認定医師秘書ってどんな資格?難易度・過去問・独学勉強法まで徹底解説!
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医師
安藤広真
「医療資格の中で認定医師秘書士が気になる!」
「でもメリットや難易度がわからないと一歩が踏み出せなくて…」
このように思っている方は多いのではないでしょうか。
そこで今回資格Timesでは、認定医師秘書士の難易度や合格率といった試験の基本情報から、資格取得のメリット、どのように役立つのかまで全て解説します。
ぜひあなたの資格取得にお役立てください!
認定医師秘書士についてざっくり説明すると
- 認定医師秘書士の難易度は勉強すれば誰でも合格を目指せるレベル
- 実務に則った試験内容のため就職や転職にメリットがある
- 勉強時間は概ね半年くらい
- 通信講座が開かれているため勉強しやすい
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認定医師秘書™ 試験ってどんな資格?
認定医師秘書は、医師の業務の一部を代行できるようになることが目標の資格です。医療現場や医療事務職への就職を考える方には非常に役立つ資格ですので、取得を検討してみてはいかがでしょうか。
まずは認定医師秘書の資格の概要をご紹介します。
認定医師秘書™ 試験の主催団体
認定医師秘書試験は、特定非営利活動法人 医療福祉情報実務能力協会が主催している試験です。
医療事務作業の補助業務ができることを証明する資格で、別名「医師事務作業補助業務実務能力認定試験」とも呼ばれます。
医療機関に医師事務作業補助者として働いている方や、これから従事しようと準備している方を対象にしています。医師事務の基本的なスキルについて、筆記試験だけでなく実技試験も実施されますので、現職のスキルアップだけでなく転職を考える時にもメリットがあります。
そもそも認定医師秘書とは
認定医師秘書試験は、厚生労働省の「勤務医の作業事務を補助する職員を補助する職員の配置」の方針に基づいて創設された資格試験です。
医学や薬学、医療法規、接待マナーなどの幅広い知識を習得することが求められますので、いわゆる趣味の資格とは全く違い、実際の仕事現場で使うスキルを養うための試験だと思ってください。
資格を取得しますと「認定医師秘書」として認定され、医療機関で活躍できる人材として現場からも認知されることになります。
認定医師秘書は注目を集めている
認定医師秘書試験は、厚生労働省が平成20年に発表した方針に基づき創設されました。まだ10年と少ししか経っていない、比較的新しい資格試験です。
高齢化の進む医療現場においては、医師秘書の仕事は今後ますます必要になることが予想されます。現在だけでなく将来においても需要が見込まれる資格のため、非常に注目されています。
この資格ができる前は医師秘書のようなポジションの職員の力量を測ることがなかなかできませんでした。試験ができたことで明確にスキルを認定することができますので、医療業界が心待ちにしていた資格と言われています。
認定医師秘書試験の難易度
認定医師秘書試験の難易度はどれくらいなのでしょうか。
実際の試験範囲や合格率などもご紹介しますので受験の目安にしてください。
認定医師秘書試験の試験範囲と出題形式
認定医師秘書試験は、学科試験と実技試験があります。
学科試験では医療関連法規、医療保険制度、医学・薬学一般の知識、医療録及び電子カルテ、個人情報保護、病院管理・組織、医療人としての接遇マナーといった内容が出題されます。
医療保険制度やカルテ作成などは通常の事務仕事の一環となりますが、医学や薬学一般の知識のような医学的知識も問われることになります。
実技試験では、実際に医療文書を作成します。医療文書とは診療録・処方せんの作成や各種診療書・証明書・申請書の作成などです。こちらも実務に則した内容となります。
認定医師秘書試験の合格率、合格ライン
認定医師秘書試験の合格率は、近年では77.6%程度というデータが出ています。資格試験で8割近い合格者を出す試験ということを考えますと、難易度は比較的低い試験であると言えるでしょう。
合格ラインを見ますと、実施回ごとの受験者偏差値は55以上となっています。実際の点数に換算しますと8割以上の正答率が合格ラインだと考えてください。
認定医師秘書試験は「LEC東京リーガルマインド」などが講座を開設しています。こうした講座の標準受講期間は6ヵ月ほどで、もし独学で勉強する場合も、合格するためには6ヵ月程度の勉強時間が必要になるでしょう。
医師秘書関連のことをしていなくても大丈夫?
