ITコーディネータってどんな資格?難易度・費用・合格率まで全て解説!
「ITコーディネータはどのような資格なのか?」
「ITコーディネーターの難易度・費用・合格率はどの程度であるのか?」
このような疑問を感じた方もいるでしょう。
この記事ではITコーディネータの資格だけではなく、難易度・費用・合格率についても紹介していきます。
ITコーディネータの資格に興味を持っていても取得するか、迷っている方もいるはずです。
最後まで記事を読み終えた方は、前向きにITコーディネータの習得を目指すことができるでしょう。
ITコーディネータについてざっくり説明すると
- 経営に役に立つIT利用に向けて、経営者側の立場で助言・支援を行う資格
- ITコーディネータの試験の受験者数は約250人
- ITコーディネータの試験の難易度はあまり高くない
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ITコーディネータってどんな資格?
まずはITコーディネータがどのような資格なのか、紹介していきます。ITコーディネータの資格を具体的に見ていき、理解を深めていきましょう。
ITコーディネータとは
ITコーディネータは経営に役に立つIT利活用に向けて、経営者側の立場で助言・支援を行います。この資格はIT経営を実現する人材を育成することを目的としており、2001年から始まった資格です。
通商産業省が国家プロジェクトの一環として、ITコーディネータの資格の制度を設けたことから生まれた資格となっています。
この資格を取得した方は経営者に対して、積極的なアドバイスを行うなど責任のある仕事を任されます。
会社のIT経営を実現するために、ITコーディネータは必要不可欠な存在でしょう。そういった点で役に立つ場面の非常に多い資格であると言えます。
ITコーディネータの主催団体
ITコーディネータは「特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会」が主催で行われています。また経済産業省による推進も行われています。
「特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会」は、戦略的情報化投資活性化のための環境整備の試みの趣旨のもと設立されました。
また、この協会は「商工三団体」・「情報産業団体」、「中小企業診断協会」・「日本税理士会連合会」・「日本公認会計士協会」などが運営に協力しています。
このように数多くの団体が協力をしていることから、注目度が高いと言えるでしょう。資格の中には役に立たないと言われるものもありますが、これは役に立つはずです。
経済産業省の推進資格で注目を集めている
ITコーディネータの試験の受験者数は各回約250人になっています。また、2011年にITコーディネータの試験の主催である「特定非営利活動法人ITコーディネータ協会」が、ある計画を立てました。
それは中小企業のIT経営の必要性の増加・高度化の推進を図るため、中小企業支援を対象としたITコーディネータを3年間で2500名輩出する大幅な増強計画です。
同様にして、新たな人材育成・研修体系・資格取得制度の改定に関する計画を立てました。この計画によって、ITコーディネータの人数が大幅に増えたのです。
ITコーディネータの難易度
次にITコーディネータの難易度について解説していきます。ITコーディネータの取得は具体的にどれほど難しいのでしょうか。
ITコーディネータの試験範囲と出題形式
ITコーディネータの試験の出題範囲は「ITコーディネータプロセスガイドライン」・「ITコーディネータカリキュラムガイドライン」に書かれております。
以下が具体的な出題範囲です。
大項目 | 小項目 |
---|---|
総論(ITを利活用して事業を成長させる) | IT経営とは |
IT経営を支える人財と役割 | |
IT経営の推進方法 | |
IT経営の認識に関する3つのプロセス | 変革認識 |
変革マネジメント | |
持続的成長認識 | |
IT経営を実現する4つのプロセス | 経営戦略 |
業務改革 | |
IT戦略 | |
IT利活用 | |
IT経営の全体最適を目指すため共通に求められるマネジメント方法 | プロジェクトマネジメント |
モニタリング&コントロール | |
コミュニケーション |
出題範囲は複数の執筆物で公式が指定しており、変更がある場合は更新されています。そのため、本で具体的な内容を確認すると良いです。
出題形式については多肢選択式(CBT試験)でコンピューターで行われます。問題数は全100問となっており、「基本問題40問」・「応用問題20問」「応用・選択問題40問」です。更に試験時間は120分となっております。
ITコーディネータの合格率・合格ライン
続いて、ITコーディネータの試験の「合格率」・「合格ライン」について見ていきましょう。
ITコーディネータの試験は合格ラインが発表されていませんが、約60%から80%と言われています。試験全体の8割の点数を取ることができれば、合格にグッと近付くでしょう。
また、試験合格率は公式HP記載の第26回試験〜第44回試験の平均値をとると、対受験者数比で61.2%となります。
勉強時間については、50時間以上が目安となっており、時間数に直すと。他の資格に比べて、勉強期間が短く、社会人・忙しい方も勉強しやすいです。
試験に合格しやすい上に需要が高く、活躍の場面が多いためコストパフォーマンスに優れた資格であると言えるでしょう。
ITコーディネータの詳しい難易度は下記の記事をチェックしてください。
ITコーディネータを取ることをおすすめする人
この資格の取得は、以下のような特徴を持つ人に特におすすめです。
-
企業の経営状況に関するアドバイスしたい方
-
経営戦略・ビジネスに関する興味がある方
-
学ぶことが好きな方
-
情報収集の能力が高い方
上記のような方が ITコーディネータを取ると良いです。学ぶこと・情報収集が好きな方は積極的に資格の習得を目指しましょう。
ITコーディネータの勉強法
次にITコーディネータの勉強法について紹介していきます。資格を取得するまでの効率的な勉強法や「そもそも独学は可能なのか?」などについて見ていきましょう。
ITコーディネータの勉強法は?独学は可能?
