登録販売者の成分の覚え方は?成分表や語呂合わせを使った勉強法を解説

「登録販売者の勉強をしているが、成分を覚えるのがつらい」

「薬の成分の簡単な覚え方があるなら知りたい!」

こんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

登録販売者の試験では薬の名前を覚える必要がありますが、ひたすら暗記が続くのはちょっとしんどいですよね。学生時代のように語呂合わせで覚えることができれば良いのに……そう思う方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は登録販売者試験における「薬の成分の覚え方」について、色々な方法をご紹介いたします。

成分表を使ったり語呂合わせを利用するなど、バリエーション豊かにご提案しています。ぜひ試験勉強に役立ててください!

登録販売者の成分の覚え方についてざっくり説明すると

  • 登録販売者試験では膨大な数の薬の成分名を覚える必要がある
  • 成分名を覚える際には、表を作る、語呂で覚えるなどのコツがある
  • 頻出の成分名は最初に覚えてしまうと良い

登録販売者試験の成分の覚え方

勉強する子供

登録販売者は医薬品を扱うための資格ですから、試験のための勉強の際は「成分名の暗記」が必須となります。それまで医薬品について勉強したことがない方にとって、成分を覚えるのは非常に苦労することでしょう。

やみくもに暗記していくのは非常に大変ですが、ある程度ポイントを抑えれば効率的に勉強を進めていくことができます。ここではその方法をご紹介いたしましょう。

登録販売者試験の成分の覚え方のポイント

登録販売者試験の勉強で成分名を覚えていくには、まずは「出題頻度が高い成分」から覚えていくようにしましょう。出題頻度が高いということは、多くの医薬品に配合されているということです

同じ成分が他の医薬品にも配合されていることを意識すれば、おのずと暗記にも力が入るはずです。実際の現場でも頻繁に扱う名前ですから、先に覚えておくと関連する内容の勉強にも役立つでしょう。

覚えにくい名前は書き出していく

勉強を進めていくと、ご自身にとって覚えやすい成分名が見えてくる反面、何度出てきてもなかなか覚えられない成分名もあることがわかってきます。

どうしても覚えられない成分名は、どんどん書き出していきましょう

。その上で何度も声に出して反復していくと、徐々に頭に入っていきます。

成分表を使った覚え方

登録販売者試験で成分名を覚えるには、成分表を作る方法もおすすめです。

種類ごとにある程度まとめることで、似たような働きの成分をまとめて覚えることができますので、互いに関連付けて頭に入れることができますよ

成分表の作り方

成分表を作る時は、分類ごとにまとめると良いです。例えば以下のようにすると良いでしょう。

成分 総合感冒薬 解熱鎮痛薬 鎮咳去痰薬 備考(副作用など)
解熱鎮痛成分 イブプロフェン
抗ヒスタミン成分 クロルフェニラミンマレイン
鎮咳成分 ジヒドロコデインリン
去痰成分 ブロムヘキシン

このように各成分を分類して表にすることで、同じ成分が複数の薬に入っていることも一目でわかります

表を作る時は多くの情報を入れすぎずに、成分と薬との関係をシンプルにまとめるようにしてください。その上で注意すべき副作用を端に書くようにすると覚えやすいです。

「第3章」でまず作るべき成分表とは

登録販売者試験の勉強では、市販薬の有効性や副作用についてのカテゴリは「第3章」と呼ばれます。

まずは第3章の勉強を一通り終えた上で、最初に精神神経用薬で成分表を作り、次に胃腸薬関連で表を作成すると良いでしょう。

成分表を作るメリット

薬の成分を表にして比較しますと、その薬に何故その成分が入っているのかを理解することができます。成分の組み合わせを見れば、風邪薬の処方なのか他の薬なのかが一目でわかるからです

胃腸薬についても、配合されている成分を見れば総合胃腸薬なのか、それとも消化薬なのか、制酸薬なのか等、病状に応じた処方が理解できるようになるでしょう。

成分名の語尾に着目した覚え方

登録販売者試験の成分を覚える際は、成分名の語尾に着目する方法もあります。

薬の成分名には共通の語尾を持っているものがあり、それぞれの語尾を持つ成分には関連性があります。共通する語尾の例は以下のようなものです。

成分の内容 共通する語尾
酵素 ~アーゼ
キサンチン系気管支拡張剤 ~フィリン
ステロイド性抗炎症薬 ~ゾン・ゾロン
血管収縮剤 ~ゾリン
局所麻酔成分 ~カイン
抗生物質 ~シン

