司法試験の受験者数はどれくらい?受験者・合格者の推移や今後の展望を徹底考察!
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「司法試験の受験者数や合格者数って毎年どのくらいいるのだろう?」
「司法試験の人気が落ちてきているって聞いたけど実際のところどうなの?」
この記事を読んでいるあなたは、上記のような疑問をお持ちなのではないでしょうか?
司法試験とは、弁護士や裁判官、検察官になるための国家試験で、数ある資格の中でも最難関の試験だと言われています。
この記事では、司法試験の受験者数・合格者数の推移について、近年の傾向などについて解説していきます。
司法試験についてざっくり説明すると
- 2006年の新司法試験導入に伴い、受験者数が爆発的に増加
- 合格率は近年上昇傾向
- 2016年度以降は受験者数が減少傾向にある
司法試験の受験者数の推移
2006年から2022年までの司法試験の受験状況について表にまとめましたのでご覧ください。
年度 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
2006年 | 2,137人 | 2,091人 | 1,009人 | 48.2% |
2007年 | 5,401人 | 4,607人 | 1,851人 | 40.1% |
2008年 | 7,842人 | 6,261人 | 2,065人 | 33.0% |
2009年 | 9,734人 | 7,392人 | 2,043人 | 27.6% |
2010年 | 11,127人 | 8,163人 | 2,074人 | 25.4% |
2011年 | 11,891人 | 8,765人 | 2,063人 | 23.5% |
2012年 | 11,265人 | 8,387人 | 2,102人 | 25.0% |
2013年 | 10,315人 | 7,653人 | 2,049人 | 26.8% |
2014年 | 9,255人 | 8,015人 | 1,810人 | 22.6% |
2015年 | 9,072人 | 8,016人 | 1,850人 | 23.1% |
2016年 | 7,730人 | 6,899人 | 1,583人 | 22.9% |
2017年 | 6,716人 | 5,967人 | 1,543人 | 25.9% |
2018年 | 5,811人 | 5,238人 | 1,525人 | 29.1% |
2019年 | 4,930人 | 4,466人 | 1,502人 | 33.6% |
2020年 | 4,226人 | 3,703人 | 1,450人 | 39.2% |
2021年 | 3,754人 | 3,424人 | 1,421人 | 41.5% |
2022年 | 3,367人 | 3,082人 | 1,403人 | 45.5% |
2006年に新司法試験が導入されて以降、司法試験の受験者数及び合格者数が一気に増加しました。2016年以降の受験者数としては年々減少傾向にあります。
試験合格率は、直近10年あたりは20~30%前後と低い水準で推移していましたが、2021・2022年の2年間で合格率は40%を超える水準まで大きく上昇しています。
合格率が大幅にアップ
司法試験がまだ旧司法試験だった頃の試験合格率は3%前後、100人受けてたった3人しか合格できないような非常に難易度の高い資格試験でした。
2006年に新司法試験が導入されることになり、2006年から2011年までの制度移行期間を境に合格率が大幅に増加し、新司法試験に完全移行されてから近年までで40%前後まで増加しました。
司法試験の難易度変化については、下記の記事も併せてご覧ください。
合格者も大幅に増加
2006年の新司法試験制度が導入されたことにより、司法試験合格者が大幅に増加しました。
データを見てみると、試験導入年である2006年は1,009人ですが、翌年2007年には1,851人と約1.8倍もの合格者が出ました。さらに翌年2008年から2013年までは合格者が毎年2,000人を超えています。
ですが2014年以降は受験者数自体が減少傾向にあり、近年は合格者も1,500人前後で推移しており、2020年にはついに1,500人を割っている状況です。
司法試験受験者数の大幅減少の背景
一時期は1万人以上の受験者がいた司法試験ですが、近年では5,000人前後の受験者数に留まっており、ピーク時と比べて大幅に減少しています。業界では法曹の魅力がなくなってきているのではと危惧されています。
制度改革が推進されている証拠?
司法試験の受験者数の低下は、司法制度の改革が進んでいることも一因であると考えられます。
具体的には司法試験の受験資格となる法科大学院の入学定員規模の減少です。統廃合が進んで法科大学院の絶対数が減っており、定員も自ずと減少しています。
さらに修了認定についても厳格化が進んでいます。かつて法科大学院においては、修業年限で修了できる割合は8割ほどでしたが、今は6割ほどになっています。
これは修了生のレベルを高めるためにより厳しい教育が進んでいるためです。
法科大学院希望者は増えている?
法科大学院の入学希望者について表にまとめましたのでご覧ください。
年度 | 入学希望者数 | 入学者数 |
---|---|---|
2015年 | 10,370人 | 2,201人 |
2016年 | 8,278人 | 1,857人 |
2017年 | 8,160人 | 1,704人 |
2018年 | 8,058人 | 1,621人 |
2019年 | 9,117人 | 1,862人 |
2020年 | 8,161人 | 1,711人 |
2021年 | 8,341人 | 1,724人 |
2022年 | 10,633人 | 1,968人 |
統廃合により法科大学院の絶対数は減少しており入学希望者数も年々減少傾向にあり、2020年度は2018年度の低水準に戻ったといえるでしょう。
ただ、2022年度の入学希望者数は一転して、2015年度の水準に回復しており、今後の動向が注目されます。
司法試験の今後の動向に注目
司法試験についてまとめ
- 法科大学院の減少、修了認定の厳格化により受験者数が減少中
- 法科大学院の入学希望者は2020年度は大きく減少
- 法曹の人気が無くなったかどうかは一概に言えない
司法試験の受験者数・合格者数の推移及び今後の動向について解説してきました。
司法試験の受験者数減少は法曹人気が無くなったというわけではなく、受験資格を満たすための法科大学院数の減少・修了厳格化が一因になっているようです。
司法試験の受験を希望される方は参考にしてみてください。