簿記初級って何?簿記4級との違いや難易度、合格率、勉強法を徹底解説!

更新日時 2020/02/02

「簿記初級って簿記4級と何が違うの?」

「簿記初級の難易度って一体どのくらい?」

「簿記初級って取得しても役に立つのかな?」

この記事を読んでいるあなたは、きっと上記のような疑問をお持ちの方なのではないでしょうか?

簿記資格検定の中で最も有名な日商簿記ですが、難易度の高い順で1級、2級、3級と続き、最も易しいクラスとして簿記4級が設けられていました。

この簿記検定4級が廃止され、2017年4月に簿記初級として新たに設けられました。

この記事では簿記初級の難易度や合格率、勉強法について詳しく解説していきます。これから簿記資格取得を検討している方は是非ご一読ください!

簿記初級についてざっくり説明すると

  • 簿記4級が廃止となり、簿記初級として生まれ変わった
  • インタネットでの受験、合格ラインは70点
  • 簿記3級の基礎知識になり、私生活においても役に立つ資格

簿記初級ってどんな資格?

簿記初級

簿記試験の初級とは一体どういった資格なのでしょうか?簿記4級との違いは何なのか、そもそも初めて聞いたという方もいらっしゃると思います。以下の項目にて詳しく解説していきます。

簿記資格の入門として2017年創設

そもそも2017年までは、初級者向けとして日商簿記4級の資格試験が存在していました。

ところが、簿記4級は他の級の資格試験と比較して受験者数が非常に少なく人気の低い試験でした。1級から3級の試験については受験者数が数万人~数十万人いるにもかかわらず、簿記4級については2,000人/年間程度。

試験内容が3級と重複しており、問題数が少ないためあまり実用的ではないという声も上がっていました。簿記入門者にとっても簿記4級を飛ばして3級から挑戦する人も多かったため、4級の存在意義はありませんでした。

そこで、日商簿記4級の資格試験は廃止し、2017年4月より「簿記の基本用語や複式簿記の仕組みを理解し、業務に活用することができる」ことを目的とした試験として「簿記初級」が新たに追加されることになりました。

合格ラインは70点

日商簿記初級の資格試験は、試験時間が40分、合格ラインは70点となっています。簿記初級試験の合格を目指して学習している方々へお伝えしたいのは、簿記初級の範囲全てを完璧に理解する必要は無いということです。

何故なら点数の7割を確保できれば合格できるからです。この点を理解せずに学習をしている人は意外と多いです。

これはどの資格試験にも言えることですが、いずれの資格においても重要な項目・理解しておいてほしい内容については、必ず問題として出題されることになります。まずはそういった出題頻度の高い分野・問題で確実に得点を取れるように集中して学習することをオススメします。

逆に言うと、出題頻度の少ない問題に何時間もかけて学習して理解したとしても、いざ試験で出題されなければ、今までかけてきた学習時間が無駄になるというわけです。※無駄というのはあくまで合格を目的とした観点からです。

繰り返しますが、出題頻度の高い項目を押さえて学習することが合格への近道です。

年齢などによる受験資格制限は設けておらず、試験施行機関が決めた日時で年に2~3回開催されています。受験料は2200円となっています。

受験はインターネットで行う

日商簿記初級の試験は受験から合格発表まで全てインターネットで行われることになります

試験結果についても、試験終了後すぐに結果が表示されるため、その場ですぐに合否結果がわかります。試験場所は、「商工会議所ネット試験会場」という商工会議所の専属施設にて受験することになります。

試験の際には、メモや計算用紙・筆記用具を持ち込むことはできないため注意してください。

簿記初級のメリット

日商簿記初級の資格を取得していれば、続く日商簿記3級の資格勉強の基礎として役に立つことはもちろんのこと、簿記の基本となる考え方が備わるため、例えば家計簿をつける際にも会計学の観点から正しい分析をすることができるようになります。

簿記の知識というのは、たとえ経理職以外の職種だったとしても、経営者としての視点に立って物事を考えられるようになるため、あなたのビジネスシーンに大きく影響を与えるでしょう。

簿記初級の試験範囲や問題の内容は?

