簿記2級ってどんな資格?難易度・合格率や勉強時間、勉強法について解説!
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簿記
公認会計士たぬ吉
「簿記って聞いたことはあるけど、実際どんな資格なの?」
「簿記2級の難易度やおすすめの勉強方法が知りたい!」
簿記2級の取得に興味がある学生の方や社会人の方が多いのではないでしょうか。
簿記2級は進学や就職など、様々な場面で役に立つ資格であるため、できれば取得しておいた方がいい資格です。
しかし、勉強を始める前に試験がどのくらい難しいのかわからない、という方も非常に多いです。
そこで今回資格Timesでは簿記2級とはどんな資格なのかを紹介しつつ、資格の難易度や合格率、勉強に必要な時間、効果的な勉強法などについて紹介しています。
簿記2級についてしっかり知識をつけ、ぜひ合格を目指していきましょう!
簿記2級についてざっくり説明すると
- 合格率はその年によってバラバラなので、どのくらいの合格率でも合格できる力をつけることが大切
- 初学者が独学をする場合には、350~500時間の勉強が必要
- 工業簿記があるため難易度が高くなっている
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そもそも簿記2級ってどんな資格?
簿記検定は正確には「日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験」と言います。基本的には略称として日商簿記と呼ばれることが多いです。
日商簿記2級は、経理として働く上での能力を証明することができるため、就職や進学をする際に役に立つという評判がありますが、どのような資格なのでしょうか。
日商簿記を実施している日本商工会議所は、日商簿記2級(通称:簿記2級)のレベルについて次のように定めています。
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル 日本商工会議所公式HP
つまり、経理の仕事をする上で、しっかりした能力があることを証明できる資格だということです。そのため、経理の仕事をしたい方など、就職や転職に役立てたい方も多く受験します。
簿記2級は日本商工会議所の主催で毎年2月、6月、11月に試験が行われており、1年間で14万もの人が受験している人気資格で、合格点は3級と同じく70点です。
2023年度は第164回、第165回、第166回が行われます。
簿記2級の難易度は?
「合格率はどのくらいか」「難易度はどのくらいか」「勉強時間はどのくらい必要か」など、簿記2級について気になる点を解説していきます。
簿記2級の合格率はこれだ
簿記2級の合格率はどのくらいなのでしょうか。日本商工会議所が発表している直近10回の合格率などのデータは以下のとおりです。
※155回はコロナウイルスの影響により中止
合格率を見ると、最低の合格率は第157回の8.6%、最高の合格率は159回の30.6%と22ポイントも開きがあります。そのため、合格率の傾向があるとは言えず、合格率をもとに試験対策をすることも難しいと言えます。
また、2級の平均合格率は約20%となっています。3級の場合は直近10回の平均合格率が約40%であるため、2級は3級よりも合格率が低いことがわかります。
2級は10人中1人~2人しか合格しない回もあるため、試験対策をしっかりし、どのような合格率の回でも合格できるような実力をつけなければなりません。
試験範囲の難易度が高い
簿記二級の合格率が3級よりも低くなってしまう原因としては工業簿記があることが挙げられます。
工業簿記は、勉強をする中で製造業に携わっている人でないと理解しにくい単語がたくさん出てくるこため、単語の意味について全くイメージがわかずに理解するのに一苦労であることが多いためです。
実際の合格者にインタビューしてみても、工業簿記にも苦労したとの声が聞かれました。
そのため、合格するためには工業簿記をしっかり勉強し、点数を取れるようにしておかなければなりません。
簿記取得者の年齢層は?
