ITコーディネータの難易度は?合格率や資格維持にかかる費用まで全て解説!
「ITコーディネータってどんな資格?」
「ITコーディネータ資格を仕事やスキルアップに活かしたい!」
今やITの知識は色々な所で活用されています。そのため、仕事にITの知識や技術を活かすには、経営者としての視点やマネジメント能力が求められるようになっています。
このITの知識と技術、経営者としての能力を身に付けられる資格が、ITコーディネータ資格です。今回は、このITコーディネータ資格の基本的な知識や、試験の合格率等、資格取得に役立つ知識を解説していきます。
IT関連の知識が欲しい方や、キャリアアップ、スキルアップを検討されている方は、ぜひご覧下さい。
ITコーディネータの難易度についてざっくり説明すると
- ITコーディネータ資格は、経営者にIT活用のための支援や助言する力を得られる資格
- 資格試験は難易度が低いが、資格取得には研修参加が必要
- IT知識や技術を活かしたキャリアアップやスキルアップに役立つ資格
- 試験は簡単だが、研修やその資金準備に注意が必要
このページにはプロモーションが含まれています
ITコーディネータの難易度
まずはITコーディネータがどんな資格なのか、難易度はどれ位かといった内容を解説していきます。試験対策の参考としてお役立て下さい。
そもそもITコーディネータとはどんな資格?
ITコーディネータは、経営者の立場に立ち、真に経営に役立つIT活用のために助言や支援を行うのが、主な仕事です。経営とITの橋渡しをすることで、IT経営を実現する人材となります。
ITコーディネータは、通商産業省(現経済産業省)による国家プロジェクトの一環として、資格制度が設けられました。現在では、約6,500名のITコーディネータが活動しています。
ITコーディネータの難易度・合格率は?
次に、ITコーディネータの難易度や合格率について解説していきます。
まず、合格ラインについてですが、ITコーディネータの合格ラインは正式には発表されていません。大体、60~80%が合格ラインだといわれています。
合格率と難易度ですが、合格率が大体70~90%を推移している点を考えると、それほど高い難易度ではないことが分かります。勉強時間もおよそ1か月~1か月半が目安ですから、勉強も始めやすい資格といえます。
ITコーディネータの試験範囲と出題形式は?
ITコーディネータ試験の出題範囲は、2つのガイドラインが示す領域を出題範囲としています。
- ITコーディネータプロセスガイドライン
- ITコーディネータカリキュラムガイドライン
出題範囲とその内容は、以下の図の通りです。
出題科目 | 出題内容 |
---|---|
(1)ITコーディネータが行う5つの活動フェーズ | 経営戦略、IT戦略策定、IT資源調達、IT導入、ITサービス活用 |
(2)これらの活動を行う際に共通に求められる知識 | プロセス&プロジェクトマネジメント、コミュニケーション、モニタリング&コントロール |
出題範囲は複数の本が公式で指定されています。内容の細かい部分はその都度改定されるので、詳しい内容は本で確認することをおすすめします。
ITコーディネータ試験の出題形式
出題形式はコンピュータで行う多肢選択形式(CBT試験)となっています。100問(必須60問、選択40問) で問題が構成されています。
必須問題は基本問題が40問、IT経営共通領域に関する応用問題が20問出題されます。
選択問題は経営系問題か情報系問題を選択して解答します。問題の選択は試験の予約申し込みを行う際に選択しますので、間違えないようにしましょう。
ITコーディネータに受験資格はある?
ITコーディネータ試験には受験資格はありません。 誰でも受験できる試験です。合格率を見ても、難易度もそれほど高くないため、受験ハードルは資格の中でも低い方だといえます。誰でも気軽に勉強を始められる試験です。
とはいえ、油断していれば不合格の可能性もあります。試験対策は計画的に、しっかり行いましょう。
ITコーディネータの基本情報
次に、ITコーディネータ試験の基本情報を解説していきます。試験の内容や受験料等、試験を受ける上で必要な知識を取り上げていきますので、しっかり覚えておきましょう。
ITコーディネータ試験はどんな内容?
先程も軽く触れましたが、ITコーディネータ試験は経営とITに関する内容が主な内容となります。出題傾向は、以下の8部門に分けられます。
- プロセス&プロジェクトマネジメントに関すること
- コミュニケーションに関すること
- モニタリング&コントロールに関すること
- 経営戦略に関すること
- IT戦略策定に関すること
- IT資源調達に関すること
- IT導入に関すること
- ITサービス活用に関すること
一見すると経営やITにおける知識を求められるような試験にも見えますが、試験範囲にはコミュニケーションやマネジメント等、経営を円滑にする能力を測る内容も含まれています。
ITコーディネータ試験は、ただ知識と技術を得る試験ではありません。ITを経営に活かすための実践的な知識が学べる資格試験なのです。
ITコーディネータの受験料・費用
ITコーディネータ試験の受験料は19,800円(税込) です。しかし、ITコーディネータになるには、以下2つの条件を満たさなくてはいけません。
- ITコーディネータ試験の合格
- ケース研修の受講と修了
この条件を満たすには、受験料だけでなくケース研修の受講料も必要になります。
ケース研修費用は20万円以上と高額です。資格取得費用を用意する時は、このケース研修にかかる費用も合わせて準備するのを忘れないようにして下さい。
ケース研修とは?費用は?
