司法試験の平均合格年齢と年齢・男女別割合は?働きながらでも弁護士になれる?
「司法試験合格者の平均年齢はどれくらい?」
「若くない年齢でも弁護士として活躍できるの?」
このような疑問やお悩みをお持ちの方、いらっしゃいませんか?
司法試験は若い内から勉強して合格を目指すイメージがありますが、決して若い人だけが合格できるわけではありません。
若い人でも不合格を繰り返してしまう人は存在し、30代や40代から勉強を開始して合格する人もいます。
こちらの記事では、司法試験の受験者の年齢層や働きながら合格を目指す際のコツなどを解説していきます!
司法試験受験者の年齢層についてざっくり説明すると
- 平均年齢は20代後半
- 40代や50代でも合格している人はいる
- 勉強を始めるのに遅すぎることはない
- 合格したときのメリットは年齢問わず絶大
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司法試験に挑む年齢層は?
司法試験はの国家資格の中でも最高峰の難易度を誇ります。
司法試験に合格すると弁護士・裁判官・検察官として働くことができるため、各分野で法律のスペシャリストとして活躍できるでしょう。
法律に詳しくなることで、様々なキャリアの展望ができるようになり、将来が開けてくるのです。
2022年度の司法試験の合格者の平均年齢は28.3歳でした。
「難関資格の割には若い内から取得できるんだな」と感じる人もいると思います。
平均年齢が低い理由は、大学在学中から司法試験の合格を目指して勉強する人が多いためです。
このような人たちは早い段階から「将来は法律家として活躍したい」と考えているため、勉強に着手する年齢が低く平均受験年齢は20代後半になるのです。
しかし、中には30代から勉強を開始する人や、毎年50代〜60代での合格者も一定数います。
つまり、司法試験は年齢を問わず合格を狙える試験であり、決して受験開始が遅いということはないのです。
平均合格年齢
以下のグラフを見ると分かるとおり、近年の司法試験合格者の平均年齢は28~29歳です。
同じ法律系資格である司法書士試験の平均合格者年齢は37~38歳であり、一見司法試験は若い人が有利なように見えます。
司法試験の平均合格年齢が低いのは、司法試験の難易度の高さに備えて、大学在学中などから法律の勉強を開始する層がいるためです。
つまり、若い人が有利であるというわけではありません。
若い内から勉強していなくても、社会経験を積んでから合格を目指すことは可能です。
むしろ、社会経験を積んでいることで即戦力になることができ、30代や40代から法曹として十分に活躍できるのです。
ちなみに、2022年度では最年少が18歳、最高齢が68歳でした。
年齢に関係なくしっかりと勉強すれば合格できるということが分かります。
合格者の年齢層と男女比
合格者の年齢分布
近年は、国が法曹人口を増やそうとしている方針もあり、司法試験の難易度は以前よりも落ちています。
旧司法試験は合格率3%程度でしたが、近年の合格率は毎年約30~40%で推移しています。
一見、「意外と合格率高いな!」と思う人も多いと思いますが、実際には司法試験にそもそも厳しい受験資格が設けられているため、見かけよりも圧倒的に難しいです。
受験資格を得るまでも、大変な道のりです。
受験資格をクリアするためには、合格率約3~4%司法試験予備試験に合格するか、法科大学院を卒業するかのいずれかのコースを進む必要があります。
自分の都合に合わせながらルートを選べるため、司法試験試験の受験者の年齢層は幅広くなっているのです。
司法試験の受験者で最も多いのは20代前半ですが、30~40代の幅広い層かけても受験者数は集中しているため、社会人経験者でも合格を十分狙えるのです。
司法試験合格者の男女比
ここで、2022年度の司法試験合格者の男女比を見てみましょう。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
合格者数 | 1,014人 | 389人 |
合格者に占める割合 | 72.27% | 27.73% |
また、司法試験全体の男女別の受験者予定者数は男性2,293人、女性1,046人でした。(受験予定者なので、実際の受験者数とは異なる)
一般的に、士業は男性の割合が大きいのが特徴で、弁護士も例外ではないことがわかります。
一方で、他の士業の女性比率を見てみると、税理士の女性割合は15%未満・中小企業診断士の女性割合は10%未満であり、司法試験は士業の中では女性割合が大きいのです。
実際に、テレビや雑誌などでよく見かける女性弁護士も多いですよね。
また、合格率3%程だった旧司法試験の時代の女性受験者に比べて、近年は女性割合・受験者数ともに増加傾向にあります。
そのため、弁護士は女性でも活躍でき、女性ならではの強みも活かせる仕事であると言えるでしょう。
具体的には、きめ細かいサービスは女性の方が得意なことが多く、また女性の相談者であればやはり女性に対応してもらいたいと考えるものです。
このように、女性の強みを活かしていけば活躍できる場面は多いと言えます。
司法試験は高学歴しか合格できない?
