弁護士秘書の仕事内容は?弁護士秘書のなり方や年収・求人・転職の方法まで徹底解説!
「弁護士秘書の仕事内容について知りたい!」
「弁護士秘書の求人は多いの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
弁護士の秘書として様々な法律事務の補助を行う弁護士秘書ですが、具体的にどのような仕事を行うのか気になる方も多いでしょう。
また、どのような求人が出ているのか、どのような事務所で採用情報があるのか知りたい方も多いはずです。
こちらの記事では、弁護士秘書の仕事内容や具体的な求人情報などについて、詳しく解説していきます!
弁護士秘書についてざっくり説明すると
- 弁護士を事務の面でサポートするのが主な仕事
- 特別な資格は不要
- 事務作業やサポート業務が好きな方が向いている
弁護士の秘書の仕事内容は?
弁護士秘書の業務内容
まずは、弁護士秘書の仕事内容について解説していきます。
- 郵便物・FAXの整理・管理
- 担当する弁護士のスケジュール管理・日程調整
- 出張や旅券などの手配
- メール・電話などの連絡対応
- 訪問者の対応
- 裁判所に提出する書類や資料の作成
- 書類、資料のファイリング
このように、法律事務の補助をはじめとして幅広いことを行う、いわば法律事務所の何でも屋と言えるでしょう。
裏方ではありますが、円滑な事務所運営のためには欠かせない存在です。
一般企業の秘書との違いは?
それでは、弁護士秘書と一般企業の秘書はどのような違いがあるのでしょうか?
一般企業の秘書は連絡対応やスケジュール管理がメインであるのに対して、弁護士秘書はさらに幅広い業務を行っています。
具体的には、法律事務所の受付・総務・経理・雑用など法的に関わらないような業務全般を行いながらも、弁護士法に抵触しない範囲で弁護士の仕事をサポートしています。
弁護士の秘書の仕事は激務?
弁護士は一般的に忙しいイメージがあるため、弁護士秘書は激務なのではないかと心配している方も多いのではないでしょうか。
しかし、基本的に弁護士秘書はそこまで激務ではなく、定時に帰宅することができると言われています。
さらに、女性の秘書も多いので子育てなどに理解があり、しっかりと家庭のための時間を割く事ができると評判です。
つまり、小さい子どもを抱えている女性でも安心して働くことができる環境が整っていることが多いのです。
勤務時間や休日の生活
弁護士の秘書の勤務時間や休日については、法律事務所ごとの雇用条件などによって差があるので一概には言えません。
ただし、事務所にもよりますが一般的には平日の9時から17時でまでの勤務であることが多く、忙しい時期に関しては残業が発生することはあり得ます。
また、週休2日を導入している事務所が多いため、ワークライフバランスは実現しやすいと言えるでしょう。
弁護士秘書一日のタイムスケジュール
次に、具体的に弁護士の秘書の仕事の一日のスケジュールについて具体例を挙げつつ紹介していきます。
時刻 | 仕事内容 |
---|---|
9:00 | 出勤して担当の弁護士との打ち合わせを行う |
9:30 | 会議資料業務や電話業務 |
10:30 | 事務所への来客者への対応や案内 |
11:00 | 弁護士から頼まれた資料をファイリングするなどのサポート業務 |
12:00 | 昼休憩 |
13:00 | 遠方移動する際の移動手段の確保(新幹線や航空券の手配など) |
15:00 | クライアントとの日程調整 |
17:00 | 担当弁護士と打ち合わせたり、予定の確認や業務報告 |
18:00 | 仕事が終わり次第帰宅 |
以上のスケジュールはあくまでも一例ですが、おおまかにこのような流れで仕事を行っています。
弁護士の秘書に資格は必要なの?
