弁護士になるには高学歴が必須?司法試験合格者の出身大学別ランキングを徹底解説!

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弁護士になるために司法試験の受験は必須となります。

弁護士は、高偏差値の大学出身の人ばかりがなるもの、というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

資格Timesでは、司法試験合否と出身大学が実際にどのくらい関係があるのか、また弁護士になった後のキャリアについて調べました。

弁護士と学歴についてざっくり説明すると

  • 司法試験は高学歴でない人も多く合格している
  • 司法試験合格者の学歴や出身大学は様々である
  • 弁護士のなったその後のキャリアにも学歴は影響しないことの方が多い

司法試験は高偏差値大学出身しか合格できない?

お金

世の中には、さまざまな国家試験が存在しますが、司法試験といえば国家資格試験でも最難関といわれる試験と言われています。

司法試験に合格すると弁護士または、裁判官、検察官という主に三つの職業としての選択肢がありますが、どれも知名度・社会的地位ともにとても高い地位で働くことができます。

そのため司法試験は学歴が高い人がなるものだという印象を持っている方も少なくありませんが、決してそんなことはありません。

以下は、法科大学院とその司法試験受験者及び合格者数、さらに合格率がまとめられた表になります。(2022年司法試験結果データより)

※順位は合格者数順につけ、同列の場合は合格率によって順位づけしています。

順位 法科大学院名 受験者数 合格者数 合格率
1位 京都大学 175名 119名 68.0%
2位 東京大学 192名 117名 60.9%
3位 慶應義塾大学 181名 104名 57.5%
4位 早稲田大学 232名 104名 44.8%
5位 一橋大学 110名 66名 60.0%
6位 神戸大学 111名 54名 48.6%
7位 大阪大学 111名 51名 45.9%
8位 中央大学 191名 50名 26.2%
9位 東北大学 48名 27名 56.3%
10位 同志社大学 81名 25名 30.9%
11位 日本大学 75名 24名 32.0%
12位 九州大学 66名 22名 33.3%
13位 立命館大学 75名 19名 25.3%
14位 筑波大学 55名 18名 32.7%
15位 東京都立大学 72名 17名 23.6%
16位 明治大学 86名 16名 18.6%
17位 大阪市立大学 41名 15名 36.6%
18位 関西大学 53名 15名 28.3%
19位 北海道大学 54名 15名 27.8%
20位 名古屋大学 52名 14名 26.9%
21位 創価大学 32名 12名 37.5%
22位 法政大学 54名 12名 22.2%
23位 千葉大学 48名 10名 20.8%
24位 岡山大学 26名 8名 30.8%
25位 専修大学 27名 7名 25.9%
26位 関西学院大学 29名 7名 24.1%
27位 甲南大学 29名 6名 20.7%
28位 上智大学 45名 6名 13.3%
29位 南山大学 15名 5名 33.3%
30位 広島大学 22名 5名 22.7%
31位 駒澤大学 31名 5名 16.1%
32位 学習院大学 40名 5名 12.5%
33位 西南学院大学 16名 4名 25.0%
34位 福岡大学 21名 4名 19.0%
35位 琉球大学 29名 4名 13.8%
36位 近畿大学 11名 3名 27.3%
37位 立教大学 21名 3名 14.3%
38位 愛知大学 4名 2名 50.0%
39位 熊本大学 9名 2名 22.2%
40位 横浜国立大学 21名 2名 9.5%
41位 成蹊大学 6名 1名 16.7%
42位 名城大学 9名 1名 11.1%
43位 青山学院大学 11名 1名 9.1%
44位 金沢大学 12名 1名 8.3%

超高学歴の法科大学院出身の司法試験合格者は一部

実は、東大や京大といった最難関大学の法科大学院出身者の人で司法試験に合格する人は一部に限られます。

上の表を参考に割合を計算してみると、東大・京大出身者が司法試験合格者のうちに占める割合は1割ほどに過ぎません。つまり、学歴と司法試験合格率にはほぼ関係がないのです。

高学歴層は予備試験ルートの合格者も多い

東大・京大・一橋・早慶・中央大、大阪大などでは学部生のうちから予備校に通うなどして司法試験の対策を始める人が一定数います。

こうした人たちは予備試験に大学在学中に合格し、学部4年や大学卒業1年目に司法試験に合格することが多いです。

また、大学在学中に予備試験に合格した人が司法試験に1回で合格する確率は極めて高いといえます。

大学名 受験者 予備試験合格者の総数
東京大学 705 92
慶應義塾大学 710 48
中央大学 937 39
早稲田大学 719 32
京都大学 277 13
一橋大学 166 14
大阪大学 153 9
神戸大学 135 8
明治大学 307 5
北海道大学 109 4