「司法試験に合格する人ってどうせ高学歴とか元々頭がいい人しかいないんでしょ?」と思っている人も多いと思います。
しかし、実際には高卒の人も合格しているため、必ずしも高学歴の人だけではないのです。
まず、司法試験予備試験には受験資格が設けられていないため、学歴や年齢に関係なく誰でも受験することができます。
一方、法科大学院の受験資格は大学卒業が要件としてあるため、一定以上の学歴が要求される縛りがあります。
しかし、法科大学院には法学部出身者以外でも入学でき、法学の基礎から学べるコースもあります。
そのため、必ずしも法律に詳しい人でないと入れないわけではありません。
ただし、大学院の入試や司法試験の難易度は高いので、しっかりと腰を据えて勉強する必要があると言えるでしょう。
このように、必ずしも高学歴の人しか合格できないわけではないのです。
実際高学歴大学出身者が多い
司法試験の受験者数は、やはり大卒が圧倒的に多いです。
この理由は、受験資格の一つである学歴要件を満たしてから受験する人が非常に多いためです。
大学別に見てみると、東大、一橋大、京大、慶應義塾大などの超高学歴層が多い傾向にあります。
そのため、弁護士試験に臨む際にはこれらの地頭が良く、勉強することに慣れている賢い人たちと勝負する必要があります。
この強者たちよりも良い成績を取らないと合格できないため、並の努力ではなかなか勝てないでしょう。
とはいえ、このような厳しい競争の中でも、実際に高卒で弁護士になっている人もいます。
また、難関大学であっても講義を受けるだけで司法試験に合格できる学力は身に着けることは難しいため、高卒の人であっても努力を重ねていけば高学歴の人を超えることができるでしょう。
合格後の年齢ごとの働き方
20代で司法試験に合格した方
若い人の方が転職市場では有利であるため、多くの働き方が選べるでしょう。
また、若くして司法試験に合格することで、「頭が良くて優秀」という印象を持ってもらえるため、就職や転職活動でとても有利に作用するでしょう。
しかし、司法試験がいくら難関資格であるとはいえ、取得したてで実務経験を経ずにいきなり独立開業することはリスクが非常に大きいです。
弁護士の市場価値やネームバリューが高いのは間違いありませんが、弁護士に依頼する人は「これまでの実績」や「どの分野に強いのか」を重視します。
つまり、実務経験がないまま独立しても、依頼者がその人を評価するための材料がないため、仕事がなかなかもらえないケースが非常に多いのです。
そのため、まずは就職するという形をとり、しっかりと実務経験を積んでから将来的に独立を目指す方法を取るべきです。
なお、将来的に独立を見据えている人は、まず法律事務所などで修行を積むケースが多いです。
多くの法律事務所や弁護士事務所で求人が出ているため、調べてみると良いでしょう。
また、検事や裁判官として活躍することを目指す人も多く、弁護士以外にも様々な働き方があることが分かります。
30代・40代で司法試験に合格した方
20代の人よりも社会人年数が長く、社会経験の豊富さを生かし企業の法務部などで活躍すべく転職する人が多いです。
セオリー通りに、勤務弁護士として実務経験を積んでから独立するケースが一般的ですが、これまで培ってきた社会経験や人脈を生かして合格後すぐに独立の準備を進める人も多いです。
ただし、社会人経験があるとはいえ、合格後いきなり計画を立てずに開業してもうまくいきません。
やはり半年〜1年前後は独立のための準備として、貯金や開業に必要な知識・スキルを身に着ける期間を設けるべきです。
特に、30代になると家庭を持つ人も多いため、独立後の無収入期間が長引いてしまっても焦らずに済む程度の貯蓄は必須でしょう。
