IELTSの対策法は?独学でも満点を狙える勉強法や初心者におすすめ参考書も紹介!
「IELTSを攻略するにはどんな対策をするべき?」
「独学で満点を狙うための勉強法は?参考書はどれがおすすめ?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
IELTSではライティング・スピーキングを含めた4技能全ての活用力が試されるイギリス英語の試験です。
スコアが高ければ高いほど、留学や移住の際には有利になるため、対策の仕方を工夫して得点力を磨くのが良いでしょう。
今回はIELTSの勉強法について、独学で満点を目指すための対策法や初心者におすすめの参考書などを解説します。
これを参考に、より良いIELTS対策を行ってください。
IELTSの勉強法についてざっくり説明すると
- たくさん英文を読んで、たくさんエッセイを書くのがおすすめ
- 日常的に英語に触れることを意識するべき
- スクールや通信講座を活用するのも良い
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IELTSは世界共通の英語テスト
IELTSはイギリス英語の運用力を評価する世界共通の英語テストです。以下ではそんなIETLSの概要について解説します。
IELTSはどんな人が受験する?
IELTSはイギリスをはじめとする英語圏の大学・大学院への進学や語学留学を目標とする人や、イギリスやカナダへの移住を計画している人などが受験する試験です。
なお、IELTSは説明文なども含めて全て英語で実施され、ライティングやスピーキングを含めた4技能それぞれのスキルが試されることから、受験者の英語力は比較的ハイレベルです。
日本人が受験する場合は、英語を本格的に活用することを目指したケースがほとんどであるため、その点では英検やTOEICなどとは雰囲気が違うと言えるでしょう。
IELTSには2種類ある
IELTSには以下2種類の試験があります。
アカデミック・モジュール
大学や大学院などの高等教育機関において、英語で実施される授業についていけるだけの英語力があるかどうかなどの判断基準にされる試験です。
英語圏の大学・大学院への進学・留学の際には一定以上のスコアが必要となるため、それらを目標とする人が受験します。
ジェネラル・トレーニング・モジュール
英語圏での就労や、イギリスやカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどへの移住申請を行う際に、スコアが用いられる試験です。
一定以上のスコアを取得することで、世界中で使える英語力の証明になります。
IELTSの受験会場・受験料
IELTSはブリティッシュ・カウンシルをはじめとする複数の団体が共同運営している英語試験ですが、日本では日本語英語検定協会やIDP、JSAFなどによって実施されています。
様々な機関が公式のテストセンターに認定されていることもあり、札幌・東京・大阪・福岡をはじめとする全国各地で試験を受けることが可能です。
ちなみに受験料は25,380円(税込)になります。
Computer-delivered IELTSを導入
IELTSでは2019年からコンピュータ試験が導入されています。
試験結果の開示が早い(試験後5営業日以内)ことや、タイピングで解答するライティングの修正や文字カウントが楽であることなどがコンピュータ受験のメリットです。
これらのメリットに魅力を感じる方やコンピュータの入力に慣れているという方は、コンピュータ試験を選ぶのも良いでしょう。
試験は4つのパートからなる
IELTSは試験の種類に関わらず、以下4つのパートによって構成されています。
パート | 試験時間 | 問題数 |
---|---|---|
リスニング | 約30分+10分(転記) | 40問 |
リーディング | 60分 | 40問 |
ライティング | 60分 | 2題 |
スピーキング | 約11~14分 | 3パート |
なお、IELTSのスコアはイギリスをはじめとする英語圏の大学への入学などで幅広く活用できますが、最近ではアメリカでも使える大学が増えてきています。