上記の表は、予備試験合格者の出身大学をランキング形式で並べたものです。

これから、東京大学や慶応大学などの大学出身の人が予備試験ルートで合格していることがわかります。

MARCHや関関同立卒者も多い

司法試験合格者の中では関関同立やMARCH出身者の方も非常に多いのも事実です。

また、広島大学や創価大学など、法学部があり、これまでも司法試験受験者が多かった大学出身者の合格者が特に多いです。

MARCHの法科大学院出身者が司法試験合格者中に占める割合も10%程度といわれています。中でも中央大学は、表にあるように法学部が突出して偏差値が高いため合格者数も多い傾向にあります。

関関同立の法科大学院出身者も全体の3~5%程度いると考えられています。

このように決して学歴は低くはないものの、一般に思われているほど超高学歴層ばかりというわけではありません。したがって学歴に関係なく勉強し、自らの力をつけることが求められる試験であることがわかります。

司法試験と出身大学の関係性については下記の記事も併せてご覧ください。

出身大学の学歴と司法試験合格率の関係

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次に出身大学と司法試験合格率の関係を見ていきましょう。

受験資格に学歴は関係ない

司法試験には司法試験予備試験合格若しくは、法科大学院卒業という受験資格が課されるのでそもそも出身大学は関係ありません。

すなわち出身大学に関わらず資格取得は可能です。

そのため司法試験試験の受験者は年齢や学歴などが実に多様であり、中には、超高齢の方や大学在学中の方も多く受験しています。

また実際には出身大学よりもどの法科大学院で学んだかということが司法試験の合格に関わってくると言われています。

大学の偏差値が高いと合格率も高い?

大学の偏差値と司法試験試験合格率との関係のデータは公式には存在しません。

しかし、司法試験の内容と大学受験の試験内容は関係ないため、司法試験を目指して0から法律の勉強をしなければならないのは皆同じです。

また、そもそも超高学歴層は一部にしかいないので、学歴による差はつきにくいと考えられます。

一般に司法試験を受験するのは早くても大学受験から4~5年後となるケースがほとんどであり、大学時代をどう過ごすかが鍵となります。

5年以上前の大学入試結果と司法試験の結果の相関関係は薄いため、いい大学に入ったからといって、大学在学中に怠けてしまうと司法試験に受かる確率は下がってしまいます。

以上のことから、学歴が高いからといって司法試験の合格率も高いとは言えません。司法試験には学歴フィルターが存在しないため、一般企業の就職と比べても各々の実力が反映されるフェアな競争と言えます。

高卒や大学在学中に合格する人もいる

司法試験対策で学ぶ内容は中学や高校で学ぶ内容と全くといって良いほど関係がないので、大学入試に向けて勉強していたかどうかについては試験結果にほぼ影響しません。

しっかりと勉強すれば学歴と関係なく合格が狙える試験であります。

「自分は高卒だから…」と気負いする必要は全くありません。

近年では司法試験予備試験が導入されたため、大学卒業していなくても司法試験を受験することができます。

そのため、予備校などで黙々と法律の勉強をして、大学卒業していない人でも司法試験に合格する人が一定数存在します。

司法試験は学生のあいだから目指せる

大学は勉強仲間がおり、図書館等の設備も充実しています。

そのため、勉強に集中しやすい環境なので比較的短期間での合格を狙いやすく、司法試験対策予備校等で対策をする人がほとんどです。

司法試験を目指すと決めたのであれば、オススメは大学にいるうちに勉強を始めることです。

ただ、法学部の学部試験レベルでは予備試験・司法試験に対応しきれないことがほとんどであるのが現状です。

一方で特に予備試験ルートでの司法試験合格はかなりの難関であることは間違いなく、大学在学中に集中して勉強したとしても落ちる可能性は十分あることは知っておくべきといえます。

大学卒業後も法科大学院や予備校で試験勉強を続ける必要がある場合もあるので、それなりの覚悟を持ってチャレンジすべきです。

出身大学と弁護士としての活躍の関係は?

