医療保険士ってどんな資格?難易度・試験概要・独学勉強法まで全て解説!
この記事は専門家に監修されています
医師
安藤広真
医療保険士という資格をご存知でしょうか。
「医療保険士って何?」 「医療保険士ってどんな資格なの?」
というような疑問を持たれた方も少なくないと思います。この記事では、医療保険士とはどのような資格のなのか、試験はどのように行われるのかなどについて解説しています。
医療保険士について知り、ぜひ資格の取得を検討してみてください。
医療保険士についてざっくり説明すると
- 医療保険学院が主催している資格
- 通信教育で学んで取得する
- 勉強時間は4ヶ月程度
- 難易度は高くない
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医療保険士検定ってどんな資格?
医療保険や医療事務に関する基本的な知識や、実際に医療事務として働くときに役立つ能力を身に付けることを目的とした資格が医療保険士です。
医療事務に携わりたい方は取ってみるべき資格だと言えます。
次に、医療保険士の試験の概要などについて解説します。
医療保険士試験の主催団体
試験は医療保険学院という通信教育を行う教育機関が主催しています。
医療保険学院は、医薬品などを扱う上場企業・メディパルホールディングスのグループ会社・株式会社 エム・アイ・シーが運営しています。
医療保険や医療事務の専門家を育成することにより、医療現場での事務処理がさらに円滑に進むようになることを目指して始まった資格です。
そもそも医療保険士とは
医療保険士とは、医療事務に関する知識があることを証明できる資格です。
試験では会計事務や保険診療の明細書を作成するスキルが問われます。
医療保険学院の通信教育講座を受講したのち、中間テストと修了検定試験に合格すると医療保険士として認定されます。
中間テストや修了検定試験は自宅で受けることができるため、働きながら勉強したい方にも向いている資格です。
医療保険士の難易度
医療保険士の難易度はどのくらいなのでしょうか。医療保険士試験に関する様々な情報と 合わせてご紹介します。
医療保険士試験の試験範囲と出題形式
医療保険学院は医療事務講座という通信教育講座を主催しており、試験は講座のカリキュラムに基づいて出題されます。
出題範囲は大きく分けて基礎編と実習編があります。
基礎編は、医療保険制度、診療、投薬、注射、手術、検査、入院など医療に関する幅広い知識が問われるものです。
実習編では、カルテをもとにした診療報酬報告明細証明書(レセプト)の作成についての問題があります。
医療保険士の合格率、合格ライン
試験の合格率や受験者数は非公開です。ただし、合格ラインについては、修了検定試験で全体の80%前後ほどを正解する必要があるとされています。
合格するために必要な勉強時間は、1日1時間程度の勉強時間で4ヶ月ほどが一般的です。
通信教育講座は1年間は受講可能であるため、わからないところには時間をかけるなどしっかりと受講すればさほど難しくはないでしょう。そのため、試験の難易度は高くないと言えます。
また、もし修了検定試験で不合格になってしまっても、1年間で何度でも再受験が可能なため、何回かチャレンジすれば合格できると考えられます。
以上のことから、医療保険士は比較的合格しやすい資格だと言えるでしょう。
医療関連の勉強をしていなくても大丈夫?
医療保険士の試験は通信教育で学んだことをもとに勉強をすればよいため、勉強を始めるにあたって今まで医療関連の勉強をしてきたかどうかを気にする必要はありません。
試験を受験するためには通信教育講座の受講が必須条件となっているため、医療の知識がない方でも問題ないのです。
もちろん、現在医療や保険に関する仕事をしている人でも、自分が医療、医療保険、レセプトなどの資料について理解できているのか確認するため、より詳しくなるために受験するというのもおすすめできます。
医療保険士を取ることをおすすめする人
医療保険士試験は4ヶ月以内の勉強時間で合格できると言われています。また試験は月に一回実施されているため、すぐに資格を取得することも可能です。
資格取得によりスキルアップをしたい方にはおすすめの資格なのです。
また、資格取得のために勉強することによって医学に関する知識が豊富になるというメリットがあるため、医療関係の仕事に就いてはいなくとも医学に関心がある方には医療保険士の取得がおすすめです。
医療保険士の勉強法
医療保険士の試験は公式のテキスト・問題集は市販されていませんが、試験の出題範囲が公開されていることから、勉強しにくいということはないでしょう。
試験を受けるためには、医療保険学院による通信講座を受講することが必要です。
受講は自宅でも可能なため、自力で勉強できる環境は整っています。独学で資格取得をするのが好きだという方にもおすすめできます。
通信講座の学習サポート
さまざまなサポートがあるのが通信講座の特徴ですが、この講座では、特に手厚いサポートを行っています。
元々テキストはわかりやすいように工夫されていますが、ポイント解説動画をパソコンやスマホから無料で見ることで、より容易に内容を理解することができます。
それでも勉強中にわからないことがあった場合には、一人一人に担任がついているため、担任に、手紙や電話やメールで質問をすることができるというサービスがあります。
電話での質問の場合は、祝日・祭日を除く毎週水曜日の午前10時から午後4時まで受け付けています。
通信教育を受けるのが初めてだという方でも、手厚いフォロー体制により無理なく勉強を進めることができるでしょう。
おすすめテキスト・問題集
医療保険士試験は過去問が市販されていないため、個人で過去問を入手することはできません。
どうしてもテキストや問題集を購入して勉強したいという方は、医療保険士の試験範囲をカバーしていると考えられる医療事務や診療報酬請求事務能力に関するテキストを利用するのもよいでしょう。
しかし、わざわざテキストや問題集を購入する必要はないと言えます。医療保険学院は通信講座を46,000円で開講していますが、この講座で学ぶ内容がそのまま試験範囲となってい るからです。