資格は不必要
弁護士秘書になるために必要な資格は特になく、採用されれば誰でも働くことができます。
弁護士事務所と比べると高度な法律知識が求められるイメージがありますが、実際には法的な業務を行うというよりは一般企業の事務のように幅広い業務を行っています。
つまり、弁護士がスムーズに働けるように裏方作業を通してサポートを行うことが重要な仕事なので、秘書としての仕事をイメージしておくと良いでしょう。
学歴は必要な場合もある
特別な資格が求められない弁護士秘書ですが、基本的に学歴も特に求められない事務所が多いです。
高卒でも弁護士秘書になれる法律事務所も多数存在するため、実際に求人情報を見てみることをおすすめします。
とはいえ、実際には学歴が求められる事務所もあるため、注意が必要です。
5大大手事務所だと学歴は必要
アンダーソン・毛利・友常法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、TMI総合法律事務所、森・濱田松本法律事務所の4大法律事務所や「西村あさひ法律事務所」などの有名な事務所は、弁護士秘書の応募条件に大卒とあります。
採用されている人の学歴は名門も多いため、自分の学歴に自信がある方はこれらの大手事務所の採用選考を受けてみると良いでしょう。
弁護士の秘書になる方法は?
弁護士秘書に求められる能力
それでは、弁護士秘書に求められる能力やスキルについて、弁護士の仕事内容を踏まえながら紹介していきます。
まず、一般的な秘書には特別な資格が求められないように、弁護士秘書にも的な専門知識は一切不要です。(もちろん、秘書検定に合格していることで有利に作用することはあります)
また、秘書という仕事柄上、細やかに気遣いをできることや基本的なビジネスマナーを身に着けていることが重要視されます。
正確で素早い事務処理能力やコミュニケーション能力などが求められるため、何事もテキパキとこなせることが重要となります。
法律知識を学べる専門学校に通う
前述したように、特別な法律知識は身に着けていなくても問題ありませんが、弁護士の仕事についてはある程度理解しておくと良いでしょう。
弁護士がどのような仕事を行ているのかを知っておくことで、どのようなサポートをするべきかを把握することができます。
そこで、法律関連の基礎知識を学べる専門学校に通うと弁護士の仕事を理解できるため、採用面接で有利に働く可能性が高くおすすめです。
高卒でも弁護士秘書を目指せる
秘書として求められる能力やスキルに自信があれば高卒でも弁護士秘書なることができるため、学歴はあまり関係ないと言えるでしょう。
秘書として働く以上、法律の知識よりも基本的なビジネスマナーや気遣いなどを身に着けておく方が高い評価を受けやすいです。
つまり、秘書経験がなくても事務経験や社会人経験を積んでいれば、弁護士秘書として働くことは可能です。
なお、大手4大法律事務所や西村あさひ法律事務所はビジネスマナーについてかなり厳しいです。
このような大手の4大法律事務所や西村あさひ法律事務所で働きたいと考えている方は、高いレベルのビジネスマナーを身に着けておく必要があります。
秘書検定を取得しておくと良い
秘書に関する資格で有名なのが秘書検定です。
弁護士秘書の業務内容は広く幅広い分野の仕事を行うため、秘書としての高いスキルを備えている証明ができる秘書検定を持っていると選考で有利になるでしょう。
秘書検定は就活を視野に入れた学生などにも人気の資格で、実務経験が無い方は二級を目指すケースが多いです。
なお、実際の大手企業で秘書を務めている方のほとんどは1級保持者であるため、より高いレベルで働きたいと考えている方は1級を目指すべきです。
秘書検定を持つことでビジネスマナーを理解し身に着けている人材と認知されるメリットがあり、その他にもMOSやTOEICなども取得しておくと自分の市場価値を高めることができます。
秘書検定の難易度
秘書検定の試験はそこまで難しくなく、合格率は50~60%くらいで難易度は中程度と言えます。
なお、2019年度の二級の合格率は約77%と、4人に3人は合格できています。
当然、1級になると難易度は上がり合格率は30~40%程度になります。
秘書検定はどの級でも受験資格は特に設けられていないため、誰でも気軽に受験できる点が大きな魅力と言えるでしょう。
語学力もあると尚良い
4大法律事務所などの大手法律事務所の場合、海外から依頼を受けることも多々あります。
そのため、秘書として海外クライアントの連絡も任される場面がある可能性が十分に有り得るので、英語などの語学力を身に着けておくと大きな武器になります。
つまり、多くの案件を抱えている大手法律事務所で働きたい場合は語学力を身に着けておくと周囲と差別化することができ、魅力的なアピールが可能となります。
弁護士秘書のやりがいは?
