企業内弁護士の年収はどれくらい?職種・年齢・経験年数別の年収も併せて解説!
「企業内弁護士の年収ってどのくらい?」
「業種や年齢、経験年数によって年収はどのように変化する?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
企業内弁護士(インハウスローヤー)とは、特定の企業に雇い入れられ、企業法務をこなすことを専門にした弁護士のことを指します。
一般企業の社員なので、給与や福利厚生が安定しており、ワークライフバランスも良いというのが魅力です。
今回はそんな企業内弁護士の年収を、業種や年齢、経験年数など様々な観点から紹介していきます。
法律事務所に勤務する一般的な弁護士との年収差にも言及するので参考にしてください。
企業内弁護士の年収についてざっくり説明すると
- 平均年収は1100万円
- 年齢が上がるほど収入は伸びていく
- 経験が浅ければ、法律事務所からの転職で年収ダウンもあり得る
企業内弁護士の年収はどれくらい?
「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」によると、2018〜2020年度までの企業内弁護士の年収の状況(割合、人数)は以下の通りです。
なお、「増減」では2019年度と2020年度を比較しています。
選択肢 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 増減 |
---|---|---|---|---|
250万円未満 | 0人 | 0人(0%) | 0人(0%) | - |
250~500万円未満 | 21人 | 17人(5.0%) | 10(3.6%) | -1.4% |
500~750万円未満 | 106人 | 98人(29.0%) | 62(22.5%) | -6.5% |
750~1000万円未満 | 95人 | 102人(30.2%) | 78(28.3%) | -1.9% |
1000~1250万円未満 | 53人 | 44人(13.0%) | 63(22.8%) | 9.8% |
1250~1500万円未満 | 31人 | 33人(9.8%) | 21(7.6%) | -2.2% |
1500~2000万円未満 | 21人 | 20人(5.9%) | 22(8.0%) | 2.1% |
2000~3000万円未満 | 11人 | 13人(3.8%) | 11(4.0%) | 0.1% |
3000~5000万円未満 | 5人 | 5人(1.5%) | 6(2.2%) | 0.7% |
5000万円以上 | 5人 | 6人(1.8%) | 3(1.1%) | -0.7% |
上記より、企業内弁護士の年収の幅は250万〜5,000万円以上と、実に広いことがわかります。
直近の2020年度では750万〜1000万円未満の価格帯の割合が最も大きくなっていますが、年収1000万〜1250万円の企業内弁護士も多いです。また2019年度から2020年度にかけて増加しています。
ちなみに企業内弁護士の平均年収は1,100万円です。
2020年度の国税庁の調査では、日本で年間通じて働いた人の平均給与は467万円程度という結果が出ているので、インハウスローヤーはかなり稼げる仕事だと言えるでしょう。
一般的なレベルに比べると2.3倍も儲かります。
企業内弁護士の一日の勤務時間
続いては、企業内弁護士の1日あたりの平均勤務時間に関するデータを紹介します。
なお、以下は「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」を参考に作成したものです。
選択肢 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 増減 |
---|---|---|---|---|
8時間未満 | 41人 | 41人(12.1%) | 35人(12.7%) | 0.6% |
8時間~9時間 | 130人 | 125人(37.0%) | 105人(38.0%) | 1.1% |
9時間~10時間 | 121人 | 110人(32.5%) | 78人(28.3%) | -4.3% |
10時間~12時間 | 48人 | 56人(16.6%) | 52人(18.8%) | 2.3% |
12時間~14時間 | 8人 | 6人(1.8%) | 5人(1.8%) | 0.0% |
14時間以上 | 0人 | 0人(0.0%) | 1人(0.4%) | - |
上記の通り、1日の平均勤務時間が10時間未満であるという企業内弁護士は、全体の8割程度にも上ります。
一般的な弁護士の場合は、大手事務所だと月に100時間以上残業しなければならないこともザラにあるため、企業内弁護士は健全で恵まれた労働環境にあると言えるでしょう。
その上、年収も十分に高いわけですから、世間的に見れば良い仕事です。
企業の職種別で年収は大きく違う
企業内弁護士の年収は職種によっても異なります。
メーカー
メーカーで働く企業内弁護士の年収に関するデータ「[日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」からの引用は以下の通りです。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 3 | 2.6% |
500万円~750万円未満 | 30 | 26.3% |
750万円~1000万円未満 | 40 | 35.1% |
1000万円~1250万円未満 | 23 | 20.2% |
