医療英語が学べる資格があるって本当?医療英会話技能認定の魅力や難易度を解説!

この記事は専門家に監修されています

医師

安藤広真

「医療英会話技能認定ってどんな資格なの?」

「医療英会話技能認定を取るとどんな良いことがあるの?」

医療英会話技能認定に興味があるものの、具体的な内容が分からなくて受験をためらっている人はいませんか?

医療英会話技能認定とは、医療機関で外国人患者に対して英語を用いて簡単な応対ができる能力を測る試験です。

この記事では「医療英会話技能認定とはどのような資格なのか」「医療英会話技能認定を取得することのメリット」などについてご紹介しています。

医療英語に興味がある方はぜひ今後の参考にしてみてください!

医療英会話技能認定についてざっくり説明すると

  • 医療機関で外国人患者に対応するための資格
  • 医療機関を訪れる外国人患者が増えているため、現在需要が高まっている資格
  • 学科試験とロールプレイングを行う実技試験とがある

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医療英会話技能認定ってどんな資格?

クエスチョンマーク

医療英会話技能認定は、医療機関の受付で外国人患者に対応する際に必要な基礎的な英会話の能力を評価し、認定することが目的となっています。

外国人患者に対応する機会が多い方におすすめの資格です。

医療英会話技能認定の主催団体

医療英会話技能認定は日本医療教育財団の主催で行われています。

近年、日本在住の外国人の方や観光で日本を訪れる外国人の方が増え、それに伴い日本の医療機関を利用する外国人の方も増えてきました。

そのため、医療機関の受付では外国人患者に英語で案内や取次といった対応ができる能力が求められるようになっています。

このような背景から、医療機関の受付業務で求められるレベルの基本的な英会話ができるスタッフを育成することを狙いとして作られた試験です。

医療機関の受付業務をしている方は、外国人患者に常に対応できる能力を身に付けるために取得した方がよい資格だと言えます。

医療英会話技能認定は国際化に伴い注目を集めている

医療英会話技能認定は、 日本医療教育財団から承認を受けた教育機関でカリキュラムを受け、修了試験に合格すると技能を認定される資格です。

現在のグローバル化に伴い外国人患者が増加傾向にあります。そのため、医療機関のスタッフも英語での対応をすることが求められる傾向が高く、医療関係者は英語習得をすることが望まれます。

そのため、現在注目されており、医療関係者が取っておくべき資格だと言えるのです。

医療英会話技能認定難易度

考えている女性

医療英会話技能認定の試験範囲や出題形式、合格ラインについて解説します。

医療英会話技能認定の試験範囲と出題形式

出題形式は、学科試験と実技試験からなります。

学科試験は択一式の筆記試験で、医療英単語や医療機関で使われる英語表現などが25~30問出題されます。試験の時間は50分以内で、資料の持ち込みはできません。

実技試験は試験官と一対一でのロールプレイングが行われ、実際の場面を想定し英語で受け答えをする問題が2問出題されます。1問につき3分程度の時間で行われ、資料の持ち込みは可能です。

実技試験もあるため、ただテキストで英語表現を丸暗記するだけでは合格できません。実際の英会話能力が試されます。

合格に必要な勉強時間や合格率などのデータは公開されていません。そのため、勉強がしにくいのではと思う方もいるかもしれませんが、教育機関でカリキュラムを受け、それに伴いテストを受けるという形式のため、勉強にしくいということはありません。

