登録販売者の男女比は?どこで働くのかや実務経験についてまで徹底解説
「登録販売者の男女比ってどうなっているの?」
「薬剤師との違いは?」
登録販売者に興味がある、あるいは資格の取得を目指している人の中には、このような疑問を持っている人もいるかと思います。
そこで、今回の記事では、「登録販売者の男女比は?」と題して、どこで働くのかから実務経験についてまで、様々な観点から解説していきます。
登録販売者の男女比についてざっくり説明すると
- 登録販売者の男女比は、男性の方が若干多い。
- 一方で、薬剤師は女性の方が圧倒的に多い。
- 一人前の登録販売者になるためには、一定期間の実務経験が必要である。
登録販売者は男女問わず活躍できる
男女比では男性の方が若干多い
登録販売者は、男性の方が若干ですが多くなっています。
もちろん、この男女比というものは勤務先によって異なる傾向にありますが、特に主な就職先である薬局やドラッグストアの場合においては、男性の方が多いと言われています。
ドラッグストアと言えば、何となく女性の方が多い印象がありますが、ドラッグストアでの業務の中には商品の品出しや管理などといった力仕事もありますので、男性も十分活躍できると言えるでしょう。
これに対して、同じドラッグストアで働く職業である薬剤師については、女性の方が多くなっています。これについては以下で説明します。
薬剤師は女性の方が多い
登録販売者の男女比については、男性の方が若干多いという説明でしたが、この薬剤師については、圧倒的に女性の方が多くなっています。
2018年現在で登録されている薬剤師は、男性で82,655人、女性が157,716人となっていて、女性が男性の2倍近い数字となっています。
もともと、薬剤師は女性に人気のある職業と言われていますが、その理由の1つに、女性のライフイベントの変化があっても働きやすいということが挙げられます。
結婚後や子育てをしながらも働きやすい、あるいはいったん退職してもすぐに再就職先が見つけやすい、かつ、高収入であることから、女性に人気があると言われています。
そもそも登録販売者ってどんな資格?
登録販売者とは
登録販売者は、国家資格ではないものの法律で認められた法的資格です。
2009年の改正薬事法により設立された資格であり、それまでは薬剤師または薬種商という資格を持った人にしか医薬品を販売する権利がありませんでしたが、人手不足解消のため、新たに医薬品を販売できる登録販売者が設立された経緯にあります。
この資格が設立されたことにより、医薬品の調剤業務と販売業務の分業が進み、効率化につながりました。また、この登録販売者の存在のおかげで、コンビニやスーパー、ホームセンターでも医薬品を購入できるようになりました。
登録販売者の仕事内容
登録販売者は、一般医薬品(市販薬)のうち、第二類医薬品と第三類医薬品を販売することが可能となっています。
「第二類医薬品」とは、まれに入院相当以上の健康被害が生じる可能性がある成分を含む医薬品を指しています。
「第三類医薬品」とは、日常生活に支障をきたすことはないものの、体調不良などが起こるおそれのある成分を含む医薬品を指しています。
なお、安全性上特に注意を要する成分を含む「第一類医薬品」については、薬剤師でなければ販売できないこととなっています。
また、販売以外にも消費者に対して薬の適切なアドバイスや副作用、効能について説明することも、登録販売者の重要な業務となっています。
どこで働けるのか
登録販売者の主な勤務先は以下のとおりとなっています。
- ドラッグストア
- 調剤薬局
- コンビニ
- 家電量販店
- ホームセンター
どれも「医薬品の販売コーナー」があるようなお店となっているのが特徴です。
登録販売者のメインの職場といえば「ドラッグストア」というイメージがありますが、最近ではコンビニでも医薬品を扱えるようになったため、コンビニで働く登録販売者も増えています。
登録販売者になるには
登録販売者になるためには、各都道府県が実施する登録販売者試験に合格したのち、従事する都道府県にて販売従事登録を行う必要があります。
なお、登録販売者試験に合格したあとも、一定の実務経験を得るまでは、経験豊富な登録販売者の管理・指導の下に仕事を行う必要があるなどといった制限があります。こちらは後述にて解説しますが、留意する必要があるでしょう。
さらに実務経験を積むことで、店舗管理者や管理代行者としてステップアップしていくことも可能な職業と言えます。
登録販売者の給料
気になる給料面ですが、登録販売者の給料はどれくらいなのでしょうか?