1250万円~1500万円未満 | 6 | 5.3% |
1500万円~2000万円未満 | 5 | 4.4% |
2000万円~3000万円未満 | 3 | 2.6% |
3000万円~5000万円未満 | 3 | 2.6% |
5000万円以上 | 1 | 0.9% |
上記の通り、メーカーに勤める企業内弁護士の年収は750万〜1000万円であることが最も多いです。
よって、先ほど紹介した全体的なデータを踏まえると、企業内弁護士の中では平均的な給与水準であると言えるでしょう。
金融
続いては金融業界で働く企業内弁護士の年収に関するデータを紹介します。
なお、以下の表は「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」からの引用です。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 1 | 2.1% |
500万円~750万円未満 | 8 | 17.0% |
750万円~1000万円未満 | 9 | 19.1% |
1000万円~1250万円未満 | 13 | 27.7% |
1250万円~1500万円未満 | 6 | 12.8% |
1500万円~2000万円未満 | 4 | 8.5% |
2000万円~3000万円未満 | 2 | 4.3% |
3000万円~5000万円未満 | 2 | 4.3% |
5000万円以上 | 2 | 4.3% |
上記より、金融業界に勤める企業内弁護士の年収は1000万〜1250万円未満であることが最も一般的だというのがわかります。
よって金融業界で働く企業内弁護士はメーカーのインハウスローヤーよりも景気が良いと言えるでしょう。
IT
最後にIT業界で働く企業内弁護士の年収に関するデータを紹介します。
なお、以下は同じく「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」からの引用です。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 1 | 2.9% |
500万円~750万円未満 | 7 | 20.0% |
750万円~1000万円未満 | 11 | 31.4% |
1000万円~1250万円未満 | 8 | 22.9% |
1250万円~1500万円未満 | 3 | 8.6% |
1500万円~2000万円未満 | 2 | 5.7% |
2000万円~3000万円未満 | 2 | 5.7% |
3000万円~5000万円未満 | 1 | 2.9% |
5000万円以上 | 0 | 0.0% |
上記の通り、IT企業で働く企業内弁護士の年収は、メーカーと同様、750万〜1000万円未満であることが最も多いです。
ただし、1000万円以上の割合を比較するとメーカーよりもIT企業の方が若干高年収であることがわかります。
よって以上3つの業種を年収の高さ順に並べるとしたら、金融、IT、メーカーという順番です。
外資系企業の年収も徹底解剖
続いては外資系企業に勤務するインハウスローヤーの年収事情を見ていきましょう。
外資系金融機関
外資系企業の中で最も年収の水準が高いのはやはり金融機関ですが、外資系金融にも色々な種類があります。
最もランクが高いのはゴールドマン・サックス証券やJPモルガン証券などの大手投資銀行(外銀)でしょう。
例えば、法務部門の部門長(General Counsel)として勤務したとすると、基本給だけでも4000~5000万円、それに加えてボーナスももらえます。
またワンランク下のDirector/SVPでも、基本給3000万円にボーナス数百万〜1000万円は堅いです。
そのまたもう一つ下の課長クラス(VP)であっても、基本給1800〜2500万円にボーナス数百万円程度はもらえるので、日本の金融機関に勤めるのとは世界が違います。
ただし、投資銀行の場合、リストラやクビのリスクも大きいので、50歳を過ぎても働き続けられるかどうかはわかりません。
なお、稀な例ではありますが、ヘッジファンドの立ち上げ等でポジションを得た場合は、年収3000〜4000万円程度でしょう。
外資IT
外資系でも金融の次に年収の水準が高いのがITです。外資系IT企業というと、有名どころではGAFAやマイクロソフト、HP、Salesforceなどがこれに該当します。
そうした企業にインハウスローヤーとして勤めた場合、Directorクラスだとボーナスも込みで年収3000万円程度といったところでしょう。
外資系金融機関に比べると、年収の水準は若干落ちますが、その分ワークライフバランスは金融業界よりも良好である場合が多いです。
外資系製薬会社
昨今、MSDやファイザー、メルク、アストラゼネカなどの欧米系の製薬会社の存在感が増してきており、日本にも大きな拠点が作られています。
よってインハウスローヤーのポストも一定数あります。
ただし、製薬会社の場合は外資系であるからといって大きく年収の水準が上がるわけではありません。場合によっては国内企業よりも低水準である可能性もあります。
具体的には法務部長で年収2500万円前後といったところですが、企業によっては2000万円を下回るということも珍しくありません。
社内弁護士のポジション別年収一覧
ここからは企業内弁護士の年収をポジションごとに紹介していきます。
一般従業員
まずは一般従業員として働く企業内弁護士の年収状況を、先ほどと同じく、「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」から表を引用して紹介します。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 9 | 6.2% |
