弁護士になるにはどうすればいい?学部から司法試験後の資格免許取得まで解説!

「弁護士になるにはどうすればいいの?」

「弁護士になるには法学部出身じゃないと無理?」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

弁護士は法律のエキスパートであるため、法律学校でみっちり勉強した人や法学部出身者じゃないとなることができないイメージがあります。

しかし、実際に司法試験には学部による制限などはないため、特に出身学部は気にする必要はありません。

こちらの記事では、弁護士免許を取得するための流れや司法試験合格後の流れなどについて解説します!

弁護士になるための流れについてざっくり説明すると

  • 弁護士になるには、多くの試験と弁護士会の入会手続きが必須
  • 3年以上の勉強期間は必要になる
  • 法学部出身じゃなくても弁護士になることはできる
  • 就職活動を行い、内定を得なければ仕事は無い

弁護士になるには

インテリな女性

弁護士になるには、弁護士免許を取得する必要があります。

弁護士免許までの道のりは長く、まずは司法試験の受験資格をクリアするために司法試験予備試験に合格するか法科大学院を卒業しなければなりません。

その後、司法試験に合格し司法修習という研修を受け「二回試験」という卒業試験に合格することて、晴れて弁護士資格を得ることができます。

流れは以下のようになります。

  1. 司法試験予備試験に合格する、または法科大学院を卒業する
  2. 司法試験に合格する
  3. 司法修習に参加し、二回試験をパスする
  4. 弁護士会に入会する
  5. 弁護士事務所または企業のインハウスローヤーになるため就職・転職活動をする、もしくは自分で事務所を開設する

特に合格後に修習する必要があったり、弁護士会に入会しなければならない点は見落とされがちです。

弁護士として活躍するためにも、これら手続きなどを忘れずに行うようにしましょう。

予備試験ルートと法科大学院ルートがある

まず、司法試験を受けるためには受験資格をクリアしなければなりません。

クリアする方法は、司法試験予備試験に合格するか法科大学院を卒業するかの2通りで、どのルートを選ぶかは本人の希望次第です。

司法試験予備試験には受験資格は設けられていないため、大学を卒業していない人や社会人で働きながら勉強するため法科大学院に行く時間的な余裕が無い人でも合格を目指すことができます。

法科大学院ルートでは、法科大学院に2年または3年通うことで司法試験の受験資格が得られるルールになっています。

難易度で比較すると予備試験の方が難しいとされていますが、法科大学院は、大卒であることに加えて、高額な学費が必要であることも考慮に入れるべきでしょう。

法学部出身者でなくてもチャンスあり

司法試験予備試験は出身学部などの受験資格は特に設けられていないため、法学部出身でなくても受験できます。

また、法科大学院には法学未修者向けの3年間のコースもあるため、法律の勉強をしたことが無い人でも安心して勉強を進めていくことができます。

また、このほかにも、夜間コースや法曹コースなどが設けられており、それぞれ若干通学年数、期間に違いがあります。

  • 3年コース コースは法学を基礎から学習するため、修了までの期間は3年と長いです。主に法学部以外の学部を卒業した社会人などを対象としていますが、出身学部は入学要件として制限されていないため、法学部卒の人も入学可能です。

  • 2年コース このコースは法科大学院の入学前に法律を学習している人を対象としています。入学試験時には「法律科目試験」を受ける必要があるため、法学部を卒業した人向けと言えるでしょう。しかし、出身学部が入学要件として指定されていないので、法学部を卒業していない人も、独学で法律を学び入学試験に合格すれば参加できます。修了期間は一般的な大学院の修士と同じく、2年がスタンダードとなっています。

  • 夜間コース このコースは夜間に学ぶ社会人を対象としています。法学を既に学んでいる人は3年で、そうでない人は4年での卒業がスタンダードとなっています。

  • 法曹コース 法曹コースは、法学部を3年で卒業することを目指しており、その後法科大学院に進むことを前提としています。法科大学院での修了までの期間は2年がスタンダードとなっており、在学中から司法試験を受験することが可能です。