また、30代以上で検事に任官する司法試験合格者も毎年いるため、興味がある人は参考にしてみると良いでしょう。
このように、20代より勉強に集中できる環境ではないものの、30代以上の人でも働きながら勉強して合格を勝ち取る人もいるため、年齢に関係なくベストを尽くせば合格できるのです。
50代以上で司法試験に合格した方
50代以上となると、通常は転職市場で敬遠されがちで、転職はかなり厳しくなるのが実情です。
しかし、弁護士の資格を持っているとやはり評価は高まり、企業の法務部や弁護士事務所などで雇ってもらえる確率はかなり高くなるでしょう。
もちろん、弁護士の資格だけでなくこれまでの社会人経験も重要な要素です。
また、地元に密着した弁護士事務所の開設を目指して、50代以上で司法試験の勉強を開始する人もいます。
さすがに若い頃と比べると知識の定着は遅いかもしれませんが、しっかりと勉強すれば十分に合格は狙えます。
ただし、若い頃から弁護士をやっていた人と比べれば、給与的に不利な面があることは否定できません。
しかし、弁護士の資格がなければそもそも50代での転職は厳しく、新しい仕事を始めることは極めて困難でしょう。
つまり、弁護士の資格は年齢関係なく壮年期以降のキャリアを充実させることができる魅力的な資格なのです。
さらに、弁護士には定年がなく、健康であれば生涯にわたって働くことができます。
年金に関する暗いニュースが多い昨今においては、老後の資金面での心配も解消されるため非常に魅力的な資格であると言えるでしょう。
仕事をしながら司法試験を突破するには
仕事をしながらも司法試験合格を目指して勉強を続けるにはどうすれば良いのでしょうか。
効率的な対策と頑張りきる覚悟を
仕事をしながらも司法試験の勉強を続けて、最終的に合格を掴み取る方は毎年一定数いらっしゃいます。
そういった方々に共通するのが、「効率的な学習」と「頑張りきる覚悟」です。
仕事と司法試験の勉強を両立させている方は、仕事が終わった夜間や土日を利用して予備校に通い、効率よく知識のインプットを行ったり講師を利用して疑問点の解消をしています。
また、飲み会や旅行などといった遊びの予定も断り、昼休みや通勤時間なども利用して一心不乱に勉強に打ち込んでいます。
こういった合理的な対策と不屈の努力の積み重ねの先に、仕事をしながらの司法試験合格が存在するのです。
働きながら司法試験対策ならアガルートがおすすめ
働きながら司法試験・予備試験合格を目指す方は、アガルートなどサポートの充実した通信講座を受講することがおすすめです。
働きながら受験勉強をする場合、伊藤塾などの通学形式の予備校に通っても高い学習効果を得ることは難しいでしょう。
これに対し、アガルートでは講義を全てオンラインで受講できる上に、試験本番で頻出のポイントに的を絞った講座を開講しているので、隙間時間を活用しつつ効率的な学習が可能です。
また、アガルートは令和4年度の司法試験で全合格者の半数近くの45.3%を占める合格者を輩出しているという実績を持ちます。
講座の性質や実績を考慮すると、忙しい社会人の方には特におすすめの講座だと言えるでしょう。
司法試験受験者の年齢層などのまとめ
司法試験受験者の年齢層などのまとめ
- 合格者の平均年齢は20歳代後半だが、40歳代以降でも合格可能
- 受験者は大卒が多いが、高卒で弁護士として活躍している人もいる
- キャリアアップや独立にも生かせるため、どの年代で取得してもメリットが大きい
司法試験の合格を目指す際には、若いうちに勉強に着手した方が有利になることは間違いありません。
ただし、社会人経験者でも合格は十分に狙えるため、効率的な勉強を意識すれば30歳代より上でも全く問題ありません。
取得できた際のメリットは非常に大きいため、ぜひ司法試験の合格を目指してみてください!