認定医師秘書試験の受験を検討している方の中には、医師秘書関連の仕事は未経験だという方もおられるかもしれません。確かに認定医師秘書試験を受けるためには、実務経験があったほうが有利ではあります。
ただ、ヒューマンアカデミーの運営する「たのまな」や大手資格予備校である「LEC東京リーガルマインド」などの資格学校が通信講座を開講しており、認定医師秘書試験専用のテキストやカリキュラムが充実しています。
こうした教材を使うことで、医師秘書や医療事務などに関連する資格の勉強をしたことがなくても実務経験に近い勉強をすることができます。実務経験がなくてもあまり心配しなくて良いでしょう。
認定医師秘書資格を取ることをおすすめする人
認定医師秘書資格の取得をおすすめしたいのは、「医療機関に医師事務作業補助者として従事している方」または「従事しようと準備している方」です。
認定医師秘書資格は、特に医師が治療に専念できるように医療事務を補助する能力が求められます。裏方や事務系の立場から人々の役に立ちたい人には特におすすめできる資格となります。
医師秘書系の求人は全国にあり、パートだけでなく正社員の募集もあります。個々の望む形で働きやすい仕事ですので、育児をしながら医療機関で働こうとしている方にもおすすめです。
認定医師秘書試験の勉強法
認定医師秘書試験は出題範囲が公開されており、テキストや講座も存在します。テキストや講座は初学者の人向けにもわかりやすく作成されていますので、独学を含め自力で勉強できる環境は整っていると言えます。
具体的にどのように勉強を進めて行けば良いのかをご紹介いたします。
専用テキスト・問題集自体の市販はない
認定医師秘書試験は、専用のテキストや問題集は市販されていません。
ただ、類似する医療秘書や医療事務系の資格試験については、テキストや問題集が多数市販されています。医療秘書関係や医療事務系の資格は、資格の名前は違えど実際の業務内容としてはそれぞれ共通する部分が多いです。
認定医師秘書の資格と特に類似しているのは「医療秘書技能検定」です。こちらは市販のテキストがかなり多数販売されていますので、認定医師秘書試験に向けた対策にもなるでしょう。
他にも病院事務の基礎知識の本など、書店でまとめて探してみるとご自身に合ったテキストが見つかるはずです。
過去問は市販されていない
認定医師秘書試験は、過去問は市販されていません。過去問を何度も解いて試験に備えるという対策を想定していた方にとっては、少し困ったことですね。
しかし、通信講座を受講すれば受験用の対策問題が入っています。過去問を解きながらの対策を考えていた方は、次の項目でご紹介する通信講座を検討されてはいかがでしょうか。
通信講座も存在
認定医師秘書試験は、LEC東京リーガルマインドが「認定医師秘書合格講座」という通信講座を開講しています。
認定医師秘書試験に合格するためにしっかり練られたカリキュラムが構築されていますし、テキストやDVDなど教材も充実しています。また、通信講座ですから第三者の添削を受けることができます。実際の答案を採点してもらうことで、完全な独学よりも励みになることは確実でしょう。
通信講座を使えばスケジュール通りに学習を進めることができますから、無理・無駄のない対策ができるというメリットがあります。テキストも区切りが良くなっていますので、毎日一定の勉強時間を取るなど日々のルーティンに組み込みやすくなるはずです。
認定医師秘書試験の勉強をするメリット
認定医師秘書試験の勉強をすることで、少なくとも2つのメリットが考えられます。どちらも医療現場で働く方にとっては非常に魅力的なメリットになるでしょう。
認定医師秘書になると就職・転職に優利
認定医師秘書の資格を取ることは、就職や転職に非常に有利になると考えられます。
多忙な医師の業務量を軽減できる認定医師秘書の資格は、スキルを数値化できるということで医療業界が待ち望んでいた資格です。
安定した就職・転職先を求めるなら
現代は高齢化が進み医療機関の業務量がますます増えてきています。今後は医師秘書の需要はどんどん高まり、求人もさらに増えていくことでしょう。
医師秘書所持者については現在でも全国に多数の求人がありますし、将来的に見ても安定した雇用が見込まれます。引っ越しなどで新しく転職や就職活動をする時にもスムーズに雇用先が見つかるでしょう。
幅広いスキルでキャリアアップも
認定医師秘書試験は、医学や薬学といった理系の専門知識を習得できる資格であるだけでなく、事務や接待といったスキルも養うことができます。
事務や接待(接遇)の技術はどの業界でも役立つスキルです。認定医師秘書の資格を所持していれば、こうした基本的な事務・接遇スキルを習得していることの証明になるでしょう。他業界・他業種に転職する方にとっても認定医師秘書の資格は無駄になることがありません。
キャリアアップを目指すなら、どの業界で働くにも認定医師秘書の資格はおすすめできるものです。
認定医師秘書試験の試験日程・会場・申し込み方法
認定医師秘書試験は3月・7月・9月・12月の年4回実施されます。
試験は在宅によって行われますので、会場に足を運ぶ必要はありません。 試験当日の午前中に試験セットが郵送で届き、1日かけて答案を作成することができます。翌日には答案を返送する必要がありますので、遅れないように注意しましょう。
試験の申し込み期間は試験当日の1〜2ヶ月前までとなります。
認定医師秘書試験に受験資格はある?
