簿記の過去問活用法を伝授!過去問の使い方や復習のコツなど全て解説!
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簿記
公認会計士たぬ吉
「過去問を無料で手に入れるにはどうしたらいいの?」
「過去問を有効に活用した勉強法がわからない・・・」
簿記3級、簿記2級の取得を目指している方の中には、このような疑問を持っている方が多いのではないでしょうか。
そこで資格Timesでは、簿記の過去問をどのように手に入れればよいのか、また、過去問をどのように活用すればよいのかについて、疑問を全て解決します!
過去問について詳しくなり、有効に活用することで、ぜひ簿記の合格を目指しましょう!
簿記の過去問についてざっくり説明すると
- 日商簿記の過去問はネットで公開されていない
- 「資格の学校TAC」「資格の大原」では、最新の過去問を配布している
- 最低でも過去10年分は解いておくべき
簿記試験過去問を無料で欲しい!
簿記3級、簿記2級の過去問が欲しいと思っている方、探している方は多いと思います。
しかし、どのような過去問がいいのか、どのくらいの量の過去問を勉強すればいいのかの判断は難しいものです。
以下ではまず簿記試験の過去問選びの基本を確認して行きましょう。
簿記試験は過去問が公開されていない
日商簿記を実施している日本商工会議所では、ネット上で簿記試験の過去問を公開していません。
では、過去問集が見たい方は、市販のものを買って情報を手に入れるという方法しかないのでしょうか。
最新の過去問が欲しいと思っている受験者の方は多いでしょう。そこで過去問は無料で手に入れることができるのか、最新の過去問を手に入れるにはどうしたらよいのかについてご説明します。
最新の過去問を無料で手に入れるには?
資格試験対策の予備校である「資格の学校TAC」と「資格の大原」では、最新の簿記3級、簿記2級の過去問を配布しています。
この2校では、簿記の問題・回答集を無料で配布しており、解答だけではなく解説も付いているため大変便利です。
ホームページの解答速報のページにはリンクがあり、クリックすると申込みフォームが出てきます。
フォームから自宅の住所など必要事項を入力し、送信すればそれで手続きは終わりです。数日後、自宅に簿記3級や簿記2級の最新の過去問が送付されてきます。
簿記3級は、早い方の場合2週間ほどで合格できるとも言われています。そのため、遅くとも試験の2週間前には自宅に過去問が着くように申込をすればよいでしょう。
一方、簿記2級の場合の勉強時間は、最短でも2ヶ月以上はかかるのが一般的です。簿記2級を目指している方は、試験の2ヶ月以上前に取り寄せることをおすすめします。
勧誘の心配はいらない
資格学校から過去問を取り寄せると、電話などでしつこく入学を勧誘されたり、教材の宣伝をされたりなどしつこい勧誘があるのではないか、と不安に思うもいるのではないでしょうか。
しかし、過去問を取り寄せても電話でのしつこい勧誘はありません。
ダイレクトメールが届くことがありますが、受け取るだけでそのままにしておけば、1年以内にはダイレクトメールが届くこともなくなります。
全商簿記ならいつでも公開
日商簿記は過去問が公開されていないため、他の簿記の過去問を見たいという方もいるかもしれません。
全商簿記という簿記では過去問が公開されています。主に商業高校に通う高校生向けの検定ですが、力試しとして参考にしたいという方は全商簿記を見てみてはいかがでしょうか。
もちろん試験範囲は大半が被っていますし、全商簿記は日商簿記よりもやや易しいので、学習を始めたての方でも取り組みやすいでしょう。
簿記試験で過去問を活用するコツ
簿記試験の過去問を手に入れても、どのように活かせばいいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。
このトピックでは、過去問を活用するコツについて詳しくご紹介します。
活用のポイントは5つ
過去問を解くときには、以下のようなポイントがあります。
- 年度別の過去問を使う
- 過去問は10年分は解いておく
- 答えを覚えずやり方を覚える
- 何度も解く
- 直前期で使い方を変える
これら5つのポイントを守ることが非常に重要です。これらを押さえた上で具体的にどのように取り組めば良いのか、以下で具体的に解説します。
年度別の過去問を使う
過去問は、テーマ別ではなく年度別に分かれているものを使うのがおすすめです。
その理由としては、試験の直前の時期に、模擬試験として使いやすいというものがあります。
また、簿記試験の問題では、大問の(1)で出た答えをその次の問題である(2)や(3)でも引き続き使うという傾向があります。
それを前提としていない一問一答形式の問題集を解いても、試験対策としてはあまり効果がなく、ふさわしくはないという点も、年度別の過去問を使うべき理由の一つです。
過去問は10年分は解いておく