簿記二級の受験者層は多岐にわたります。例えば、毎年一定の割合でいるのが経理の仕事に就きたい女子高生です。また、事務の仕事に就きたい大学生・専門学生も多く受験しています。
仕事をしているうちに必要性を感じて取得を希望をする社会人も少なくありません。年齢層はさまざまであり、大人になってから取得することも珍しくないため、受験にあたり年齢を気にする必要はないと言えます。
10才で取得する人も
高校生、専門学生、大学生などの学生が多数受験していますが、中には小学生もいます。
2015年に静岡県在住の10歳の女の子が簿記二級に合格し、最年少記録だということで新聞記事にもなりました。
簿記は学歴や年齢などの受験資格がないため、どなたでも受験できます。そのため、高校生などの学生も多く受験しているのです。
小学生が合格することはまれですが、全くいないわけではなく、優秀な小学生であれば合格できる可能性がある試験だということが言えます。
つまり、簿記二級は難関資格ではありますが、決して手が出ない資格ではないのです。成人の方であれば、しっかり対策をすることで合格は十分可能です。
簿記2級の難易度については以下の記事を詳しくチェックしてください。
簿記2級の難易度を偏差値ランキングから比較
簿記二級の難易度がイマイチしっくり来ない方のために、簿記二級の難しさを他の資格とともに偏差値で表しランキング化しました。難易度についてどのように分析すればよいか解説していきます。
簿記資格は偏差値54
資格 | 偏差値 |
---|---|
弁護士 | 75 |
医師 | 74 |
公認会計士 | 74 |
弁理士 | 73 |
司法書士 | 72 |
税理士 | 72 |
不動産鑑定士 | 68 |
中小企業診断士 | 63 |
社労士 | 62 |
土地家屋調査士 | 61 |
行政書士 | 60 |
FP1級 | 58 |
宅建士 | 56 |
簿記2級 | 54 |
危険物取扱者(甲種) | 54 |
キャリアコンサルタント | 51 |
第一種衛星管理者 | 50 |
このように、簿記2級の偏差値は54程度となっています。難関の国家資格に比べると偏差値は高くはないですが、それでも50以上ではあるため、簡単に取得できる資格ではないことがわかります。ただ、取得が困難なレベルではないということも言えるでしょう。
簿記1級と簿記3級の偏差値は
簿記2級の偏差値は54程度ですが、簿記の他の級はどのくらいの偏差値があるのでしょうか。
簿記1級の偏差値は66で社労士などを超える難易度があり、難関資格の中でもランキングは上位の方だと言えます。
一方で、簿記3級の偏差値は45程度だと言われており、「ある程度勉強すれば取れる」という比較的簡単な資格です。
2級を取得しやすくするためにはまず3級を取得すればよいですが、3級の場合は偏差値45程度であるため比較的簡単に取得できるのではないでしょうか。
簿記2級と同じような難易度の資格
簿記2級の偏差値は54程度ですが、同じくらいの偏差値である資格としてはFP技能士2級(偏差値51)、測量士(偏差値54)、パソコン検定1級などがあります。
それぞれどのような資格なのか、必要な勉強時間などについて解説します。
2級FP技能士
2級FP技能士は一般的に「FP2級」と言われている資格です。貯蓄、投資、保険、年金、税金、不動産、相続などについて顧客の相談にのり、最適な資産設計を行うことを目指す資格です。学科試験と実技試験に合格すれば取得できます。
合格に必要な勉強時間は300時間程度、合格率は35%前後です。数字を扱うことが多い資格であり、簿記と似ている部分があるため簿記を勉強している方は取得することがおすすめです。
FP技能検定士2級に合格した人は、保険業界、不動産業界、金融業界などお金を扱うさまざまな職業において就職・転職が有利になる傾向があるため、このような業種への就職・転職を希望する方は取得を考えてみてはいかがでしょうか。
FP2級の詳細は以下の記事をご覧ください。
測量士
測量士は、すべての測量の基礎となる基本測量、国や地方公共団体が実施する測量である公共測量を行う職業で、測量に関する計画と立てて実施することが仕事です。
測量試験の合格率は15%程度で、勉強時間は300時間程度で合格できるとされます。 測量試験を受けるには、測量に関する実務経験を積むか、国土交通大臣の登録を受けた養成機関で訓練を受ける必要があります。
測量士の就職先は、測量会社の他、建設会社、公務員などがあり、将来的には開業して独立することもできるなど、さまざまな進路がある資格です。
P検定1級
パソコン検定1級は、コンピュータの利用能力や情報の活用能力を確かめるための資格です。
その中でも1級はインフラを整備したり、システムを開発まで行える程度の知識があることが必須となります。
パソコン検定1級の合格率は40%弱ですが、必要な勉強時間については個人の知識によるため一概には言えません。
また、1級は2級に合格してからでないと受験できないため、まずは2級を目指す必要があります。
パソコン検定1級はパソコンの専門的な知識を備えている証拠になるため、就職活動の際のアピールする資格の一つとして取得することをおすすめします。
P検定1級の詳細は下記の記事をご覧ください。
簿記2級のおすすめ勉強スケジュールはこれだ!
