ケアマネージャーと介護福祉士の違いは?試験内容から受験資格・合格ラインまで解説!

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「ケアマネージャーってどういう資格なの?」

「ケアマネージャーと介護福祉士はどう違うの?」

ケアマネージャーに興味がある方は、このような疑問を持つ方が多いのではないでしょうか。

ケアマネージャーと介護福祉士は、同じ介護に携わる仕事ということで同じような仕事だと思いがちですが、実は試験の内容、試験の難易度、仕事の内容、仕事での立ち位置などでさまざまな違いがあります。

ここではケアマネージャーと介護福祉士を徹底比較し、ケアマネージャーとはどのような資格なのか、介護福祉士とはどう違うのかについて解説します。

ケアマネージャーと介護福祉士の違いについてざっくり説明すると

  • ケアマネージャーは都道府県による公的資格、介護福祉士は国家資格
  • ケアマネージャー試験の合格ラインは全体の70%、介護福祉士試験の合格ラインは全体の60%
  • ケアマネージャー試験の合格率は10~20%、介護福祉士試験の合格率は60~70%

介護福祉士とケアマネージャーの違う点はいくつもある

クエスチョンマーク

介護福祉士とケアマネージャーは、一見同じような仕事のようにも思えますが、実は全く違う職業です。介護福祉士とケアマネージャーの違う点をさまざまな側面からご紹介していきます。

平均年齢や勤続年数が違う

厚生労働省が発表している平成28年度賃金構造基本統計調査によると、ケアマネージャーの平均年齢は42.3歳、平均勤続年数は7.8年となっています。

一方、同じ調査での介護福祉士の平均年齢は40.5歳、平均勤続年数は6.3年です。

ケアマネージャーは介護や医療の実務経験がなければ試験資格を満たすことができません。 また、ケアマネージャーは介護職のリーダー的な立ち位置であるため、介護職の中でも経験が必要とされる職業です。そのため、平均年齢が高くなる傾向があると考えられます。

資格の種類が違う

分かれ道

ケアマネージャーは2000年の介護保険法施行によって生まれた比較的新しい資格です。国家資格ではなく、都道府県が認定する公的資格であることが特徴です。

一方、介護福祉士は国が認定する国家資格で、資格の社会的地位や認知度としては、ケアマネージャーよりも介護福祉士の方が上回っています。

ただ、ケアマネージャーの業務内容の専門性の高さや受験資格要件が難しいことを考慮して、今後ケアマネージャーが国家資格化される可能性もあります。

一般社団法人日本介護支援専門員協会では、ケアマネージャーの国家資格化を訴え続けています。ケアマネージャーの国家資格化は、厚生労働省での会合で議題に上がることもあるほどで、現在注目されている問題なのです。

資格取得難易度が違う

黒板と字

同じ介護系の資格でも、試験にかかる費用は介護福祉士は15,300円、ケアマネージャーは平均10,000円と、そこまで差はありません。

しかし、試験の難易度や内容は大きく異なります。ここからは、介護福祉士とケアマネージャーは資格取得をするためにそれぞれ異なる能力や知識が求められることを紹介していきます。

受験資格の違い

介護福祉士もケアマネージャーも、誰でも受験できるわけではありません。受験を検討する際には、自分が受験資格要件を満たしているのかしっかり確認する必要があります。

それぞれどのような受験資格が必要なのか、以下にご紹介します。

ケアマネージャーの受験資格

ケアマネージャー試験の受験資格要件は2018年に厳格化されました。受験するためには、「医療や福祉に関わる国家資格を持ち、それに準ずる業務経験が5年以上かつ900日以上、もしくは相談援助業務の経験が5年以上かつ900日以上」であることが必要です。

介護福祉士の受験資格

介護福祉士の場合は、介護の実務経験を3年以上積み、実務者研修講座を修了しているか、もしくは養成施設や福祉系の学校で勉強することで受験資格が得られます。

受験資格要件の面では、介護福祉士よりもケアマネージャーの方が圧倒的に難しくなっています。ケアマネージャーには、より専門的な知識、経験、介護の現場でのスキルが求められているのです。

ケアマネージャーの合格ライン・合格率

ケアマネージャーの合格ラインと合格率はどのくらいなのでしょうか。過去5年間のケアマネージャー試験について表にまとめました。

実施時期 合格率 受験者数 合格者数
第22回 令和元年度(2019年10月) 18.5% 30,509人 5,644人
第21回 平成30年度(2018年10月) 10.1% 49,332人 4,990人
第20回 平成29年度(2017年10月) 21.5% 131,560人 28,223人
第19回 平成28年度(2016年10月) 13.1% 124,585人 16,280人
第18回 平成27年度(2015年10月) 15.6% 134,539人 20,924人