海外大学への入学に必要なスコアの目安
英語圏の大学に入学する場合は、6.0で入れるところもあるものの、基本的には6.5以上が必要になります。さらに難関大学なら7.0以上が要求されることも珍しくありません。
また大学院に進学する場合は、7.0〜7.5程度のスコアが求められることが多いです。
なお、基本的には4技能の平均点であるオールオーバースコアが用いられますが、リスニングやリーディングなどの各セクションで基準スコアが設定されている大学・大学院もあります。
社会人は移住の際にも便利
IELTSのスコアはイギリスやカナダ、オーストラリアなどへの移住や現地での就労の際に有用です。IELTSは4技能全ての試験があるため、総合的に英語力を証明する手立てとなります。
なお、多くの日本人が住みたいと考えるアメリカへの移住に関しては、IELTSのスコアは必須ではありません。
スコアは0から9まで0.5刻み
IELTSでは4つのパートそれぞれで0.5刻みの「バンドスコア」が0〜9の間で算出されます。
またそれらの平均点はオールオーバースコアと呼ばれますが、一般的にIELTSのスコアとしてよく利用されるのはこれです。
なお、オールオーバースコアも0.5刻みで算出されますが、きりの良い数字にならない場合は0.25を基準に切り上げ・切り下げが行われます。
よって例えば6.25点なら6.5点、6.75点なら7.0点です。
TOEIC・TOEFLとの違いを比較
TOEICとTOEFLもメジャーな英語試験ですが、それぞれとIELTSでは特徴が大きく異なります。詳細は以下の通りです。
TOEICはビジネス中心
TOEICは日本発祥の英語試験で、ビジネスシーンにおける日常会話に関する出題が試験の中心となります。
国内の上場企業には評価されているため、日本での就職・転職の際には有用ですが、海外の教育機関への留学など、国際的にはあまり役に立ちません。
なお、TOEICで最もメジャーなTOEIC L&Rテストでは、リスニングとリーディングの試験しか実施されないので、スピーキングやライティングの対策をする必要はありません。
TOEFLは主にアメリカ
TOEFLはIELTS同様、国際的な効力を持つ英語試験です。こちらは主にアメリカなどの大学・大学院に進学・留学する際に使えます。
また基本的にはペーパーベースで実施されるIELTSに対し、TOEFLはコンピュータ試験です。スピーキングに関してもマイク付きの専用ヘッドフォンを使ってコンピュータで受験します。
さらにTOEFLの試験内容は、IELTSよりもアカデミックな色彩が強く、学術的な専門用語が登場することも多いです。
他テストにスコアを換算すると
公式の情報ではありませんが、民間企業や個人の感覚・統計などでは、IELTSのスコアを他のテストに換算すると以下のようになると言われています。
IELTS | TOEIC | TOEFL iBT | 英検 |
---|---|---|---|
9.0 | - | 118~120 | - |
8.0 | - | 110~117 | - |
7.0 | 870〜990 | 94〜109 | 1級 |
6.0 | 740〜870 | 60〜93 | 準1級 |
5.0 | 550〜740 | 35〜59 | 2級 |
IELTSを受験するメリット
以下ではIELTSを受験するメリットについて解説します。
学生なら進学・留学に使える
IELTSで一定以上のスコアを取得すれば、英語圏の大学や大学院に出願することができるようになります。
よって英語圏への進学・留学を考える学生にとってはメリットが大きいといえるでしょう。
日本人には馴染み深い試験形式
IELTSは面接形式のスピーキングテストを除き、ペーパーベースで試験が実施されるので、大学受験まで紙と鉛筆を使った試験を数多く受ける日本人には受け入れやすい形式と言えるでしょう。
一方で同じく国際的な英語試験であるTOEFLは、全てコンピュータで解答を行うため、形式に戸惑ってしまうこともあるはずです。
この点ではIETLSの方がTOEFLよりも受験のハードルが低いとも言えます。