試験 簿記4級改め簿記初級の試験範囲について詳しく解説していきます。簿記3級との試験範囲の違いについてもまとめました。

試験範囲は3つの分野

簿記初級試験は 「簿記の基本原理」「期中取引」「月次の集計」 の3つの分野で構成されています。それぞれの詳細については下記の通りとなります。

簿記初級の試験分野について

  • 簿記の基本原理:基礎概念、取引、勘定、帳簿、証ひょうと伝票
  • 期中取引:現金預金、売掛金と買掛金、その他の債権と債務、手形、商品、固定資産、純資産(資本)、収益と費用、税金
  • 月次の集計:試算表(残高・合計・合計残高)の月次集計、資産総額や負債総額等の金額の読み取り

試験問題と点数配分

試験問題は以下3つも大問で構成されています。

大問 点数
四肢択一の理論問題(10問) 30点
仕訳問題(10問) 40点
試算表の金額推定問題 30点

四肢択一の理論問題のポイント

第1問は簿記の基礎に関する文章の空欄を埋める問題が10題出題されます。空欄に4つの選択肢から正しいと思われるものを、プルダウン形式になっている中から1つ選択して解答します。

複式簿記と仕訳の基本的な考え方、帳簿の記入や帳簿同士の関連性に関する問題など、簿記の基本的な作業に関する専門知識が問われる文章が出題されます

仕訳問題のポイント

第2問では取引の文章を読んで仕訳を解答する問題が10題出題されます。解答形式についてですが、勘定科目についてはプルダウン形式で6つの勘定科目から選択し、金額については受験者自身がキーボードで入力する形式となっています。

問題自体はきちんと文章を読めば正解することができるレベルで、金額入力についても計算がほとんど必要なく、簡単な暗算で対応できる問題がほとんどです

試算表の金額推定問題のポイント

第3問では試算表を見ながら特定の時点での勘定残高や、1か月間の利益など指定された金額8項目を推定・集計する問題が出題されます。試算表に記載された金額を単純に集計していくことが基本ですが、試算表の貸借合計額が一致することを利用した簡単な推定が求められます

期中取引がどのような形で試算表に影響を与えるのかを正しく理解していないと正しい解答に導くことが難しい設問となっています。

簿記3級とのつながり

簿記初級と簿記3級の違いについてですが、簿記初級の試験範囲では決算処理に関する内容が除かれておりますが、日商簿記3級の試験範囲では決算処理に関わる問題が必ず出題されます

点数の配分も高く設定されていますので重要な項目であると言えます。

簿記初級の資格試験に合格すれば、複式簿記についての基礎知識を習得することができます。日商簿記3級の試験範囲における決算処理の分野を除いた内容、つまり日常的な経営活動に関する簿記の知識は簿記初級で取得できるということになります。

簿記初級で学んだ内容で、日商簿記3級の範囲の半分強はカバーできていると考えてもらってOKです。

簿記初級資格を取得するのであれば、簿記3級の取得はもちろん、ビジネスシーンにおいて評価される2級の取得を目指さなくてはもったいないです。簿記の上位級資格は、資格手当を設けている会社も少なくありません。

2級までは努力すれば十分合格を狙える範囲ですので、まずは簿記初級を取得して基礎知識を身につけましょう。

簿記初級の難易度はどれくらい?

