弁護士を辞めたい?仕事のストレスやつらいと言われる理由・転職先まで徹底考察!
「弁護士は高収入と聞くけれど実際、激務なの?」
「弁護士を辞めたくなるのはどんな時?」
そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
弁護士は一般的には高収入で、憧れの職業と考えられていますが、その反面いろいろな苦労があるようです。
この記事では弁護士の苦難や転職について分かりやすく紹介していきます。
読み終わった頃には、弁護士の仕事を表面的ではなく、より深く理解できるようになれるはずです。
また、実際に弁護士として働いている方にも、これからの進路について大いに参考になるでしょう。
弁護士のストレスについてざっくり説明すると
- 仕事内容が複雑かつネガティブなことが多い
- 期待したほどの収入が見込めない
- 残業が多くてうつ病になるひとも
そもそも仕事内容がストレス
弁護士という仕事は、民事事件や刑事事件が起きた際に法廷で争ったり、市民の人々の法律相談に乗ったり、法的手続きを行ったりと多岐に渡ります。
仕事内容に一貫して言えることですが、依頼者は確実に何か法的トラブルがあって来ているために、ネガティブな感情を持っています。
仕事とはいえ、弁護士も人間である以上、そういったマイナスな感情は少なからず伝染してしまいます。
さらには依頼者のそのあとの人生に深く関わることもあるのが弁護士であるため、仕事にかなり大きな責任が生じます。
それゆえ弁護士の仕事内容にストレスを感じ辞めたいと思う人がいるようです。
ただし、このような深刻で重要な問題を扱うからこそ重宝される存在になれることは間違いありません。
さらには、それを解決してあげられた時の達成感も凄まじく大きいものとなります。
事務所がブラック
弁護士の就職先として、法律事務所が一般的ですが、法律事務所によって弁護士の待遇は様々です。
中には、相場と比較して給料が異常に安い、労働時間がとても長い、など上司の裁量により、労働環境などにかなり問題が存在するブラックな事務所も存在します。
また、法律を遵守すべき場所である法律事務所でパワハラ、セクハラが横行している事例もあります。
そういった事務所に就職してしまうと、辞めたいという感情も自然と生まれてしまいます。
弁護士の労働時間
2010年度の日本弁護士連合会の調査によると、弁護士の週間平均就労時間の平均値は46.5時間でした。
国で規定されている労働時間は週40時間なので、それを考えると、弁護士の勤務時間は長いと言えます。
人間関係がつらいという理由も
弁護士事務所等で勤務する場合、職場の弁護士同士の人間関係がストレスとなる場合もあります。
シビアな法律関係に関わる仕事であるため、本来は温厚な人であっても、仕事上ストレスがたまったりして職場の同僚に辛く当たってしまう場合もあるようです。
同じ職場で個人としても頼りになる弁護士を見つけるなどして、同じ職場に草案相手を持てるとよいでしょう。
高年収は期待できない?