ITコーディネータ試験では多くの企業が「合格セミナー」「対策講座」「模擬試験」などを開催しています。
受験者の多くはこれらの機会を利用して学習を進めているため、受験を検討されている方は、講座やセミナーの機会を探してみることをおすすめします。
この資格の難易度は高くなく、独学で約1ヶ月ほど勉強を行えば合格が可能になっています。短期間で集中して勉強を進めていきましょう。
おすすめテキスト・問題集
この資格を独学で勉強を進めていく場合におすすめの問題集があります。それは「IT経営経営推進プロセスガイドライン」のテキストで、ITコーディネータの試験には必須のテキストとなっております。
このテキストをしっかりと理解することができれば合格が可能です。勉強期間が約1か月となっており、焦らずに少しずつ勉強していきましょう。また、隙間時間にも勉強をすると良いです。
過去問は存在しない
ITコーディネータの試験の過去問はありません。そのため、過去問を徹底的にやりこむといった試験対策を行うのは不可能です。
そのため、ITコーディネータの試験はテキストを使って、試験対策をする必要があります。
テキストだけでなく、公式のサンプル問題も頻出するので解いておくようにしましょう。演習の際には、このテキスト・サンプル問題で勉強を進めていくと良いです。
ITコーディネータの勉強をするメリット
ここではITコーディネータの勉強をするメリットについて見ていきましょう。
資格を取得するとどのようなメリットがあるのか理解していくことで、学習を継続するモチベーションにも繋がるでしょう。
実践的に役立つ知識を得られる
この資格は経営コンサルタントを目指している方だけではなく、「販売」・「会計」・「財務」・「マーケティング」・「生産管理」などの多くの業種で役に立ちます。
特に、IT経営で必要な知見を体系的に習得することができるため、ITを活用した経営に必要な知識を一気に習得したい方におすすめです。
戦略的に考えることができる
この研修・資格試験を通過することで、ようやくITコーディネータとなることができるのです。研修中にコンサルとしての戦略的思考を身につけられるように訓練をしましょう。
会社の経営では、目標・ターゲティングなどが重要になってきます。これらのことを学ぶ良い機会でしょう。研修で身につけた能力がその後の仕事で活かすことができます。
また、ITのスキルも勉強することができるので、研修を経験することで職場内でも大事なポジションを任されるようになります。
ITコーディネータの試験日程・会場・申し込み方法
続いて、ITコーディネータの「試験日程」・「会場」・「申し込み方法」について紹介していきます。
ITコーディネータの基本情報
ITコーディネータの試験は年に3回実施されています。試験の時期は、「2月上旬から下旬」・「7月上旬から下旬」・「10月中旬から11月中旬」の3回です。
この試験の実施会場は、「全国各地のCBT-Solution社」・「CBT試験会場」になっています。
この試験の申し込み期間は試験の1ヶ月前です。受験を検討している方はしっかりと確認しておきましょう。
ITコーディネータに受験資格はある?