クエスチョン 簿記初級の難易度はどれくらいなのでしょうか?過去試験の合格率を見ながら解説していきます。

簿記初級は3級より合格率が高い

簿記初級の直近3回の試験結果について表にまとめました。

期間 受験者数 合格者数 合格率
2019年4月1日~2019年11月30日 2,855名 1,751名 61.3%
2018年4月1日~2019年3月31日 4,182名 2,421名 57.9%
2017年4月1日~2018年3月31日 4,167名 2,243名 53.8名

合格率については最低合格率53.8%、最高合格率61.3%、平均合格率57.6%となっています。

簿記3級の合格率は43%程度ですので、簿記初級は簿記3級よりもずっと合格しやすい試験となっています。

試験の際に気をつけるべきこと

合格率から見てもわかる通り、簿記初級は誰でも受かると言ってもいいほど簡単な資格試験ではありますが、注意しなければならない点も存在します。

入力ミスに注意

第3問では、ページ上部に表示される表の内容に基づいてページ下部の8つの設問に答える問題となっています。

試験に使用する機材の画面の縦幅がそれほど広くない場合、最初にスクロールなしで表示されるのが試算表とその下の一部の注意事項のみとなり、設問自体は画面をスクロールしなければ確認できないようになっているため、画面を行き来している間に誤って入力ミスすることが無いように注意する必要があります

マークしていない問題には要注意

日商簿記初級の第1問で出題される用語の中には、簿記3級の学習をされる方がそこまで意識して勉強をしないような内容もあるので要注意です。

マークしていない問題については、万一分からなくても簿記初級の合格ラインは7割なので飛ばしてしまっても大丈夫でしょう

途中退室でも焦らない

簿記初級試験は簡単な試験ではあるがゆえ、早々に解答を済ませた方が続々と途中退室していきます。

試験画面には試験残り時間が表示されており、時間を見ると焦る気持ちが出てきてしまいます。周りのペースに惑わされることなく、しっかり集中して自分のペースで解き続けることが大切です。

簿記初級オススメテキスト

テキスト 最後に簿記初級対策にオススメのテキストを紹介します。テキスト選びに悩んでいる方は是非参考にしてみてください。

「スッキリわかる日商簿記初級」(TAC出版)

資格の大手予備校TACが作った簿記初級用のテキストになります。テキスト価格も安く1000円程度で購入することができます。

一目でわかりやすいイラスト・図表がたくさんあり、学習をサクサク進めることができるでしょう。

また、テキスト+問題集一体型となっており、読んだ後すぐに問題を解くことができるので、学習を進める上での利便性も抜群です

価格の安さ、分かりやすさを兼ね備えた、非常にコスパの良いテキストです。

「土日で合格る(うかる)日商簿記初級 第2版」(中央経済社)

資格参考書の名門・中央経済社の出しているテキストになります。

テキスト価格は1400円程度で購入が可能です。オリジナル模試が付属しているのが特徴であり、問題演習の量に不安がある方でも安心です。

また、簿記検定の合格実績トップクラスを誇る「資格の大原」の講師陣が長年の経験を踏まえてやさしく解説されているので、簿記をこれから学び始める人でもつまずくことはないでしょう。

簿記初級を取得して上位級資格の取得を目指そう!

簿記初級についてまとめ

  • 初級と3級の違いは、決算処理があるか無いか
  • 簿記初級の合格率は、平均57.6%とかなり易しい
  • イージーミスにだけ注意

簿記初級について解説してまいりました。

簿記初級は、この資格だけで世間が評価してくれるかというと、はっきり言ってそこまでの資格ではありません。平均合格率57.6%という高さから、試験の難易度の低さを伺うことができます。

簿記初級をなぜ取得するのかというと、簿記についての考え方の基礎を育ませることにあります。簿記は経営活動にはつきものですので、基礎知識を持っているだけでも、経営的な目線でビジネスについて考えることができるようになります。

また簿記資格を活かして社会的評価を上げたいのであれば、簿記3級及び2級の資格取得を更に目指しましょう。

中でも簿記2級は、経営活動における簿記業務を担うことができる証明となり、経理職において即戦力であるとPRすることができるようになるのでおすすめです。

簿記についてせっかく学習するのであれば、初級レベルでとどまっていてはもったいないです。ここで紹介したテキストも有効に活用していただき、スムーズに合格して次のステップへと進んでいきましょう。

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