IELTSスコアの目安は?日本人の平均や採点の仕組みを他テストと比較しながら解説

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「IELTSスコアの目安はどれくらいなのか?」

「日本人の平均や採点の仕組みはどうなっているのか?」

このような疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

IELTSはTOEICなどの英語テストと同じで英語能力を測ります。

また、IELTSと他のテストを換算するとどれくらいになるのか気になるはずです。

この記事ではIELTSスコアの目安から日本人の平均点、採点の仕組みまで、詳しく紹介していきます。

記事を読み終わった頃には、スコアに関する疑問や不安を無くして、勉強に取り組むことができるでしょう。

IELTSスコアの目安についてざっくり説明すると

  • IELTSは「1.0~9.0」の中からスコアが決まる
  • OverAllスコアの算出方法は、4つのモジュールの平均点
  • 日本人の平均スコアの中で「リーディング」が6.05

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IELTSと他テストのスコア換算表

どれくらいの数値か。

以下が、IELTSと他のテストのスコア換算表になります。

IELTS TOEFL iBT TOEFL CBT TOEFL PBT PTE TOEIC 英検
9 118~120 297~300 673~677 87~90 - -
8.5 115~117 293 670 83~86 - -
8 110~114 287~290 660~667 79~82 - -
7.5 102~109 267~283 630~657 73~78 970~990 -
7 94~101 250~263 600~627 65~72 870~970 1級
6.5 79~93 233~247 577~597 58~64 820~870 -
6 60~78 213~230 550~573 50~58 740~820 準1級
5.5 46~59 192~212 521~549 42~49 600~740 -
5 35~45 173~190 500~520 35~42 550~600 2級
4.5 32~34 150~170 470~499 28~34 500~550 -
4 ~31 130~149 450~469 ~27 450~490 準2級
3.5 - 110~129 400~449 - 300~440 -
3 - 100 391~399 - 291~299 3級
2.5 - 90 390 - 270~290 -
2 - - 350~389 - 260~269 4級
1.5 - - - - 100~259 5級

IELTSと他のテストを換算して比べると、このようにレベル分けすることができます。

これらのスコアを参考にして、現状の英語力であればIELTSでどれほどのスコアを取得することができるのか目安をつけると良いでしょう。

IELTSのスコアと採点

スコアと採点

ここではIELTSのスコアと採点について、それぞれ詳しく紹介します。IELTSのスコアはどのように決められているのか、見ていきましょう。

IELTSは合否ではなくスコア

IELTSは「合格」・「不合格」で判断されず、「1.0~9.0」の中からスコアでその評価が決まります。

また、スコアは0.5ずつで分けられています。IELTSは他のテストのような採点方式と同様の採点方式でない点に注意しましょう。

IELTSは「留学」・「移住」などの目的に応じて、目標とすべきスコアが変わってきます。

まずは自分の目標スコアをしっかりと定めて、勉強をするようにしましょう。

各BANDスコアの評価

以下が各BANDスコアの評価です。それぞれで「スコア」・「レベル」・「英語能力」の3項目に分かれています。

スコア レベル 英語能力
9.0 エキスパート・ユーザー 英語を自由自在に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。
8.0 非常に優秀なユーザー 不正確さや不適切さがみられるが、英語を自由自在に使いこなす能力を有している。慣れない状況下では誤解が生ずる可能性もある。込み入った議論にも対応できる。
7.0 優秀なユーザー 不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。
6.0 有能なユーザー 不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、概ね効果的に英語を使いこなす能力を有する。特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。
5.0 中程度のユーザー 不完全だが英語を使う能力を有しており、ほとんどの状況でおおまかな意味を把握することできる。ただし、間違いを犯すことも多い。自身の専門分野では、基本的なコミュニケーションを取ることが可能。
4.0 限定的なユーザー 慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言葉遣いはできない。
3.0 非常に限定的なユーザー 非常に慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュニケーションの断絶が頻発する。
2.0 散発的ユーザー 慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を片言で伝える以外、現実的なコミュニケーションをとることは不可能。英語の会話や文章を理解することは困難である。
1.0 非ユーザー 単語の羅列のみで、基本的に英語を使用する能力を有していない。
0 試験放棄 必要情報が提供されていない。

9段階それぞれで、明確に英語力が分けられていることがわかります。

OverAllスコアの算出方法

OverAllスコアの算出方法は、4つのモジュール(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)の平均点です。

もし、スコアが0.5刻みにならない場合は、一番近いバンドスコアになります。例えば、「6.25は6.5」、「6.75は7.0」のようなスコアです。

以下が4モジュールの平均とOverAllをまとめた表です。

4モジュールの平均 OverAll
9.0~8.75 9.0
8.74~8.25 8.5
8.24~7.75 8.0
7.74~7.25 7.5
7.24~6.75 7.0
6.74~6.25 6.5
6.24~5.75 6.0
5.74~5.25 5.5
5.24~4.75 5.0
4.74~4.25 4.5
4.24~3.75 4.0
3.74~3.25 3.5
3.24~2.75 3.0