過去問はどのくらいの量を解けばよいのかを知りたいという方は多いのではないでしょうか。
過去問は、最低でも10年分ぐらいに目を通し、解けるようになっておくことがおすすめです。しかし、ただ解くだけではなく、注意しなければならないこともあります。
簿記は出題範囲が頻繁に改定される傾向があります。そのため、最新の出題範囲についてはその都度確認し、過去問でカバーできない部分については、予想問題集を使って勉強し、補うようにする必要があります。
簿記3級は2~3週間程度でも身に付けることができますが、2週間で過去10年分の問題を解く勉強時間は取れないという方もいるかもしれません。
そのため、たとえ簿記3級は2週間で合格できると言われていても、あらかじめ2週間以上の勉強時間を設けた方が慌てずに勉強できると言えます。
簿記2級の場合は最低でも2ヶ月以上の勉強時間が必要ですので、簿記3級と比べると慌てて10年分を解く必要はありませんが、それでも10年分という量をこなすにはそれなりの時間がかかります。
簿記2級の勉強の場合も、過去問10年分を解けるようになるための時間を、しっかりと余裕を持って確保しましょう。
答えを覚えずやり方を覚える
過去問を勉強する方の中には、やり方を覚えるのではなく答えを暗記しようとする人がいます。ノートにひたすら答えを書いたりして丸暗記するという勉強法をする方もいるでしょう。
しかし、過去問と同じ問題が出題されるわけではないですので、答えを暗記しても意味がありません。
試験対策をするためには、仕訳問題をメインに解き、答えを暗記するのではなく、仕訳のやり方、問題の解き方、計算の仕方について暗記する勉強法が必要です。
何度も解く
過去問は繰り返し何度も解くことが大切です。中には「繰り返し何度も過去問を解くと答えを覚えてしまって勉強にならないから意味がない」という人もいます。
しかし、解き方を覚えることができるため、何度も解くことはとても意味があることです。
解く回数の目安としては、2~3周はすることがおすすめです。最初は20点位しか取れなくても、2~3周することによって、最終的には70点~80点は取れる力が身についてきます。
直前期で使い方を変える
簿記試験の過去問の解き方については、最初は参考書で一通り勉強してから、終わった部分の過去問を解いてみるのがよいでしょう。
その際、解くのにかかる時間についてはまだ気にしなくても問題ありません。
過去問を解いていてわからなかったところについては、参考書の該当箇所を見直して、もう一度ノートに書いてみるという順序で勉強します。
解くのに慣れてきてどの大問も解けるようになってきたら、本番と同じ時間配分にして本番の雰囲気を感じながら解いてみることがおすすめです。
過去問に手をつけるタイミングは?
過去問はいきなり最初からやみくもに手をつければよいというものではありません。手をつけ始めるのは、いつどのようなタイミングが良いのでしょうか。
過去問は参考書が終わったらすぐ
勉強を始めた当初から過去問を解くのではなく、まずは参考書を勉強し、内容を理解したらすぐに解くようにするという勉強法がおすすめです。
しかし、最初は解けないところがあるかもしれません。わからないところがあったときには参考書を見返しながらでも解いていくようにしましょう。
間違えてしまった問題については、なぜ間違ったかについて原因をはっきり把握することが大切です。
もし間違った原因が知識不足のせいである場合は、参考書を見直してよく理解するようにしましょう。
また、うっかりミスにより計算ミスをしたことが原因である場合には、うっかりミスが起こらないように、計算したあとはもう一度確認のために計算をし直すようにし、ミスを防ぐ工夫が必要です。
過去問の後は予想問題集を活用しよう
過去問を解くのが終わった後にはそれで終わるのではなく、各予備校が出版している予想問題集を解くようにしましょう。
予想問題集を解くときには本番に近い時間配分で解くようにすることも大切です。そのようにすることで、今の自分の実力ではどのくらいの時間で解けるのかを把握することができます。
今の自分に合った時間配分を探しながら解いてみるという勉強法をすることがおすすめです。
直前期は軽く解こう
過去問は本番直前までにしっかり解いておくようにしましょう。試験は過去問と同じような問題が出題されることも多いです。
そのため、本番直前の時期には、今まで解いた過去問を見直して傾向をつかみ直したり、解き直して解き方が合っているか確認したりする時期にあてましょう。
これまでに過去問学習をしっかりと行ってきた方であれば、簡単な解き直しをするだけで十分な復習できるはずです。
過去問はどんな教材よりも大切な参考書
勉強する中で1番重要なのはテキストであると思っている方もいるかもしれません。しかし、実は過去問こそ、どのような教材よりも大事にしなければならない参考書なのです。
過去問は最高最良の教材
過去問を使って勉強することにより、試験で頻繁に出る論点や出題傾向を把握することができます。