IELTSの問題形式
ここからはIELTSの問題形式について解説します。
リスニングは4つのセクションから
リスニングセクションは以下4つのセクションで構成されています。
- セクション1:日常・社会的な会話 例)友人同士の会話、電話による問い合わせなど
- セクション2:日常・社会的なスピーチ 例)ラジオ放送、イベント紹介など
- セクション3:学術的・教育的な会話 例)学生同士の議論など
- セクション4:学術的・教育的なスピーチ 例)ニュース、講義など
問題数は各セクション10問の計40問です。なお、リスニングセクションに関しては、アカデミックもジェネラル・トレーニングも共通の形式・内容で実施されます。
リーディングの出題内容
リーディングに関しては、アカデミックとジェネラル・トレーニングで内容が異なります。
アカデミックは3つのセクションからなっており、実際の書籍や雑誌、新聞から抜粋した英文を読解するという試験です。
なお、「アカデミック」という名はついているものの、テーマは専門知識のない一般人向けなので、ハイスコアを取るために学術的な専門性は必要ありません。
一方でジェネラルトレーニングは、以下3つのセクションで構成されています。
- セクション1:英語圏での生活に関する2〜3の短い事実に即した英文を読解する
- セクション2:仕事をテーマにした2つの短文を読解する
- セクション3:一般的なトピックに関する長めで複雑な英文を読解する
ちなみに英文はこちらも実際の本や雑誌、広告、パンフレットなどからの抜粋です。
ライティングのテスト形式
ライティングに関してもアカデミックとジェネラル・トレーニングで内容が異なります。詳細は以下の通りです。
<アカデミック>
- タスク1:グラフや図表などの情報を要約・説明する
- タスク2:一般時事に関するテーマに対する意見や考えを述べる
<ジェネラル・トレーニング>
- タスク1:会社や学校宛にセミフォーマル・フォーマルな手紙を書く
- タスク2:与えられたテーマに対してより個人的でフォーマルでない文体のエッセイを書く
なお、各試験ともタスク1では150語以上、タスク2では250語以上の記述が求められます。
スピーキングの方式
スピーキングテストはアカデミックとジェネラル・トレーニングで共通です。試験は以下の3パートで構成されています。
- パート1:出身地や家族など受験者の個人的なことを紹介する(4〜5分)
- パート2:指定されたテーマに関する短いスピーチを行う(準備1分・スピーチ1〜2分)
- パート3:パート2のテーマについて試験官とディスカッションを行う(4〜5分)
なお、パート2のテーマの指定に関しては、試験官から手渡されるタスクカードによって伝達されます。
IELTSの各スコアに必要な英語力
IELTSの公式サイトでは、IELTSの各スコアに対するレベルや英語力が以下のように定義されています。
スコア | レベル | 英語能力 |
---|---|---|
9.0 | エキスパート・ユーザー | ○英語を自由自在に使いこなす能力を有する ○適切・正確・流暢・完全な理解力もある |
8.0 | 非常に優秀なユーザー | ○不正確さ・不適切さはあるものの自由に英語を活用できる ○込み入った議論もできるが不慣れな状況では誤解してしまう場合もある |
7.0 | 優秀なユーザー | ○状況によっては誤解してしまうこともあるが概ね英語を使いこなすことができる ○多くの複雑な言葉遣いにも対応しつつ詳しい論理も把握できる |
6.0 | 有能なユーザー | ○不正確さ・不適切さ・誤解はあるものの概ね英語を効果的に活用できる ○馴染みのある状況であればかなり複雑な言葉遣いの使用・理解も可能 |
5.0 | 中程度のユーザー | ○不完全ながら大抵の状況で意味を概ね把握できるだけの英語力を有する ○間違いも多いが自分の専門分野に関しては基本的なコミュニケーションが可能 |
4.0 | 限定的なユーザー | ○慣れた状況下では基本的な英語使用ができる ○理解力や表現力の問題が多く複雑な言葉遣いは不可能 |