500万円~750万円未満 | 55 | 37.9% |
750万円~1000万円未満 | 51 | 35.2% |
1000万円~1250万円未満 | 20 | 13.8% |
1250万円~1500万円未満 | 3 | 2.1% |
1500万円~2000万円未満 | 5 | 3.4% |
2000万円~3000万円未満 | 1 | 0.7% |
3000万円~5000万円未満 | 1 | 0.7% |
5000万円以上 | 0 | 0.0% |
一般従業員の場合は、年収500万〜750万円であることが最も一般的で、年収1000万円未満の人口が全体の4分の3程度を占めます。
以上より、役職のない一般社員として法務に携わった場合は、企業内弁護士と言えども圧倒的な高年収は期待できません。
しかし、普通のサラリーマンに比べると一般従業員でもかなりの高年収です。
管理職
続いては管理職として勤務するインハウスローヤーの年収状況をお伝えします。同じく「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」からの引用です。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 0 | 0.0% |
500万円~750万円未満 | 7 | 6.1% |
750万円~1000万円未満 | 27 | 23.7% |
1000万円~1250万円未満 | 41 | 36.0% |
1250万円~1500万円未満 | 18 | 15.8% |
1500万円~2000万円未満 | 15 | 13.2% |
2000万円~3000万円未満 | 5 | 4.4% |
3000万円~5000万円未満 | 1 | 0.9% |
5000万円以上 | 0 | 0.0% |
管理職の場合、年収1000万円以上の割合が全体の7割程度を占め、5%程度は2000万円を超えてきます。
よって一般従業員から管理職に上がると、懐事情も大きく変わってくると言えるでしょう。
役員・ジェネラルカウンセル
最後に役員・ジェネラルカウンセルである企業内弁護士の年収状況を紹介します。
なお、以下は同様に「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」から引用したものです。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 1 | 5.9% |
500万円~750万円未満 | 0 | 0.0% |
750万円~1000万円未満 | 0 | 0.0% |
1000万円~1250万円未満 | 2 | 11.8% |
1250万円~1500万円未満 | 0 | 0.0% |
1500万円~2000万円未満 | 2 | 11.8% |
2000万円~3000万円未満 | 5 | 29.4% |
3000万円~5000万円未満 | 4 | 23.5% |
5000万円以上 | 3 | 17.6% |
上記より、年収2000万〜3000万円未満の割合が最も大きいため、役員クラスの企業弁護士となるとかなり稼げると言って良いでしょう。
ただし、年収のばらつきが大きいこともまた事実です。中には年収500万円未満というケースもあります。
ちなみに同アンケート調査に回答した役員・ジェネラルカウンセルは17人だけです。
インハウスローヤーの年収【年代別編】
続いては各年代のインハウスローヤーの年収を見ていきましょう。
30歳未満の場合
まずは30歳未満の企業内弁護士の年収事情をお伝えします。
なお、以下は「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」からの引用です。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 5 | 35.7% |
500万円~750万円未満 | 6 | 42.9% |
750万円~1000万円未満 | 3 | 21.4% |
1000万円~1250万円未満 | 0 | 0.0% |
1250万円~1500万円未満 | 0 | 0.0% |
1500万円~2000万円未満 | 0 | 0.0% |
2000万円~3000万円未満 | 0 | 0.0% |
3000万円~5000万円未満 | 0 | 0.0% |
5000万円以上 | 0 | 0.0% |
30歳未満の場合は、年収500万〜750万円未満であることが最も多く、500万円以下のインハウスローヤーもそれなりにいます。
一方で1000万円以上は一人もいないので、20代のうちは圧倒的に稼ぐのは難しいと言えるでしょう。
ちなみに以下に記載する表も、全て「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」からの引用になります。
30歳~35歳未満の場合
続いては30〜35歳未満の企業内弁護士の年収です。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 4 | 5.1% |
500万円~750万円未満 | 38 | 48.1% |
750万円~1000万円未満 | 23 | 29.1% |
1000万円~1250万円未満 | 9 | 11.4% |
1250万円~1500万円未満 | 2 | 2.5% |
1500万円~2000万円未満 | 3 | 3.8% |