資格取得に必要なケース研修は、15日間の間に以下の内容の研修を受けます。
研修内容 | 日程 |
---|---|
オリエンテーションと修了式 | 1日程度 |
座学 | 4日程度 |
課題演習 | 10日程度 |
この研修日程をこなしつつ、以下の条件を満たさなくてはなりません。
- 出席率90%以上
- 座学及び課題演習に積極的に取り組む
- アンケート類を全て提出する
研修中に条件を満たせない場合は、また受講料を支払い、研修を受けなくてはなりません。 ケース研修の費用は20万円以上とかなり高いです。研修費用を再度準備するのは大変ですから、1発合格を目指しましょう。
どんな人におすすめの資格なの?
ITコーディネータは、ITの知識だけでなく、経営者として必要な知識も学べる実践的な資格です。主に経営に関する関心が高い方や、学ぶことに対して積極的な方に向いています。具体的には、以下の特徴を持つ方達です。
- 企業の経営状況に関するアドバイスがしたい方
- 経営戦略やビジネスに興味がある方
- 学ぶことが好きで、情報収集能力が高い方
これらの条件に当てはまる方は、ITコーディネータ資格の知識や技術を実践的に活かすことができます。ぜひ、ITコーディネータ資格に挑戦してみて下さい。
ITコーディネータの勉強法
経営に興味がある方や、学ぶことが好きな方に向いているITコーディネータ資格ですが、どのような勉強方法が主流なのでしょうか。
次の項目では、ITコーディネータの勉強法や、勉強で活用する問題集等について解説していきます。
ITコーディネータは独学が中心
ITコーディネータ試験を受ける方は、主に独学で勉強している方が多いです。予備校や専門学校に通って勉強する方は、ほとんどいません。
通信講座等もありませんので、自力で勉強をする必要があります。とはいえ、そこまで難易度が高いという訳でもありませんので、1か月から1か月半きちんと勉強すれば、合格できる資格です。
人気の問題集はある?
ITコーディネータ試験の試験対策としておすすめの問題集は「IT経営 経営推進プロセスガイドライン」のテキストです。試験を受ける上で、必須のテキストとなります。このテキストの内容を理解できれば、十分に合格可能です。
問題集ですが、あまり種類は多くありません。スマホに入れられる教材もありますので、隙間時間を活用して勉強もできます。
しっかり試験対策のための時間を取っての勉強はもちろん、忙しい時間の合間を縫っての勉強もできます。ITコーディネータ資格は、問題集こそ少ないですが、試験対策はしやすい資格だと言えるでしょう。
過去問・通信講座はないが対策しやすい!
ITコーディネータ試験の過去問は公開されていません。試験対策のポピュラーな方法として、過去問を解いて対策する方法がありますが、この方法は使えません。テキストを中心に試験対策を行いましょう。
なお、ITコーディネータ試験の公式サイトでは、サンプル問題を頻出しています。これを使って試験対策をするのも、良い勉強方法です。
通信講座がないため効果的な対策ができないのではないか、と不安になる方もいるかもしれませんが、裏を返せば独学でも十分対策可能な試験である、とも取れます。安心して試験対策に取り組みましょう。
ITコーディネータの勉強をするメリット
研修やその費用の面で大変な所があるITコーディネータですが、受験することで得られるメリットがたくさんあります。次の項目では、ITコーディネータ試験の勉強をすることで得られるメリットを解説していきます。
ITコーディネータを取ることで思考力が上がる?
ITコーディネータの資格は取得後に研修を受け、初めてITコーディネータになることができます。この研修で受けた訓練で身につくのが、コンサル的な戦略的思考です。
経営は目標の設定やターゲティングがとても重要になります。経営において基本であり重要な部分である思考を学ぶ機会を得られるのは、ITコーディネータ試験の研修が持つメリットの一つです。
もちろん、ITスキルも身に付けられるので、会社内でITと経営の橋渡しができる人材になれます。
企業において、複雑な思考やスキルを的確に使いこなせる人材は貴重です。企業に欠かせない人材になれる研修を受けられることは、大きなメリットといえるでしょう。
ビジネススキルを上げられる!
ITコーディネータ試験で得られる知識は、経営コンサルタントを目指す方はもちろん、以下の分野や業種の実務に活かすことができます。
- 販売
- 会計
- 財務
- マーケティング
- 生産管理
これらの分野でITに関連するビジネススキルや経営者としての視点を活かして仕事をしたい方には、ぴったりの資格なのです。ITコーディネータ試験への挑戦は、ビジネスパーソンを中心に、幅広い年代の方に役立ちます。
ITコーディネータの資格は、ビジネススキルを引き上げたい方であれば、だれでも有意義な知識や技術を得られる資格なのです。
キャリアアップや転職に有利!
