ケアマネージャーの実務研修の内容は?更新研修やその費用・手続きについても解説!

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「ケアマネージャーの資格を取得するためには、どうすればいいの?」

「ケアマネージャーの実務研修って何?」

このような疑問をお持ちの方も多いでしょう。今回はケアマネージャーの資格の内容や目的などと共に、疑問を抱きやすい研修について詳しく紹介します。

この記事を読み終えた頃には、ケアマネージャーの資格について疑問点が無くなり、前向きな気持ちでケアマネージャーの資格取得を目指せるでしょう。

ケアマネージャーの実務研修についてざっくり説明すると

  • ケアマネージャーになるためには、実務研修が必要
  • ケアマネージャーになるには、かなり費用がかかる
  • ケアマネージャーの資格を取るとメリットがたくさんある

ケアマネージャーの実務研修にはどんなものがあるの?

パソコン2台とその間にいる2人の男性の手元

ケアマネージャーとは、介護が必要な方やそのご家族に対してケアプランの作成を行ったり、適切なサービスを受けられるように自治体などと連携を行う仕事です。

ケアマネージャーは、介護が必要な方に福祉や医療、保健のサービスを紹介する重要な仕事です。

ケアマネージャーになるためには、ケアマネージャーの試験に合格するだけでなく、実務研修を受講する必要があります。

ケアマネージャーの実務研修は、ケアマネージャーに必要な専門的知識や技術を習得するために行われます。

実務研修はどのような内容なのか、詳しく紹介します。

介護支援専門員実務研修を受ける必要がある

ケアマネージャーの試験に合格した後、ケアマネージャーになるためには、実務研修である「介護支援専門員実務研修」を受ける必要があります。

「介護支援専門員実務研修」は、ケアプランの作成など、実践的な研修内容になっています。

「介護支援専門員実務研修」の研修時間は全国共通で87時間になっていますが、実務研修のスケジュールは、研修を受ける都道府県によって異なるので注意が必要です。

例えば、東京都の場合は前期研修が8日間、実習が3日間、後期研修が7日間に設定されています。

また、実務研修は基本的に年数回実施され、ケアマネージャーの試験の合格発表後、直近の12月、1月に行われます。

すでにケアマネとして働いている人も更新研修受講義務あり

スケジュール帳に文字を書き込む女性

介護支援専門員証は5年間の有効期限があります。介護支援専門員賞を保持し続けるためには、更新研修を受ける必要があるのです。

更新研修は実務経験によって、受ける研修の内容が変わってきます。

さらに都道府県によっても、更新研修の実施されるスケジュールが異なるのでしっかりと確認するようにしましょう。

専門研修1

専門研修1は、実務経験が6ヶ月以上かつ3年未満のケアマネージャーが対象になる更新研修です。

専門研修1の研修期間は、56時間となっていて、通信コースと通学コースを選択できるようになっています。

また研修内容については、講習や演習、意見交換だけでなく、公表なども行います。

これらの実習を行うことで、ケアマネジメントの基礎を学び直すだけでなく、様々な観点からケアマネージャーの業務を考えるきっかけを作ることができます。

専門研修2

専門研修2は、実務経験が3年以上のケアマネージャーが対象になる更新研修です。

専門研修2では、講習や演習を通してケアマネジメントに必要となる知識や医療や介護に関わる他の職種との連携についての講習を受けます。

更に、様々なケアマネジメントの展開方法についても学ぶため、実際の業務で役立つスキルを今まで以上に身につけることのできる研修です。

ケアマネがキャリアアップするための研修

専門研修課程1と2の両方を終えたケアマネージャーは、「主任介護支援専門員研修」を受講することができます。

「主任介護支援専門員研修」を受けることで、ケアマネージャーから主任ケアマネージャーにキャリアアップすることができます。

主任ケアマネージャーとは、ケアマネージャーと同じく介護が必要な方やそのご家族に対して適切なプランを作成し、生活をサポートする仕事です。

更に、主任ケアマネージャーは、新人のケアマネージャーの指導や育成や、ケアマネージャーへの適切なアドバイスを行う業務も担います。

「主任介護支援専門員研修」の研修時間は70時間になっています。

この研修では、講習や演習を通して主任ケアマネージャーの役割を担う上で重要となってくる知識だけでなく、新人ケアマネの指導やサポートを行う方法についても習得することを目的とされています。

主任ケアマネージャーの資格にも5年間という有効期限があり、5年以内に更新研修を受ける必要があります。

主任ケアマネージャーの資格を保持するための更新研修である「主任介護支援専門員更新研修」の研修時間は、46時間になっています。

この研修では、主任ケアマネージャーとしての能力を保持すること、また向上を図ることを目的としています。

ケアマネージャーの実務研修にかかる費用は?

電卓の上に載っている家の模型

ケアマネージャーの実務研修は、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?