上記のように細かく分かれています。

リーディングモジュールのスコア

以下に、リーディングテストのバンドスコアと正解数(ロースコア)をまとめています。

こちらが「アカデミック」の場合です。

バンドスコア 40問中の正解数(ロースコア)
5 15
6 23
7 30
8 35

続いて、「ジェネラル」の場合です。

バンドスコア 40問中の正解数(ロースコア)
4 15
5 23
6 30
7 34
8 38

アカデミックは専門用語が多く難易度が高いという点が大きな特徴です。

一方で、必要な正解数は少なくなっており、スコアが高く出やすくなっています。

リスニングパートのスコア計算

以下に、リスニングテストのバンドスコアと正解数(ロースコア)をまとめています。

これは「アカデミック」・「ジェネラル」両方の場合で共通です。

バンドスコア 40問中の正解数(ロースコア)
5 15
6 23
7 30
8 35

「アカデミック」・「ジェネラル」とも、バンドスコアと正解数が同じようになっています

ライティングモジュールの採点基準

IELTSの認定試験官は、次のような項目で「タスク1」・「タスク2」を採点します

タスク1の場合

  • 課題の達成度
  • 一貫性とまとまり
  • 語彙力
  • 文法知識と正確さ

タスク2の場合

  • 課題への回答
  • 一貫性とまとまり
  • 語彙力
  • 文法知識と正確さ

「タスク1」・「タスク2」は、それぞれ4つの項目で採点されるようになっています

また、以下が「IELTS公式の採点基準」の詳細になりますので、併せて確認すると良いでしょう。

スピーキングテストの評価基準

以下がスピーキングテスト評価基準の4つの項目になります

4つの項目

  • 流暢さと一貫性
  • 語彙力
  • 文法の知識と精度
  • 発音

上記の4つの項目がスピーキングテストで重要になってくるため、しっかりとした対策を行う必要があります

また、スピーキングについても公式による採点基準が公表されているため、合わせて確認すると良いでしょう。

IELTS公式採点基準

IELTSの日本人の平均スコア

平均スコアは?

ここでは IELTSの日本人の平均スコアについて、紹介していきます。

また、4つのモジュール(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)の平均スコアも併せて見ていきましょう。

日本人の平均スコアは6.0

以下が2022年IELTS試験における日本人平均スコアとなります。

<Academic mean Performance by nationality>

Listening Reading Writing Speaking Overall
6.0 6.1 5.7 5.5 5.9

出典:Test taker performance 2022

日本人の平均スコアの中で「Reading」が6.1と、一番高い数値です

一方、「Speaking」が5.5と一番低い数値になっています。

この要因として、「ライティング」・「スピーキング」の二つが、日本人にとって対策が難しいセクションであるという点が挙げられます。

オーバーオール6.0の英語力

オーバーオール6.0の英語力は、TOEICで「740~820」のレベルと言われています。TOEICでは、かなり高い点数を取る必要があります。

他のテストでは英検が「準1級」、TOEFL iBTは「60~78」です。

IELTS6.0のレベルについてより詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考になさってください。