ケアマネージャー試験は、全体の70%程度が合格ラインの基準になっています。

また、合格率については10%~20%ほどしかなく、難関資格であると言うことができます。

介護福祉士の合格ライン・合格率

次に、介護福祉士の合格ライン・合格率についてもご紹介します。ケアマネージャーと同じく、過去5年間の試験について表にまとめました。

実施時期 合格率 受験者数 合格者数
第32回 令和元年度(2020年1月) 69.9% 84,032人 58,745人
第31回 平成30年度(2019年1月) 73.7% 94,610人 69,736人
第30回 平成29年度(2018年1月) 70.8% 92,654人 65,574,人
第29回 平成28年度(2017年1月) 72.1% 76,323人 55,031人
第28回 平成27年度(2016年1月) 57.9% 152,573人 88,330人

介護福祉士の合格率は60~70%で、比較的取得難易度が低い資格です。一方、ケアマネージャーの合格率は10~20%です。

合格ラインについては、介護福祉士は全体の60%が取れれば合格できるとされています。ケアマネージャーの場合は70%以上を取る必要がありますので、介護福祉士よりもケアマネージャーの方が難易度が高いと言えます。

また、2018年度の試験では、ケアマネージャーの受験資格要件が厳格化されたことによって、ケアマネージャー試験の受験者数が激変しました。

2017年の受験者数は131,560人だったのが、2018年には8万人以上減の49,332人になったのです。その結果、2018年には介護福祉士の受験者数(92,654人)の方が多くなりました。

試験の内容にも大きな違いがある

ケアマネージャー、介護福祉士ともに、介護や福祉に関して幅広く専門的な知識が要求されます。しかし、試験の内容は大きく異なります。

そのことをはっきり表しているのが合格率の差です。介護福祉士の合格率は60~70%である一方、ケアマネージャーの合格率は10~20%という差があります。

ケアマネージャーの試験の場合介護福祉士の試験よりも難易度が高いとされています。そのことがケアマネージャー試験の合格率を大きく下げている要因になっているのです。

介護福祉士の試験内容

介護福祉士の試験は、午前の部が110分、午後の部が110分の計220分行われ、全部で125問の問題を解く試験です。問題形式は、5つの選択肢から1つを選ぶ形式になっています。

介護福祉士の試験は、ケアマネージャーの試験よりも一問にかけることができる時間は少なく、集中力を要します。

ケアマネージャーの試験内容

ケアマネージャーの試験は、120分の試験時間があり、60問の問題を解くものになっています。問題形式は、介護福祉士とは違い、5つの選択肢から複数の回答を選ぶ形式です。そのため一問ごとによく考える必要があります。

介護福祉士もケアマネージャーも簡単に受かるわけではありません。特にケアマネージャー試験は難易度が高く合格率も低いため、試験勉強は独学ではなく通信講座を受講することをおすすめします。

試験終了から実際に働くまでにも違いがある

介護福祉士の受験者で実務経験がない人は、筆記試験とは別に実務試験を受ける必要がありますが、試験に合格さえすれば介護福祉士の資格を取得することはできます。

一方、ケアマネージャーの場合は、試験に合格したあとに5日間87時間の講義演習と、3日間の実務演習からなる介護支援専門員実務研修を受ける必要があります。

ケアマネージャーの方がより専門的な知識と技術が求められるため、しっかり研修を受けることで初めて資格を取得することができるのです。

給与面でも違いがある

外国のお金

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、常勤の場合介護福祉士の平均月収は31万円程度、ケアマネージャーの平均月収は35万円程度と、ケアマネージャーの方が月収の面で高い水準です。

その理由としては、ケアマネージャーの方が夜勤、休日出勤の手当てや資格手当が高いことが考えられます。

なお、ケアマネージャーの給与は勤続場所や経験年数によって大きく変動するという傾向があります。

介護福祉士からケアマネージャーにキャリアアップ

ケアマネージャーの約60%は介護福祉士の資格を取得しています。このことからわかるように、ケアマネージャーは介護福祉士が目指すキャリアパスの一つだと言えるのです。

ケアマネージャーの受験資格要件である「国家資格に準ずる従業経験5年以上かつ900日以上」の国家資格に介護福祉士が該当します。そのため、介護福祉士として経験を積めば、ケアマネージャーの試験を受けられるということになります。

しかし、介護福祉士として経験を積んでいれば簡単にケアマネージャーとして働けるというわけではありません。

介護福祉士もすでに介護に関する専門的な知識や技術を持っていると評価されますが、ケアマネージャーはさらに幅広い知識が必要とされます。例えば介護保険についても知識が必要です。そのため、介護福祉士からケアマネージャーになりたい人はしっかりした勉強を続ける必要があるのです

立場や業務内容で比較すると

チェックリスト

同じ介護系の資格でも、ケアマネージャーと介護福祉士とでは役割や業務内容が大きく異なります。それぞれの業務内容について詳しくご紹介します。

介護福祉士の業務内容

介護福祉士は、介護の現場において直接介護を行うことが主な仕事です。例えば、被介護者の身体介助、食事の準備や洗濯などの生活援助などがあります。その他にも、介護初心者への相談やアドバイスをする業務もあります。