2000万円~3000万円未満 | 0 | 0.0% |
3000万円~5000万円未満 | 0 | 0.0% |
5000万円以上 | 0 | 0.0% |
30〜35歳未満でも500万〜750万円がボリュームゾーンとなっていますが、30歳未満の表と比べると全体的に年収が上がっており、1000万円以上も一定数存在します。
よって、30歳未満でも一般からすると十分高水準なわけですが、30歳を超えると年収がさらに上がり始めるというイメージです。
35歳~40歳未満の場合
35〜40歳未満になると、企業内弁護士の年収は以下のように変化します。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 1 | 1.1% |
500万円~750万円未満 | 15 | 16.9% |
750万円~1000万円未満 | 37 | 41.6% |
1000万円~1250万円未満 | 22 | 24.7% |
1250万円~1500万円未満 | 5 | 5.6% |
1500万円~2000万円未満 | 7 | 7.9% |
2000万円~3000万円未満 | 2 | 2.2% |
3000万円~5000万円未満 | 0 | 0.0% |
5000万円以上 | 0 | 0.0% |
上記の通り、ボリュームゾーンが750万〜1000万円未満へと移行し、年収1000万円以上の割合も大きくなってきています。
しかし、40歳未満ではまだ2000万円を超える者は現れず、30代の企業内弁護士の限界は2000万円までのようです。
40歳~45歳未満の場合
40〜45歳未満になると人数及び割合は以下のように変化します。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 0 | 0.0% |
500万円~750万円未満 | 3 | 6.5% |
750万円~1000万円未満 | 9 | 19.6% |
1000万円~1250万円未満 | 14 | 30.4% |
1250万円~1500万円未満 | 8 | 17.4% |
1500万円~2000万円未満 | 7 | 15.2% |
2000万円~3000万円未満 | 2 | 4.3% |
3000万円~5000万円未満 | 2 | 4.3% |
5000万円以上 | 1 | 2.2% |
上記の通り、1000万〜1200万円の割合が最も大きくなっており、全体の6割程度が年収1000万円を超えています。
また年収2000万円はおろか、年収5000万円以上というケースも出てきており、この年代になると紛れもない高所得者層と言って良いでしょう。
45歳以上の場合
最後に45歳以上の企業内弁護士の年収事情を見てみましょう。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 0 | 0.0% |
500万円~750万円未満 | 0 | 0.0% |
750万円~1000万円未満 | 6 | 12.5% |
1000万円~1250万円未満 | 18 | 37.5% |
1250万円~1500万円未満 | 6 | 12.5% |
1500万円~2000万円未満 | 5 | 10.4% |
2000万円~3000万円未満 | 7 | 14.6% |
3000万円~5000万円未満 | 4 | 8.3% |
5000万円以上 | 2 | 4.2% |
上記の通り、45歳以上になると年収750万円未満のインハウスローヤーはいなくなります。
また1000〜1250万円の層はさらに拡大しており、年収1500万円以上も3割程度と特に珍しくなくなってきています。
インハウスローヤーの年収【経験年数別編】
今度はインハウスローヤーの年収を経験年数という点から観察してみましょう。
5年未満の場合
経験年数が5年未満の企業内弁護士の年収事情は以下の通りです。
なお、以下の表は例の通り、「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」から引用する形で作成しています。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 7 | 10.6% |
500万円~750万円未満 | 36 | 54.5% |
750万円~1000万円未満 | 17 | 25.8% |
1000万円~1250万円未満 | 4 | 6.1% |
1250万円~1500万円未満 | 2 | 3.0% |
1500万円~2000万円未満 | 0 | 0.0% |
2000万円~3000万円未満 | 0 | 0.0% |
3000万円~5000万円未満 | 0 | 0.0% |
5000万円以上 | 0 | 0.0% |
上記を見ると、年収500万〜750万円の割合が最も大きいことがわかります。よって経験年数が5年に満たなければ、企業内弁護士としてはあまり稼げないと言えるでしょう。
また経験が浅くとも1000万円を突破することは可能ですが、1500万円を超えることは無理なようです。
5~10年の場合
続いては経験年数が5〜10年の企業内弁護士の年収事情を紹介します。
同様に、以下は「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」からの引用です。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 3 | 2.8% |
500万円~750万円未満 | 24 | 22.4% |
750万円~1000万円未満 | 41 | 38.3% |