ケアマネージャーの実務研修の費用は、試験を受ける都道府県や受ける研修の種類によって変わるのでしっかりと確認することが必要です。

例えば、ケアマネージャーの試験後に受ける「介護支援専門員実務研修」の費用は、最も安く受けられる県と最もお金のかかる県では55,000円の差があります。

因みに、東京都の「介護支援専門員実務研修」の費用は、52,800円になっています。

このように実務研修は、高い受講費用が必要になります。さらに、実務研修の受講費用だけでなく、ケアマネージャーの試験の受験料も約1万円かかるのです。

もし、試験合格のために講習を受けようと講座を受講するならば、更なる費用がかさみます。

都道府県により実務研修の費用が異なるため、正確な金額は実際に実務研修を受ける都道府県によりますが、ケアマネージャーになるには、かなりの費用がかかってしまうのです。

ケアマネージャーの実務研修はどうしたら受けられるの?

草で作られた疑問

ケアマネージャーの実務研修について紹介しましたが、実際に実務研修を受けたい場合は、どのような手順で手続きを行えば良いのでしょうか?

ケアマネージャーの受験資格や実務研修後の手続きの方法などを紹介します。

ケアマネージャー試験の受験資格

ケアマネージャーの試験を受けるための受験資格は、他の介護系資格と比べてもハードルが高いものになっています。

特定の国家資格を保有している、又は介護施設などの相談援助業務に従事していて、更にそれらの業務を5年以上かつ900日以上こなすことがケアマネージャーの受験資格になっています。

注意しなければいけないことは、5年以上かつ900日以上という従業日数は、試験日までに満たせばケアマネージャー試験の受験資格を得ることができるという点です。

ケアマネージャーの受験資格は、受験する都道府県によって変わる可能性があるため、事前に確認することをおすすめします。

介護支援専門員実務研修受講試験に合格する

ケアマネージャーの試験は、毎年10月に実施されます。

ケアマネージャーの試験は、基本的に6月から7月の間に申し込みが行われるので忘れないようにしましょう。

またこの試験には、試験範囲が広くかつ専門的な知識の理解が必要であるという特徴があります

更に、5つの選択肢から複数の解答を選ぶような形式の問題もあり、ケアマネージャーの試験は難易度が高いものになっています。

ケアマネージャーの試験は簡単に合格できる試験ではありませんが、受験料など費用のことも考えると、一発で合格を目指すことが望ましいでしょう。

ケアマネージャー実務研修を受けるまでの手順・手続き

ケアマネージャーの試験に合格することで、実務研修を受けることができます。

実務研修を終えたら、3ヶ月以内に「介護支援専門員資格登録簿」へ登録申請をする必要があります。

「介護支援専門員資格登録簿」の登録申請は各都道府県によって申請先や申請の際の書類が異なる場合があります。

その際に、各都道府県が作っている公式ホームページに「介護支援専門員資格登録簿」への登録申請方法が掲載されている場合が多いので、確認してみて下さい。

「介護支援専門員資格登録簿」の登録申請と同時に「介護支援専門員証」の交付申請も行わなければ、ケアマネージャーになることができませんので忘れないようにしましょう。

「介護支援専門員証」の交付申請を行うには、写真や手数料が必要になります。

交付申請を行った後、1ヶ月ほどで「介護支援専門員証」が交付されます。この「介護支援専門員証」が交付されることで、ケアマネージャーとして認定されたことになり、晴れて業務をスタートさせることができるのです。

ケアマネージャーと介護福祉士はどっちをとるべき?

話している男女

ケアマネージャーと介護福祉士は共に介護の分野において人気の資格ですが、その違いをご存知でない方も多いと思います。

ケアマネージャーと介護福祉士にはどのような違いがあるのか、仕事内容や給料など比較して紹介します。

仕事内容の違い

介護福祉士は介護現場で介護が必要な方に対して、食事や入浴など直接的に介護を行うのが主な仕事内容になっています。

それに対して、ケアマネージャーは先ほど紹介したように、介護が必要な方のためにケアプランを立てたりと、デスクワークが基本的な仕事内容になっています。

つまり、ケアマネージャーの立てたケアプランを介護の現場で実践するのが介護福祉士の仕事になります。

そのため、両者は密接に連携しながら、利用者の安全で質の高い介護を提供するための大切な役割を果たしています。

受験資格の違い

介護福祉士の受験資格は、実働日日数540日以上で3年以上の介護等の業務に従属し、更に実務研修を終了した者、もしくは福祉系高等学校で所定のカリキュラムを終え卒業した者となっており、どちらかを満たせば試験が受けられます。

ケアマネージャーの受験資格を取得するためには、特定の国家資格を保有している、又は介護施設などの相談援助業務に従事していて、更にそれらの業務を5年以上かつ900日以上こなすことが必要になってきます。

受験資格を比較すると、ケアマネージャーの受験資格は特定の国家資格や長い業務期間などが必要になります。そのため介護福祉士の受験資格より、ケアマネージャーの受験資格の方がハードルが高いと言えるでしょう。