弁護士といえば医師に並ぶ高収入資格の代表格とされています。
しかしながら、今や弁護士でありながら普通のサラリーマンと同じくらいの年収といったニュースも存在しています。
背景として毎年、司法試験で一定数の弁護士が誕生することや、司法書士の扱える仕事の幅が広がったことなどが挙げられます。
法律の専門家の人数が増加すると、依頼は分散し自ずと弁護士一人当たりの平均取扱案件も減少し、報酬も減少します。
膨大な勉強時間をかけて難関試験を突破し、資格を取得したことを考えると、高収入を得られないことはつらいことです。
弁護士の増加について
弁護士一人当たりの人口を比較してみると以下のように年々減少していることがわかります。(日本弁護士連合会調べ)
2010年 | 2015年 | 2019年 |
---|---|---|
4429人 | 3490人 | 3075人 |
このような弁護士増加の背景には1991年以来政府が行っている司法制度改革があります。これは司法制度をより身近にするため法曹人口を意図的に増加させているのです。
このように弁護士一人当たりの人口は減少しているので、より多く集客することが収入増加のカギです。
中小法律事務所だと年収は高くない
弁護士になり、大手の法律事務所に就職すれば、高年収を狙うことはできます。
四大法律事務所と呼ばれる、西村あさひ法律事務所、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、森・濱田松本法律事務所では入社一年目の平均年収は1000万円を超えると言われています。
しかし、大手の法律事務所に就職できるのは弁護士の中でも選び抜かれたエリートであり、高収入を見込める企業に就職することは非常に難しいです。
四大法律事務所に在籍している弁護士は2018年時点で1800人であり、全国には3万8980人の弁護士がいることを考えると四大法律事務所で勤務できる弁護士は全体のわずか4.6%にしか満たないのです。
よって実際には中小法律事務所に就職する人の方が多いです。
そこでは全員が高収入を得ることができるものではありません。中小法律事務所での入社一年目の年収は400〜600万円と言われています。
また、実力や出世によって収入は上がっていくという競争社会なので高収入を得るためには就職してからも多大な努力が必要です。
そのため中小法律事務所では弁護士はコスパが良い職業とは言えません。
残業が多い
弁護士は収入が比較的高い一方で、労働時間もかなり長いとされています。
弁護士は通例、案件を一人で担当するので、他の人に仕事を頼むことが難しく、仕事内容は激務と言えるでしょう。
特に独立して自分の事務所を構えるとなると、裁判所とのやりとりや証拠の開示請求などで土日休みは返上して毎日夜遅くまで働くことになるでしょう。
また勤務弁護士の場合にも、毎日深夜まで働くことがありますが、他の士業事務所の事務員とは違い、裁量権が大きいために残業代が出ないということもあります。
こういった点も、弁護士を苦しめている理由として大きな要因となっているでしょう。
独立しても失敗する人が多い?
ある程度法律事務所で実務経験を積むと、自分の事務所を作りたいと思い、独立という選択肢をする人もいます。
個人事務所が軌道に乗れば、働き方や給料も自分で決められるため、法律事務所に所属するより良い条件で働くことができるようになります。
しかしながら、実際には事務所を自分で運営していくためには法律の知識だけではなく、経営や人脈などもかなり大事な要素になり、個人事務所を運営することはかなり大変で難しいです。
個人事務所を設立するためにはたくさんの資金が必要です。事務所の賃貸代、オフィス用品代、電子機器代など少なくとも300万円以上の資金が必要です。また、経営して行く上でも多大な維持費が必要です。
また、個人事務所は大手と比べてブランド力がないので集客力もありません。広告費用が必要になる場合もあります。
さらに、管理も大変で人を雇うとその分人件費が必要になります。
独立にはたくさんの資金が必要になり、成功する可能性も高くはないということを考慮すると、独立することはリスクが高いです。
弁護士をやめると?
