弁護士は本当に激務なの?忙しいといわれる理由や5大法律事務所の実態まで徹底解説!
「弁護士って実際にどれくらい忙しいの?」
「弁護士は激務って聞くけど本当なの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
司法試験に合格しなければ弁護士になることはできず、弁護士は日本では最難関レベルの資格として知られています。
弁護士は多忙で非常に忙しいイメージを持っている方は多いですが、実際にはどうなのか、気になる方も多いはずです。
こちらの記事では、弁護士は実際にどの程度激務なのか、また忙しいと言われる理由や5大法律事務所の実態について詳しく解説していきます!
弁護士の仕事内容についてざっくり説明すると
- 弁護士は体力が求められる場面が多く、想像以上に多忙
- クライアントの都合に合わせなければならないため、休日も働くケースが多い
- 5大法律事務所は弁護士の中でも特に忙しい
- 企業内弁護士や独立開業する手もある
弁護士は本当に激務なの?
こちらのトピックでは、弁護士がどのくらい激務なのかについて解説していきます。
弁護士は士業なので個人によって勤務時間に差があり、多くの仕事がある日は勤務時間も長くなります。
つまり、時期や事務所によっても忙しさは異なるため一概には言えませんが、弁護士は総じて忙しいのが現実です。
かなりの体力を要する
弁護士は抱えている仕事の量や日によっては、朝早くから夜遅くまで働くことになります。
具体的には、家や事務所から遠く離れた裁判所に移動したり、クライアントの都合で夜遅くに打合せをしたり、遠方まで現地調査を行うことが有ります。
つまり、案件によっては移動が多くスケジュールもその日その日によって異なるので、体力が無いと弁護士として働くことは厳しいと言えるでしょう。
すぐ体調を崩すとクライアントからの信用性を失ってしまう上に、裁判など大事なイベント前だと特にプレッシャーがかかるため、健康管理が非常に大事である職業であることを肝に銘じておいてください。
「弁護士ってほとんどデスクワークでしょ」と思われる方も多いですが、実際にそんなことはありません。
裁判は一回で終わることは少ない
裁判は1回1日切りで終わるわけではなく、何度も繰り返し裁判所に足を運ばなければなりません。
また、一人の弁護士が扱っている案件は1つとは限らないため、同時進行で様々な案件に取り掛からなければなりません。
つまり、月に何回もの裁判の予定が入っていることがほとんどなので、気が休まる時間が少ないのです。
また、仕事を人に任せることができない点も裁判から逃げられない原因の一つとなっており、このように独占業務ならではの弊害もあるのが現実なのです。
労働時間が長く残業も多い
クライアントの相談を受けて話し合う際には、基本的にクライアントの仕事の都合に合わせる必要があります。
ほとんどのクライアントは土日に会いたいと言ってくるので、弁護士は曜日に関係なく土日でもクライアントの元に出向かなければなりません。
日弁連の統計によると弁護士の平均勤務時間は1日当たり10~12時間となっており、かなりの長時間労働と言えます。
独立開業している弁護士が多いので残業の意識を持っていない弁護士もいますが、この数字は世間一般から見るとかなりの重労働です。
特に、大手の事務所になればなるほど抱えている案件が増えて業務も多くなる傾向にあるため、この点はしっかりと留意しておく必要があります。
事務所の形態によって異なる
弁護士にも様々な働き方があり、法律事務所に勤める人もいれば起業して自ら事務所を経営している人もいます。
また、行政庁の職員・役員として働いたり、大学など学校の講師として大学に勤務するなど様々なスタイルが存在しています。
このように働き方は多様なので、忙しさは各弁護士個人の裁量に委ねられているのが現実です。
弁護士の働き方は多様化しているので、激務な弁護士もいれば、意図時に抱える案件をセーブしてワークライフバランスを重視した生活を送っている弁護士も一定数います。
5大法律事務所は激務
こちらのトピックでは、弁護士業界では有名な5大事務所について解説していきます。
なお、5大事務所とは以下の事務所を指します。
- 西村あさひ法律事務所
- アンダーソン・毛利・友常法律事務所
- 長島・大野・常松法律事務所
- 森・濱田松本法律事務所
- TMI総合法律事務所
5大事務所は弁護士業界では非常に信頼性と就職の際の人気が高く、給料も良いです。
しかし、抱えている案件が非常に多く、他の事務所よりも激務である点には注意が必要です。
5大法律事務所で働くことができればやりがいをもって多くの案件に着手することができますが、ほぼ確実に激務が待っていることは覚悟しておいてください。
5大事務所が多忙な理由
それでは、なぜ5大事務所は激務なのでしょうか?
