簿記資格で就活に有利になる?大学生が取得するメリットや難易度を徹底解説!
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「就活の時に有利になる資格を何か取得したい!」
「簿記ってよく聞く資格だけど、どんなメリットがあるの?」
このような希望や疑問をお持ちの大学生の方、いらっしゃいませんか?
就活を控えている大学生の方は、様々な不安やストレスを抱えていると思います。
就活を有利に進める上で、簿記の資格を持っていると様々なメリットがあるためぜひ前向きに取得を検討してみてください。
ここでは、就活を控えた大学生が簿記を取得するメリットや難易度について、詳しく解説していきます!
大学生と簿記についてざっくり説明すると
- 就活の選考で有利になる
- 早めに取得すると様々なメリットがある
- 他の資格もあると尚良し
簿記は大学生でも取れる資格
簿記検定試験には受験資格が設けられていないため、在学中に資格を取得することができます。
簿記は日本で最も知名度と人気のある資格の1つであり、受験者数は毎年50万人近く存在します。
しかも簿記資格は就活を控えた学生が、選考を有利に進めるために取得を目指すケースが非常に多いです。
試験は年に3回ありますが、就活を見据える場合は履歴書に書くことができるよう、合格発表までの日程を加味して取得の時期には気をつける必要があります。
就活に間に合う申し込み時期は?
簿記2級の試験は、毎年6月・11月・2月に実施されており、大学4年次の就職活動に間に合わせるためには3年生の11月の試験で合格しておくと良いでしょう。
翌2月の試験でも就活に間に合わせることが可能ですが、この時期は簿記の勉強よりも就活対策に力を注ぐ時期であるため、現実的ではありません。
6月の試験の申し込み時期は3月末~4月末、11月試験の申し込み時期は9月頭~10月頭になるケースが多いので、受験を視野に入れている人は申し込み忘れに注意しましょう。
合格までの勉強時間はどれくらい?
簿記3級の難易度であれば150時間ほどの勉強時間で合格を目指せますが、簿記2級であれば、初学者でも350時間程度の勉強が必要と言われています。
基本的な目安としては簿記3級であれば1~2ヶ月、簿記2級であれば3~5ヶ月程度の勉強時間を確保できるようなスケジューリングが良いです。
大学生で順調に単位を取り、時間に余裕がある人であればまとまった勉強時間を確保することもできます。
そのため、1日あたりの勉強時間を多く確保できれば、簿記2級でも2ヶ月程度で合格ラインに達することも不可能ではありません。
ただし、短期間で無理矢理詰め込んでもなかなか脳に定着しないため、できればコツコツと勉強を積み重ねる方が効果的です。
簿記資格で就活が有利になる理由
このトピックでは、簿記資格が就職において有利になる理由を、最新の就活トレンドを交えて解説いたします。
経理の仕事にはほぼ必須の資格
会社の経理や財務などの部署で働く場合、簿記の資格とスキルが必須です。
事務や経理・財務の仕事では、簿記の試験で登場する「伝票記帳・整理」「入出金管理」「財務諸表の作成」を必ずと言っていいほど扱います。
また、会計業務では「会社の財産管理」「収支管理」「予算編成」「金融関連情報の収集・分析」「資金調達・資金管理」を扱うことになるため、簿記試験の勉強の過程で得た知識が直接活かせる仕事が多くあります。
そのため、在学中に簿記を取得しておくと、他の新人よりも比較的スムーズに仕事に着手することができ、良い評価を得ることが出来るでしょう。
また、3級ではあまり該当しませんが、2級を取得していると会社の規定によっては資格手当などとして月1,000円~7,000円が支給されることもあるようです。
そのため、仕事面でも収入面でも他の新卒と差を付けることができるようになります。
ほぼ全ての業種で知識が生かせる
経理以外の職種・業種でも簿記の知識は生かすことができます。
例えば、営業職あれば製品の売上だけではなくコスト面も考慮した上で営業活動をしていくことが求められます。
簿記の勉強を通して営業効率を考える力を習得できるため、数字を用いた論理的な提案などもできるようになるでしょう。
また、企画職であれば新規企画の立案や既存事業の見直しの際に、簿記の観点から事業の状況を分析することができます。
企業の損益や利益といった数字をベースにした説得力のある施策を提案できるようになり、周囲の信頼を得られるようになります。
このように、財務経理の部署以外であっても、簿記の資格が合れば視野を広げることができ様々なフィールドで活躍することができるのです。
意欲や真面目さも評価される
「何か資格取得すると色々良いことありそうだな~」と何となく考える大学生は多いものの、実際に取得を目指すために行動する大学生はそこまで多くありません。