これらの理由から、受験資格のハードルが低い介護福祉士の資格を取得した後、ケアマネージャーの資格を取得する方が多いです。

また、ケアマネージャーの受験者数はハードルの高い受験資格により、減少傾向にあります。

高齢者が増え、介護が必要な方が増える中、ケアマネージャーの受験者数が減り、ケアマネージャーの需要が高まるばかりです。

給料の違い

続いては、ケアマネージャーと介護福祉士の給料の違いを紹介します。

給料を比較すると、現在はケアマネージャーの方が介護福祉士より高い給料を貰うことができます。

しかし、厚生労働省が発表した新加算の影響で、ケアマネージャーよりも介護福祉士の方が給料を多く貰えるようになる可能性があります。

新加算は介護を行う「介護職員」で業界10年以上の介護福祉士を対象としており、デスクワークが多いケアマネージャーは新加算の対象外になっています。

現在はケアマネージャーの方が給料が高く、手当がつきやすいですが、新加算の影響により業界10年以上の介護福祉士の給料と比べるとケアマネージャーの方が給料が低いということも起こりかねません。

新加算が適応された後では、どちらが給料を多く貰えるか明確に断言することは難しいでしょう。

ケアマネージャー実務研修からケアマネージャーとして実際に働くまでの流れは?

ノートとペンとリンゴ

転職という道

介護施設など、現在勤めているような職場でも、ケアマネージャーの役職がある場合も多いですが、ケアマネージャーの資格を取ることで、就職先の幅が広がります。

大きく業績を上げているような事業所に転職ができれば、給料の大幅なアップも夢ではありません。

更にケアマネージャーと介護スタッフを兼任することで、一般的なケアマネージャーよりも高い給料を得ることができる場合もあります。

そのため、ケアマネージャーの資格取得は、キャリアアップや給与面でのメリットをもたらす重要なステップとなります。

さらにキャリアアップも目指せる

ケアマネージャーの資格を取得することで、就職先の幅が広がりますが、更に主任介護支援専門員研修を受け、主任ケアマネージャーにステップアップすることで、居宅介護事業所の管理者になることも可能になります。

2021年から居宅事業所の管理者は主任ケアマネージャーに限定されるため、主任ケアマネージャーは今後更にニーズが高まります。

またケアマネージャーの資格を取得することで、独立し自身で居宅介護事業所を運営することも可能になります。

そのため、資格取得と経験を積むことで、キャリアの多様性が増し、介護業界でのビジョンや目標を実現するチャンスが大きく広がるのです。

ケアマネージャー実務研修はやっぱり受けるべき?

机に置かれたノートとマグカップ

先ほど紹介したように、ケアマネージャーになるためには、実務研修を行わなければなりません。

更にケアマネージャーの資格には有効期限があり、ケアマネージャーとして働き続けるには、更新研修を受ける必要があります。

ケアマネージャーには実務研修が必須で大変そうに感じる一方、ケアマネージャーになることで多くのメリットも存在します。

ケアマネージャーの仕事は、主にケアプランの作成や介護が必要な方やそのご家族へのサポートを行うなど、日中に行う業務になります。

このように、ケアマネージャーは、介護職員のように夜勤が無いので、出産や結婚をした女性でも働きやすく、長く仕事が続けられます。

更に収入面でもメリットがあり、介護福祉資格を持っている介護職員の給料がおおよそ22万円に対し、ケアマネージャーの給料は、おおよそ26万円と4万円も多いことが分かります。

先ほど、新加算についても紹介しましたが、基本的にはケアマネージャーは、介護職の中でも給料が多くもらえる役職と言えるでしょう。

そして、ケアマネージャーの資格を取得することで、就活の際にも有利になる場合があります。

ケアマネージャーは介護業界での需要が高く、ケアマネージャーの資格を持っていることで就職の際に優遇される場合があります。

更に仕事で活躍できる場が広がり、介護施設だけでなく、キャリアを積むことで地域包括支援センターなども職場になる可能性があり、ケアマネージャーの資格を取ることで、キャリアアップを目指すことができます。

このようにケアマネージャーになるメリットがたくさんあり、ケアマネージャーになるためには、必然的に実務研修を受ける必要があるのです。

ケアマネージャーの実務研修についてまとめ

ケアマネージャーの実務研修についてまとめ

  • 実務研修のスケジュールは、研修を受ける都道府県によって異なる
  • 介護支援専門員証が交付されることで、ケアマネージャーになれる
  • ケアマネージャーの資格を取ることで仕事の幅が広がる

ケアマネージャーの資格を取得するには、実務研修やハードルの高い受験資格があり、資格取得は容易ではありません。

しかし、収入が上がったり、就職の際に優遇されたりなど、ケアマネージャーになることで様々なメリットがあることも事実です。

ケアマネージャーの資格を取得するために、実務研修を受けて、活躍の幅を広げていきましょう。

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