もちろんこれは全体のごく一部で、成分の中には法則のないカタカナ名も多くあります。それらも重要ですからきちんと覚えてください。

共通する語尾の名前と作用を覚えた後に同じ作用のマイナーな成分名を覚えいくことで、ある程度まとまった集団として頭に入れることができるでしょう。

まずは共通する語尾の成分名から攻略していくことをおすすめします。

語呂合わせを使った成分の覚え方

共通の語尾がない成分名については、語呂合わせを利用するのがおすすめです。

例えば、「脂溶性ビタミンの種類」はビタミンD、A、K、Eの4種類です。これを語呂合わせにすると「ビタミンだけ(DAKE)」となります。もう覚えられましたね。

タンパク質のアミノ酸は?

タンパク質の元になるアミノ酸は20種類ありますが、そのうち体内で作れない必須アミノ酸は以下の9種類です。

  • トリプトファン
  • ロイシン
  • リジン
  • バリン
  • スレオニン
  • フェニルアラニン
  • メチオニン
  • イソロイシン
  • ヒスチジン

これらの頭文字を自由に組み合わせることで言葉になります。例えば「ふろばいすひとりじめ(風呂場椅子独り占め)」などはいかがでしょう。「リジン」だけ「りじ」と二文字使っていますが、かなり覚えやすいはずです。

他にも自由に組み合わせて、覚えやすい語呂を独自に作ってみてください。

他にも面白い語呂合わせがある

成分名の語呂合わせでは、他にも「あさいえさ(浅い餌)は15歳までお預け」というものがあります。ある程度勉強してきた方ならもうピンときたかもしれませんね。

これは、15歳未満の処方ができない成分の組み合わせです。アスピリン、サザリピン、イブプロフェン、エテンザミド、サリチルアミドの頭文字をとったものです。

まずは先ほどご紹介したように成分表を作るのがおすすめですが、ある程度整理した後は語呂合わせを作りながら表と照らし合わせて覚えて行くと良いでしょう。

漢方薬の覚え方

漢方薬はどのように覚えれば良いのでしょうか。

成分表を使った漢方薬の覚え方

漢方薬はそれぞれの作用を一言で表すことができず、かなり長い文章で説明されています。登録販売者試験の問題でもそのままの文章で出題されますので、語呂合わせではなく成分表にしてしっかり覚えていってください

また漢方薬独特の表現として「体力」があります。「体力が中程度以下で~」「体力虚弱で~」のように体力を基準とした内容も出題されるため、できれば全て暗記することをおすすめします。

表の作り方

漢方薬の成分名を表にして覚える時は、成分の効果と効能、また効能のキーワードをまとめると良いでしょう。

漢方薬によく使われる成分として、甘草(カンゾウ)、麻黄(マオウ)、大黄(ダイオウ)があります。それぞれの効能やキーワードを表にしながら覚えていってください。以下はその一例です。

漢方名 甘草 大黄 麻黄 効能・効果
芍薬甘草湯 こむらがえり
釣藤散 慢性頭痛
麦門冬湯 咽頭の乾燥感、咳

漢方薬の問題はどれくらい出題されるの?

登録販売者試験において漢方薬の問題は、例えば第3章では40問中3~5問の出題です。全体からするとそれほど多いわけではありません

漢方や生薬は漢字が難しいものが多く、特徴がなかなか識別できないので暗記しづらい項目です。勉強する際は、第3章や他の項目を一通り勉強した後、まとめて覚えるようにすると良いでしょう

薬局やドラッグストアにある医薬品の成分をチェック

登録販売者試験の成分名を覚えるには、実際の医薬品の成分を見てみるという方法もあります。

例えば、ご自宅にある常備薬のパッケージ裏面に成分表が載っています。一番手近にあるもので良いので、ぜひ見てみてください。

ご自宅にある薬というと風邪薬や整腸剤、消毒薬くらいだと思いますが、身近な医薬品から成分を暗記すると覚えやすいです

ドラッグストアでも成分をチェック

薬局やドラッグストアに行った際には、ご自宅に常備してある医薬品の類似商品を見てみましょう。

例えば同じ風邪薬でも、同一成分が配合されていることもあれば、少し違う成分が入っていることもあります。それぞれどのような違いがあるのかも考えながらチェックすると、より頭に入れやすくなりますよ。

