ケアマネージャーの給料は安い?平均年収や月収、報酬についても詳しく解説!

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「ケアマネージャーってどれくらいの年収になるの?」

「福祉系の仕事は給料が安いと言われているから心配……」

こんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

どんなに魅力的な職業でも、給与が安いと生活に困ってしまいます。月収などは当然気になるところですよね

そこでこの記事ではケアマネージャーの給料がどれくらいなのかを徹底検証!平均年収や手取り月収など報酬についてを詳しく解説いたします。

ケアマネージャーを目指す方はぜひ参考にしてくださいね。

ケアマネージャーの給料についてざっくり説明すると

  • ケアマネージャーの給料は日本の平均より少し安い
  • 他の介護職と比べると比較的待遇は良いとされている
  • 年齢や勤続年数によって給料は上がっていく
  • ケアマネージャーは需要が尽きないので将来性がある仕事と言える

ケアマネージャーってどのくらい給料をもらえるの?

コインとペン

早速、ケアマネージャーになるとどのくらいの給与になるのかを解説します。

なお今回の記事でご紹介するケアマネージャーの平均年収・平均給与は、厚生労働省から発表されている「平成30年度賃金構造基本統計調査」を参考にしています。

そもそもケアマネって何をする仕事なのか

ケアマネージャーは、正式名称を「介護支援専門員」といいます。

ケアマネージャー(介護支援専門員)は介護保険制度に基づいてケアマネジメントを行う資格職です。

要介護者とサービス事業所をつなぐ役割を担っており、主な業務内容は以下のようなものです。

  • 要介護認定業務
  • ケアプランの作成と管理
  • 給付管理業務
  • 要介護者本人とその家族との相談業務

ケアマネの雇用形態別にみた給料

「平成30年度賃金構造基本統計調査」によると、正社員のケアマネージャーの平均年収は370万円~400万円程度とされています

一方、求人サイトでアルバイトやパートのケアマネージャーの時給を集計すると平均時給は1,200円~1,500円くらいです

一般的な介護職の平均時給は1,000円~1,300円程度ですので、それよりは高いと言えるでしょう。

日本の平均年収と比べると?

日本人の平均年収は、2020年現在で420万円程度と言われています。

ケアマネージャーは、正社員でも平均年収が400万円くらいです。日本人全体の平均と比べると平均年収(給料)が若干低いことがわかります。

ケアマネの初任給や賞与

ケアマネージャーの初任給は、都内では19~25万円、地方では18万円前後です

男女別に見ると男性で21万円、女性で18万円程度がケアマネージャー初任給の平均です。

ケアマネージャーの賞与は、年間で57万円程度です。(平均月給26万に対して)

社会福祉法人の一般的な賞与は基本給の3.5倍と言われていますが、それに比べてケアマネは賞与がやや低く設定されています

その分、ケアマネは給与に手当が大きくつきます。賞与が少ない分は手当で補うことができるでしょう。

ケアマネの給料分布

ケアマネージャーの平均年収は370万円~400万円ですが、給与分布は「275万円~685万円」とかなり幅があります。

これは勤務先や経験、スキルによって大きく年収を上げることができることを示しています。

ケアマネージャーはスキルアップによって給料が上がっていく

ケアマネージャーの給料のボリュームゾーン(最も多くの人数がもらっている額)は、正社員で275万円~327万円、時給制の場合は1,100円~1,200円となっています。

ボリュームゾーンが平均年収よりも少ないことに気付いた方もおられるでしょう。実はケアマネージャーは、自身の能力によって給料を上げることが比較的容易な職業です

努力して高年収になっているケアマネージャーも多くいるため、それが平均年収を押し上げる要因になっているのです。

働き方による給料の変化

介護職全般に言えることですが、ケアマネージャーの給料はどのような事業所に勤務するかによって大きく変化します

以下の表に「平成30年度賃金構造基本統計調査」を参考にした、介護職員のサービス種類別、勤務形態別の介護職平均月給をまとめましたのでご覧ください。

事業所 勤務形態 平均給与額
介護福祉施設 常勤 300,970
非常勤 209,470
介護老人保健施設 常勤 332,260
非常勤 239,290
介護療養型医療施設 常勤 317,350
非常勤 260,710
訪問介護事業所 常勤 285,360
非常勤 -
通所介護事業所 常勤 291,930
非常勤 208,210
認知症対応型共同生活介護 常勤 276,320
非常勤 180,410

またケアマネージャーは年齢によっても大きく年収が変わります。年齢による給与アップについては後述します。

性別によるケアマネの給料変化

ケアマネージャーの平均年収を男女別に見ると、男性が395万円、女性が352万円です。

ケアマネージャーは女性が大半を占める職業ですが、給与は男性の方が高い傾向にあることがわかります

なぜ男性のほうが年収が高いの?