認定医師試験の受験資格は以下のいずれかの方となります。
- 協会指定の教育機関で認定医師秘書資格講座を受講終了した者
- 医療機関において医師事務作業補助職として6ヶ月以上(32時間以上の基礎講習・研修等を含む)の実務経験を有する者
現時点で医療機関に6ヵ月以上勤務している方は、受験資格があると考えていただいて良いでしょう。
「協会指定の教育機関での受講」とは、先ほどご紹介した「LEC東京リーガルマインド」などが実施している「認定医師秘書合格講座」です。医療機関での実務経験がない方はこちらの講座を受講しましょう。
認定医師秘書試験の受験料
認定医師秘書試験の受験料は、8,200円となっています。
申し込みには願書が必要となります。PDFファイルで公式ホームページからダウンロードできますので、ご確認の上記入し、提出してください。
合格発表は1~2ヵ月後
認定医師秘書試験は、試験当日から約1~2ヵ月後に合否の発表があります。
合格後は認定証書が発行され、以下の3点セットを受け取ることができます。
- 特定非営利活動法人 医療福祉情報実務能力協会合格認定証書
- 資格証カード
- 資格証ピンバッチ
こちらの発行手数料として3,600円が必要となります。発行手続きを受理後、実際にお手元に届くまで3~4週間かかりますので、楽しみに待ちましょう。
なお認定証書は3つセットでのお渡しとなり、単品のみを発行することはできません。
認定医師秘書試験と合わせて取りたいおすすめ資格
認定医師秘書の資格はそれだけでも大変役立つ資格ですが、他の資格と合わせることでより医療現場での活躍が期待できます。
認定医師秘書試験と合わせて取りたい資格をご紹介いたします。
医師秘書技能認定試験
医療秘書技能認定試験は、一般社団法人 医療秘書教育全国協議会が運営する資格試験です。今回の記事の主題である認定医師秘書試験と類似した資格試験です。
3級~1級まで、準1級を含めて4段階の級があり、レベルに合わせて受験することができます。
試験は年に2回と少ないですが、認定医師秘書試験と違い受験資格は特にありません。合格率は90%を越えますので、かなり挑戦しやすい資格と言えます。
医療管理秘書士
医療管理秘書士は、一般社団法人 医療教育協会が運営する資格試験です。
1回の試験の受験者は1,000人程度とあまり多くないですが、合格率はこちらも90%以上となっています。医療関係の検定試験は色々ありますが、すぐに結果を出すことができる穴場資格として人気があります。
他の資格もセットで取ることができる
実は医療管理秘書士は、資格試験を受けなくても協会が指定した全国各地の大学・短期大学・専門学校に通学し単位を取得しますと、その時点で医療管理秘書士の初級資格である医師秘書士という資格を取ることができます。
また医療管理秘書士試験の点数に応じて、心療実務士資格の1級から3級のいずれかの資格も取得することができます。
つまり医療管理秘書士は最大3つの資格を得られるという、大変コスパのよい資格であると言えるのです。
認定医師秘書士まとめ
認定医師秘書士まとめ
- 認定医師秘書士は合格率77.6%なので難易度は低め
- 医療現場でスキルアップするためのメリットがたくさんある
- 6ヵ月ほどの勉強時間が必要となる
- 通信講座を活用して合格を目指すべし
現在医療現場で働く方もそうでない方も、認定医師秘書士の資格はスキルアップに役立つこと必至です。
将来的な需要も見込まれますので、ぜひ一度取得を検討してみてはいかがでしょうか。