簿記二級の合格に必要な勉強時間はどのくらいなのでしょうか。また、勉強時間の内訳はどのようにすればよいのでしょうか。おすすめの勉強スケジュールをご紹介します。
簿記2級には350時間が必要
簿記2級を取得するために必要だと言われている勉強時間は、簿記の初心者かつ独学だと350~500時間です。
しかし、簿記3級を取得している人は2級の内容について飲み込みが早く理解しやすいため、250~350時間ほどの勉強時間で合格できます。
2級へのスムーズな合格のためにも、3級を取っていない方はまず3級を取ることをおすすめします。
3級は難易度が簡単な方ですので、3級の取得に時間がかかりすぎて2級の取得がいつまでもできないというようことはないでしょう。
6か月前から対策を
サラリーマンが簿記二級を受験するとなると、平日にとれる勉強時間は1日2時間ほど、休日にとれる勉強時間は1日5時間ほどではないでしょうか。
そのくらいの時間であれば、1週間で勉強に使える時間は20時間ほどになります。
独学では最大500時間程度の時間が必要とされていますので、500時間÷20時間=25週間という日数が割り出されます。つまり、約6か月前から準備をしておく必要があるということなのです。
最初は簿記3級の内容から
初学者の場合は最大で500時間の勉強時間が必要とされています。その時間の内訳は次のようにすることがおすすめです。
まず、最初の50時間は簿記3級の復習をすることに使います。次の100~150時間で商業簿記を学び、その次の100~150時間で工業簿記を学ぶというように段階を設け、簿記2級についての基礎を固めましょう。
合格者へのインタビューでも、特に簿記3級の復習は2級の内容を学習するうえで非常に大切であると述べられていたことからも特に力を入れて取り組むべき点であるといえるでしょう。
そして、残りの100~200時間では、過去問や予想問題集を解くことに使うというスケジュールがおすすめです。
独学が厳しければ通信講座を
独学の場合、一人で参考書を選んで試行錯誤しながら進めなければなりません。わからないところがあっても自分で解決しなければなりませんし、単語の意味や計算方法などを間違ったまま覚えてしまい、いつまでも問題を理解できないという事態が起こる可能性もあります。
また、簿記二級の場合半年間ほどの勉強が必要ですが、半年間勉強をすると決意しても、忍耐力を保つことができずに挫折してしまうこともあります。
しかし、通信講座を利用すれば初学者でも短期集中型の勉強ができ、250~350時間程度で合格できるような効率的な勉強ができます。
わからないところもカバーしやすいですし、完全に自分のペースで勉強するわけでもないため、モチベーションが途切れにくく挫折もしにくいと言えます。
もし独学が難しいと感じたら、通信講座を利用することをおすすめします。
通信講座ならスタディングがおすすめ
簿記試験に向けた勉強をするなら「スタディング」の通信講座を利用するのが1番おすすめです。
スタディングは通算200,000人以上の指導実績を誇る現在大注目の通信講座であり、受講生からの評判も抜群に高い大人気講座です。
人気の秘密は業界最安な講座費用と高品質な教材にあり、簿記2級の講座なら19,800円から受講可能になります。
簿記通信講座の相場が50,000円〜60,000円であることを考えると、いかにスタディングがリーズナブルな講座かご納得いただけるでしょう。
また、スマホ学習機能の充実度は業界最高峰であり、毎日仕事や家事で忙しい方でも通勤時間などのちょっとした隙間時間を活用して効率よく学習を進められます。
「コスパよく簿記2級に合格したい」という方は、この機会に是非チェックしてみてください!