弁護士を辞めたいと思っていても、実際に辞めた後にどのようなことが待ち受けているのか知らないと、なかなか踏み出せないですよね。
ここでは弁護士をやめることのメリット・デメリットや、実際に弁護士をやめる人がどれくらいいるのかを紹介します。
デメリット
弁護士を辞めることで発生するデメリットは主に二つあります。
一つ目はアイデンティティを失うこと、二つめは社会的にマイナスイメージを受けることです。
アイデンティティを失う
一般に弁護士になる人は昔から弁護士になるためにかなりの時間とお金を投資しています。
試験を受けるだけでもお金がかかりますが、予備校や法科大学院に通ったり、参考書や問題集を買うことにも、たくさんのお金が必要になります。
また、資格取得のために何千時間という膨大な勉強時間をかけ、司法試験に合格した後も、司法修習生としての研修期間を設けられています。
このようにたくさんの時間やお金をかけ、人生のメインが弁護士に向けたものであった人も多いです。
そうして人生をかけて難関試験を突破し弁護士になったものの上記の理由などにより、やめるという選択肢をとるとその時はストレスや責任から解放され良いですが、あとあと自分自身のアイデンティティを失ってしまう可能性も出てきます。
社会的にマイナスイメージを受ける
一般的に仕事を辞めることはマイナスイメージがあります。周りからの社会的信用が全くなくなってしまうリスクも否めません。また、再就職する際にマイナスな印象を与えてしまうことも否定できません。
弁護士をやめてしまうと、今までかけてきたものが無駄になり、社会的信用や地位を失い、自分自身のキャリアにブランクを作ってしまうことになります。
したがって、弁護士の仕事はかなりハードで辞めたいと思うときがあるかもしれないですが、上記のようなたくさんの犠牲が出ることを考慮すると、安易に辞めるという選択肢を取ることは思いとどまる必要があると言えるでしょう。
メリット
弁護士を辞めることは多くのデメリットがある一方でメリットも少なからず存在します。
まず、重い責任から解放されます。ストレスを感じていた仕事をする必要がなくなるので精神的にとても楽になるでしょう。
また、退職することで、自分の時間をしっかりと取ることができます。今まで仕事に時間を取られ、できなかった、自分の趣味や旅行に時間を当てることができ、好きなことができるようになります。
弁護士を辞める人はどれくらいいるの?
実は弁護士を辞める人は昔と比べて増えています。
弁護士の請求退会者数の推移を見てみると、2012年では登録番号3万番以上の請求退会者は173名であったのに対し、2015年には260名となっています。
このように、毎年一定数の弁護士が辞めていることが伺えます。
弁護士をやめないためには?
ストレスと上手く付き合っていく
弁護士という仕事は法的トラブルを対処するものなので職業柄かなりストレスのたまる仕事であると言えます。そのためストレスなく働くのは不可能に近いです。
そのため、どのようにストレスフルな仕事と向き合っていくかを考えるのがとても大切です。
責任の重い仕事ばかりしていると、精神的にも身体的にも疲労が溜まります。
そこで、仕事中は仕事に集中し、かわりに、休日は思いきり自分のやりたいことをして楽しむなどと、メリハリをつけた生活をすると良いでしょう。
何より、仕事とプライベートのワークライフバランスを重視した生活にしてみることがストレスに向き合う上で重要と言えます。
集客スキルを身につける
集客スキルは特に独立開業をしている人・将来したいと考えている人にとってはマストなスキルです。これは闇雲に行っても上手くいくものでは決してありません。
弁護士も今や供給過多の時代なので、何もしなくても依頼が舞い込んでくるという訳ではありません。どれだけ法的知識があっても、依頼がなければ利益を得ることはできません。
そのため、自分から集客方法を学びにいくという積極的な姿勢が将来弁護士として大きく活躍できるか否かに深く関わってきます。向上心を持ち続けることが大切です。
環境を快適にする
弁護士は裁判で法廷に立つことがメインの仕事ではなく、事務作業がほとんどの時間であるのでまずはデスクワーク環境を快適にしましょう。
例えば空気清浄機を設置して事務所内空気環境をクリーンにしたり、椅子を自分の体に合うようオーダーしてみましょう。
働く環境が快適であれば感じるストレスも軽減されるはずです。まずは物理的に身の回りの環境を快適にする努力もしてみましょう。
働く環境が快適であれば感じるストレスも軽減されるはずです。まずは物理的に身の回りの環境を快適にする努力もしてみましょう。
やめた後の転職先は?