介護福祉士は自身の業務に加え介護スタッフを指導したりフォローしたりする役目を担っており、介護現場でのリーダーとしての役割があると言えます。

ケアマネージャーの業務内容

ケアマネージャーは、介護サービスをどのように行うのかを決めるケアプランの作成が主な仕事です。また、要介護認定のための業務や介護給付費の給付管理、要介護者からの相談業務などもあります。

介護スタッフは、ケアマネージャーが作成したケアプランに沿って介護サービスをしていきます。つまり、ケアマネージャーは、介護をどのように行うのかを決定する介護職全体のリーダーという役割があるのです。

ケアマネージャーが介護福祉士を兼任する場合も

ケアマネージャーの25%は実際に現場に立って介護福祉士の仕事を兼務しています。

特に老人ホームなどで働いている施設ケアマネージャーは介護福祉士との兼任が多く、その場合は他の介護職同様に夜勤もしなければなりません。

介護福祉士と兼務する場合、ケアマネージャーの手当は高くなりやすいため、給与はより高くなる傾向があります。

それぞれのメリットを比較する

親指を立てる男性

介護福祉士、ケアマネージャー両方に共通するメリットとして、介護という業界自体が将来的に需要が高くなるということが挙げられます。そのような需要が高い資格を持っていれば、今後仕事がなくなる心配はありません。

また、事業所によっても違いますが、介護福祉士、ケアマネージャーの資格を取得すると待遇面もよくなります。パートやアルバイトとして働く場合でも、時給1,300円から1,400円ほどの求人が多く見つかります。

また、介護福祉士、ケアマネージャーともに女性が働きやすい職種であり、活躍の場も広いと言えます。転職にも強く、メリットが多い職種です。

このように、介護福祉士、ケアマネージャーに共通するメリットはさまざまあります。次に、介護福祉士、ケアマネージャーそれぞれのメリットについて見てみましょう。

介護福祉士のメリット

介護福祉士特有のメリットとしては、国家資格であるという点があります。そのためケアマネージャーよりも社会的地位が高くなります。それに加えて試験の合格率は60%であり、比較的取得しやすい資格です。

介護福祉士はケアマネージャーの受験資格要件を満たす資格であり、介護の知識も付くという点から、ケアマネージャーにステップアップする足掛かりにはぴったりの職業です。

ケアマネージャーのメリット

ケアマネージャー特有のメリットとしては、一般的な介護職と比較するとキャリアアップや給与アップが期待できるという点があります。

また、サービス利用者宅の訪問時間などを自分で決めることができるため、仕事の時間に融通が利きやすいこともメリットです。

さらに、デスクワークが中心なので体を労わることができます。体力がない方や持病がある方でも仕事が続けやすいと言えるでしょう。

介護福祉士以外とも比較してみよう

考える女性

ここまで、ケアマネージャーを介護福祉士と比較してきましたが、他の介護系の職種とも比較してみましょう。

介護に関わる職種は、ケアマネージャーと介護福祉士以外にも、福祉施設介護員、訪問介護員、生活相談員、福祉施設専門相談員などがあります。

業務内容で比較すると、これらの業務はケアマネージャーが作成したケアプランに従って直接介護サービスを提供する職種です。

そのような点から見ると、やはりケアマネージャーはリーダー的な役割であり、介護系の職種の中では立ち位置が高い職種であると言えます。

給与面では、常勤の場合一般的な介護職の月収は30万円ほどですが、ケアマネージャーの月収は35万円と、看護師に次いで高い水準にあります。

このように、ケアマネージャーの資格取得はメリットが多くあり、介護業界に従事する人であれば目指す価値がある資格なのです。

ケアマネージャーと介護福祉士の違いまとめ

ケアマネージャーと介護福祉士まとめ

  • 介護福祉士は介護現場でのリーダー的存在であるのに対して、ケアマネージャーは介護職全体のリーダー的立場である
  • ケアマネージャーの方が介護福祉士よりも夜勤・休日手当、資格手当が高く、給与も高くなる傾向にある
  • ケアマネージャー試験は難しいため、独学ではなく通信講座を受講するのおがおすすめ

ケアマネージャーと介護福祉士の違いについて解説しました。同じような職種に見えて実は全く違う仕事であることがわかっていただけたのではないでしょうか。

ケアマネージャーになりたい人は、まず介護福祉士の資格をとり、実務経験を積んでケアマネージャーの受験要件を満たすことがおすすめです。

ケアマネージャー試験は難しいため、受験要件を満たしただけでは合格できません。介護福祉士として働きながらも通信講座を受講するなどしながら試験勉強をこつこつ続けていくことが大切です。

ケアマネージャーになりたい方は長期的な計画を立て夢の実現に向けて頑張ってください。

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