【速報】2020年度(令和2年)司法試験合格発表|傾向・難易度まで徹底分析!

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令和2年度(2020年度)司法試験の受験者データ

項目 数値
出願者数 4,226人
受験予定者数 4,100人
受験者数 3,703人
短答式試験の合格に必要な成績を得た者の数 2,793人
合格者数 1,450人
合格点 780点以上
*1:論文式試験の各科目において、素点の25%以上(公法系科目・刑事系科目は50点、民事系科目は75点、選択科目は25点)以上の成績を得たもののうち、短答式試験の得点と論文式試験の得点の合計点が780点以上で合格となります。
合格率 39.2%
*2:合格者数/受験者数で算出しました。

2020年度の試験は試験日程の延期があり、本来の試験日の場合以上に学習期間を確保可能であった反面、例年にはないスケジュールやモチベーションの調整が難しい年となりました。

受験された皆様は本当にお疲れ様でした。

2020年度の試験では合格点・平均点は昨年よりも低くなり、合格者数減少したものの、合格率は過去最高の39.2%となりました。こうした数値を見ると2020年度の司法試験は前年よりも易化したことが窺えます

2020年度予備試験論文式試験ついてざっくり説明すると

  • 合格点は780点以上
  • 合格者数は1,450人
  • 合格率は39.2%(対受験者数)

また、資格Times公式Twitterでは今回の司法試験の動向について実際に受験された方を対象にアンケート調査も実施しています。こうしたアンケートの結果も踏まえて、この合格速報記事の情報も順次更新していきます。

アンケート調査にもご協力頂ければ幸いです。

短答式試験

以下のグラフでは新司法試験開始以来の司法試験短答式試験の合格点・平均点の推移を示しています。

2020年度の司法試験の短答式試験では、受験者3,703人(採点対象者3,664人)のうち、2,793人が合格を勝ち取りました

短答式試験の合格者数は令和元年度よりも494人少ない結果となったため、司法試験の論文式試験の受験者数・合格者数もともに減少する結果となりました。

短答式試験の合格点・平均点は上記のグラフのように、2015年の科目ごとの得点の配点を変更した際に大きな変化がありましたが、それ以降は合格基準点は110点前後で推移していました。

ただ、2020年度の合格基準点は93点と前年より15点低くなり、短答式試験自体も難化したと言えるでしょう

受験者数

以下のグラフでは、過去10年間の司法試験の受験者数を示しています。

司法試験の受験者数は新司法試験が始まった2011年から減少しています。

2020年度試験の受験者数は2011年度比5,062人減、2019年度比763人減の3,703人で、過去最も少ない受験者数となりました

合格者数

以下のグラフでは、過去10年間の司法試験の合格者数を示しています。

司法試験の合格者数は、近年では新司法試験の開始時に比べると減少しています。こののちの見出しで確認するように、司法試験の合格率自体は高まりつつあるものの、受験者数が減少していることによるものです。

2020年度の合格者数は1,450人と、新司法試験の開始以来最も少ない合格者数となりました。

合格点・平均点・最高点・最低点

以下のグラフでは過去10年間の司法試験の合格点、受験者の平均点、最高得点、最低点を示しています。

新司法試験の開始以来、司法試験の合格点は760点〜880点の間と幅がありました。2020年度の合格点は780点以上であり、前年比30点低くなりました

また、例年受験者平均点は合格基準点とほぼ同じ〜やや低い点となっていましたが、2020年度試験では平均点が合格基準点を上回り、807.56点となりました。

合格率

以下のグラフでは過去10年の司法試験の合格率を示しています。

※合格率は司法試験の合格者数/受験者数で算出しています。

司法試験の合格率は近年は高まる傾向にあり、2020年度は39.2%となり、過去最も高い合格率となりました

ちなみに、2020年度の司法試験の短答式試験の合格率は75.4%となっていました。

受験回数

以下のグラフでは過去10年間の司法試験に合格した方の合格時の受験回数を示しています。

※なお、司法試験の受験可能回数は2015年まで「法科大学院修了者、司法試験予備試験合格者を対象に受験資格を得てから5年を経過するまでの期間に3回以内と定められていました。

近年では司法試験の合格者のうち、1回目の受験で合格する人が約60%、2回目の受験で合格する人が約20%、3回目の受験で合格する人が約10%、4回目・5回目の受験で合格する人がそれぞれ5%前後となっていました。

2020年度の試験でも、1回目の司法試験受験で合格する人が66.2%、3回以内で合格する人が90.2%となっていました。司法試験はますます短期合格する人の割合が高まっていると言えるでしょう

資格Times公式Twitterでは今回の司法試験受験までにどのくらいの時間数勉強をしてきたか、アンケート調査も行なっています。アンケート回答後には調査結果を確認できる仕組みになっているので、ぜひアンケートにもご協力ください。

出身学部・未修・既習状況

以下のグラフでは過去10年間の司法試験合格者の出身学部(法学部か否か)と法科大学院での未修・既修状況を示しています。

※予備試験ルートの受験者も含め、受験願書に基づき分類しています。

司法試験合格者の出身学部、法科大学院での未修・既習の人数比については以上のグラフのようになっています。

新司法試験の開始当初は、未修者法学部や未修者非法学部の割合も全体の40%強を占めていましたが、近年では既修法学部出身者が全体の60%弱を占めるようになりました

しかし、実態としては出身学部や法科大学院の未修・既修を問わず、司法試験・予備試験対策のために予備校や通信講座を利用して合格を勝ち取る学生が多くなっています。

資格Times公式Twitterでは受験生がどのように司法試験の対策をしているのかアンケート調査も実施しています。ぜひ、アンケートにもご協力ください。

今後に向けて動き出そう

司法修習に向けて

2020年度の司法試験に合格された皆様、改めて本当におめでとうございます。

ただし、この後には法曹の道を歩むためには司法修習が控えています。74期の司法修習の開始日は令和3年3月31日となっているので、修習に向けて法律知識の補強や情報収集などを進めるようにしましょう。

なお、修習期を1期遅らせ、司法試験合格から1年3ヶ月後から始まる修習に参加するという選択をする方も一定数います。

2021年度の司法試験に向けて

2020年度の司法試験で惜しくも不合格となってしまった場合でも、予備試験受験生時代や、法科大学院時代の努力を無駄にしないためにも一度気持ちの整理をつけた上で、次回試験に向けて動き始めましょう

論文式試験で合格に必要な得点をするためには、これまで独学してきたのか、法学部・法科大学院で学んできたのか、予備校・通信講座を利用してきたのかを問わず、一旦この機会に学習方法や学習スタイルを見直すことも検討するべきでしょう。

従来、独学や法科大学院での学習のみで司法試験に合格することは難しく、伊藤塾などの予備校を利用するという方が多い傾向にありました。

しかし、近年ではアガルートや資格スクエアといった、通信講座を利用して司法試験を突破する方も増加しています

予備校で学ぶ場合よりも費用を抑えつつ、自分のスケジュールで質の高い学習ができるおすすめ通信講座に関する情報は以下の記事で詳細に解説しているので、合わせてご参照ください。

2020年度司法試験についてまとめ

2020年度予備試験論文式試験まとめ

  • 合格率は39.2%と前年比5.6ポイント増
  • 合格点は前年比30点減の780点以上
  • 司法修習や2021年度試験に向けて動き出そう

この記事では2020年度の司法試験に関する情報を近年の傾向も踏まえて分析してきました。

今回の試験の結果を踏まえ、受験された皆様が今後も努力を続けられ、輝かしいキャリアを築かれることをお祈りしております。

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