また、過去問を解くことにより、自分がどのくらい理解できているのかを知ることができるのもメリットの一つです。
合格するために解けるようになっておくべきレベルについてもはっきりするため、現状を把握するために過去問は大切です。
本番では、過去問に似ている問題が出題されることもあります。そのため、過去問を解けるようになっておくことは、試験で多く得点するためには必須となります。
このように、過去問にはメリットが様々あるため、最良の問題集であると言えるのです。
時間がなくても過去問を解こう
勉強時間がない方の中には、参考書を見るだけにして過去問を解かないという方もいるかもしれません。
しかし忙しいからなるべく早く勉強を終わらせたいという方でも、過去問は解くようにしましょう。
簿記3級の試験では、実際の問題を解いてみて、試験での出題のされ方を知るだけでも得点が上がりやすくなります。実際の試験問題には慣れておくことが大切です。
また、簿記試験では「捨て問題」を設定することも攻略法の一つです。難しすぎるものは解かずに、解いて得点源にする必要があるものについてはしっかり解くということでも合格を狙えます。
過去問の間違った使い方をする人の特徴
過去問は使い方を意識しないでいると、間違った使い方をしてしまう時もあります。
過去問のよさを活かし切れず、効果的な勉強ができない人にはどのような特徴があるのかご紹介します。
そもそも過去問をやらない
過去問の勉強法がわからないからと過去問をに手をつけずに試験直前まで過ごしてしまう方、そもそも過去問をやらずに、テキストと問題集をするだけで終わってしまう方が多いです。
また、過去問の大切さをわかっている方の中でも、結局やらずに終わってしまう方も多くみられます。
これまで見てきたような過去問の重要性を考えると、かなり勿体無い勉強法をしてしまっていることが分かりますね。
ポイントを意識せずなんとなく解く
「なんとなく過去問を解くことは必要な気がする」といったぼんやりとした認識で、過去問をただ解いてみるだけという方もいます。
しかし、普通の問題を解くことと過去問を解くことは同じではありません。過去問を解くときには常に本番のことを考えながら、どの問題でどのくらい点数を取るのかといったことをイメージするようにしましょう。
漫然と解くのではなく、どのように得点をするのかについて戦略を立てることが重要なのです。
過去問を1度だけ本番直前に解く
過去問の重要さを理解せず、ただ本番の前日など直前に、腕試しとして解いてみるだけの方も非常に多く見られます。
そのような使い方でよいという方もいるかもしれません。しかし、直前に一度だけ解くだけでは全く過去問を生かし切れているとは言えません。
過去問は繰り返し解いて傾向を把握すること・出題形式に慣れることが何より大切です。腕試しという目的なのであれば模試や予想問題などで十分だと言えるでしょう。
復習は模範解答を見て終わり
過去問をしていて間違ってしまった問題があるときには模範解答を見て確認しますが、模範解答を見るとそれでわかったような気になってしまいがちです。
わかったと思いこんで間違った部分をそのままにしてしまうというケースも多くあります。
しかし、そうすると実際の試験では、以前間違ったところがそのままになってしまっているため、解けなくなってしまいます。
「わかる」と「できる」は別のものだということを意識しなければなりません。模範解答を見るだけにするのではなく、間違えた部分については、翌日などにもう一度ノートに書いて復習をするようにしましょう。
テキストや模範解答などを見ずに解けるのかどうか確認し、しっかりと理解しているのか把握することが大切です。
ケアレスミスを気にしない
過去問をしていてケアレスミスをした場合には「これはケアレスミスだからやり直す必要はない」と放置してしまう方もいます。
たまたま間違っただけと軽く考えがちですが、ケアレスミスは実力不足によって起こっていると認識しなければなりません。
ケアレスミスを軽く見てそのままにしていると、本番でも同じようなミスをしてしまうということも大いに考えられます。
対策としては、ミスをする度に正の字を書くなどして数え、記録しておくことが必要です。そうすることにより、どの部分でどのようなミスをするかを知ることができるため、自分のミスの傾向を把握できます。
簿記の過去問まとめ
簿記の過去問を使った勉強ほう
- 答えを丸暗記するのではなく、解き方・考え方を覚えるようにする
- 参考書を勉強し、内容を理解したらすぐ解くのがおすすめ
- 過去問は1度だけでなく2回3回と解き直す。
- 予想問題集を解くことも演習力強化として有効
簿記の過去問をどのように手に入れるのか、また、どのように勉強をすればよいのかについてご紹介しました。
「過去問をしなくてもテキストだけ勉強していればよいかな」といった軽い気持ちでいると、試験対策が全くできずに不合格となってしまう可能性が高いと言えます。
過去問の大切さを意識し、合格に向けて頑張っていきましょう!