また、通信講座の受講が受験資格にもなるため、通信講座を受講することが医療保険士になるための勉強方法だと言えます。
医療保険士の勉強をするメリット
医療保険士の資格は就職・転職に有利になるというメリットがあります。その他にも、医療、医療保険、レセプト作成など幅広い知識を身に付けられることもメリットです。
次に、医療保険士の勉強をすることによるメリットについて、具体的に解説します。
医療保険士は就職・転職にも有利
求人では、資格要件に医療保険士と明記しているものはあまり多くありません。
求人では,、代表的な資格が明記されることや「医療事務に関する資格」などと記載されていることが多く、必要な資格として医療保険士と限定されることはまれです。
しかし、だからといって医療保険士の資格を持っていても意味がないということではありません。
医療や医療保険制度の知識があること、レセプトの作成力があることなどさまざまな能力があるいう証明になるため、医療保険士の資格を持っていることは就職・転職に有利になると言えるのです。
医療事務の仕事に就きたい方は取得することをおすすめします。
幅広い医療の知識の習得にもなる
医療保険士試験の勉強をすると身に付けることができる知識は、医療事務や医療保険に関することだけではありません。
手術、注射など医療現場で行われる医療行為に関する知識も身に付けることができます。
そのため、将来医療保険士として医療事務の仕事に就かない方でも、医療に関心があるという方には、 医療保険士試験の勉強をする意味があると言えるでしょう。
医療保険士の試験日程・会場・申し込み方法
医療保険士の通信教育では、三回の中間テストに合格すると最終試験である修了検定試験を受けることができます。
修了検定試験は毎月1回、つまり年に12回実施されていますので、カリキュラムの受講が終わったらすぐに受験することも可能です。
受験形式は自宅で受験することが出来る在宅試験です。自宅での受験ということで、いつもと変わらず落ち着いた環境の中で受験できます。
試験は自宅に郵送され、自宅で受験後に回答を医療保険学院の教務課に郵送するという形式で行われます。
その後合格すると認定証書を受け取ることができ、資格が得られるのです。仮に不合格になってしまっても、一年以内なら何度でも受験することができます。
試験の申し込みは医療保険学院で随時受け付けています。
医療保険士に受験資格はある?
医療保険士には受験資格はありません。学歴や年齢などを問わず、誰でも受験が可能です。
ただし、事前に医療保険学院の通信教育で医療事務講座を受講して、中間テストに合格しておく必要があります。
中間テストは基礎編はNo.1とNo.2、実習編はNo.3があり、合計三つのテストに合格後、修了検定試験を受けることができます。
医療保険士の受験料
医療保険士の試験を受験する前に、46,000円の通信教育講座を受講することで受験資格を得られます 。
医療保険士試験は、初回の受験料が無料となっています。そのため、初回で合格すると通信教育での学費である46,000円しかかかりません。
初回で不合格となり、2回目以降も受験する場合は毎回受験料6,000円がかかります。
医療保険士と合わせて取りたいおすすめ資格
医療保険士の試験内容と似ている資格は様々あります。医療保険士の取得を考えている方は、次に紹介するような、医療保険士と似ている資格も取得しておくことをおすすめします。
医療事務実技審査試験
医療事務実技審査試験とは、医療事務の業務をする上での知識や能力を問う試験です。
この試験の勉強をすることで、医学の一般的な知識や、診療録など医療に関する幅広い知識を学ぶことができます。
試験が年に12回実施されていること、受験資格がないことも医療保険士と共通しています。
医療保険士と合わせて取得することがおすすめの資格です。
医療保険請求事務者
医療保険に関する資格には、医療保険請求事務者という資格があります。
この資格では、医科だけではなく歯科に関する試験区分もあることから、歯科の医療事務に興味がある方にもおすすめな資格です。
医療保険請求事務者の試験にも受験資格はありません。
ただし、受験会場が堺市、神戸市など西日本の都市が多いことが注意点です。
医療保険請求事務者の詳細は下記の記事をチェック!
医療保険士と医療事務管理士の違い
医療保険士と似ているその他の資格には、医療事務管理士があります。
医療事務管理士は技能認定振興協会(JSMA)が主催しており、50年ほど前からある資格で医療事務の資格の中では歴史が長いものです。
試験は学科と実技があり、学科では医療保険制度、診療報酬、医療用語などの知識が問われ、実技ではレセプトの点検や作成の問題があります。
医療保険士とは違い通信教育で学ぶものではないため、独学で試験を受けることもできます。合格率は50%程度です。
また、試験の受験形式については、医療保険士は在宅受験ですが、医療事務管理士は試験会場での受験とインターネット試験の二つから選ぶことができます。
全国様々な都市で開催されていますが、特に、インターネット試験では自分で受験する日時が決められること、試験結果がすぐわかることが便利です。
医療事務管理士の詳細は下記の記事をチェックしてください。
医療保険士まとめ
医療保険士
- 医療保険や医療事務に関する知識やスキルを身に付けることができる
- 通信教育をしっかり勉強していれば、難易度は高くない試験
- 医療保険士の資格は就職や転職に有利になる
- 医療事務の仕事への就職を考えていない方でも、医療に関する知識が得られるメリットがある
医療保険士とはどのような資格なのか、試験はどのように行われるのかなどについてご紹介しました。
医療保険士は医療事務に関する資格の一つです。 通信教育で学ぶことができるため、自分一人で勉強することに不安がある方でも安心して勉強することができます。
医療事務に興味がある方は、ぜひ通信教育を受講し合格を目指してみてはいかがでしょうか。