その理由は、5大事務所は活動している場所が日本だけに留まらず世界まで多岐に渡っており、抱えている案件が非常に多いためです。
弁護士の仕事はクライアントの都合に合わせるのが基本なので、会議などの時間が時差の影響を受けて夜中や深夜、早朝になることもあり得ます。
つまり、夜中だろうが早朝だろうが関係なく働かなくてはならず、終電で帰れない日もザラにあります。
また、クライアントの競合企業が海外の企業というケースも多く、レベルの高い相手と渡り合わなければならず、常日頃から自己研鑽を積んで海外の人と話せるレベルの語学力が必要となります。
さらに、共に働くことになるスタッフも全国から優秀な人材が集まるので、業務時間以外にもスキルアップに向けた取り組みを行う必要があります。
つまり、ただでさえ本業で忙しいことに加えて常に自己研鑽を積まなければならないため、自然と多忙になってしまうのです。
5大事務所の主な業務内容
5大事務所が扱っている基本的な業務内容は、M&Aや銀行・金融、外国法人等に関するコンサルや知的財産分野など多岐に渡ります。
また、キャピタルマーケットなど大手企業向けの案件が多いため、専門的な知識が要求されます。
また、前述したように5大事務所の仕事は日本だけでなく世界を相手に行っていくことになるため、相応の英語力は必須となります。
語学力が乏しい場合は語学の勉強も行わなければならないため、業務負担は非常に重くなってしまうのです。
企業内弁護士は激務?
次に、企業内弁護士としての働き方について紹介していきます。
企業内弁護士とは企業専属の弁護士で、企業に雇用されて企業法務の業務を担当することになります。
企業内弁護士は企業に雇用される従業員の身分を有するため、スケジュールは就業規則や労働基準法に準じることとなります。
そのため、働き方は一般的なサラリーマンとほとんど同じイメージで、平日に勤務して土日祝日が休みとなるケースが多いです。
企業内弁護士の仕事内容
企業内弁護士も当然弁護士の身分を有するため、法律のプロフェッショナルとして活躍しています。
主な仕事内容は法的知識を必要とする書類の作成や法的リスクの分析で、弁護士としてだけでなくビジネスマンとしても「法律のプロ」として振舞わなければなりません。
つまり、企業の事業を進めていく中で、企業の一スタッフとして独自のビジネス感や業界特有のビジネススタイルを身に着け、様々な観点から見える利益を生むためのアイデアを出すことも求められます。
つまり、企業内弁護士は法的知識のみならずビジネス的なセンスや知識も必要になるので、仕事の難易度は非常に高いと言えるでしょう。
企業内弁護士と顧問弁護士どちらが忙しい?
企業内弁護士は一従業員として働くことになるので、顧問弁護士に比べると多忙ではありません。
雇用条件や就業規則のルールに準じて勤務することになるため、企業に雇われることで長時間労働にはなりにくい環境で働くことができるのです。
対して、顧問弁護士は個人事業主のような働き方であるため、不規則かつ長時間労働になりがちです。
つまり、企業内弁護士は顧問弁護士よりも収入は減ってしまうデメリットがありますが、プライベート時間の確保とワークライフバランスの向上が見込めるメリットがあります。
福利厚生や手厚い社会保障を受けたい場合は、企業内弁護士として働く道を検討すると良いでしょう。
弁護士の勤務時間
こちらのトピックでは、弁護士の勤務時間について解説していきます。
5大法律事務所は激務として有名なので、朝早い時間から翌朝まで働くことが多く、非常に労働時間は長いです。
一方で、企業内弁護士の場合は労働時間は企業の就業規則などのルールが適用されるため、そこまで激務にはなりません。
なお、独立すると様々な案件に柔軟に対応する必要があるので、独立して間もない頃はかなりの長時間労働になりがちです。
また、独立して間もない頃は手探り状態が続いて雑務も多くなりがちなので、注意が必要となります。
弁護士の休日の過ごし方
弁護士は基本的に士業なので、仕事の裁量やペースは個人の裁量に任される場合が多く、休日も変則的です。
しかし、土日は裁判所が休みなので土日を休みにしている法律事務所が非常に多いのが実態です。
ただし、裁判所は休みでもクライアントの日程によっては土日でも会議をする必要性が生じる可能性はあり、最近では土日も営業する事務所も増えてきています。
なお、仕事の性質上長期の休みが一般的なサラリーマンよりも取得しづらく、休日でも裁判を控えている時は事務所に出勤する弁護士は多くいます。
とはいえ、企業型弁護士は会社が土日休みであればカレンダー通り休むことができるので、ワークライフバランスは実現しやすいでしょう。
働き方次第で激務は避けられる?
