医療保険請求事務者ってどんな資格?試験内容から受験方法まで全て解説!

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医師

安藤広真

「医療保険請求事務者ってどういう資格なんだろう?」

「勉強時間はどれくらい?独学でも合格できるの?」

この記事を読んでいるあなたはきっと上記のような疑問をお持ちなのではないでしょうか?

医療保険請求事務者とは、医療機関における患者受付から診療報酬明細書作成といった医療事務の能力評価のための資格試験となります。医療事務として就職・転職を検討されている方は、取得メリットのある資格であると言えます。

この記事では、医療保険請求事務者という資格の試験概要や取得メリット、勉強時間などについて解説していきます。

医療保険請求事務者認定試験についてざっくり説明すると

  • 医療事務の専門知識・技能を評価する試験
  • 合格率は70~75%。試験はテキストの持ち込みも可。
  • 医療事務に従事される方はオススメの資格

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医療保険請求事務者認定試験ってどんな資格?

医療 医療保険請求事務者認定試験とは、窓口業務や会計業務をはじめとする医療事務全般の専門知識と技能を審査する試験のことです。医療事務の仕事がしたい人は取得するべき資格であると言えます。

主に近畿地方を中心として実施されている試験になります。東京都内では現状実施されていないようです。

医療保険請求事務者の主催団体

医療保険請求事務者認定試験は、全国医療関連技能審査機構の主催で行なわれています。この機構で取得することができる資格は、全国各地の医療現場から支持されています。

医療費・レセプト件数は年々増加しており、診療報酬請求事務の役割は今後更に重要になることが予想されます。

診療報酬請求事務は専門性が高く、迅速で正確な処理が求められますので、医療事務職への就職や転職のための知識・能力取得を狙いとして始まった資格となります。

医療保険請求事務者は就職のアピールで注目を集めている

医療保険請求事務者認定試験は、毎週水曜日と第3土曜日の月5回の日程で開催されています。年間の受験者数としては、約1,000~1,500人が受験している試験となります。

試験実施回数が多いこともあり、資格を取得できれば就職活動においてのアピール材料にも使えることから、受験する人数としては多い傾向にあります。

医療保険請求事務者認定試験に合格すれば、専門知識と処理能力の証明になりますので、各医療機関の現場からとても重宝されることになります。

医療保険請求事務者認定試験の出題形式、難易度

試験範囲

医療保険請求事務者認定試験の試験範囲と出題形式

医療保険請求事務者認定試験の試験範囲は、医科と歯科の2つに分かれています。ここでは、それぞれ2級の試験時間と出題範囲についてまとめました。

医科 2級

試験方式・時間 試験内容
領域Ⅰ 筆記・60分 医療保険制度・公費・福祉の知識、診療報酬算定上の知識(5択形式)
領域Ⅱ 実技・90分 診療報酬明細書の作成(外来レセプト作成1枚/入院レセプト作成1枚)

歯科 2級

試験方式・時間 試験内容
領域Ⅰ 筆記・30分 歯科保険制度・公費・福祉の知識、診療報酬算定上の知識(正誤形式及び筆記形式)
領域Ⅱ 実技・120分 歯科診療報酬明細書の作成(レセプト3枚)

また、どちらの試験においても、電卓やテキストの持ち込みが可能となっております。あらかじめ重要なポイントをまとめておき、わからない箇所が出てきたらすぐに索引できるようインデックスをつけておきましょう。

医療保険請求事務者認定試験の合格率、合格ライン

医療保険請求事務者認定試験の平均合格率は70~75% となっており、4人に3人が合格できる資格試験です。この合格率からもわかる通り、難易度としては一般的な資格試験の中でもかなり易しい部類に入ると言えるでしょう。

試験範囲としては、領域ⅠとⅡがありますが、どちらも70%以上の得点で合格となります。2つの領域を満遍なく理解しておく必要があると言えます。

医療保険請求事務者認定試験を取ることをおすすめする人

医療保険請求事務者認定試験はどのような人が取得するといいのでしょうか?やはり何と言っても診察報酬請求事務の業務に携わりたいと考えている人は取得すべきでしょう。

皆様もご存知の通り、高齢化の進行による患者数の増加を主な要因として、近年医療費もレセプト件数も増加傾向にあります。

それに合わせて診察報酬請求事務に従事する方の業務責任も重くなっているのが現状です。限られた財源の中でやりくりしなければならないことから、医療保険制度も今後改定が繰り返されていくことでしょう。