医療英会話技能認定の合格ライン

合格ラインは、学科試験、実技試験でそれぞれ70%以上の得点率になることです。

学科試験、実技試験一方のみ70%以上になったとしても合格できないため注意が必要です。

難しい英会話ができることまでは求められておらず、医療機関で使う程度の基本的な英単語を習得している程度のレベルで問題ありません。

そのような基本的な英単語を外国人患者との会話で使いこなすことができる能力を習得することができれば合格ラインに到達することができます。

また、出題範囲も広くはないため難易度はあまり高くありません。

医療英会話技能認定を取ることをおすすめする人

日本医療教育財団の公式HPでは、

医療機関の受付業務で求められる基礎的な英会話の技能を身につけた事務スタッフの養成、拡大を図っています。 引用:日本医療教育財団公式HP

と明記されています。

外国人患者と接する機会が多い方、または、今後外国人患者が利用する機会が多くなると見込まれる医療機関で働く方におすすめの資格です。

医療英会話技能認定の勉強法

ノートと鉛筆

医療英会話技能認定では、医療機関で使われる英語の用語や受付業務で使われる基本的な英語の用語、表現、フレーズが出題されます。

具体的には体の部位、症状・病名、検査名など医療現場でよく使われている医療英単語が出題されます。

また、受付業務で使われる患者への挨拶や声掛けのフレーズや、保険証の確認、患者へ説明する表現なども出題範囲です。

医療英会話技能認定は公式テキストがないため、出題範囲を参考に、医療用語を学べる英単語帳や医療英会話の本を自分で選び、勉強しなければなりません。

おすすめテキスト・問題集

医療英会話技能認定の公式テキストはありませんが、勉強に役立つテキストはいくつかあります。その中でも今回は特におすすめの書籍を二つご紹介します。

まず一つ目は『トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。』という本です。

この本は、ニューヨークのバイオラボで研究をしているトシユキ・オオハシという日本人を主人公としてストーリー仕立てで医療英単語を覚えることができます。

二つ目は『その症候、英語で言えますか?〜はじめに覚える335症候とついでに覚える1000の関連語』です。

症候(症状)を表す335の英単語だけでなく、関連する用語や用語の具体的な使い方などについて1,000語覚えることができます。

例文が載っているため、実際に医療の実務経験がなくとも理解しやすい内容になっています。また335の症候を表す英単語については、音声がダウンロードできるため発音の勉強もできます。

医療英会話技能認定を勉強をするメリット

ガッツポーズをする外国人

医療英会話技能認定を勉強すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

外国人患者との円滑なコミュニケーションが可能

現在、多くの外国人が日本を訪れたり生活したりするようになってきているため、さまざまな医療機関で外国人の患者が増えています。

しかし、日本語で医療を受けられる程度に日本語を使いこなせる外国人は多くないため、外国人患者に対しては英語でコミュニケーションを取りながら対応することが求められます。

そのため、この資格を取得すると医療機関に外国人患者が訪れても適切な対応を取ることができるというメリットがあります。

また、外国人患者からの病状の訴えや要望についても理解することができるため、日本語が十分に使えない外国人患者にも適切な医療サービスを提供できます。

医療英語能力の証明ができる

英語の能力を測る試験には英語検定、TOEIC、TOEFLなどがありますが、これらの試験を受けているからといって医療に関する英語の能力を習得しているとは証明できません。

しかし、医療英会話技能認定に合格すると、医療で使われる英語を習得していることを証明することができます。

医療英語に関しては他にもいくつか試験がありますが、難易度が高く取得することは簡単ではありません。

しかし、医療英会話技能認定は他の資格と比較すると難易度が高くないため、取得がしやすく医療英語の能力があることも証明しやすいことが特徴です。

医療英会話技能認定の受験資格・会場・日程・受験料

パソコンとノート

医療英会話技能認定は、教育ガイドラインに基づいたカリキュラムを受けて技能を習得することが受験資格となり、日本医療教育財団が定めた教育機関で試験が実施されます。

一般的な試験とは違い受験日程は存在しません。教育機関でカリキュラムを学んだあと最後に試験があり、合格すると「医療英会話技能認定証」が得られます。

そのため、独学で合格を目指すといった試験ではありませんし、自分で日々勉強時間を設けてこつこつ勉強すれば合格できるといったものでもありません。

カリキュラムを受けて受験資格を得ること、カリキュラムを通して試験内容をしっかり理解することが大切です。

日本医療教育財団が定めた教育機関の一覧は公表されていませんが、一部の語学学校やNPO法人などでは個別に日本医療教育財団に申請し、指定を受けて講座を開いているため、そのような機関で受講します。なお、受験料は3,000円です。