疑問をもつ人

では、出身大学と弁護士になったあとのキャリアの関係を見ていきましょう。

実務で学歴は関係ない

司法試験の内容はそのまま実務で使える知識となるので、試験の成績が良い人は法律事務所や検察庁・裁判所への就職・転職や、仕事への取り掛かりがスムーズになる可能性はあります。

また、一般の企業は、同じ出身大学というつながりで就職・転職していくケースが存在しますが、弁護士の場合、それは限定的です。

そもそも試験の成績と学歴にあまり相関関係が見られない上に、ある程度仕事に慣れてしまえば一般の実務を行う上では学歴を気にして仕事をすることはほとんどなくなります。

弁護士は出身大学よりむしろその人の実力や経験がものを言う世界です。法廷で学歴が関係することもなければ、学歴によって優秀さが決まることは絶対にありません。

法律家は仕事に向き合う姿勢で決まる

司法試験合格後重要なのは弁護士の場合は依頼人から信頼を集め、法律上のトラブルを解消していくことであり、検察官の場合は真実を証明する証拠を集取しようとする熱意であり、裁判官の場合は真実に照らし公平な裁判を行うことです。

そのためには対人スキルや誠実さ、仕事への熱意などが重要になってきます。

つまり最終的には法律家としての優秀さはトラブルを解決する能力によって決まります。

そのため、出身大学で気負いすることなく、しっかりと仕事をこなせる法律家を目指すことが重要となります。

大手事務所への就職には学歴が関係する

もし、大手の弁護士事務所に就職したいとなった場合には、学歴が見られることは事実です。大手の四大法律事務所は確かに学歴を参考に、弁護士を採用しています。

また、出身大学だけでなく、その人が法学部出身であるかも関係してきます。もちろん法学部出身でなくても就職は可能ですが、なかには法学部に限定して採用を行なっている事務所もあるようです。

そのほか事務所によって求めている人材が異なるので、もう就職したい事務所が決まっている人はその事務所に求められる人材になるようキャリア計画することをおすすめします。

起業して、弁護士事務所を開業する。

就職しないという選択肢もあります。それが起業すなわち弁護士事務所を自分で開業することです。現在、弁護士個人事務所は全国に約14000もあります。

このように独立開業した弁護士の平均年収は約1400万と言われていて、これは企業に属する弁護士よりかなり高い年収です。

しかし、1400万の年収は平均であり、実際のところは年収300~3000万と差が開いているのも実情です。

では、次に弁護士事務所を開業することのメリットとデメリットについて見ていきましょう。

メリット

一つ目として、何と言っても「自由」であることが挙げられます。

企業で弁護士として働いていると、上司と意見が合わないことが多いです。そういった場合に、自分の力が存分に発揮できないこともあります。

さらに仕事を自分で選べるようになります。弁護士が受ける事件は多岐に渡ります。自分が得意なものや取り組みたいものに絞って仕事を請け負うことができるのは、企業で働いている人にはない大きなメリットであります。

加えて、その業務に取り組む時間も自分で裁量的に選択できることもメリットと言えます。

自分の弁護士としてのスキルに自信があり、自分で挑戦したいと考えるなら企業で務めるよりも独立という選択をとったほうがいいでしょう。

デメリット

まず、一番大きいのが責任の重さです。企業と違って一回のミスは命とりとなります。事務所としてはもちろん、弁護士としてのキャリアに傷がついてしまうと、仕事が来なくなってしまうことも稀ではありません。

もう一つとして、経営・管理業務の多さがあります。企業と比べて、一般管理業務から裁判まで全てをやるとなると仕事量はかなり多くなります。

最後は資金面です。余裕を持って開業しなければ、資金繰りに困ることが可能性としてあります。物件の保証金や事務所の内装費用、その他オフィス家具などの費用などまとまったお金が必要となるので、注意しましょう。

開業に向いているのはどんな人?

以上が弁護士事務所開業のメリット及びデメリットとなります。

これらを見てわかるように、まずは就職して資金とスキルを貯めることが重要となります。また、自分がどの道を選択することが自分に合っているか、今一度確認しましょう。

独立して成功すれば年収が上がるだけでなく、弁護士としての名誉をも得ることができるので、弁護士として働き出して、自分のスキルと資金に余裕ができてきたらぜひ、独立することをおすすめします。

弁護士になるには学歴が必要かについてのまとめ

弁護士になるには学歴が必要かについてまとめ

  • 司法試験に高偏差値は関係ない
  • 出身大学よりも、その人が勉強するかが大事
  • 弁護士としてのキャリアは学歴で決まらない
  • 弁護士事務所開業の道

今回は、弁護士になるには学歴が必要かについて紹介しました。

司法試験に学歴フィルターはありません。誰もが努力して勉強すれば一流の弁護士になることもできます。その点平等な試験と言えます。

本気で弁護士としてのキャリアを築きたいと思っている方はぜひ目指してみてはいかがでしょうか。

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