ITコーディネータの試験を受けるための受験資格はありません。
そのため、誰でも受験が可能になっています。数多くの資格の中でも受験ハードルが低くなっており、興味がある方が積極的に受験できる試験と言えるでしょう。
また、試験の難易度が高くなく独学で行っていくため、勉強が始めやすくなっています。最初から気合いを入れ過ぎずに気軽に勉強ができる点も大きなメリットです。
ITコーディネータの受験料
この試験の受験料は19,800円(税込)になっております。受験料が少し高いと感じる方もいるでしょう。
また、ITコーディネータになるためには試験に合格するだけではなく、ケース研修の受講・修了も必要となります。
この2つの条件をクリアしなければいけませんが、ケース研修の費用も発生します。ちなみに費用が20万円以上の高額となるので、その点の問題は把握しておく必要があるでしょう
ケース研修とは
上記で紹介したケース研修は6日間あります。
研修内容は下記の通りです。
内容 | 時間 |
---|---|
IT経営推進プロセスガイドラインVer3.1の理解(eラーニング含む) | 約140分 |
事前研修(研修前の課題読み込み、資料作成) | 各ステージ約90分 |
集合研修(オンライン開催含む) | 1日7.5時間・6日間実施 |
また、研修は下記の条件を満たすことで修了となります。
- IT経営推進プロセスガイドラインVer3.1 eラーニング動画講義を必ず視聴すること。
- 集合研修を5日以上出席すること(1日分(7時間30分)の遅刻・早退・欠席は容認)。
- 事前学習、レポート課題を全て提出すること。
- 研修に積極的に取り組むこと。
- アンケート類をすべて提出すること。
ITコーディネータ取得後も毎年更新が必要
ITコーディネータ資格はただとって終わりではなく、その後も毎年資格を更新する必要があります。
更新条件は以下の4条件で構成されます。
- 更新前年度の実践力ポイント合計が10ポイント以上あること
- 更新前年度の「実務活動報告書(アンケート)」が提出されていること
- 更新手続料(22,000円(税込))が入金されていること
- 新ケース研修受講者(6日間のケース研修)は、3回目の資格更新までにフォローアップ研修を3講座受講されていることが必要
実践力ポイントは主にキャリアとスキルの2つの区分から構成され、ITCのスキル・知識を活用したビジネス実践活動の実施や、ITC協会発行・認定の刊行物購読などによる意欲的な学習姿勢に対してポイントが付与されます。
また、フォローアップ研修は2017年度認定者までは集合研修1講座、それ以降は集合研修2講座の受講が必須となります。
取得後も自身のスキル向上・研鑽に励むことがこちらの毎年更新制度からも窺い知ることができるのです。
ITコーディネータと合わせて取りたいおすすめ資格
次にITコーディネータと合わせて取っておきたいおすすめの資格について見ていきましょう。
ダブルライセンスをおすすめする資格の中でも、特に「中小企業診断士」はITコーディネータと合わせて持っている方が多いです。
中小企業診断士
中小企業診断士は企業の経営の問題を分析・助言を行って、解決に導く経営のコンサルタントです。中小の企業のクライアントに対して相談に乗り、問題点を解決していく仕事です。
この資格は国が唯一認めている経営コンサルタントの国家資格です。中小企業診断士は企業に勤めている方・独立している方の2つに分かれております。
中小企業診断士の試験は受験資格がないため、学歴・年齢を問わずに誰でも受験が可能です。
試験内容に関しては「経済学」・「経営理論」・「財務」などの分野で専門的な知識が問われます。
この資格の試験は「1次試験がマークシート形式」・「2次試験が筆記・口述形式」です。1次試験では7つの受験科目があるため、1度で合格することは難しいでしょう。
また、2次試験も含めて合格率が約4%程度と難易度のかなり高い試験と言えるでしょう。
中小企業診断士の詳細は以下の記事で詳しくご覧ください。
ITコーディネータを取得するために大事なこと
ここまでITコーディネータについて、詳しく紹介してきました。ITコーディネータの資格を習得するためには、まず試験に合格する必要があります。
試験勉強は独学や企業のセミナーや講座に出向いて行っていくことが基本になります。勉強期間が50時間程度と短めになっているため、勉強しやすい試験であると言えるでしょう。
ただ、ケース研修を受講・修了する必要があり、資格取得後も更新にかなりの労力を要する点を気にされる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、数多くの団体がITコーディネータを主催する協会に協力していることから注目度が高い資格と言えます。
そのため、「ビジネススキル」・「ITを活用した経営する力」を体系的に身につけ、その後のスキル向上も見据えたいとお考えの方は、前向きに取得を検討されると良いでしょう。
また、ITコーディネータの資格を習得する際には、モチベーションをしっかりと保つことが重要です。もし、モチベーションが下がってしまうと途中で諦めてしまう可能性があります。
資格を取得しても学んだ知識が身についていなければ、役に立ちません。
この資格を持っていても役に立たないと言われないように試験勉強だけでなく、研修にも精を出すようにしましょう。
ITコーディネータについてまとめ
ITコーディネータについてまとめ
- ITコーディネータ 試験の合格率は50~70%ほど
- 出題形式は多肢選択式(CBT試験)でコンピューターで行われる
- 「中小企業診断士」も合わせて取っても良い
ITコーディネータの資格の具体的な内容だけではなく、難易度や費用、さらには合格率についても紹介してきました。
この資格は他の資格に比べて、試験の難易度は高くないと言えるでしょう。
ITビジネス・経営に興味のある方は受験を前向きに検討してみましょう。