日本人はスピーキング・ライティングが苦手

日本の英語教育で力を入れているのは、「リーディング」・「リスニング」です。

例えば、高校や高校の入学試験でも「リーディング」の出題が多くなっています。

このような背景もあって、日本人にとって「ライティング」「スピーキング」は馴染みが薄く、対策が難しくなっていると考えられます。

リーディングの平均は6.0

リーディングの6.0は、40問中「23~26問」の正解が必要です。

これは他のテストで換算すると、以下のようなスコアや正答率と同等と言えます。

  • TOEIC リーディング:400点前後
  • 英検準1級:長文で約6〜8割
  • TOEFL iBT リーディング:20点前後

またこのレベルであれば、難関大学の英語の長文読解問題や英語のニュース記事も、問題なく読むことができるでしょう。

リスニングの平均6.0のレベル

IELTSの「リスニング」は音源がある程度、理解できるレベルになっています。

このレベルは極端に高いスコアではないため、着実に勉強を行えば到達することが可能です。

ちなみにリスニングの6.0は 、40問中「23~25問」の正解が必要です。他のテストの場合は英検で準2級レベルとなっています。

またリスニング6.0取得のためには、まず英語を聞き取れるようになる必要があります。

英語の半分以上が聞き取ることができれば、リスニングの6.0のスコアを取得することのできる英語力と言えるでしょう。

日本人のスピーキング平均は5.5

IELTSの試験官にはほとんど日本人がおらず、ネイティブが主に担当しています。さらに、TOEFLとは問題形式が大きく異なっている点も把握しておきましょう。

スピーキング5.5は、試験官から質問されて素早く答えることができるレベルになっています。

またこのレベルに到達するためには、ある程度英語が聞き取れるようになっている必要があるでしょう。

ライティングの平均5.5の難易度

ライティングで5.5を取得するためには、基本的な事項を一通り理解している必要があります。

また、文法・語彙をある程度使いこなし、最低字数を超えるような文章を書くスキルも同様に必要となります。

ライティングは「タスク1」・「タスク2」に分かれており、4段落の構成です。

また、「タスク1」では150文字、タスク2は「250文字」と最低文字数がありますが、問題を解く際には文字数を超えすぎないように気を付けましょう。

IELTSのライティングは減点方式となっており、点数が引かれていくようになっている、という点に注意して答案を作成することが大切です。

IELTSのとるべきスコアの目安

スコアの目安

ここでは IELTSでとるべきスコアの目安について、解説します。IELTSは受験者の目的に応じて、目指すスコアが変わる試験です。

それぞれの目的に応じて、適切な目標スコアを設定するようにしましょう。

英語圏の大学に留学するなら6.5

IELTSは英語圏の大学に留学する際、幅広く使えるという点でとても大きなメリットがあります。

もし、英語圏に留学を検討している方は、基本的にIELTS6.5が必要となります。

ただし、難関大学では7.0であったり、よりレベルの低い大学であれば6.0であったりと様々です。

また、大学によってはオーバーオールにプラスして「リスニング」・「リーディング」などに各基準のスコアを設けている場合もあります。

自分が留学を目指している大学がどのような基準を設けているのか、しっかりと確認するようにしましょう。

大学院への留学は7.0以上必要

大学院の留学を目指す場合には、「7.0~7.5」のスコアが基本的に求められるようになります。

大学では「6.5」が目安になっていましたが、大学院留学ではさらに高いスコアを取得する必要があるでしょう。

大学院では、大学よりも高度な内容を学ぶことが多いため、同様に高度な英語力が要求されると考えられます。

そのため、IELTS対策に長い時間をかけて、本格的な英語学習を積むことが必要です。

IELTS7.0のレベルについては、以降の記事でより詳しく解説をしています。

IELTSと他英語資格を比較

他の資格と比較

最後にIELTSと他の英語検定試験について比較をしていきます。

他の英語資格は、どの地域に留学する場合に有効なのか見ていきましょう。また、それぞれの英語資格がどのように活用できるのかも知っておくと良いです。

アメリカへの留学ならTOEFL

留学先をアメリカの大学に考えている方は、「TOEFL」の勉強に力を入れましょう。アメリカの大学では「TOEFL」のスコアが参考にされていることが多いです。

他にも、留学を検討している大学が「IELTS」と「TOEFL」の両方のスコアが有効となる場合もあるでしょう。

また、「TOEFL」を受験する場合では、コンピュータで受験することが多いという違いもあります。

特に目的がない場合は、「IELTS」と「TOEFL」のどちらか自分の得意な方を選ぶようにすると良いです。自らの力を発揮できる方を選ぶことをおすすめします。

就職・転職に役立つTOEIC

就職活動で英語力を評価する際には、企業はTOEICのスコアを参考にすることが多いです。

TOEICは「リスニング」「リーディング」の2技能試験が一般的であるため、「ライティング」・「スピーキング」が苦手でも対策しやすいでしょう。

こういった背景があることから、日本では他試験に比べてTOEICの受験者が非常に多くなっています。

日本国内でポピュラーな英検

日本では英検が幅広く知られており、試験の「加点」・「科目免除」など様々な面で大きな影響を与えています。

ただし、英検は日本では役に立ちますが、海外ではあまり取得している級が参考になることはありません。

海外で英語をアピールする場合は、他の英語の資格がより有効になります。

加えて、英検は日本人にとって取り組みやすい試験となっていることから、英語初心者の入門として特におすすめと言えるでしょう。

IELTSスコアの目安についてまとめ

IELTSスコアの目安についてまとめ

  • 日本人のスピーキングの平均は5.5
  • 英語圏の大学に留学するなら6.5が必要
  • オーバーオール6.0の英語力はTOEICで「740~820」程度

この記事では、IELTSスコアの目安や日本人の平均や採点の仕組みについて、紹介してきました。

IELTSは4つのモジュールの平均点から、スコアが出るようになっています。

もし、英語圏に留学を検討している方はIELTSを受けてみると良いです。

受験することで様々な恩恵を受けることのできる検定試験ですので、ぜひ高スコア取得を目指してください!

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