3.0 | 非常に限定的なユーザー | ○非常に慣れた状況下では一般的な意味の伝達・理解ができる ○コミュニケーションが断絶してしまうことも多い |
2.0 | 散発的ユーザー | ○慣れた状況下の必要性に応じてかなり基本的な情報を片言で伝達することはできる ○英語の会話や文章は理解できないので上記以外の現実的なコニュニケーションは難しい |
1.0 | 非ユーザー | ○英語を使用する能力はないと言って良い ○単語の羅列だけ |
0.0 | 試験放棄 | ○必要情報が未提供 |
5.0までは基本を積み重ねる
IELTS5.0は、TOEIC600点や英検2級、TOEFL iBT35〜45点に相当するレベルです。概ねの日本人の平均か、それ以下の水準と言って良いでしょう。
よってこの水準に到達できない場合は、英語の基礎が身についていない可能性が高いので、まずは中学英語・高校英語の単語や文法をマスターするべきです。
6.0を目指すなら基礎を完璧に
IELTS6.0は、TOEIC740〜820点や英検準1級、TOEFL iBT60〜78点と同等のレベルですが、この水準を目指す場合もやはり単語や文法の基礎固めが重要になります。
またそれと並行して、リスニングやスピーキングの関する最低限のスキルも習得しておくのが良いでしょう。
IELTSのスコアは4技能の平均点なので、日本人が得点しにくいそれらの試験で足を引っ張らないように対策しておくべきです。
7.0は学術的な語彙を増やそう
IELTS7.0は、TOEIC870〜970や英検1級、TOEFL iBT94〜101に相当するため、かなり英語ができる部類だと言って良いでしょう。
そのため、日常会話は問題なくこなせるくらいに、リスニングとスピーキングのスキルを高めておかなくてはなりません。
またIELTSに頻出の学術的な語彙も習得し、リーディングやリスニングの精度を高めることも大切です。
8.0ならディスカッション能力が必要
TOEIC990点(満点)や英検1級よりハイレベルで、TOEFL iBT110〜114に相当するIELTS8.0を取得できれば、正真正銘の英語上級者です。
取得するには、日本人が得意なリーディング・リスニングでは満点近い点数を取り、ライティング・スピーキングでそこそこのハイスコアを出すという作戦が良いでしょう。
スピーキングで点数を稼ぐのは難しいですが、質問に対して素早く論理的な意見を述べられるくらいのレベルまでは仕上げておかなくてはなりません。
IELTSの勉強時間と受験ペース
以下ではIELTSのスコアアップに必要な勉強時間と適切な受験の頻度について解説します。
0.5のスコアアップに必要な期間
IELTSのスコアを0.5上げるには240時間の勉強が必要だと言われています。これは毎日2時間勉強したとしても4ヶ月かかるという計算です。
また全セクションでの目標スコアを超えなければならないなら、オールオーバースコアだけを問題とする時に比べて1.2〜1.5倍の勉強時間が必要だと言われることもあります。
つまり現状のスコア6.0からオールオーバースコア7.0を目指すなら、480時間の勉強で十分ですが、全てのセクションで7.0を取得しなければならないなら、570〜720時間が必要になるということです。
適切な受験の間隔とは
留学や移住のためにIELTSで一定のスコアを取得することが必須であり、あまり時間もないという場合は、間髪を容れずに2回連続で受験するというのも良いでしょう。
1回目は緊張やハプニングで十分に実力が発揮できないこともあるので、2回受験する方が無難です。
一方で急いでスコアを取得しなければならないという状況でないのなら、4ヶ月〜半年くらい間隔を空けて受験することをおすすめします。
一度の受験で時間や費用、体力をかなり使いことになるので、あらゆる意味で万全の状態で臨むためにも、程よい頻度で受験するべきです。
ちなみにIELTSは全国の会場でほぼ毎週実施されています。
初心者のIELTS対策のスケジュール
以下では初心者におすすめのIELTS対策のスケジュールについて解説します。
①公式問題集で自分のレベルを確認