弁護士の仕事には個人の裁量が与えられるため、仕事をセーブしようと思えばセーブすることができます。
つまり、自分の働き方次第では激務からは解放され、自分のプライベートな時間を優先させることは可能です。
しかし、受注している案件が少なければ当然のことながら収入も減ってしまうため、仕事と収入のバランスを保つのはかなり難しいでしょう。
とはいえ、弁護士の仕事は一般的なサラリーマンとは一線を画しており、社会的意義も多くやりがいも大きいです。
そのため、基本的にワークライフバランスをとることは困難なのが現実なので、この点は留意しておき必要があります。
弁護士として働くメリット
一般的に激務な弁護士ですが、弁護士として働くメリットにはどのようなことが考えられるでしょうか?
5大法律事務所で働くメリット
まずは、法律事務所の中でも最も忙しい5大事務所で働くメリットを解説していきます。
やりがいが大きい
5大事務所は非常に大きい法律事務所なので、他の事務所よりも圧倒的に業務幅が広く、大手企業が関わるスケールの大きい仕事も任される機会が多いです。
また、5大事務所は信頼度が非常に高く顧客からの人気があるため、様々な案件に携わることができるでしょう。
つまり、様々な案件に触れることで自分のスキルも向上させることができます。
また、周囲に優秀なスタッフが多く、刺激を受けることでさらなるレベルアップを目指すモチベーションも湧きやすいです。
海外の案件も扱うこともできるため、語学力の習得を始めとして大きなスキルアップが見込まれる点も、5大事務所で働くメリットと言えるでしょう。
若いうちから責任ある仕事を任されやすい
5大事務所では多岐にわたる案件を多く受注するため、大きい事務所で扱っている業務の幅も広いです。
つまり、多くの案件があり若い内からたくさんの仕事が振られやすく、成長するスピードが非常に早いメリットがあります。
また、責任のある仕事を任されることも多いため、実務的な面だけでなく精神的にも自己成長することができるでしょう。
激務な分給与水準は高い
5大事務所はとても大きな事務所なので、福利厚生はとても充実しています。
一般的な社会保険はもちろん、有名な法律事務所に勤務していることで対外的に自分のステータスをアピールすることもできるでしょう。
また、激務なだけあり給料もかなりの高水準で、一年目から1,000万円を越える年収を稼ぐことも可能です。
仕事にやりがいを求めており、また頑張った分だけ報酬としてリターンを得たいと考えている方は、5大事務所での勤務がおすすめです。
弁護士として働くメリット
次に、5大事務所以外のその他の弁護士として働くメリットについて、解説していきます。
クライアントとの距離が近い
一般的な法律事務所や個人事業主として働く場合、仕事内容は5大法律事務所に比べると小さくなります。
しかし、働く場所や働き方に関係なく弁護士の仕事のやりがいは非常に大きいため、モチベーションは保ちやすいと言えます。
また、事業規模が小さい分クライアントと近い距離で仕事ができるため、密なコミュニケーションを取ることができ、やりがいも生まれやすいでしょう。
独立開業しやすい
弁護士は個人に任される仕事の裁量が大きいため、ある程度の実務経験を積めば独立開業しやすい職業です。
独立開業することで、自分の好きなペースで仕事をすることができるメリットがあります。
人によっては、企業で終身雇用という働き方よりも独立開業した方がやりがいを感じられることも多いため、ぜひ十分な実務経験を積んだら独立開業を視野に入れるべきです。
また、自分の事務所を持つことで仕事に対するモチベーションが高めることができる点も大きな特徴も言えるでしょう。
5大法律事務所ほどの激務に追われない
一般的な弁護士は、5大法律事務所のように海外との会議が頻繁に行われることはほとんどありません。
そのため、深夜や早朝に仕事をする必要は無く、その分仕事の時間にゆとりが生まれやすいメリットがあります。
また、一般的な法律事務所や独立開業していれば仕事量に柔軟性を持たせることも可能です。
つまり、「少し仕事をセーブして休みたいな」と思ったら、収入が下がってしまうリスクを許容できれば休むことが可能なのです。
このように、「激務は嫌だけどそこそこ弁護士としてのやりがいを持って仕事をしたい」と考えている方は5大事務所以外で働くことをおすすめします。
弁護士の仕事内容まとめ
弁護士の仕事内容まとめ
- 弁護士は基本的に多忙なので、体力と精神力が求められる
- 社会的に果たしている役割は大きく、やりがいは非常に大きい
- 激務が嫌なら、独立開業するのがおすすめ
- 5大法律事務所はやりがいも大きいが、ワークライフバランスの実現が困難
弁護士は法律の専門家として活躍しており、業務の幅も広いため非常に多忙な日々を送っています。
体力的にも精神的にも疲れてしまうくらい多忙になってしまうこともありますが、やりがいは非常に大きいため仕事のモチベーションは維持しやすいと言えます。
常に自己研鑽を積まなければならないなど毎日が忙しいですが、ぜひ弁護士になって法律の専門家として活躍してください。