1000万円~1250万円未満 | 28 | 26.2% |
1250万円~1500万円未満 | 2 | 1.9% |
1500万円~2000万円未満 | 8 | 7.5% |
2000万円~3000万円未満 | 1 | 0.9% |
3000万円~5000万円未満 | 0 | 0.0% |
5000万円以上 | 0 | 0.0% |
経験年数5〜10年の場合、750万〜1000万円の割合が4割程度を占めており、5年未満と比べると全体的に年収が底上げされていることがわかります。
しかし、企業内弁護士の平均年収が1100万円程度であることを踏まえると、本格的に稼げるようになるにはまだ時期尚早といったところでしょう。
15~20年の場合
今度は少し飛んで15〜20年の経験を積んだインハウスローヤーの年収事情を紹介します。
以下は「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」からの引用です。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 0 | 0.0% |
500万円~750万円未満 | 1 | 4.0% |
750万円~1000万円未満 | 3 | 12.0% |
1000万円~1250万円未満 | 3 | 12.0% |
1250万円~1500万円未満 | 4 | 16.0% |
1500万円~2000万円未満 | 6 | 24.0% |
2000万円~3000万円未満 | 4 | 16.0% |
3000万円~5000万円未満 | 3 | 12.0% |
5000万円以上 | 1 | 4.0% |
経験年数が15〜20年の企業内弁護士になると、年収1500万〜2000万円未満の割合が4分の1程度を占めます。
また大半が年収1000万円を超えているため、15年以上の経験を積めば、企業内弁護士の中でも稼げる部類に入るのが普通だと言えます。
20年以上の場合
最後に20年以上の経験を持つ企業内弁護士の年収事情をお伝えします。
以下は「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」から引用して作成した表です。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 0 | 0.0% |
500万円~750万円未満 | 0 | 0.0% |
750万円~1000万円未満 | 0 | 0.0% |
1000万円~1250万円未満 | 0 | 0.0% |
1250万円~1500万円未満 | 1 | 11.1% |
1500万円~2000万円未満 | 0 | 0.0% |
2000万円~3000万円未満 | 4 | 44.4% |
3000万円~5000万円未満 | 2 | 22.2% |
5000万円以上 | 2 | 22.2% |
対象者が9人しかいないため、かなり疎らな様子ですが、9人中8人以上の年収が2000万円を超えています。
彼らはおそらく社内で重要な役職を任されているのでしょう。
なお、ここまで経験年数ごとにいくつかのグラフを見てきましたが、総じて言えるのは、企業内弁護士はキャリアが長くなればなるほど年収が高くなる職業だということです。
企業内弁護士と法律事務所勤務弁護士の年収比較
ここからは企業内弁護士と法律事務所に勤務する弁護士の年収を比較していきます。
大手4大法律事務所
大手4大法律事務所の場合は、どこでも入社1年目から1100万円程度が期待でき、入社5年目ともなると2000万円に到達するケースもあります。
以下で紹介する中小規模の事務所よりは圧倒的に高水準で、また1年目から企業内弁護士の平均収入くらいの金額がもらえるので、企業内弁護士よりも上です。
ただし、大手4大法律事務所には、大学院や司法試験などで優秀な成績を残し続けたトップ層しか入ることができません。
数にして1800人程度で、弁護士全体の規模が4万人であることを考えると、入社するのは簡単ではないと言えるでしょう。
中規模法律事務所
中規模の法律事務所であれば、入社1年目が600万円程度、2年目以降は1000万円程度であることが多いです。
ただし、中規模の法律事務所は全国にあり、中規模の中でもいくつかの規模に分類することもできるので、地域や大きさによって年収は増減します。
なお、30歳未満及び経験年数5年未満の企業内弁護士の年収は、500万〜750万円であることが多いので、企業内弁護士と中規模法律事務所に勤務する弁護士は、収入面では似ていると言えるでしょう。
小規模事務所(町弁)の場合
「町弁」と呼ばれるような小規模の事務所に勤務する弁護士の年収は、昨今減少傾向にあります。
かつては2000万〜3000万円も目指せた町弁ですが、近年は弁護士人口が増加しているということもあり、たくさん稼ぐのは厳しいと言わざるを得ません。
都心はともかく、都内を離れると年収400万〜900万円程度にとどまることが多く、稀なケースですが年収300万円ということもあります。
よって町弁よりは企業内弁護士の方が景気が良いです。
独立・開業弁護士の場合
独立・開業した弁護士は経営状況によって収入が激しく増減するため、年収にはばらつきがありますが、平均すると約1400万円だと言われています。
なお、独立・開業のメリットは、雇われているインハウスローヤーや事務所勤務の弁護士とは違い、成果次第で青天井に年収を上げていくことができるということです。
ただし、営業による顧客の獲得なども含めて経営の全てを自らの責任で行うため、手腕によっては年収と労力が釣り合わないと感じられることもあるでしょう。