まずは公式問題集を用いて、一度IELTSの過去問を解いてみるのが良いでしょう。問題形式を把握するとともに、現状のレベルを大まかに理解することができるので有意義です。
過去問を解けば、自身が苦手なセクションがわかるはずなので、その後の対策を効率的に進めることにもつながるでしょう。
②受験日と目標スコアから計画作成
過去問で現状を把握したら、それを元に受験日と目標スコアを決定し、それらに合わせた試験対策の計画を立てましょう。
先述した通り、IELTSではオールオーバースコアを0.5上げるのに240時間程度が必要なので、できるだけ十分な学習期間を設けておくべきです。
なお、具体的な計画の立て方ですが、やるべきことを大まかに1ヶ月単位で決めていくとともに、直近の1ヶ月に関しては1週間単位などの詳細なスケジュールを定めるというやり方がおすすめです。
③高校までの英文法を復習
文法は4技能全ての基礎となるため、英文法の理解が不十分だと全てのセクションで苦戦してしまいます。
そのため、IELTSに特化した対策を始める前に、高校レベルの英文法はマスターしておくのが良いでしょう。
なお、英文法の基礎固めには、自分のレベルに合った中学英語・高校英語の文法書を使うのがおすすめです。
④単語量を増やす
IELTSは、TOEICや大学受験に比べると学術的な単語が多く用いられるため、そうした単語を中心に語彙力の強化しておく必要があります。
IELTSの文章に登場する全単語を覚える必要はないですが、IELTS用の単語帳1冊分くらいは暗記しておくのが良いでしょう。
なお、高校英語までの単語をきちんと覚え切れていないという場合は、先にそちらを盤石にするべきです。
⑤日本語の教材でコツをつかむ
IELTSは英語で実施される試験なので、対策用の教材も英語で書かれたものが多いですが、初心者ならまずは日本語で書かれた理解しやすい教材から始めるのが良いでしょう。
リーディングでは言い換え表現に注意しなければならないことや、ライティングのタスク1では書き方のテンプレートを知っておくべきことなど、攻略のカギとなるいくつかのコツを学ぶべきです。
⑥1ヶ月前から英語の過去問を使う
試験日の1ヶ月前になったら、過去問演習を始めましょう。IELTSでは全て英語で書かれた公式の問題集が出版されているので、それを何度も解いて問題に慣れるべきです。
苦手なセクションを攻略
過去問を解いた後は、間違えた問題を中心に丁寧に復習を行うようにしましょう。単語や文法で曖昧な箇所があるなら、単語帳や文法書に戻って確認するというのも有意義です。
また苦手なセクションがある場合は、それらを重点的に特訓するというのも良いでしょう。
⑦時間を測った上での実戦演習
リーディングとライティングの過去問演習は、必ず時間を測って行い、点数を最大化するための時間配分を決めておくのがおすすめです。
またIELTSは試験時間が長く、途中で集中力が切れてしまいやすいので、直前期には本番の試験時間・時間帯に合わせて通しでシミュレーションをしてみるのが良いでしょう。
それによって自分が疲れるタイミングなどを把握することができるので、当日の戦略に役立てることができるはずです。
IELTSの勉強法のポイント
ここからはIELTSの対策をする上で押さえておくべきポイントについて解説します。
日本人が伸び悩む分野
まずはIELTSにおける日本人の平均スコア(2018年)を見てください。
セクション | スコア |
---|---|
Listening | 5.87 |
Reading | 6.05 |
Writing | 5.43 |
Speaking | 5.56 |
Overall | 5.75 |
上記を見ると、リスニング・リーディングに比べてライティング・スピーキングのスコアは低いということがわかります。
日本の英語教育ではリーディングとリスニングを中心に指導が行われ、高校や大学の入試でもリーディングの試験がメインとなるため、やはりライティング・スピーキングは苦手な人が多いようです。
またそれら二つは独学で対策するのが難しく、特にスピーキングはネイティブと話す機会を設ける必要があるので、スコアが伸びない人が多いのも仕方ないと言えます。
純ジャパは日常的に英語に触れよう