ケアマネージャーはなぜ男性のほうが給料が高いのでしょうか。それには以下のような理由が考えられます。

  • 女性より男性の方が、責任者や管理職など上の立場になりやすい
  • パートとして働くケアマネージャーのほとんどが女性である

今後女性の管理職が増えていきフルタイムの女性ケアマネージャーが活躍すれば、女性の報酬のほうが安いということはなくなるかもしれません

年齢別に見たケアマネの給料

次に、ケアマネージャーの給与を年齢別に見ていきましょう。

以下の表をご覧ください。

<ケアマネージャーの平均年収の変化(年齢別)>

年代 平均年収 月収 賞与
20~24 310万円 22.4万円 41.4万円
25~29 344万円 24.3万円 52.6万円
30~34 352万円 25.2万円 48.9万円
35~39 377万円 26.6万円 58.7万円
40~44 384万円 26.9万円 61.2万円
45~49 387万円 26.8万円 64.9万円
50~54 379万円 26.6万円 59.1万円
55~59 384万円 27.0万円 60.0万円

この表を見る限りでは、ケアマネージャーは年齢が上がるほど評価されやすくなり、年収や賞与が上がる傾向があります

勤続年数が長くなると副主任、主任といった立場も目指せますので、それだけ給料も上がるでしょう。

なおケアマネージャーは、以前の職業の経験が給与に反映されることがあります。

別の職種からケアマネージャーに転職する方は、給与面で多少有利になるかもしれません。

ケアマネの手当

ケアマネージャーは、月収や賞与以外に色々な手当てがつきます。主な手当ての種類は以下のようなものです。

  • 役職手当
  • 資格手当

手当はいくらくらいつくの?

所属する経営母体や勤務スタイルにもよりますが、ケアマネージャーの手当ては役職手当で1~2万(管理職)、もしくは5万円程度(部長職)と言われています

資格手当は平均で15,000円程度です

役職手当は年齢や勤続年数によってばらつきがありますが、概ね上記の額を目安としてください。

ケアマネの給料アップの方法

ケアマネージャーの給料は基本的には男性のほうが高いですが、女性にも給料アップの道は当然あります。

管理職を目指す

ケアマネージャーとして働く中でリーダーのポジションを経験すると、その先に管理職への道が開けてきます。

管理職になれば役職手当がつきますから、それだけ年収も上がります。部長職に就くことができれば、さらに高収入を目指せるでしょう。

スキルを高め転職や独立も視野に

ケアマネージャーは経験が物を言う職業ですから、スキルや実務経験を重ねるだけでもある程度の昇給は狙えます。

さらに他の資格を取得することでも年収を上げることができるでしょう。独立して介護サービス事業を開業したり、介護施設を運営する立場になれば大幅な年収アップも望めます

また、利益を大きく上げている事業所は給与設定が高めになっています。勤務先を上手に選んで、できるだけ高い給与で働けるようにしてください。

他の介護職との比較給料の比較

ケアマネージャーは、介護職の中では看護職の次に平均給与が高いと言われています

一般的な介護職の平均給与は25万円~30万円ですが、ケアマネージャーの平均給与は35万円を超える場合が多く、待遇面では一歩リードしていると言えるでしょう。

ケアマネージャーの給与が比較的高い理由は?

ケアマネージャーは介護スタッフを兼任することが多い職業です。そのため、公表されている給与額より収入が高いケアマネージャーも多くいると言われています

ケアマネージャーの平均基本給は他の介護職と比べてもそこまで差はありません。しかし平均の手当額や一時金が高いことが、平均年収を上げていると考えられます。

働く場所によって給料は変わるの?