企業内弁護士と法律事務所を比較【給料・仕事編】
続いては企業内弁護士と法律事務所勤務の弁護士を、年収だけでなく就業時間や業務内容の側面からも比較していきます。
就業時間面
最初の方でも紹介しましたが、2018〜2020年度における企業内弁護士の1日の平均勤務時間は以下の通りです。
なお、この表は「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」を参考にして作成しています。
選択肢 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 増減 |
---|---|---|---|---|
8時間未満 | 41人 | 41人(12.1%) | 35人(12.7%) | 0.6% |
8時間~9時間 | 130人 | 125人(37.0%) | 105人(38.0%) | 1.1% |
9時間~10時間 | 121人 | 110人(32.5%) | 78人(28.3%) | 1.1% |
10時間~12時間 | 48人 | 56人(16.6%) | 52人(18.8%) | 2.3% |
12時間~14時間 | 8人 | 6人(1.8%) | 5人(1.8%) | 0.0% |
14時間以上 | 0人 | 0人(0.0%) | 1人(0.4%) | 0.0% |
上記の通り、8時間〜10時間未満の割合が全体の6割以上を占めており、8時間未満のケースも少なからずあることから、インハウスローヤーの労働環境はかなり「ホワイト」だと言えるでしょう。
また以下の表を見ると、インハウスローヤーは休日出勤も少ないことがわかります。
同様にこちらも「日本組織内弁護士協会|企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2020年2月実施)」を参考に作成しました。
「あなたは土日祝日(又は会社所定の休日)に勤務することがありますか」という質問に対する回答結果です。
選択肢 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 増減 |
---|---|---|---|---|
ほとんどない | 286人 | 283人(83.7%) | 229人(83.0%) | -0.8% |
月に1〜2日程度 | 51人 | 45人(13.3%) | 38人(13.8%) | 0.5% |
月に3〜5日程度 | 10人 | 10人(3.0%) | 9人(3.3%) | 0.3% |
土日祝日もほとんど出勤している | 2人 | 0人(0.0%) | 0人(0.0%) | 0.0% |
このように、8割以上の企業内弁護士が休日出勤は「ほとんどない」と回答しています。
月に1〜2回あれば、企業内弁護士にとっては「休日出勤が多い」ということになるため、やはりかなり良好な労働環境だと言えます。
それに対し、一般的な弁護士は1日の勤務時間が10〜12時間未満であることが最も多いとされているため、企業内弁護士よりも1日あたりの労働時間は長いです。
月の残業時間が100時間を超えるケースもあり、事務所によっては休日出勤が当たり前ということもあるようなので、企業内弁護士の方が労働環境には恵まれていると言えるでしょう。
年収面
法律事務所勤務から企業内弁護士に転職するケースも多いですが、企業内弁護士になって事務所にいた時よりも年収が下がったということはよくあります。
インハウスローヤーは企業の一社員なので、各企業の就業規則や給与規定にしたがって給与が支払われるからです。
弁護士の場合は年収1000万円以上というのもそれほど珍しくはないですが、一般的な企業ではそれはかなりの高水準だと言えます。
そのため、一社員であるインハウスローヤーの給料が事務所時代よりも萎んでしまうのはやむを得ません。
ただし、インハウスローヤーの給料は、他の社員よりも高く設定される場合が多いです。
また中小規模の事務所から転職する場合は、企業内弁護士になって年収が上昇するケースもあるでしょう。
業務効率には大きな違いが
インハウスローヤーは弁護士ではあるものの、法廷に立って弁護をするような機会は滅多になく、その業務のほとんどが企業法務です。
契約やコンプライアンスに関わる仕事をしたり、社内で法律相談に応じることなどがメインと仕事になります。
ある企業の一社員として、与えられた仕事を効率重視でこなしていくという感じなので、法律事務所の業務とは毛色が違うと言えるでしょう。
インハウスローヤーは特定の業界・企業に関する仕事を中心に行うため、幅広い業界・企業の案件に携わりたいという場合は、法律事務所勤務の方がおすすめです。
インハウスローヤーだと民事事件対応経験が積めない
インハウスローヤーの仕事は企業法務が中心であり、法廷に立って弁護をする機会は一般的な弁護士と比べると極端に少ないです。
世間でイメージされるような弁護士の仕事はほとんど行わないと言っても良いので、法曹としての経験を積むのには向いていません。
実際、「企業内弁護士になったことで弁護士らしさがなくなってしまった」という声も聞かれます。
ただし、インハウスローヤーになったからといって、法科大学院や司法修習などで身につけた知識やスキルが無駄になることはありません。
弁護士になるにあたって身につけたそうした知識やスキルは、インハウスローヤーの企業法務でも十二分に活用することができます。
企業内弁護士が年収をあげるために必要なこと
企業内弁護士の場合、最初に企業から提示された金額から、年収を大きくアップさせるのは難しいと言えます。