日本に暮らしていると日常生活で英語に触れるのは難しいので、自ら英語のニュース番組を見たり、英字新聞を読むなどして、意識的に英語に触れる機会を作るのが良いでしょう。
普段から英語に親しむことは、英語学習の良いモチベーションとなるだけでなく、勉強や仕事の息抜きにもなるのでおすすめです。
学術的な英語にも慣れる
英語のニュースやドラマなどに触れることは有意義ですが、IELTS対策に絶大な効果があるとは言えません。
日常の習慣を工夫してより効率的なスコアアップを目指したいというのであれば、論文などの学術的な英語にも触れるように心がけるのがおすすめです。
1冊の英単語帳を何周もする
IELTS用の単語帳であれば、収録されている内容はどれもそれほど変わらないので、単語帳は1冊に絞るのがおすすめです。
また人間の脳は一度記憶しただけではすぐに忘却してしまうので、単語帳は最低3周は繰り返し学習するのが良いでしょう。
なお、より効率的に暗記したいなら、1周にかける時間・労力は少なくし、できるだけ反復することを重視するべきです。
速読力と読解力の両方が必要
IELTSのリーディングセクションを攻略するには、速読力と読解力の両方を鍛える必要があります。
多読で速読力を向上させよう
速読力をつけるには、できるだけたくさん読むということが重要です。
特に英文を読むことに慣れていない人であれば、多読をして英語脳を作っていかないと速読力は伸びません。
なお、具体的な勉強法としては、ペンギンリーダーズなど学習者のレベルに応じたレベル分けがなされている教材の中から、自分に合うものを選んで多読をするのが良いでしょう。
読解力アップには精読も必要
それぞれの設問に対して的確な解答を行うには、文章を正確に読解する力も必要です。
よって丁寧に文章を読む「精読」によって、読解力の質を高めていくのが良いでしょう。
なお、精読の際には意味の取れない箇所を中心に、単語や文法を一つずつ調べるなど、じっくり正しく読むことを心がけるべきです。
エッセイを多く書こう
ライティングスキルを磨くには、こちらもたくさん書くということが必要です。初めは辞書を見ながらでも構わないので、数多くエッセイを書くことを心がけましょう。
実際に使った単語や表現は印象に残りやすいので、エッセイを書けば書くほど、ライティングスキルとともに語彙力も向上していくはずです。
なお、タスク1に関しては書き方にコツがあるので、反復練習によってそのコツを体得することが重要になります。
独学でのスピーキング対策
独学でスピーキングの対策をする場合は、音源付きの問題集を活用し、流れてくる質問に即座に答えられるように練習を重ねるのが良いでしょう。
その際は自分の音声を録音し、模範回答も聞きながら、不自然なところがないかどうかを確認するのがおすすめです。
ちなみにIELTSのスピーキングは「流暢さと一貫性」「語彙力」「文法知識と正確さ」「発音」という4つの基準で評価が行われます。
よって練習の際は、「詰まらずに話し続けられるか」「ネイティブのような発音はできているか」という2点を意識すると良いでしょう。
英語を論理的に話せるように
IELTSのスピーキングでは、投げ掛けられた質問に対して、知識や経験などを根拠として論理的に回答する必要があります。
よって、まずは結論を定め、それに合う根拠を並べながら首尾一貫・理路整然とした回答ができるように練習しておきましょう。
試験当日に役立つ解答テクニック
ここからは試験当日に使える解答テクニックをいくつか紹介します。
設問を先読みしてポイントを把握
リスニングでは問題の先読みが重要になります。音声を聞く前に問題に目を通せるだけの時間が設けられているので、先に質問されていることを把握してから音声を聞くのが良いでしょう。
またIELTSでは問題用紙への書き込みが認められているので、キーワードに印をつけるなど、解答しやすいようにメモを取るのも有意義です。
なお、リーディングにおいても先読みは有用なので、まずは設問を読んで、キーワードを把握しましょう。
読解はスキャニングとスキミング
長文を素早く読解するにはスキャニングとスキミングという2つの手法が役に立ちます。