弁護士秘書は助手のような形で仕事を進めていきます。
そこで、こちらのトピックでは弁護士秘書のやりがいについて解説していきます。
仕事のやりがいや楽しさ
弁護士のサポートや助手として何でも屋のように幅広い業務をこなす弁護士秘書ですが、実際にはどのようなやりがいがあるのでしょうか?
弁護士秘書は弁護士が仕事をしやすいようにサポートするため、裏方作業や縁の下の力持ちとしての業務が好きな方はおすすめです。
担当弁護士に喜んでもらえたり、担当弁護士の仕事がうまくいくと「自分が少しでも貢献できた」という実感を得ることができ、秘書としてのやりがいや楽しさに繋がるでしょう。
また、自然と法律事務や用語に詳しくなることに仕事の楽しさを感じる方も多いようです。
仕事の辛いこと、大変なこと
法律事務所では働いていると、残念ながらクライアントや個性的な弁護士から理不尽な扱いを受けることも多々あります。
また、弁護士が忙しい時期は秘書とコミュニケーショが取れないくらい仕事に集中しており、なかなか話しかけづらい場面も多くあります。
弁護士秘書は、そのような状況下でもしっかりと丁寧に仕事をこなす精神力やタフさが求められます。
もしミスをしてしまうと、当然叱責を受けたりやりがいを失ってしまう恐れがある点が、弁護士秘書のつらい面と言えるでしょう。
また、中小零細の事務所だと福利厚生がしっかり整備されておらず、職場環境が良くない可能性がある点にも留意しておきましょう。
弁護士の秘書を目指すきっかけは?
それでは、弁護士秘書として勤務している方は、どのような経緯で弁護士の秘書を目指すことになったのでしょうか?
弁護士は超難関資格として知られているので、自ら弁護士になるのは相当難しいです。
しかし、前述したように秘書であれば特別な資格は不要で比較就職しやすいので、ある程度法律の勉強をした経験のある方がその経験を浮かすために弁護士秘書を目指すことが多いようです。
つまり、法律的なトラブルで困っている人を助けたい気持ちはあるものの「自分自身が弁護士を目指すのは難しい」という方が目指すことが多い傾向にあります。
弁護士秘書の需要や求人はどこで見つける?
弁護士事務所の就職状況
国内に弁護士事務所は多く存在しますが、そのほとんどが小規模の弁護士事務所です。
このような事務所は基本的に10人程度の人数で業務を回しており、毎年新卒採用するわけではなく欠員が出たら求人を出して随時補充するシステムが多いです。
そのため、弁護士秘書としての就職や転職を考えている方は、こまめに求人情報をチェックするのがおすすめです。
大手の事務所であれば新卒採用も積極的にやっていますが、当然このような大手になると採用倍率も高い上に実務経験や学歴も評価対象となります。
つまり、ライバルも増えてしまうので採用されづらいデメリットがあるのです。
弁護士の秘書が転職をするには
弁護士秘書として転職するためには、直談判・知り合いの紹介・求人サイトからの応募・転職エージェントを介しての応募の4つのアプローチが考えられます。
直談判で応募する場合、弁護士事務所に空きが出たことを知ったら、すぐに直接連絡をすることで熱意を伝えることができるでしょう。
もともと知り合いで紹介で転職を目指す場合は、人柄を事前に知ってもらえる上に事務所も求人サイトに掲載する手間と費用を省けるので積極的に採用してくれる可能性が非常に高いです。
求人サイトから応募する場合は、多くの求人の中から詳細な条件を知ることができ、自分で自分に合った事務所を探せるメリットがあります。
転職エージェントを利用する場合はコストがかかってしまう難点がありますが、プロが自分のキャリアの棚卸を手伝ってくれる上に面接や履歴書の添削なども行ってもらえるメリットがあります。
これらの方法から、自分にとってベストな方法で求人を探すと良いでしょう。
弁護士の秘書の活躍の場と需要は?