今後もインターネット事業は増え続けるので、ITと経営の両方のキャリアを積むことができ、経営戦略を考えられるITコーディネータの需要はますます高まっていきます。
また、ITコーディネータはさまざまな業種を担っているため、自分の強みとなる分野を見つけることでより専門的な領域で支援業務を行うこともできます。
多くの経験を積んで自身の価値を高めることで、ITコンサルタントとしてのキャリアの成長や、転職などのステップアップに繋がるでしょう。
自信になる!
ITコーディネータの資格試験で得た技術は、職務上の枠を超えたチームで活躍できる力を与えてくれます。また、キャリアにおいて有利なポジションを得られる可能性も引き上げてくれます。
昇進やキャリアの推進により、報酬やモチベーションアップも期待できるでしょう。ITコーディネータ資格で得た知識と技術が、仕事における自身につながるのです。
自分の仕事に自信を持って取り組みたいなら、ITコーディネータはおすすめの資格となります。
ITコーディネータと相性の良い資格は?
ITコーディネータを取得している方は、中小企業診断士の資格を合わせて持っている方が多いです。この2つの資格は、併用するとより知見を広げられます。
この他の資格では、コンピュータ系資格を取得していると、より深い知識や技術を仕事に活かせるようになります。ITコーディネータと相性のいい資格をご紹介しますので、キャリアアップやスキルアップに役立てて下さい。
P検
P検は総合的なパソコンの活用技術を測る資格試験です。初心者からプロフェッショナルまで、様々なレベルに対応した資格があります。
若い人の受験者も多く、これからキャリアアップやスキルアップを考えている方に、ちょうどいい資格です。
資格の等級は全6級です。
- 1級
- 2級
- 準2級
- 3級
- 4級
- 5級
試験問題は7種類の科目から出題されており、パソコンについて広く浅く知りたい方に役立つ内容となっています。
- タイピング
- コンピュータ知識
- 情報通信ネットワーク
- 情報モラルと情報セキュリティ
- ICTを活用した問題解決
- ワープロ
- 表計算
ITの知識やコンピュータ操作に自信がない方は、まずはP検から受験して基礎的な知識を身に付けるのもいいでしょう。
MOS
MOSはエクセルやワード等のマイクロソフトが販売しているオフィスソフトの機能を正確に使いこなせるスキルを証明できる資格です。試験問題はバージョンが2つあります。
等級 | 等級の内容 |
---|---|
スペシャリストレベル | 一般的な操作ができることを証明する級。エクセル、ワード、パワーポイント、アクセス(データ管理ソフト)、アウトルック(電子メール・情報管理ソフト)オフィスソフトの試験がある |
エキスパートレベル | 高度な操作ができることを証明する上級の級。エクセルとワードのみ |
MOSの資格はコンピュータ系資格の中では有名な資格であり、世界で通用する資格の一つです。マイクロソフトのオフィスソフトは、多くの企業で採用されており、MOSの知識は仕事において実践的な知識を身に付けられます。
ITコーディネータと合わせて取得すれば、仕事において実践的な知識や技術を活かせるようになります。 スキルアップを目指して資格取得を検討している方におすすめです。
lIlustratorクリエイター能力認定試験
DTP業界では、illustratorが標準ソフトとして活用されています。このillustratorの実務能力を判定する試験が、illustratorクリエイター能力認定試験です。
試験では操作方法の習得だけでなく、与えられた課題を的確に、スムーズに行う必要があります。
基本技術の習得だけでなく、実践力も身に付けられるのが、この資格試験の特徴です。クリエイティブな業界で働きたい、活躍したいなら、持っておくととても便利です。
Webデザインパーツの作成や、問題の指示に従って作品を作り上げる表現力等、コンテンツ制作を学べる資格でもあります。
ただパソコンやITの知識や技術、経営力を身に付けるだけでなく、モノづくりの力を得たいという場合は、こちらの試験のようにモノづくりで活用されているソフトに関連した資格の取得をおすすめします。
ITコーディネータの難易度まとめ
ITコーディネータの難易度まとめ
- ITコーディネータは企業とITの橋渡しができるようになる資格
- 資格試験は独学が中心だが、合格率が高く、独学でも十分勉強できる難易度
- 資格取得には試験後の研修を修了する必要がある
- ITコーディネータだけでなく、目指すキャリアやスキルに合わせて相性のいい資格を取得するのもおすすめ
ITコーディネータは、コンピュータやITの知識と技術だけでなく、経営者の立場に立って考え、行動する力が身につく資格です。ただITの知識や技術を得るのではなく、企業でITスキルを活かして働く上で、実践的な知識を得られます。
IT関連の企業で働きたい、仕事がしたいという方はもちろん、キャリアアップやスキルアップに資格取得を検討している方にもおすすめできる資格です。
ITコーディネータに興味を持たれた方は、ぜひ資格試験の受験を検討してみて下さい。