しかし、以下のようなことを実践すれば、ある程度までは年収を高めることが可能です。
専門性を高めることが必須
年収を上げたいなら、専門性や経験を武器にして、より高い金額を提示してくれる企業に転職するのが良いでしょう。
例えば、金融機関に勤務していた企業内弁護士が、金融法務の専門性を買われて年収の高いIT企業に転職するというようなケースもあります。
なお、転職の際にはこのように同じ専門分野を活かせる企業・職場を選ぶのがおすすめです。その方が前職の経歴が活きてくるため、年収がアップしやすくなります。
法律事務所から企業内弁護士への転職
先ほどは法律事務所から企業内弁護士に転職すると、年収が下がる場合があると述べましたが、その逆もまた然りです。
特に弁護士としての経験が長い場合は、法律事務所からの転職で年収がアップする可能性も大いにあります。
なぜなら弁護士としても経験が豊富であれば、企業の役員や管理職に転職できることもあるからです。
役員や管理職となった企業内弁護士の年収が高いことは先ほど見た通りです。
高収入を獲得するためには
企業内弁護士は年収750万〜1000万円未満の層が最も多いですが、平均年収は1100万円であるため、努力次第では十分に年収アップが可能です。
実際、企業内弁護士として2000万円以上稼ぐ敏腕も一定数存在します。
以下では企業内弁護士がさらなる年収アップを目指すための秘訣をいくつか紹介します。
出世レースに勝つ
大手企業の場合は、自社に複数人の企業内弁護士を抱えているというケースも珍しくありません。
つまり他の企業内弁護士との出世争いに勝てなければ、役人にはなれないということになります。
よって何がなんでもその出世レースに勝ち抜くという強い意志が必要です。
大企業を選んでおくのが無難
企業内弁護士として年収2000万円以上を目指すのであれば、大企業に入るのが無難です。
資金力のある大手に勤務し、役員にまで上り詰めることができれば、かなりの高収入が見込めます。
財力のない中小企業であれば、どれだけ貢献したとしても天井はある程度決まっているため、高収入にこだわるなら大企業を選びましょう。
役員やゼネラルクラスを目指す
上記で紹介したデータでも、役員・ジェネラルカウンセルの企業内弁護士の多くは、年収2000万〜3000万円を稼いでいました。
そのために役員を目指して、他の企業に転職するというのも良いでしょう。
ちなみに役員として入社するには、会社が求める知識や専門性を有している必要があります。
専門性を磨いた上で転職し、その実力を遺憾無く発揮すれば、年収はみるみる上昇していくでしょう。
年収の高い重役を狙う
企業内弁護士を数人しか雇っていない企業でも、重要なポストについては高い給料を支払うというところもあり、大企業よりも待遇が良いというケースも珍しくありません。
ただし、他に企業内弁護士がいない時などは業務が集中してかなり忙しくなることも想定されるので、面接や説明会などでよく情報収集をしておくのが良いでしょう。
なお、重役の場合は個別的に年収が提示され、交渉を経た上でいくらもらえるかが決まります。
社内弁護士に必須のスキル
企業内弁護士に求められるスキルは以下の3つです。
コミュニケーション能力は必須
法律事務所での勤務なら周囲に法律家が多い環境ですが、インハウスローヤーの場合は、法律相談をはじめ、法律に詳しくない人と交流する機会が数多くあります。
コンプライアンスに対する意識も高まってきている昨今ですから、法律に明るくない同僚などに正しい知識をきちんと伝えるということは、企業内弁護士の非常に大きな役割です。
よって企業内弁護士として働くならば、その役割をしっかり全うできるだけのコミュニケーション能力を有していなければなりません。
その会社特有の業務知見
インハウスローヤーは企業の一社員であるため、自らの会社やそれが属する業界にある程度精通していなければなりません。
例えば、研究や開発を行う化学系の企業なら、高い専門性がなければ、契約を正しく審査することなどはできないでしょう。
知識を日々アップデートして、最新の動向についていく必要もあるので、インハウスローヤーには常に学び続けようとする姿勢が必要です。
海外とかかわる場合は語学力が絶対条件
海外に進出する企業や外国との取引がある企業でインハウスローヤーを務める場合は、現地人と問題なくコミュニケーションが取れるだけの語学力が必要です。
英語資料を読解したり、契約書を翻訳する業務もあるので、語学力はかなり研鑽しておかなければなりません。
なお、先述した通り、外資系企業のインハウスローヤーとなれば、年収は目に見えて上がるため、特に英語力は高めておいて損はないでしょう。
インハウスローヤーの基本情報
最後に企業内弁護士についておさらいしておきましょう。
企業内弁護士とは、会社員として雇われた弁護士のことで、法律の専門家として企業法務を引き受けます。
企業内弁護士は年々増加
こちらは日本組織内弁護士協会(JILA)の「企業内弁護士数の推移」統計資料からの抜粋データです。
上記を見ると、企業内弁護士の数はここ10年程度で鰻上りに増えていることがわかります。人数はおよそ8倍程度になっており、今後はさらに多くなる可能性もあるでしょう。
こちらは日本組織内弁護士協会(JILA)の「企業内弁護士を多く抱える企業上位20社の推移」統計資料からの抜粋データです。
企業内弁護士の数が増えているのですからある意味当然ですが、自社で弁護士を雇用する企業の数もどんどん増えています。
これら増加の要因は様々考えられますが、第一はコンプライアンス意識の高まりでしょう。
企業内弁護士をたくさん抱える企業はどこ?