もちろん職場や都道府県によって異なりますが、平均年収は330〜350万円程度となっています。また、実務経験を積み、活躍が認められて店長クラスになると、400〜450万円程度までアップする傾向にあります。
また、パート・アルバイトで働く場合の時給は1250〜1700円程度です。
他の資格と比べると決して高い水準ではないかもしれませんが、ドラッグストアなどで同じように働くのであれば、やはり資格はあった方が良いと言えるでしょう。
実務経験が必要
上記でも触れていましたが、この資格には実務経験も必要となってきます。
直近5年以内に2年以上の実務経験がないと、正規の登録販売者とは認められず、一人で売り場に立つことができないものとなっています。
この要件を満たさない場合、研修中の登録販売者という扱いになり、正規の登録販売者や薬剤師の監督のもとでしか医薬品の販売を行うことができないこととなっています。
そのため、やむを得ず休職するときには、その休職期間を3年未満に設定することをおすすめします。
登録販売者として必要なスキル
登録販売者として必要なスキルとしては、以下のものが挙げられます。一人前の登録販売者になるために、是非、研修中の登録販売者時代に習得しておきましょう。
- レジ打ち
- 品出し
- 商品の配置・レイアウト
- 医薬品に関する基礎知識
- 店に置いてある商品を中心とした商品知識
- 新製品や自社ブランド商品がある場合には、それらの商品知識
特に実際の職場では登録販売者の知識を頼って、薬の飲み方やおすすめの薬を聞いてくるお客さんがたくさんいらっしゃいます。
中には独自に薬について調べてから聞きにくる強者のお客さんもいらっしゃいますから、頼り甲斐のあるところを見せるためにも、医薬品に関する知識は常に自分で勉強してアップデートしておくことが必要です。
登録販売者の将来性
薬剤師だけでは不十分で登録販売者の需要は大きい
薬剤師は、6年間の薬剤師養成課程を修了し、国家試験に合格した、いわば医薬品の専門家という存在です。それゆえに、非常に難関な資格となっており、その人数も限られています。
現在、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなど薬局以外でも医薬品を簡単に購入できるようにする動きがあり、この対応には薬剤師だけでは人手が足りません。そこで、医薬品の販売を行うことができる登録販売者が必要となってくるのです。
そのため、登録販売者の需要は現状でも十分大きいと言えるでしょう。
登録販売者の将来
一方で、登録販売者の将来性はどうでしょうか?
結論としましては、今後も医薬品は様々な場所で取り扱われると考えられますので、これに伴い、登録販売者の需要も今後ますます高まると言えるでしょう。
この登録販売者という資格は、2009年に設立された資格であり、現時点ではまだ未知数な部分もあります。もしかしたら、今後この資格の難易度も上がり、薬剤師に近くなることも十分に考えられます。
登録販売者の存在意義は、有資格者の業績や社会的ニーズによって今後変化していくと考えられます。
試験について
出題範囲
登録販売者の試験では医薬品に対する全般的な知識が求められます。
主な出題項目・範囲は以下の5項目です。
- 「医薬品に共通する特性と基本的な知識」 20問/40分
- 「人体の働きと医薬品」20問/40分
- 「薬事に関する法規と制度」20問/40分
- 「主な医薬品とその作用」40問/80分
- 「医薬品の適正使用と安全対策」20問/40分
合計出題数は120問、総試験時間は240分となっています。
合格のコツ
登録販売者は都道府県別の試験ですから、それを利用して合格率をアップさせる方法もあります。
複数回受験しよう
まずは毎年4月頃に発表される試験日を確認しましょう。例年8月中旬から12月中旬に試験が実施され、申し込み期限は約2ヶ月前に設定されています。
なお、願書は郵送で取り寄せる必要がありますので、この期間についても頭に入れておく必要があります。
また、都道府県ごとに合格率が異なるので、近隣の合格率が高い都道府県をチェックし、複数受けることで合格の可能性を高めることができるでしょう。
登録販売者の男女比についてのまとめ
登録販売者の男女比についてのまとめ
- 登録販売者は若干男性の方が多く、薬剤師は圧倒的に女性の方が多い。
- 登録販売者には試験合格後、一定期間の実務経験が必要となっている。
- 医薬品の需要拡大に伴い、登録販売者の需要も高まると予想されている。
今回は、「登録販売者の男女比は?」と題して、どこで働くのかから実務経験についてまで、様々な観点から解説してきました。
この記事が、登録販売者に興味がある、あるいは取得を目指している人にとっての参考情報の1つとなれば幸いです。