そのため、簿記2級を早めに取得できれば、コツコツ目標に向かって取り組む姿勢や、就活を見据えて計画的に勉強を進めた真面目さ・計画性の高さが評価されるでしょう。
また、大学生活では飲み会や遊びの誘いなどの誘惑が多い中で、しっかりと遊びと勉強の両立を実現していた点や、就活への意欲の高さをアピールすることもできるため、選考の場において好印象を与えることができます。
このように、実務能力だけでなく人柄も高く評価してもらえるようになり、就活の場では多くのメリットが期待できます。
大学生の簿記取得者におすすめの就職先
以下の項目では、簿記取得者にオススメの就職先を紹介します。
資格試験の勉強をする際には、取得後にどのような場で活躍できるのかイメージをすることも大切です。
商社や金融機関
大企業でも中小企業でも、経理の部署は必ず存在するため、簿記を持っていれば業界問わず活躍の場は必ずあります。
また、上述のように簿記の知識は経理以外の部署でも生かすことができるため、基本的にサービス業やメーカーなどどのような業界でも就職先として候補に入れることができます。
中でも、特に商社や金融業界では簿記の知識は必須とされていることが多いです。
銀行や信用金庫などの金融機関や商社を就職先として希望する学生は非常に多いため、これらの業界を目指す人は簿記の取得を強くオススメします。
倍率も非常に高いので、周りに差を付けて少しでも選考を有利に進めるためにも、簿記2級や1級の資格はぜひとも取得しておきたいところです。
コンサルティング業界でも重宝
企業に対する様々なコンサルタントを行っていくにあたり、経営に関する数字を扱い続けるコンサルティング業界では簿記の知識は基本中の基本となります。
そのため、コンサルティング業界では内定後に課題として簿記2級の取得(あるいは同等レベルの知識の習得)を求められることが非常に多く、予め取得しておくと選考の過程だけではなく入社後の実務でも有利になる可能性が高いです。
近年、コンサルティングファームは極めて人気の就職先であり、給与水準も他の業界と比べるとかなり高額なため、バリバリ働いてたくさん稼ぎたい人にはおすすめです。
会計事務所や税理士法人も視野
簿記の勉強を通じて、さらなる難関資格の取得を目指してステップアップを図る人も多いです。
簿記の勉強を通じて会計や財務の面白さを感じた方や、税理士や公認会計士の資格取得を視野に入れている方であれば、会計事務所や税理士法人への就職も非常に有意義です。
会計事務所や税理士法人では簿記の知識が必須となり、勤めながら勉強をして簿記1級や税理士・公認会計士の取得を目指す人も多くいます。
また、簿記と税理士・公認会計士は勉強する項目が重複している箇所も多く、すんなりと勉強を進めることができるメリットがあります。
税理士法人や会計事務所に勤めながら実務能力を磨けば、より合格に近付くことができるでしょう。
大学生が取るなら簿記2級まで?
就活をしていると「人事は簿記2級からしか評価しない」「大学生は簿記2級が取得の限界」という噂を聞きます。これは本当なのでしょうか。
現実的には簿記2級が限界
簿記を初めて勉強する人であれば、簿記の基礎知識を学ぶことが出来る3級から着手するのがオススメです。
取得は非常に容易なので、就活でライバルに差をつけられるほど大きく評価されることは無いですが、3級でも最低限の簿記の知識はあることを示すことができるため無意味ということはありません。
また、「2級取得に向けて勉強中」と履歴書に書くこともできるため、ステッアップを目指して努力しているというアピールにはつながります。
一方で、実際の選考の場で面接官が目に留めてくれるのは2級以上です。
そのため、就活を有利に進めたいと考えていているのであれば、2級の取得を視野に入れるべきでしょう。
また、早い段階で2級に合格することができた人は、さらに上を目指して簿記1級の取得を志そうとするかもしれません。
しかし、単に「就活を有利に進めたい」という意志だけ持っているのであれば、無理に1級を目指す必要はありません。
簿記1級は経理のプロであり、試験の難易度も合格率10%台と極めて高く在学中に合格を狙うのは難しいでしょう。
つまり、会計業界に身を置いて経理のプロを目指している人でなければ、敢えて取得を目指す必要はありません。
総合的に判断すると、就活を見据えた場合は簿記2級の取得で必要十分であると言えるのです。
簿記2級を目指すなら
簿記2級を目指す場合は、ほとんどの受験生は資格予備校か通信講座を利用しています。
特にお金や時間の限られている学生は、通信講座を受講するのが最良の選択になります。
もちろん安くは無い金額のお金がかかってしまいますが、簿記資格の取得時期にリミットがある学生にとって通信講座を利用して合格可能性を上昇させ短期合格を目指すことは、非常に有意義な戦略と言えるでしょう。