弁護士をやめないために色々対策を打ったが、どうしても次のキャリアを考えている人は以下を参考にしてみてください。弁護士が転職しやすい士業・職業をまとめました。
不動産業
弁護士は不動産業者とそもそも関わる機会の多い職業です。また、不動産業には様々な法律が関与しています。例えば、民法、宅地建物取引業法、不動産登記法、建築基準法などです。
また不動産契約の際も法律が関わっているので弁護士の知識を生かすことができます。
よって弁護士から不動産業に転職することは弁護士の知識を生かせるので比較的容易といえます。
コンサルタント
弁護士をやめた後には総合コンサルタントになる人も存在します。
コンサルタントとは具体的には企業の経営方針・トラブル予防・書類作成などを法的な観点からアシストする職業です。
弁護士として培った知識をもとに企業の役に立つ助言ができるでしょう。
ただし弁護士登録まで抹消してしまうと、法的なアドバイスをすることはできなくなってしまうので、注意してください。
起業する
事業内容は様々ですが、もっと大きなことをしたいと考えている人は弁護士の経験を生かして事業を行います。
法的な観点からは理解することができるために、経営やマーケティングの部分を学んでいくことで事業家として成功していくことができるでしょう。
実際に弁護士を経て活躍している起業家は多く存在しています。株式会社日本リーガルネットワークや株式会社LegalForseなどの弁護士サイトを運営している企業の代表取締役は弁護士資格を取得しています。
東京電力ホールディングス株式会社やSUIアドバイザリーサービスは法律を扱う会社ではありませんが、代表取締役は弁護士資格として働いたのち、起業しています。
企業の法務部
法務部は契約や取引などにおける資料を確認したり、社内規定を決定したり、株式や合併など法律に関する業務を行う部署です。
そのため企業の法務部においてはかなり弁護士の需要が高いです。
特に、弁護士時代において企業法務について学んでいたり、処理経験があるとかなり重宝されます。
さらには、企業で働くとなると、その会社の福利厚生、就業規則に従うために、法律事務所時代に比べて労働環境が改善されたり、ワークライフバランスも重視することができるようになる可能性が高いです。
税理士・弁理士
弁護士という資格を持っている時点で、税理士や弁理士の登録をすることができます。
税理士とは顧客の要望に応じて税務書類を作成したり、税務上のアドバイスをする仕事で、弁理士は特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの知的財産権に関わる手続きを主に行う仕事です。
どちらの職業も弁護士と共通する部分が存在しますが、それぞれ業界の傾向や環境は全く異なるので弁護士が向いていないといってもこれらならやっていくことができるという人もいます。
弁護士に向いていないと感じた人は一度、税理士や弁理士として働いてみるのが良いかもしれません。
弁護士の求人はどこで探せばいい?
弁護士の求人を探す場合は、より多くの案件から選ぶことができる求人サイトや転職サイトを使うのが一般的になっています。
しかし、普通の転職サイトでは弁護士という職業の性質上、求人数自体がかなり少なかったり、自分が保有している資格別に検索することができなかったりと良質な求人を見つけることができません。
もし、弁護士資格を最大限活用した転職先を見つけたい場合は 「有資格者の転職」に特化したMS-Japanを利用するのが1番おすすめです。
MS-Japanは士業に特化した転職サイトとして、「士業の登録率No.1」「士業の転職相談率No.1」という高い実績を獲得しており、弁護士の転職先を探すならMS-Japanがぴったりといえます。
他にも「弁護士転職.jp」や「ジュリナビキャリア」など、就職・転職サイトは数多く存在しますが、豊富な案件と親身のサポート体制を考えればMS-Japanに勝るサイトはないのではないでしょうか。
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弁護士を辞めたいことについてまとめ
弁護士のストレスまとめ
- 仕事内容がネガティブで責任が大きいがそれ故やりがいも大きい
- 高収入を得るには頑張らねばならず辛いと思うことも
- 弁護士から転職しやすい仕事は多く存在する
弁護士が感じるストレスについて解説してきました!
ハードな仕事ですが、達成感や、やりがいはとても大きいです。
弁護士をやめる際はメリットやデメリットをしっかり考え、ストレスに向き合うことから始めてみましょう!