医療英会話技能認定と合わせて取りたいおすすめ資格

チェックリストとペン

他の医療英語にはどのようなものがあるでしょうか。

日本医学英語検定試験

日本医学英語検定試験は医学・医療に関する文献を英語で読む能力や、医学・医療に関する情報について英語で聞いたり話したりできる能力を測る試験です。

受験資格はなく、通訳者、翻訳者、出版関係者など医療関係者以外の方でも自由に受験できます。

1級から4級まで存在し、それぞれの難易度は以下のとおりです。

難易度
エキスパート級(1級) 医学英語教育を行えるレベル(プロフェッショナル級[2級]を指導できるレベル
プロフェッショナル級(2級) 英語の論文執筆・学会発表・討論を行えるレベル
応用級(3級) 英語で医療に従事できるレベル(医師、看護師、その他医療従事者、通訳・翻訳者等
基礎級(4級) 基礎的な医学英語運用能力を有するレベル(医科大学・医療系大学在学あるいは卒業程度

引用:日本医学英語教育学会

この中でも、基礎級であり医科大学や医療系大学程度の英語力になる4級の受験がおすすめです。

4級は医療系の英単語の基礎を身に付けているか、医療に関する文献を英語で読めるかどうかといった読解力などを問う試験です。

4級の取得のメリットとしては、出題される基本的な医療単語は類似しているという点が挙げられます。読解練習をする中で単語を繰り返し使うため、一つ一つの単語をより詳しく理解することができます。

しかし、4級であれば大学生程度の英語力で合格できます。また、受験資格がないため独学での合格も可能です。

CMBS BASIC試験

CMBSとは国際医療英語認定試験(Certification for Bilingual Medical Staff)という試験です。

CMBSは、医療英会話技能認定と同じように外国人患者に英語で応対し、適切な医療を受けられるようするといった目的で、医師、看護師、薬剤師、救急救命士などの医療関係者や、事務職スタッフを対象に実施されている試験です。CMBSの合格は、医療職の転職に役立たせることができる資格だと言えます。

CMBSには、その他にも医療系の学生など一般の方向けにCMBS BASIC試験があります。

CMBS BASIC試験は医療英語に関して基礎レベルの方を対象にしている試験で、リスニングやリーディングを中心に医療英語の基本的な内容が出題されます。

受験することによって医療英語の知識を得ることができるのはもちろん、「話す・聞く・読む・書く」という英語の4つの技能を高めることもできます。それにより、医療英語に関する能力を総合的に伸ばすことができるのです。

CMBS BASIC試験もは基礎レベルの試験であるため、独学での合格も可能ではないでしょうか。

さらに上位資格を取りたい方には医療通訳がおすすめ

勉強する女性

医療英会話技能認定などの基礎的な資格は、外国人患者に対して基本的な英語で対応するレベルが求められています。そのため、より高度な英語で外国人患者に対応するためにはさらなる勉強が必要です。

そんなもっと上を目指したいという方は、医療通訳の資格を取ることをおすすめします。

1級と2級があり、また試験には筆記試験を行う一次試験と面接しロールプレイングを行う二次試験があります。

対応言語は英語・中国語・ポルトガル語・ロシア語で、その他の言語についても10名以上の団体であれば相談に応じて対応してもらえます。

受験料は一次試験が6,600円(税込)、二次試験が16,500円(税込)です。

試験のレベルは以下のとおりです。

医療通訳1級 医療全般にかかわれる通訳レベル(重症の病気に対応できるレベル)

医療通訳2級 健康診断・検診には対応可能レベル 一般社団法人日本医療通訳協会

1級は研修を受講しておく必要があり医療通訳として2年間の実務経験も必要ですが、2級は受験資格がありません。将来的に医療通訳の仕事への転職も視野に入れている方はぜひ受験しましょう。現状では医療通訳士が不足しているため、需要が高まっています。

医療英会話技能認定まとめ

医療英会話技能認定

  • 指定の教育機関でカリキュラムを受けたあと試験に合格すると取得できる
  • 体の部位、症状・病名、検査名などの英単語や、挨拶・声掛け表現などが出題される
  • 難易度が高くないので医療英語の能力を証明したい方におすすめの資格

医療英会話技能認定についてご紹介しました。

国際化社会になっている現在、多くの外国人が日本に住んでおり、医療機関を受診することは一般的となっています。

ぜひ医療英会話技能認定を受験して医療英語の能力を身に付けてみてはいかがでしょうか?

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