第3章の勉強法

ディスカッションの風景

登録販売者試験では、薬の成分を覚える「第3章」が一番難しく、「第3章を制する者は登録販売者を制す」とまで言われています。

第3章を効率良く勉強するためにはどうすれば良いのでしょうか。

第3章の勉強法のポイント

登録販売者試験の第3章は、市販薬に使われている有効成分や副作用についての問題が出されます。

市販薬の販売は登録販売者の最も主要な業務となります。そのため第3章の出題数は120問中40問にも及びます。これは全体の3分の1を占める計算です

頻出の成分名から確実に覚えていく

市販薬の成分はカタカナや難しい漢字も多く、暗記事項が多くなります。勉強時間をしっかり確保して確実に覚えていきましょう。

非常に範囲が広いため、得点につなげるにはまず頻出の成分名から覚えることをおすすめします

先ほども触れましたが、ドラッグストアで実際に販売されている商品の有効成分を確認していくと、身近な医薬品と関連付けて覚えることができるため記憶が定着しやすいです。

第3章の勉強する順番

一般市販薬の中で最も取り扱い頻度が高い薬のひとつが、総合感冒薬(風邪薬)です。

総合感冒薬は多くの成分が組み合わさってできており、暗記量も必然的に多くなります。カタカナ名が多いですので、似たような名前を混同しないように気を付けましょう

どのよな順番で覚えて行けな良いか

第3章の成分名を覚えるにあたって、おすすめの学習順序は以下のようなものです。

  1. 解熱鎮痛薬

  2. 鎮咳去痰

  3. 鼻炎用内服薬

  4. 総合感冒薬

この順番で成分を覚えて行きますと、1~3で学習した内容を4で活かすことができます

また婦人薬、駆虫薬、消毒薬なども比較的取り組みやすいため、こちらから勉強を初めても良いでしょう。

薬の種類ごとの覚え方

登録販売者試験第3章では、色々なカテゴリの薬の成分名を覚えることになります。

それぞれの薬の種類ごとに、成分名の覚え方を解説いたします。

かぜ薬

かぜ薬は最も売れる一般用医薬品のため、登録販売者試験では多く出題されます。

かぜ薬は基本的に、咳や発熱といった症状を緩和し、体力の消耗を抑えるためのものです。「ウイルスの増殖を抑える」「体内から取り除く」といった誤解をしている人が多いため、こうした内容が正誤問題でよく出題されます

こうした基本情報を頭に入れた上で、成分名を覚えていくようにしましょう。

解熱鎮痛薬

解熱鎮痛薬の成分を覚える際は、分類、薬理作用、副作用を重点的に勉強してください。

特にアスピリンに関する問題は頻出です。アスピリン喘息や胃腸障害といった副作用に関する内容や、ライ症候群についてもしっかり頭に入れておきましょう。

また「イブプロフェンは抗炎症作用を持ち胃腸への影響が少ない」「解熱鎮痛薬は月経痛にも利用できる」というような、副作用以外の特徴も各薬剤ごとに把握する必要があります。

解熱鎮痛薬では15歳未満に禁忌の成分や、15歳未満でも特定の条件下以外では禁忌にならないなど、ややこしい内容もあります。ひとつずつ確実に覚えていってください

眠気を促す・防ぐ薬

眠気を促す薬としては、ブロムワレリル尿素があります。こちらの薬は反復投与をすると依存性が出ます。小児や若年層に使用する時は注意が必要な他、妊婦には使用できません。

眠気を促す・防ぐ薬ではこうした重要な注意事項のある医薬品が多く存在します。実際の業務でも間違いが起きないよう、しっかり把握する必要があります。

小児鎮静薬

小児鎮静薬は、夜泣きやひきつけを鎮める以外にも虚弱体質や消化不良の改善に効果があります。長期間継続して継続するものもあるのが特徴です

小児用の薬では乳児に使用してはいけない「レイヨウカク」のような薬もあるので気を付けてください。

なおレイヨウカクは動物性の生薬ですが、原料はウシ科のサイガレイヨウです。こうした原料の動物も覚える必要があり、他の分野でも出題されますのできちんと身に付けましょう。