まずスキャニングですが、これは先読みした設問の答えとなるようなキーワードだけを拾い読みすることです。
一方でスキミングは文章をざっと読んで段落ごとの大意を短時間で把握することを意味します。
IELTSの問題を解く上ではスキャニングの方が便利ですが、中にはパラグラフごとの見出し名を付けさせるような問題もあるため、スキミングも必要です。
ライティングは時間を意識
60分という試験時間の中で、2つのタスクに取り組まなければならないライティングでは、時間配分が重要になります。
タスク1の方が文字数が少なく、書くべき内容の基となる情報も与えられているので、こちらは15〜20分で解くのが良いでしょう。
一方でタスク2に関しては30〜40分で解き終えられるように心がけるべきです。
その配分なら5〜10分余るはずなので、その時間を使ってケアレスミスや単語数などをチェックしましょう。
スピーキングは結論が先
スピーキングでは、最初に結論を述べて、続いて理由や具体例、自らの経験などでそれを補強していくという流れで話すのが良いでしょう。
分量としては、結論は1文、そのあとの部分は2〜3文程度とするのがおすすめです。
話す内容は簡単なもので構わないので、言いたいことをはっきり的確に伝えられるように練習しましょう。
当日は服装と持ち物に注意
IELTSは試験時間が長く、特に1Dayセッションの場合は朝から夕方まで試験を受けるので、なるべく疲れにくいゆったりとした格好で行くのが良いでしょう。
また持ち物は鉛筆・消しゴムやパスポートなどですが、家を出る前に忘れ物がないかをチェックしておくべきです。
さらに試験会場に着くと荷物を預けたり、身分確認を行ったりといろいろ手続きをしなければならないので、時間に余裕を持って会場入りすることをおすすめします。
無駄なストレスを避けるため、前日から準備を整え、当日は冷静な心持ちで試験に挑むことが大切です。
IELTS対策におすすめの参考書
以下ではIELTS対策におすすめの参考書を紹介します。
おすすめ英単語帳
単語の暗記学習には以下のような英単語帳を使うのが良いでしょう。
実践IELTS英単語3500
IELTSに特化した数少ない日本人向けの英単語帳です。IELTSに頻出の3500語(基本語1000+重要語2500)が収録されています。
またIELTSに合わせて発音記号やスペリングがイギリス英語の表記になっており、付属の音声もイギリス英語なので、イギリス英語に慣れる上ではもってこいの教材と言えるでしょう。
TOEFLテスト英単語3800
こちらはTOEFL用の単語帳ですが、IELTS対策にも利用可能です。TOEFLの頻出の3800語が難易度のランクごとに収録されています。
なお、アカデミックな単語に対応するための「分野別英単語」という付録もついていますが、IELTSにはTOEFLほどの専門的な学術用語は登場しないので、こちらは使わなくて良いでしょう。
新セルフスタディ IELTS 完全攻略
日本語で書かれた参考書で、IELTSの指導経験が豊富な著者が、全ての出題パターンに対する攻略法を教えてくれるため、問題演習の前に一読しておくと良いでしょう。
特に書き方にコツがあるライティングのタスク1に関しては、出題パターンごとの模本解答や覚えておくと役立つ表現などが掲載されているため、非常に有用です。
Listening for IELTS
IELTSの受験者が苦戦しがちな電話番号などの数字や人名などのスペリングの書き取りが練習できるので、リスニングセクションの対策としては非常に有用です。
また本書に付属する音声は、試験の音声よりも若干スピードが速いので、本書の速さに慣れておけば余裕を持って本番に臨むことができるでしょう。
よってリスニングでハイスコアを目指したいという方にはおすすめです。
IELTS公式問題集
本書に収録されているのは過去問ではありませんが、IELTSの試験問題を作成している団体による公式の問題が収録されているので、試験問題の傾向を把握するのには最適な教材です。
ただし、説明などを含めて全て英語で執筆されており、解説もついていないため、ある程度IELTS対策をしてから使うのが良いでしょう。