こうしたルートを使うことで、出身学部に関係なく、司法試験に合格できれば弁護士になることができるわけです。

また、司法試験の難易度は非常に高いため、予備校や通信講座を利用することが一般的です。

予備校などを利用することで予備試験・司法試験に合格できる学力を身に着けることができるため、独学で進めるか迷っている人は必ず予備校または通信講座を利用しましょう。

独学は非効率な勉強になりがちな上に、スケジュール管理も自分で行わなければなりません。

また、論文試験の対策などをする際に添削してくれる相手がいないため、対策講座の受講生と比べると非常に不利なのです。

司法試験に合格する

司法試験に合格することで、次のステップである司法修習へ進むことができます。

予備校や通信講座で勉強する人が多い

司法試験予備試験・司法試験は最難関の国家資格です。

そのため、独学で勉強することは一般的ではなく、挑戦してみたとしても合格は困難を極めるでしょう。

また、法学部の講義は必ずしも予備試験や司法試験対策として機能しているわけではなく、教授の私感などが入ってくるため試験対策上不要な情報も混じっています。

そのため、高い合格実績を持つアガルートや資格スクエアといった司法試験・予備試験対策講座を利用する方が圧倒的に良いです。

講座を受講することで予備試験・司法試験対策に最適化された講義や教材を準備してもらえるため、非常に効率的なのです。

特にアガルートは司法試験合格者の半分近くが利用している大人気講座なので、ぜひ活用することをおすすめします。

アガルートの公式サイトはこちら

司法修習を受ける

司法修習は、司法試験合格後発表後の12月から1年間で、全国各地で行われています。

修習では2ヶ月間の座学のほか、10ヶ月の実務研修を行うため、実務をイメージしてすぐに仕事をこなす上でもとても重要です。

なお、司法修習の最後には「2回試験」とも呼ばれている「司法修習考試」を受験することになります。

試験とはいえ、ふるい落とすことが目的ではないため、試験の合格率は90%以上あります。

極端に不安に思う必要はありませんが、5日間に渡って行われる厳しい試験なので、司法試験合格後も油断はできません。

2回試験に合格することで、晴れて弁護士となる資格が得られることになります。

弁護士資格認定制度という道もある

あまり知られてはおらず、限られた人しか使用しない道ではありますが、弁護士資格認定制度というものがあります。

この制度を使うことで、司法修習をしなくても弁護士資格を得られますが、制度を実際に使うにはかなり時間が必要となります。

具体的には、司法試験合格後に企業法務の担当者や公務員を7年以上、又は国会議員・簡易裁判所の判事・内閣法政局参事官・大学の法律学の教授等を5年以上経験すると弁護士資格を得ることができます。

「司法試験合格後に企業法務や国家公務員として実務を積んでおきたいな」と考えている人にはオススメなルートと言えるでしょう。

ついに弁護士免許を取得

喜ぶ二人

弁護士会に登録する

2回試験合格後でも、手続きをせずに弁護士として働くことはできません。

弁護士になるには、定められた登録手続きを行うことが要件になっています。

つまり、弁護士会に入会しない(=登録を行わない)場合は、弁護士としての活動することができず、弁護士として働くことももちろんできません。

登録のタイミングは任意なので、司法試験に合格してすぐに登録しないことも可能ですが、このような場合はその無登録期間は弁護士としての活動を行えないことに注意しましょう。