簿記2級に合格するための勉強法
簿記2級に合格するためには、どのような勉強法が必要なのでしょうか。テキスト選び、問題集の解き方などのコツをお伝えします。
仕訳の問題はテキスト選びが全て
簿記2級は「仕訳問題」「論点問題」「財務諸表や精算表等決算、本支店会計に関する問題」「工業簿記(本社工場会計など)」「工業簿記(原価計算など)」の5題が20点ずつの配点で出題されます。
第1問の仕訳は過去問を解いて練習することで攻略できるので、過去問のテキスト選びが大切です。
論点問題は別冊問題集で
第2問の個別論点問題では、「有形固定資産」「株主資本等変動計算書の作成」「連結会計」などが出題されます。
どのテーマが出てくるかについては毎年予想することができないため、問題集を一通り買い、パターンを理解できることが大切です。
また、第3問の「財務諸表や精算表等決算、本支店会計に関する問題」では、連結精算表が出題されるなど難しい場合が多いため、最後に取りかかるのが無難です。
工業簿記の問題は過去問で攻略
第4問、第5問の工業簿記は毎年必ず出題されています。出題パターンも決まっているため、過去問を何度も解いたり、過去問を参考にした模擬問題を解いたりすることが大切です。
工業簿記は難易度が高く、理解するのに時間がかかる傾向があるため、過去問はしっかり勉強して苦手分野にしないようにしましょう。
過去問を使う際の注意点
日商簿記の出題傾向は2015年度に全面的な見直しが行われました。そのため、2016年度から3年間かけて出題傾向が変更されています。
それに伴って最近では新しい論点からの出題が相次いでいるため、以前の過去問を解いて点数がとれても、点数の面ではあまり参考にはならなくなってきています。
最近出題されるようになった論点については、テキストをしっかり読んで知識を得ることや、過去問も最新のものを解くようにすることが大切です。
簿記2級に合格後のキャリア設計
簿記2級に合格したあとは、どのような道が待っているのでしょうか。
就職や転職、また、さらにどのようにスキルアップしていくかといったキャリア設計についての可能性はさまざまありますのでご紹介します。
簿記資格は就職・転職に使える
簿記2級を持っていることは、実際のビジネスの場で経理の能力を発揮して仕事をこなす即戦力となれる証拠となります。
そのため、ハローワークを利用する際には最も重宝される資格の一つであり、就職や転職の際に役に立ちます。
知識があればそれに基づいて判断し実践できるため、たとえ実務経験がない学生の方であっても取得しておくことで十分就職活動でアピールできる資格です。
また、高校生のうちに取得すれば大学の商学部などの推薦入試でも有利になりやすいため、就職だけではなく進学のためという理由で受験する方も多くいます。
さまざまなキャリア設計で使える資格であるため、どのような方が取得してもメリットがある資格であると言えます。
簿記1級へと挑戦
簿記2級を取得すると、経理や財務の実務で使える知識が身につくため、経理の仕事をしていると試験を通して得た知識が役立つことを実感することができます。
仕事で簿記の知識が役に立つことを実感した方は、合格後のキャリアとして、合格率が10%以下とより難易度が高くなっている簿記1級を受験する人もいます。
1級は経理や財務のスペシャリストを目指すことができるため、取得するとさらなるキャリアップに繋がるでしょう。
税理士へ挑戦
簿記1級の資格を取ると税理士試験を受験する資格が得られますが、他にも、税理士試験については大学などで所定の単位を取得するなどすれば受験資格が得られます。
もし、すでに税理士試験の受験資格を持っているのであれば、簿記2級に合格したあとですぐ税理士試験の合格を目指し勉強を始めてもよいでしょう。
特に、簿記2級で勉強したことは税理士試験の「簿記論」「財務諸表論」で役に立ちますので、知識を活かすという意味でも、税理士試験に挑戦してみてはいかがでしょうか。
簿記2級の難易度まとめ
簿記2級の難易度
- 初学者は最大500時間の勉強が必要なので、半年ほど前から準備しておこう
- 工業簿記があるため難易度が高くなっているので、しっかり過去問を解いて理解することが必要
- 独学が難しい場合には通信講座を受講して知識を深めよう
簿記2級の難易度について解説しました。合格率はその年によって違うため、傾向がつかめず勉強しにくいかもしれませんが、どのくらいのレベルの試験でも合格できるようにしっかり勉強しておきましょう。
勉強時間は初学者の場合最大で500時間ほど必要ですが、通信講座を使えば250~350時間ほどで済ませることもできます。
独学に自信がない方、時間がないという方は通信講座を受講して勉強し、合格を目指しましょう