試験直前期のシミュレーション用に活用するのもおすすめです。
オンラインサービスやアプリも利用しよう
IELTS対策にはオンラインサービスやアプリも活用するのが良いでしょう。
オンライン英会話で面接練習
スピーキングの対策は独学で行うのが難しいので、オンライン英会話を利用し、実際にネイティブと会話しながら鍛えていくのが良いでしょう。
例えばDMM英会話では、講師の国籍を選択することができるので、イギリス英語でレッスンを受けることも可能です。
また費用を抑えたいなら、月額4,620円〜で受講できるレアジョブ英会話などがおすすめできます。
定期的な練習とフィードバックを受け取ることで、自分の弱点を把握し、効果的に改善することができます。
アプリを使って隙間時間に学習
アプリならスマホさえあればいつでもどこでも学習が可能なので、通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を有効活用することができます。
わざわざ重い参考書を持ち歩く必要もないため、外出先ではスマホ学習の方が手軽に続けられるでしょう。
なお、最近のアプリは様々な機能が持っているので非常に便利です。例えば「IELTS Word Power App」には、語彙力を鍛える多種類のクイズの他、リスニング問題なども利用できます。
また「IELTS Prep App」ではビデオレッスンが視聴できるため、参考書を読むのが苦手な人などにはおすすめです。
定期的にアップデートされるアプリの内容によって、最新の試験情報や勉強法をキャッチすることも可能です。
独学が不安ならスクール・通信講座
IELTSではライティング・スピーキングも含めた4技能全てのスキルが試されるので、独学で十分な対策をするのは難しいとも言えます。
そのため、もし独学に限界を感じるようなら、スクールの通うというのも良いでしょう。
通信講座も手軽でおすすめ
通信講座ならIELTS向けの指導実績が豊富な講師の授業を自宅で受けることができるため、独学にプラスすることで学習の効率は格段に上がるでしょう。
また自分で教材を選んだり、計画を立てる必要がないので、試験勉強の負担軽減にもなります。
さらに通信講座なら、スクールと違って自分の好きなタイミングで手軽に受講することができるため、特に忙しい人にはおすすめです。
学校なら他の受験者と頑張れる
スクールなら、適宜講師に質問することができるので、疑問点をすぐに解消することが可能です。また志を同じくした仲間から良い刺激を受けることも多いでしょう。
さらに決まった時間に授業が行われ、課題も出されるため、独学では勉強を続ける自信がない人でも、学習を習慣づけることができます。
必ず勉強が続くプログリット
勉強を習慣づけて実力を大きく伸ばしたいのであれば、英語コーチングサービスのプログリットがおすすめです。
プログリットでは、利用者それぞれに合わせたカリキュラムが作成され、アプリやPCなどを用い徹底的にスケジュール管理が行われます。
また対面もしくはオンラインでの週間面談やチャットで毎日行われるコーチングもあるため、否応なしに学習を継続することが可能です。
プログリットのTOEFL/IELTSコースでは試験で問われる4技能を重点的に伸ばすことができます。
IELTSの勉強法についてまとめ
IELTSの勉強法についてまとめ
- スピーキングは自分の音声を録音するべき
- オンライン英会話やアプリの利用もおすすめ
- 独学に限界を感じるならスクールや通信講座に頼るべき
IELTSの勉強法について解説しました。
まず読み書きを鍛えるには、とにかくたくさん英文を読んで、たくさんエッセイを書くのが良いでしょう。
また日本では日常的に英語に触れる機会は少ないので、自ら積極的に英語を聞いてリスニング力を磨くことも必要です。
さらに自分の音声を録音して、不自然な部分を修正していけば、スピーキング力を培うことができます。
ただし、スピーキングをはじめとする4技能を独学で鍛えるのは難しいので、スクールや通信講座を活用するのもおすすめです。
以上を参考に、より良い対策でハイスコアを目指しましょう。