また、入会にあたって年会費や入会金、登録料などのコストが必要になります。

様々なコストをすべて合わせると15万円程度のお金がかかるため、かなり大きな負担となってしまいます。

ちなみに、初期費用は都道府県によって差があり、各都道府県の弁護士会の入会金の最安値は東京都の3万円です。

対して、気になる最高値は奈良県の60万円となっています。

この差の原因は、その都道府県の弁護士会の会員が多寡が影響しています。

会員が少ないと、少人数で運営費を負担しなければならないため、それが原因でこのような差が生まれてしまっているのです。

つまり、東京都と奈良県で弁護士登録をする時には、初期費用で50万円以上の差が発生してしまうことになります。

司法試験合格後には就活が待っている

就職活動は大事

司法試験に合格しても自動的に内定が出るわけではなく、各々で就活が必要になります。

一般的な新卒の就活などと同じように就活サイトなどに登録した上で、司法試験合格者同士で就職先を奪い合うことになるのです。

つまり、エントリーシートや面接などの対策も必要になるため、合格したからといって浮かれすぎないようにしましょう。

やはり大手で人気の法律事務所などは倍率も高く、競争も激しいです。

司法試験に合格したからといってすぐに第一志望の就職先に行けるわけではないため、しっかりと志望動機やキャリアの展望を話せるようにしておかなければなりません。

弁護士も就活をするのが普通

司法試験合格後も、一般的な就活と同じように自分が希望する職場を探すことになります。

一方で、少数ながら先輩のコネなどを頼りに、就活をほとんどせずに自分の勤め先を決定する人もいます。

コネを使うことで、先輩からその職場の雰囲気や忙しさなどの情報を得ることができるため、ミスマッチが発生しないという利点があります。

ただし、条件や具体的な仕事内容などはしっかりと確認しておく必要はあるでしょう。

また、司法試験合格者には法務省より、その後のキャリアや進路についての説明会が開催されています。

難関の司法試験に合格したとはいえ、実務経験が無い中で就職するのは不安だと考えている人は多いです。

また、どのようなキャリア形成をしていけばいいのか、不安を感じている人も多くいます。

そこで、この説明会は現職の弁護士が質問に答え、合格者の不安を解消することが目的で開催されています。

説明会に参加することで弁護士業務のリアルや具体的な仕事内容などを知ることができ、また弁護士仲間などの人脈を作ることができます。

弁護士としての業務やどのような働き方をしていけばいいのか分からない人は、必ずこの説明会に参加するようにしてください。

企業弁護士になる

近年はコンプライアンスの遵守や不当な名誉毀損から企業を守るため、企業弁護士が活躍しています。

実際に求人も増えており、企業内弁護士は最近は人気の就職先なのです。

企業弁護士は、普通の法律事務所に行くよりもフレキシブルに働けたり、給与の面でも待遇が良かったりするために人気です。

弁護士免許を持っていることで資格手当がつくこともあるため、収入面で多くのメリットが期待できます。

約8割が法律事務所へ

やはり、弁護士免許を取得すると法律事務所や弁護士事務所へ就職するケースが多いです。

法律事務所は数人の小規模な事務所から、数百人の弁護士の所属する四大法律事務所まで様々な規模の事務所があります。

また、それぞれの事務所で特化している分野があったりするため、自分の得意分野などに合わせて就職先を調べると良いでしょう。

将来的に独立を考えている人も、まずは事務所に勤務することで弁護士としてのスキルを高めていくことが可能になります。

法律事務所へ就職する人の割合は増加傾向にあり、約8割が法律事務所への就職を選択しています。

独立開業という選択肢

弁護士資格を生かし独立して、法律相談事務所を開設するという選択肢もあります。

弁護士は社会的価値が高いため独立開業しやすい資格でもあるのです。

弁護士は行政書士・司法書士・弁理士・税理士・社労士の業務範囲もカバーできるため、法律系資格の中では最強の資格です。

そのため、幅広い法律のエキスパートとして様々な方面から頼られ、需要は常に高く仕事に困ることは基本的に無いでしょう。

また、独立した後は専門分野を確立して営業するケースが多いです。

例えば、選択科目で労働法を選んだ場合は労働問題、租税法を選んだ場合は税務に関する相談を専門分野として売り出していくと効果的です。

