施設における事務のエキスパートであることから、実際の求人でも医療事務に似たようなポジションで業務のできる人材が求められています。

そのため、診療報酬明細書(レセプト)作成・診察の窓口受付・カルテの管理など、幅広い業務を任されることになるでしょう。

医療秘書の種類

勉強のアイテム

医療秘書には、これまで述べてきた一般社団法人医療秘書教育全国協議会の他にも日本医師会によるものもあります。ともに国家資格ではなく民間資格です。

日本医師司会認定医療秘書

日本医師会が認定する医療秘書資格です。

高い情報処理能力・専門的な医療事務の知識を兼ね備えた人材の育成を目的にしています。

日本医師会では、昭和56年から日本医師会認定医療秘書の養成を開始しており、養成は日本医師会が認定した養成機関で行われます。

カリキュラムは、基礎的な医学知識・情報処理・秘書知識・ビジネスマナーまで幅広く学ぶことができ、しっかりと受講すれば即戦力となれるでしょう。

認定を受けるには、日本医師会が認定した養成機関にて教育課程の修了・認定試験の合格・検定の取得が必要となります。

医療秘書に関するまとめ

医療秘書に関するまとめ

  • 高齢化が進むにつれて需要は増す
  • 通常の事務員よりも責任があるポジションを任される
  • 試験はしっかりと対策すれば問題なく合格できる
  • つぶしが利くので取得しておくと様々な場面で役立つ

医療秘書の仕事内容は秘書業務だけでなく多岐にわたるため、想像以上に仕事の負担は大きいです。

しかし、その分「自分が貢献している」という実感を得やすく、やりがいにつながるため非常に社会的意義も高い仕事と言えるでしょう。

医療機関では欠かせない人材として評価され、今後も高い需要が見込まれる魅力的な資格なので、興味がある方はぜひ取得を目指してみてください!

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