診察報酬請求事務としての専門知識と迅速かつ正確な処理能力がますます求められる社会になりつつあるので、診療報酬請求事務の仕事に携わりたい方は迷わず取得を狙いましょう。

医療保険請求事務者認定試験の勉強法

勉強 診察報酬請求事務資格試験は出題範囲こそ公開されているものの、残念ながら過去問が出回っていません。 よって試験対策の手段としては、まず受験する級の試験範囲をしっかりと把握し、その内容に関連するテキストで勉強をする必要があります

特に医療保険制度の基礎知識をしっかり理解すること、またレセプト作成を繰り返して自分のものにすることが合格の近道となります。

過去問が無いため不安かもしれませんが、合格率70~75%とかなり易しい試験ですし持ち込んだテキストを活用して正解にたどり着くこともできますから、100%理解してなかったとしてもそこまで不安に思う必要はないでしょう。

試験にテキストを持ち込めるので、合格だけを考えるのであればざっくりとした理解で十分です。そのため、勉強時間もそこまで必要ないと言えるでしょう。独学で合格ラインまで持っていくことも十分可能です。

医療保険請求事務者認定試験の勉強をするメリット

メリット 医療保険請求事務者認定試験の勉強をする最大のメリットは、 診察報酬請求事務に関わる専門的な知識が身につくことです。

具体的にはレセプトや診察報酬明細書の作成方法を習得することができます。これらは医療事務の実務に繋がる専門知識ですので、業務スピード及び正確性に直結します。

業務を素早く正確にこなせれば、社内外からの信頼獲得はもちろん、昇給・昇格も考えられます。

また試験自体も毎月5回開催されており、資格取得を目指して受験がしやすくなっているのもお勧めできるポイントです。

医療保険請求事務者認定試験の試験日程・会場・申し込み方法

試験 医療保険請求事務者認定試験は、毎週水曜日と第3土曜日の月5回の日程で実施されています。試験会場は姫路(姫路市豊沢町156 姫路アドバンスビル3階)で行われています。他に明石、洲本、小野、津山といった近隣地域についても相談に応じて実施されているようです。ちなみに東京都内では現状実施予定はありません。

申し込み方法としては、以下の通りです。

  1. 受験予定日の1週間前に申し込み

  2. 全国医療関連技能審査機構へ電話で受験日と最寄りの会場を伝える

  3. 受験当日に会場に願書と受験料を持参

受験資格と受験料

医療保険請求事務者の受験資格において、年齢や性別、学歴といった制限は設けられていません。このため、自分が欲しいタイミングで取得することができます。

医療保険請求事務者認定試験に医科分野には2級、準1級、1級の3つの種類があり、歯科分野には2級がありますが、どの級、分野においても受験料は一律6,500円となっています。

医療保険請求事務者認定試験と合わせて取りたいおすすめ資格

オススメ 医療保険請求事務者認定試験を取得することができたなら、これを足掛かりに他の類似資格を取得するとあなたの活躍の幅が広がります。ここでは合わせて取得したいオススメ資格を紹介します。

医療事務管理士技能認定試験

医療事務管理士技能認定試験とは、医療機関内での患者受付業務から、診療報酬明細書作成までの医療事務全般の能力を評価、認定する試験になります。

試験範囲が医療保険請求事務者認定試験と似ているため、効率良く学習を進めていくことができます。かつ難易度も少し上がることから、医療事務職としてのステップアップには最適な試験であると言えます。

医療事務管理士の詳細は下記の記事をご覧ください。

診療報酬請求事務能力認定試験

診療報酬請求事務能力認定試験とは、診療報酬請求事務に従事する人の資質の向上を図るために実施される試験となります。

医療保険請求事務者認定試験、医療事務管理士技能認定試験よりも更に試験難易度が上がりますが、試験範囲自体は重複している箇所が多いです。

上記2つの資格を取得することができた際に目指すべき、医療事務分野の総仕上げの試験であると言えるでしょう。

診療報酬請求事務能力認定試験の詳細は下記の記事をご覧ください。

医療保険請求事務者とは、医療事務スペシャリストへの足掛かり!

医療保険請求事務者認定試験 まとめ

  • 過去問は無い。関連テキストを中心に学習しよう
  • 特に医療保険制度とレセプト作成を重点的に理解しよう

医療保険請求事務者について解説してまいりました。試験難易度自体は易しめなので、そこまで勉強時間に割く必要もありません。医療事務業務の基礎理解としては必要不可欠な、メリットの大きい資格ですので、医療事務のスペシャリストを目指すのであれば、積極的に取得を目指しましょう!

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