簿記の通信講座に関して気になる方は、こちらの記事をご覧ください。
簿記以外の就活で役立つ資格
ここでは、簿記以外の資格の中で取得しておくと就活でアドバンテージとなる資格を紹介します。
FP技能士
FPとは、家計相談や社会保険に関する相談などを行う資格のことを指し ます。
金融機関や保険業界を目指している人は、FPを取得していると大きな強みになるでしょう。
また、FPは不動産や相続に関しても勉強することができるため、非常に幅広いフィールドで活躍することができます。
FPでは様々なジャンルを学習するため、FPの取得をきっかけに宅建士や社会保険労務士などの取得を目指す上でも有益です。
2級であれば比較的簡単に取得することができ、在学中でも十分に合格を狙うことが出来るため、非常にオススメです。
宅建士
宅建士は、不動産売買のプロであり、不動産業界を目指す上では必須の資格です。
不動産業界は営業ノルマなどがあり仕事量は他の業界と比べると多い傾向にありますが、「結果を残した分、給与に反映される」ため非常にやりがいがあると言えます。
不動産業界に入ってからは、仕事が忙しく勉強するための時間はなかなか確保できなくなります。
そのため、不動産業界に興味がある人は比較的時間的に余裕がある在学中に宅建士の取得をしておくと良いでしょう。
宅建士を取得していると資格手当が付くケースが多いため、様々なメリットを享受できるでしょう。
ITパスポート
ITパスポートはFPなどと比べると認知度は低い資格ですが、立派な国家資格です。
ITパスポートとは、ITを活用する社会人・学生が知っておくべきITに関する基礎知識を有していることを証明することができる資格です。
近年はIT業界の成長は著しく、今後もさらに成長は続いていくと考えられます。
実際にIT業界への就職を希望する学生は多く、IT業界は就活生にも人気の業界です。
そこで、ITパスポートを取得しておくと選考で有利になるケースも考えられます。
IT業界を目指すのであれば、その業界を本気で目指しているアピールにも繋がるため、前向きに取得を検討しましょう。
G検定
最近はよくAIや人工知能、ディープラーニングといったフレーズを耳にします。
G検定とは、ディープラーニングを事業に活かすための知識を有しているかを確認するための検定試験です。
ディープラーニングとは、人間が自然に行うタスクをコンピューターに学習させる手法の一つであり、現在叫ばれている「働き方改革」を進める上でも重要視されています。
AIはIT業界で働く人だけでなく、幅広い業界でも重要な技術となることが予想されるため、基本的な概念と知識は押さえておくと今後役立つ可能性が高いでしょう。
「自分とは無縁の資格」と考えている人も、知見を広げる意味で取得しておくと有意義です。
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営状況などを分析して今後のビジョンを描いていくコンサルタント資格です。
企業の財務などを見る簿記と相性が良く、ダブルで取得できれば非常に大きな強みになります。
自分の市場価値を上げるだけでなく、将来のキャリアを設計する上でもとても有益な資格なので、興味があれば簿記に加えて取得を目指しましょう。
ただ、難易度は非常に高いため在学中の合格は現実的ではありません。
在学中に基本的な知識を押さえておき、就職後に中小企業診断士の合格を目指すと良いでしょう。
就活では資格以外の強みも大切
何か資格を取得していれば、他の就活生と差を付けることにつながり、選考において有利になることは間違いありません。
しかし、「資格を持っているから簡単に内定が出るだろう」と考えているのであれば、それは非常に甘い考えです。
就職活動の場で面接官や人事担当者がまず見るのは、その人の人柄や人間性などであり、資格の有無は真っ先に評価されないことに留意しましょう。
もちろん、「資格は就活に無意味」ということではありません。
重要となるのは、
-
資格を取得する過程でどのような困難を乗り越えたか
-
資格を生かして「御社のこのような面に貢献していきたい」とアピールができるか
このような事柄であり、「資格を取得したら終わり」にしてしまうとせっかく取得したとしても意味がなくなってしまいます。
資格の生かし方を具体的にイメージしながら勉強を進めていきましょう。
大学生と簿記に関するまとめ
大学生と簿記に関するまとめ
- 取得できれば様々なメリットがある
- 就活の幅を広げることができる
- 「取得した後」もしっかりイメージすること
簿記は需要が高いため、取得メリットは非常に多いです。
就活に役立つだけでなく、その後のキャリア形成にも良い影響を与えてくれるでしょう。
興味がある人は、早めに簿記の勉強に着手しましょう!