以下は日本弁護士連合会の公式サイトにおける「企業内弁護士とは」からの引用であり、企業内弁護士を積極雇用している企業とその人数が記されています。
順位 | 企業名 | 人数 |
---|---|---|
1 | ヤフー | 27 |
2 | 野村證券 | 23 |
3 | 三菱商事 | 22 |
4 | 三井住友銀行 | 21 |
5 | 三井物産 | 17 |
6 | 双日 | 16 |
6 | 三菱UFJ銀行 | 16 |
6 | LINE | 16 |
9 | アマゾンジャパン | 15 |
9 | 丸紅 | 15 |
9 | 三井住友信託銀行 | 15 |
9 | 三菱UFJ信託銀行 | 15 |
上記の通り、サービス業や証券、金融、商社など、様々な業種の企業が企業内弁護士を雇用しています。
インハウスローヤー増加の背景
インハウスローヤーの増加には、以下の2点の事柄が大きく関係しています。
法務リスクの拡大
2000年代に行われた政府による規制緩和によって、大企業の不祥事が発覚し、その企業の信用が失墜するというケースが増加しました。
それによって、経済界はコンプライアンスに敏感になり、各企業は法令遵守の徹底に追われています。
またグローバル化によって国際的なM&Aや海外企業との取引が増え、経済情勢の悪化などを原因として労使トラブルも増加中です。
このように様々な観点で法務リスクが高まっていると言えることから、それぞれに適切な対処ができる企業内弁護士が求められています。
弁護士人口の増加
司法改革によって弁護士数が増加したため、法律事務所の雇用が飽和状態になりつつあるという背景もあります。
従来のような弁護士のスタイルでは食べていけないと悟った人々が、企業内弁護士という新たな働き口を開拓していったといわけです。
社内弁護士になるルートは主に2つ
企業内弁護士になるルートは主に2種類で、一つは司法修習を修了したらそのまま企業内弁護士になるというパターンです。
このパターンが企業内弁護士への最短ルートですが、初めから企業内弁護士になると法律事務所に転職するのは難しくなるので注意しましょう。
また企業内弁護士には「弁護士らしい」仕事が少ないので、弁護士資格を取得した意義が感じられないという声もあるので、慎重に検討すべきです。
なお、もう一つは渉外法律事務所や外資系の法律事務所から転職するパターンになります。
事務所の共同経営者であるパートナーになることを諦めた人や、ワークライフバランスを良くしたいと考えた人などが、企業内弁護士に転身するケースが多いです。
企業内弁護士の年収まとめ
企業内弁護士の年収まとめ
- 750万〜1000万円未満の割合が最も大きい
- 最も儲かる業種は金融
- 管理職や役員になれれば、事務所よりも高年収が見込める
以上、企業内弁護士の年収について解説してきました。
企業内弁護士の年収は750万〜1000万円未満であることが最も多いものの、平均年収は1100万円であり、年齢や経験年数などによっては2000万円以上の高年収も期待できます。
また大手・中堅の法律事務所であれば、企業内弁護士に転職して年収が下がる場合もありますが、管理職や役員になれればさらに年収を上げることも可能です。
なお、一般的な弁護士は比較的激務ですが、会社員である企業内弁護士の労働時間は1日8時間程度で、休日出勤もほぼないため、労働環境にはかなり恵まれています。
以上を参考に、弁護士を目指す方や現職の方は、一度企業内弁護士という選択肢も考えてみてください。