鎮咳去痰薬

鎮咳去痰薬は咳を鎮めたり痰の切れを良くする薬です。喘息症状を和らげる医薬品の総称でもあります。

鎮咳去痰薬では、「鎮咳薬」と「去痰薬」の成分を見分けられるようにするのがポイントです。去痰薬のほうが分類がはっきりしているため、去痰薬から勉強を始めると良いでしょう。

胃・腸の薬、胃腸鎮痛鎮痙薬

胃腸の薬については成分名が特に多くなっています。頻出の成分名から覚えることをおすすめします

例えば、胃酸の働きを抑える「炭酸水素ナトリウム」、胃腸粘膜を保護、修復する「アルジオキサ」、下痢止めの「タンニン酸アルブミン」といった成分はよく出題されます。それぞれの効果や副作用、注意点などもおさえておいてください

高コレステロール改善薬

高コレステロール改善薬は、例えばビタミンE、大豆油不鹸化物(ソイステロール)、パンテチン、ポリエンホスファチジルコリンといったようなものです。これらの作用をしっかり理解してください。

また「LDL(低密度リポタンパク質)とHDL(高密度リポタンパク質)」の特徴と作用もよく出題されますので理解を深めておきましょう

婦人薬

婦人薬に関しては、妊婦もしくは妊娠していると思われる女性には避ける必要がある薬が存在します。整理して覚えていってください。

また婦人薬には漢方薬が多く使われます。主に「温める漢方薬」と「冷やす漢方薬」があり、ここを間違えると副作用につながります。それぞれの特徴もしっかり覚えましょう。

アレルギー用薬、鼻炎用点鼻薬、眼科用薬

アレルギー用薬として使われる抗ヒスタミン成分は、排尿困難や口渇、便秘といった副作用があります。ここはよく出ますので覚えておいてください。またスプレー式鼻炎用点鼻薬の使用時の注意点についてもしっかり覚えましょう。

アレルギー、鼻炎、眼科用薬については、他の薬と重複する成分も多いです。何が重複しているのかを確認しながら記憶を定着させていきましょう。

殺菌消毒成分

殺菌消毒成分を覚える時は、一般細菌、真菌、結核菌、ウィルスと、菌に応じて適用する成分が異なります。対応する成分と菌の種類を整理して覚えましょう

殺菌消毒成分は様々な分野に出題される成分が多いので、ここで習得しておくと他の分野とのつながりを含めて覚えられます。

滋養強壮保健薬

滋養強壮保健薬は、まず各種ビタミンに分類される成分を覚えていきましょう。成分名を問われる問題文では、「ビタミン○」ではなく成分名で書かれていることがあります。その点も考慮して勉強していってください。

ビタミン欠乏症については、どのビタミンが不足することで起きるかを整理して覚えると理解しやすいです。

滋養強壮保健薬でよく出る成分は、グルクロノラクトン、ビタミンD、ヘスペリジン、アスパラギン酸ナトリウム、ガンマ‐オリザノール、コンドロイチン硫酸です。それぞれの効果や副作用も頭に入れておいてください。

その他の薬

ここまでにご紹介した以外の薬も、それぞれの頻出成分名と対応する効果、副作用をセットで覚えることが必須です。

非常に数が多いので根気よくクリアしていってください。その時に、今回の記事の前半でご紹介した成分名の覚え方をぜひ活用してみてくださいね

登録販売者の成分の覚え方まとめ

登録販売者の成分の覚え方まとめ

  • 登録販売者試験で覚えるべき薬は非常に多いがコツを掴めば効率良く勉強できる
  • まずは頻出の成分名を覚え、その後に難しいものを頭に入れていくと良い
  • 自宅やドラッグストアにある身近な医薬品も参考にすべし
  • 効果や副作用は非常に大事な項目なので漏れなくおさえていくこと

登録販売者試験で覚えるべき成分名は膨大な量になりますが、実務に必要な知識です。ぜひ心して覚えていきましょう。

登録販売者試験に合格すれば、晴れて医薬品の販売をすることができます。その日を目指して、努力を重ねていってください!

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