打ち合わせをする人

ケアマネージャーの給料は、働く場所によってどのくらい変わるのでしょうか。

地域別に見たケアマネの給料

厚生労働省による「都道府県の平均給与比率」から各地域のケアマネージャーの平均年収を算出すると、最も平均年収が高いのは東京で、500万円を超えます

次に高いのが愛知、大阪、神奈川で、平均年収は400万円以上となっています

地方は平均年収350万円程度の地域が多く、人口が集中している地域との格差があることがわかります。地方だけで見ると年収格差はあまり見られません。

施設ケアマネと居宅ケアマネの給料面での比較

ケアマネージャー(介護支援専門員)には「施設ケアマネ」と「居宅ケアマネ」という2つの働き方があります。

それぞれの働き方と報酬

施設ケアマネージャー」の主な業務は、施設に暮らす要介護者を対象にケアマネジメントすることです。

介護スタッフを兼任している場合が多く、夜勤や残業手当がつくため比較的給料が高いです

居宅ケアマネージャー」は、自宅で生活する要介護者やその家族向けのケアマネージャーです。

残業は必要ですが、夜勤はありません。給料は比較的安めですが、働き方の融通が利きやすいと言われています。

事業所の規模で比較したケアマネの給料

ケアマネージャーの給料を事業所の規模で比較するとどうなるのでしょうか。

まずは以下の表をご覧ください。

<事業所の規模別に見たケアマネージャーの給料>

事業所の規模 平均年収 (万円) 月収 (万円) 賞与(万円)
10~99人 368 26.6 48.8
100~999人 377 26.1 64.0
1000人以上 382 27.0 57.5

この表を見る限りでは、事業所の規模によってケアマネージャーの給料に大きな差はありません。

多少増減はありますが、給料アップを目的に大きな事業所を選ぶ必要はないと言えるでしょう。

ケアマネになった後でキャリアアップも目指せる

ケアマネージャー(介護支援専門員)は、常勤で5年以上実務経験を積み、既定の研修を終えると「主任ケアマネ」に昇格することができます。

2021年から、居宅事業所の管理者は「主任ケアマネ」しか行えないことになっています。そのため主任ケアマネのニーズは高まっていくことが予想されています

資格を取ってさらなるキャリアアップを

ケアマネージャーは「介護福祉士」の資格と兼任することで年収が大きく増えると言われています。ある程度経験を積んだら介護福祉士資格の取得も検討してみてください。

またケアマネージャーは、介護職における管理職の要件になることが多いです。継続して経験を積めばその分給料が上がり、キャリアアップしていくことができるでしょう。

さらに経験値を上げていけば、ご自身で施設や事業所を開業することもできます。

ケアマネージャーの現状や将来性について知りたい!

