行政書士試験に落ちた...何年も受からないのは当たり前なの?

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行政書士

宮城彩奈

行政書士試験に落ちてしまい「なぜ受からないのだろう」「また落ちてしまうのが怖い」と思っている方は少なくないのではないでしょうか。

試験に落ちたことで自分自身を責め、落ち込んでいる人もいるでしょう。しかし、行政書士試験に受からないからといって自分を責める必要はありません。

しかし行政書士試験は非常に難易度の高い試験です。落ちてしまうことは非常に残念なことである一方で、十分ありうることであるというのも事実です。

ここでは行政書士試験に落ちてしまうことについて、何年も受からない人の割合や主な原因について解説します!

過度に不安に思うことなく、ぜひ試験に再チャレンジしましょう!

行政書士試験と不合格についてざっくり説明すると

  • 行政書士試験では毎年9割近くの受験生が落ちている
  • 何年も連続で落ちてしまう人もいるほど
  • しかし、正しい勉強方法がわかれば合格の可能性が高まる

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行政書士試験に落ちるのは普通のこと?

本とSTUDY

行政書士試験を受験して落ちてしまうと自分を責めてしまうことがあるかもしれません。

しかし、行政書士試験の合格率は10%前後と、事実として毎年9割近くの受験生が落ちてしまっているのが現状です。

また、毎年チャレンジする受験生もおり、例えば3年ほど毎年不合格になってしまっても不思議ではない試験です。

一部では「行政書士試験は簡単に合格できる」と言う人もいますが、受験していない人が言っている意見も非常に多いです。

また、合格した人が言っていることもありますが、合格したあとでは勉強中の苦労などを忘れ都合の良いことしか覚えていないため、このような方の意見は全て真に受ける必要はありません。

行政書士試験は国家資格の中でも難関資格の一つとして数えられ、決して楽に取得できる資格ではないのです。

合格者の声はアテにならない

インターネットやSNSでは、行政書士試験に合格した人の声が多く見られます。

合格したことで、体験記や試験の感想などを情報発信する機会が多くなるというのが理由の一つです。

行政書士試験は受験者数が多いことから合格者数も多く、そのため合格者の意見を目にする機会が多いのだと言えます。

しかし、一方で合格率から考えると90%前後の人は試験に落ちているということを忘れてはいけません。

落ちてしまった人の声は目立ちにくいため、10%の合格者の声ばかりが気になってしまいがちです。合格者の声は参考程度に留めておきましょう。

全てを捧げたのに落ちたという人も

大学生や新卒の人の中には、行政書士試験の勉強だけに毎日時間を費やしている人がいます。

また、その他の年代の方でも受験勉強に集中できるように仕事を辞めるという方も少なからずいるのです。

全てを捧げて勉強していたにもかかわらず落ちてしまう人もおり、行政書士試験は本当に難しい試験であると言えるでしょう。

このように自分を追い込んで試験に臨むという人もいますが、合格するには合格基準を全て満たさなければなりません。

実際の合格率を見ればその合格基準を全て満たした人は全体で10~15%しかいないということになりますので、行政書士試験は簡単には合格できない厳しい試験だということがわかります。

行政書士に何年も落ち続けている人に

落ち込んでいる子供

行政書士試験に何年もチャレンジしているものの、落ち続けているという方もいます。

しかし、難関試験であるにもかかわらず何年も諦めることなく、目標に向かって努力し続けられることは大変素晴らしいことです。

不合格には必ず原因があります。来年も落ちないために、まず受からない原因を突き止めて、正しい対策を取ることが必要です。

行政書士試験の難易度は易化してきている

行政書士試験の難易度は、実は年々低くなってきています。それを表している行政書士試験の受験者数と合格率の関係について表にしました。

年度 受験者数 合格率
2022年 47,850人 12.1%
2021年 47,870人 11.2%
2020年 41,681人 10.7%
2019年 39,821人 11.5%
2018年 39,105人 12.7%
2017年 40,449人 15.7%
2016年 41,053人 10.0%
2015年 44,366人 13.1%
2014年 48,869人 8.3%
2013年 55,436人 10.1%
2012年 59,948人 9.2%
2011年 66,297人 8.1%

現在、受験者数が減少してきていることにより合格率が少しずつ高くなってきている状態にあります。

そのため、来年度以降急に試験内容が難化するとは考えにくく、これまで受験を続けてきた方は次の試験で合格できる可能性が高いと言えるでしょう。

行政書士の難易度のついて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

合格者と不合格者の差はどこでついたのか

合格者の中には現役法学部生や法学部出身者、また、宅建試験の合格者などもともと法律の知識を持っている人がいます。

そのような方々は受験勉強にあたって覚えなければならない内容が少なく、新たに覚えなければならないことがあっても取っ付きにくさを感じることもないため、法律の知識がない人に比べて有利に試験を進められるといえます。

また、不合格になる原因は主に「効率が悪い勉強の仕方をしている」「勉強スケジュールの計画の立て方がよくない」「勉強時間の量が足りない」の3つが挙げられます。

特に独学で合格を目指す人は、前者の2つが出来ていないことが多いため、何度も不合格を繰り返している可能性があります。

勉強時間が多くとも、勉強スケジュールが試験の実態と合っていないと意味がありません。

また勉強法の効率が悪いと、覚えなければならない内容がいつまで経っても身につかないまま、時間ばかりすぎてしまうということになりがちです。

法律の知識がなく一から覚えなければならない人は、3つ目の「勉強時間の絶対量」も不足しているため、不合格になる要素を3つとも満たしてしまっていることになります。

不合格を繰り返してしまいそうな人は、今一度この3つの要素について見返してみることがおすすめであるといえるでしょう。

来年度試験で合格を掴むための勉強法とコツ

グッドサインをする男性

ここまで、行政書士試験に落ちてしまう理由について解説してきました。しかし、落ちてしまった原因を分析して改善すれば合格する可能性は高くなります。

また、合格するためには具体的にどのようなことをすればよいのかも知ることによって、さらに合格する確率を上げることができます。次に、合格を掴むための勉強法やコツについて解説していきます。