弁護士秘書の需要は高く、秘書としての能力が高ければ高いほど需要は高いです。
法律サービス業は競争が激化している傾向にあるため、秘書としてのスキルが高ければ重宝してもらえるでしょう。
弁護士秘書のスキルアップや将来性
弁護士秘書として働き始めてある程度経験を積むと、ステップアップ・キャリアアップを目指す方が増えてきます。
そこで、事務の仕事に関連しているMOSなどのパソコンスキル系資格やTOIECなどに語学のスキル、また秘書としての能力を証明できる秘書検定の資格取得を目指すと良いでしょう。
なお、具体的には以下のような資格を持っていると、様々な場面の実務に役立つため非常におすすめです。
- 秘書技能検定
- 秘書能力検定
- TOEIC
- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
パラリーガルより弁護士秘書のほうが需要が高い
パラリーガルとは、法律事務所に勤務しながら法律業務を代行・補佐していく人で、将来的に自分が弁護士になることを目指しています。
法律事務所にもよるものの、弁護士が自分で法律業務を行えるレベルの業務量であれば、需要はパラリーガルよりも弁護士秘書の方が高いです。
経営サイドからしても、パラリーガルよりも弁護士秘書の方が人件費コストが安く抑えられるメリットがあるためです。
弁護士秘書の年収について
こちらのトピックでは、弁護士秘書の年収や給料について紹介していきます。
一般的な秘書と同水準
事務所によって差はありますが、弁護士秘書の平均年収は360~450程度・月の給料は初任給20万前後で一般企業とほとど同じ水準となっています。
ただし、大手の法律事務所などに所属している場合はこの平均的な水準よりもさらに高い給料が見込まれます。
大手事務所であれば福利厚生がしっかりと整備されていますが、中小零細企業では残念ながら福利厚生が不十分な可能性がある点には要注意です。
とはいえ、残業はほとんど無いため、子育てをしながら働きたいと考えているママさんには人気の仕事です。
パラリーガルの方が年収は高い?
一般的に、弁護士秘書よりも専門性の高い業務をこなすことのできるパラリーガルの方が、年収は高いと言われています。
とはいえ、弁護士秘書に限らず士業など専門性が高い仕事であれば、スキルが高まるにつれて連れて年収は高くなるのは当然のことです。
とはいえ、一般的に弁護士秘書の時給もかなり高い傾向にあるので、金銭的なストレスはそこまで無いでしょう。
弁護士の秘書に向いている人・向いていない人
弁護士の秘書に向いていない人
弁護士秘書に向いていないのは、以下のような方々です。
- 事務作業に自信のない人
- 雰囲気が悪いのが苦手な人
- 人のサポートが苦手な人
多くの法律事務所は小規模なので、事務作業などのOJTを行う人的余裕がありません。
そのため、事務作業に自信が無い方には厳しいと言わざるを得ません。
また、弁護士秘書は常にサポートに回る裏方仕事であり、人や時期によっては職場の雰囲気が悪くなってしまうこともしばしばあるため、雰囲気が悪い中で働くのは嫌だという方にも向きません。
弁護士の秘書に向いている人
一方で、弁護士秘書に向いているのは以下のような方々です。
- 正確で迅速に事務作業ををこなすことができる人
- 困った人を助けることが好きな人
- 臨機応変な対応できる人
- 精神力のある人・タフな人
- 学歴や経験がないけどがんばりたい人
弁護士秘書は事務作業が中心なので、事務作業が得意で正確な作業ができる方にはピッタリです。
また、困っている方を助けるのが好きで精神的なタフさに自信がある方であれば、弁護士秘書は天職と言えるでしょう。
弁護士秘書のまとめ
弁護士秘書のまとめ
- ワークライフバランスが実現しやすく、子育て中の方にも人気
- 裏方作業や事務作業のスキルが高い方にとっては天職
- MOSや秘書検定などを取得すると、自分の価値を高めることができる
弁護士秘書と聞くと難しそうなイメージがありますが、実際は法律事務所の秘書として働くイメージです。
一般的な秘書よりもやや業務範囲は広がりますが、サポート業務や事務作業が得意な方にとっては向いている仕事です。
やりがいも大きく需要も高い魅力的な仕事なので、ぜひ弁護士秘書としてのキャリアを積んでみてはいかがでしょうか?