明るく笑う人々

ケアマネージャー(介護支援専門員)の現状、そして将来性についても考えていきましょう。

はじめに、ケアマネージャーの平均勤続年数は約10年と言われています。平均年齢は47.6歳です。また、この年齢においての平均年収は385万程度です。

ケアマネージャーの求人数

日本の介護系事業所ではケアマネージャーが慢性的に不足しています。そのため求人情報サイトでは常に月給20万円以上の求人が多く見つかる状態になっています。

アルバイトやパート雇用でも時給は1,200円以上と、比較的高い求人が多いです。

今後はさらに高齢化が進むと言われていますので、ケアマネージャーの需要が尽きることは考えられません。

ケアマネージャー(介護支援専門員)の資格を取っておけば、生活には一生困ることがないと言えます

ケアマネージャーの業務量

とある事業所を例に挙げると、ケアマネージャー1人で平均25人もの要介護者を担当しています。1日3時間以上残業するケアマネージャーも少なくありません

どの事業所でもケアマネージャーの人数が不足しています。

そのためケアマネージャー1人あたりの業務量は膨大で、書類業務や申請作業の負担が非常に大きくなっています。

楽な業務ではないことは覚悟しておいたほうが良いでしょう。

ケアマネの待遇

ケアマネージャーは女性が活躍できる職種です。一般的な介護職に比べて年収や待遇は良いと言われています。

正社員だけでなくパートで働くこともできますから、結婚や出産などライフステージの変化にも対応できるでしょう。

しかも、パートやアルバイトの時給は他の介護職より高い傾向があります

ただし大変な面もある

ケアマネージャーは比較的給料が高い分、かなりの激務です。報酬と業務量が見合っていないため、「一般的な介護職との給与の差が無い」とすら言われています。

こうしたことから、近年は多くのケアマネージャーが待遇の改善を希望しています

ただし現時点でもケアマネージャーの給料は夜間手当や残業、休日手当などが充実しています。他の介護職より待遇が良い事には変わりないでしょう。

ケアマネ志願者の変化

実は現在、ケアマネージャーの受験者は激減しています

ケアマネージャー試験は2018年度から受験資格が厳格になり、受験者が限定されるようになりました。

またケアマネージャーの現場では処遇改善が進んでおらず、他の介護職と比べても非常に激務で、報酬と業務量が見合っていないと言われています。

こうした様々な要件が重なり2017年度には13万1432人いた受験者が、2019年度には3万人程度まで大きく減ってしまったのです

介護職全体のマイナス要素も関係している

日本の介護職は全体的に、給与水準が低く設定されています。

ケアマネージャーの年収は介護職の中で見れば高収入ですが、他の職業と比べると低い水準になっていることは否定できません。

こうした給与面の問題も、ケアマネージャー志願者の激減の理由になっていると考えられます。

ケアマネージャーの将来性には希望もある

ここまでの内容を見ると、現在の日本ではケアマネージャーの処遇はあまり良いとは言えません。

しかしケアマネージャーの待遇については、改善しようという動きが出てきています。

ケアマネージャーの資格を持っておけば、超高齢化社会において職を失うことはまずないでしょう。

ケアマネージャーの資格取得に向けて勉強しておいて損になることはありません

現在ケアマネージャー試験に向けて勉強している方は、ぜひ今のうちに資格を取ってしまいましょう

ケアマネの将来性

日本の高齢化は今後ますます進んでいくと思われます。しかしそれに反してケアマネージャーの志願者は大きく減っています

これに危機感を持った業界団体がついに動きました。2019年、社会保障制度調査会・介護委員会が「ケアマネージャーの環境整備と処遇の改善」を国に求めたのです

2021年には介護報酬改定により、ケアマネージャーの役割や処遇について検討される予定になっています

ケアマネージャーの必要性も今以上に強調されるでしょうから、おそらく良い方向に改定が行われるはずです。

ケアマネージャーの活躍は今後も強く望まれている

ケアマネージャーが超高齢化社会を支える職業であることは明白です。国もケアマネージャーの処遇改善には積極的に動いています。

現在は不満を持って働いている方も多いかもしれませんが、ケアマネージャーの働き方改善は徐々に進んでいます。ぜひ希望を持ちながら国の動きを見守ってください。

ケアマネの給与は将来どうなるのか

ケアマネージャーの平成30年度の給与と労働時間を見ると、以下のようになっています。

  • 一ヵ月の実労働時間が2.6時間減少
  • 月給は8000円ほど増加

(どちらも前年度比)

つまりケアマネージャーの給与や労働時間には多少の改善が見られるのです。このような待遇改善は、今後ますます進んでいくと思われます。

今後のケアマネージャーの需要について

これから2025年に向けて、75歳以上の人口がさらに増えていきます。

この超高齢化社会に備えて、ケアマネージャー試験は受験資格が厳格化されました。専門的な知識を持つケアマネージャーの重要度は今後さらに上がっていくことでしょう

事業所をしっかり選んで高収入を狙おう

事業所によっては、ケアマネージャーの労働環境の整備を積極的に進めているところもあります。

ケアマネージャーの待遇改善に力を入れている事業所に就職すれば、平均以上の給与設定になる可能性が非常に高く、モチベーションも上がります。

快適な労働環境のほうが、日々の業務も前向きに行えますよね。

ケアマネージャーは働く施設選びも非常に重要です。これからの日本を支えるために、ぜひ優良企業に就職するようにしましょう。

通信講座で効率よく学習しよう!

このようにメリットが多くあるため、「ケアマネージャーになりたい!」と思った方は多いのではないでしょうか。

ケアマネージャーになるためには「介護支援専門員実務研修受講試験」という難易度の高い試験を合格しなくてはなりません。

この試験に独学で合格するのは非常に厳しいです。一発合格を目指したい方には、学習サポートの充実しているユーキャンのケアマネージャー講座をおすすめします。

講座の特徴として初心者でも安心して学べるわかりやすいテキストや実力を挙げるのに最適な添削指導などがあり、学習の行いやすい講座設計となっています。

気になった方はぜひ一度ユーキャンの講座の情報をチェックしてみてください!

ケアマネージャーの給料まとめ 

ケアマネージャーの給料まとめ

  • ケアマネージャーの給料は他の仕事と比べると手取りが安いが、介護職の中では比較的高い
  • 年齢や勤続年数、他の資格と合わせるなど昇給の方法は色々ある
  • ケアマネージャーの待遇改善の動きがあるため将来の見通しは明るい

ケアマネージャーは業務のわりに若干手取りが低い傾向にありますが、日本を支える非常に大切な仕事です。

待遇の改善も進んでいますので、少し先の未来ではかなり働きやすくなっているはずですよ。

ぜひあなたもケアマネージャーの資格を取って、明るい日本を作るお手伝いをしてください!

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