プロの力を借りることが大切

まず第一に、行政書士は合格率10%前後の難関国家資格であることを自覚することが大切です

自分が受からない原因がわからない人の場合、何も対策が出来なければ原因がわからないまま受験をし続けることになるため、今後も不合格になってしまう恐れがあります。

予備校や通信講座などでプロの指導を受け、正しい学習スケジュールと勉強法を身に着けて合格を目指すのがよいでしょう。

予備校の費用はとても高い

講師の指導を受ける手段としては予備校と通信講座の2種類がありますが、予備校の場合は講座費用が20万円近くかかってしまうことや、通学する時間がないということで、なかなか踏み込めない人が多いです。

そこでおすすめなのがフォーサイトの通信講座です。フォーサイトであればスマホを使っていつでもどこでも勉強できますし、講座費用も予備校の半額以下です。

また、フォーサイトは合格率が全国平均の4.46倍(2021年度試験)と圧倒的な合格実績を持つ上に、不合格者に対する全額返金保証まで用意されています

合格可能性をグンと高めてくれる極めておすすめの講座なので、次回試験に挑戦される方はぜひチェックしてみてください。

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選択式対策のポイント

試験では選択肢の対策をすることが重要です。「間違いの選択肢」は、正解の選択肢を選ぶことと同じくらい大切なものです。

ただ「なんとなく間違いのような気がする」といった理由で選ぶのではなく、なぜそれが間違いなのかについて正確に理解する必要があります。

なんとなく解答を選ぶ習慣を身に付けていると、本番の試験で「2択まで絞れたのに、結局外す」という事態になりやすいと言えます。

そのようなことでは、合格ラインを安定して突破できるだけの実力はなかなか身に付きません

行政書士試験は法令等科目、一般知識等科目、試験全体でそれぞれ取らなければならない点数、つまり足切りが設定されており、一つでも点数が基準よりも低い場合には不合格となってしまいます。

そのため、選択肢を見極める方法はしっかり身に付けなければなりません。

しかし、これは問題演習をする際に意識しておいた方がよいポイントではありますが、本番の試験では時間制限がありますので、本番の試験では、まずは正解の選択肢を探すことに注力すればよいでしょう。

民法と行政法を固める

行政書士試験には民法と行政法の配点が非常に高いという性質があります。

この2科目については、択一式ではもちろん、記述式でも出題されるため、より深い理解が必要な科目です。

行政書士試験の記述式問題は、民法で2問、行政法で1問の計3問しか主題されません。しかし、配点は全体の4分の1を占めます。

例えば、令和元年度の配点では、法令等科目が244点であったのに対して、そのうち記述式は60点でした。

つまり、記述式の攻略なくして行政書士試験の合格はできないということになります。

択一式の勉強ばかりに力を入れてしまいがちですが、択一式の正答率を満点に近づけるよりも、記述式の点数を上げる方が簡単だと言えます。

行政書士試験の合格対策は一見難しいですが、きちんと演習量を積むことにより、しっかり点数が伸びていく試験であるといえるでしょう。

各科目の詳しい勉強法については、下記の記事をそれぞれご覧ください。

一般知識を攻略しよう

行政書士試験では一般知識も出題されますが、一般知識とは時事問題である政治、経済、社会、法律の知識が必要となる情報通信・個人情報保護、読解力が必要となる文章理解の三つからなります。

この一般知識はなかなか対策をすることが難しい分野であると言えますが、普段からニュースや新聞などに意識を向けておくことは対策の一つです。

一年間、あらゆることに対してアンテナを高く保ち、社会の動向に関して注意しておいた方がよいでしょう。

また、一般知識はなかなか点数が安定しない科目でもあります。過去問演習や模試でたまたま高得点を取れたとしても安心することなく、調子が悪いときでも確実に合格点を超えられるように、気を抜かずに対策を続けることが大切です。

行政書士の一般知識については、下記の記事を詳しくご覧ください。

睡眠時間などは削らない

試験に落ちた方が再チャレンジする場合、1年間の勉強期間ができます。1年間継続して勉強を続けることが何より大事であり、毎日スパートをかけるような勉強法では体調を崩す確率が高くなります。

そのような勉強法では、結局は総勉強時間が減ってしまうことになり、本末転倒な事態につながってしまうでしょう。

睡眠時間など日常生活に必要なことは削らずに、プライベートの時間を大切にするようにしましょう。ストレスとうまく付き合っていくことが重要です。

もちろん、試験の直前期であればスパートをかけることも大事ですが、日々の勉強は無理のない範囲で、毎日続けることを意識するようにしましょう。

行政書士試験に落ちることについてまとめ

行政書士試験に落ちることについて

  • 行政書士試験は難関資格であるため、落ちたとしても不思議ではない
  • 不合格の原因がわからない人は、通信講座などでプロの指導を受けよう
  • 記述式の対策をしっかりすれば点数は伸びてくる

行政書士試験合格の門は非常に狭く、落ちたとしても珍しいことではありません。

また、落ちてしまった場合でも受からない理由をしっかり分析して勉強方法を改善すれば、次回で合格できる可能性は高まります。

特に、択一式だけではなく記述式の対策もしっかり行うことで点数は伸ばすことができます。ぜひ再チャレンジをして行政書士の資格取得を目指しましょう!

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