しかし、いくら弁護士が信頼できる存在であるとはいえ、何も営業活動をしなければ集客は難しいです。

しっかりと集客し、自分の存在をアピールしないとせっかくの弁護士免許が宝の持ち腐れになってしまうため、気を付けましょう。

弁護士の求人状況

弁護士の数が増えていることもあり、都心での就職活動は以前よりも厳しくなっています。

弁護士の増加は就職を難しくしているだけでなく、仕事の奪い合いも起こしてしまい、弁護士の平均年収を大幅に下げてしまっています。

しかし、地方において弁護士は不足状態にあるため、そこまで深刻な就職難というわけではありません。

そのため、都心での就職への強いこだわりがなければ、少し就活エリアをずらすなどの工夫をするだけで全く問題なく就活ができるのです。

また、仕事がない弁護士事務所は単なる営業努力不足や自分のスキル不足だったりすることが往々にあるため、求人に関しては悲観する必要は無いでしょう。

自分の得意分野や、どのような法務を今後やっていきたいのかをアピールできれば、就活においてあぶれてしまうことはほぼ無いでしょう。

弁護士志望をおすすめしたい人

しっかりと分析しましょう

司法試験に合格後、特に弁護士に向いている人には、どのような特徴があるでしょうか?

弁護士は収入が高い分、依頼者から非常に重い仕事を託されることになります。

その人の利益を最大化するために奔走し、多大な労力を必要とするため、心身ともに疲弊してしまうこともあるでしょう。

そのような時でも、弁護士であることを誇りに持ち、依頼者のために労力を惜しまずに仕事をすることができる人は弁護士に向いていると言えます。

このように努力を惜しまずに仕事をすることで、次第に信頼感も高まり自分の対外的な評価を上げることにもつながるのです。

また、司法試験合格後の司法修習の段階でも、弁護士ではなく検察官や裁判官になるという選択肢もあります。

検察官や裁判官になるには国家公務員試験に合格しなければなりませんが、市民生活の安定のために重責を担うことになります。

仕事の負担は重いものの、非常にやりがいのある仕事でもあるため、国民のために自分の法律知識を生かしたいと考えている人は検察官や裁判官という選択肢もありでしょう。

孤独な戦いができ、責任感のある人

弁護士資格を得るまでの長い勉強期間では、孤独な期間を過ごすことになります。

弁護士は、時には孤独な状況で仕事を進めなければならないこともあるため、孤独への耐性が求められます。

また、弁護士は依頼人の人生に関わる重大な局面に向き合うこと機会が多いため、非常に重い責任を負うことになります。

そのため、仕事に誇りを持ちながら、責任感を持って黙々と取り組む姿勢が弁護士として活躍するには非常に重要なのです。

稼げる弁護士になるには

小銭の画像

そもそも、司法試験に合格し弁護士になるには非常に多くの努力が必要になります。

では、弁護士の中でも「稼げる弁護士」になるにはどのようにすればいいのか、見てみましょう。

自分が法律相談をする側だったとして、どのような弁護士に依頼したいと思うでしょうか?

当然、これまでの実績やどのようなジャンルの法務に強いのかを気にしますよね。

そのため、弁護士になれたからといって様々な法律相談に乗るのではなく、自分の得意分野に特化して弁護士業をやっていくと良いでしょう。

幅広い相談に乗るといわゆる器用貧乏になってしまうため、オススメできません。

自分がどの法律に強いのか、選択科目で何を選んだのかなどを勘案しながら集客活動をすると、次第に稼げる弁護士になれるでしょう。

弁護士になるための流れまとめ

弁護士になるための流れまとめ

  • 試験に合格したあとも修習などの講習がある

  • 弁護士会に入会しなければ、弁護士業務を行えない

  • 就職を目指す場合、他の学生と同じように就活をしなければならない

  • 独立を目指しているなら、実務経験を積んでからの方が良い

弁護士になるには必ずしも法学部出身である必要はありません。

司法試験に合格し、修習を修了し弁護士会に入会することで、誰でも弁護士になることができます。

弁護士は高収入が期待できる上に、非常にやりがいのある魅力的な仕事なので興味がある人はぜひ司法試験の勉強に着手してみてください。

多くの努力が求められますが、ぜひ弁護士免許を取得しましょう!

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