情報処理安全確保支援士の勉強時間はどれくらい?対策法から参考書まで解説!
更新
「情報処理安全確保支援士の合格に必要な勉強時間はどれくらい?」
「情報処理安全確保支援士のおすすめ勉強法はあるの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
情報処理安全確保支援士は、近年驚異を増しているサイバー攻撃などから貴重な情報を守るなど、情報セキュリティに関するプロフェッショナルです。
こちらの記事では、難しいと言われている情報処理安全確保支援士試験合格に必要な勉強時間や、おすすめの対策などについて解説します!
情報処理安全確保支援士の勉強時間についてざっくり説明すると
- 初学者の場合、合格までに必要な勉強時間は500時間が目安
- 重要論点に重きをおいて勉強すると良い
- 質の高いテキストを使い、正しい勉強法を続けることで勉強時間の短縮は可能
- インプットとアウトプットのバランスを意識しよう
このページにはプロモーションが含まれています
情報処理安全確保支援士の勉強時間は500時間が目安
情報処理安全確保支援士の目安の勉強期間として、ITに関する事前知識が無い人の場合は500時間以上の勉強が必要と言われています。
この勉強時間には、基本知識として基本情報技術者・応用情報技術者資格の勉強をする時間も含まれています。
一方で、応用情報技術者などの受験経験があってある程度の事前知識を身に着けている人の場合は、200時間を目安に勉強する必要があります。
また、情報処理やIT系の職種での実務経験を積んでいる人は、午後試験の記述問題が解きやすくなるので勉強時間を短縮することができるメリットがあります。
勉強時間の配分方法
初心者の場合は、まず応用情報技術者試験の勉強に時間を割いて、問題を解くための基礎となる基本知識を学ぶことに重点を置くべきです。
この際に、特に情報処理安全確保支援士の勉強にもつながるセキュリティとネットワークの分野の勉強を重点的にしておくと、後々勉強が楽になります。
また、情報処理に関する実務経験があり基本知識が身に着いている人は午後試験の過去問演習に時間を割き、実践的な演習をしていきましょう。
午後試験は、知識以外にも長文読解能力や記述のための要約力などの総合的な国語力も試されます。
その能力を鍛えるためには問題を数多く解くことが最も効率的なので、多くの時間を割くようにしましょう。
勉強時間を短縮するコツ
正しい勉強法を身につける
正しい方法で勉強することで、勉強時間は短縮することができます。
自分流の勉強法は必ずしも効率的であるとは限らず、成果が上がりづらいこともあります。
また、結果的に無駄な勉強時間を多く費やしてしまうことになりかねません。
特に成績に行き詰っている場合は、勉強法を見直して基本的な勉強法に立ち返ることで、勉強時間を短縮することができます。
テキストはおすすめのものを使用
テキストの質によって知識の習得具合が異なってくるため、テキスト選びも重要です。
わかりづらい教材を選んでしまうとなかなか知識が定着せず、その結果モチベーションも下がり成績も向上しなくなってしまいます。
テキストは適当に選ぶのではなく、実際に書店で見てみたり口コミでおすすめされているものを選びましょう。
良質なテキストを使うことでインプットの負担を減らすことができ、勉強時間も短縮することができます。
情報処理安全確保支援士の難易度はどれくらい?
情報処理安全確保支援士は情報処理技術者試験のレベル区分で最高峰のレベル4となっており、難易度は情報技術系の資格の中でも最高峰です。
しかし、情報処理安全確保支援士の合格率は19~20%で推移しており、これだけを見ると難易度は高度情報技術者試験の中では比較的易しいと言えます。
ただ、資格の難易度を偏差値で表すと67となっており、かなり難しい試験であることが分かります。
難易度が比較的抑えられている要因としては、他の高度情報技術者試験が年に1回しか受験できないのに対して、情報処理安全確保支援士は年に2回行われていることが挙げられます。
つまり、受験回数が多いため合格のチャンスもその分増えているのです。
また、情報セキュリティ人材の需要増加とともに、合格者の一定数確保が必要となっていることも要因の1つとして考えられています。
つまり、情報処理安全確保支援士の重要性が社会的にも増しているということです。
情報処理安全確保支援士の難易度については以下の記事で詳しく解説しています。
情報処理安全確保支援士の試験形式
情報処理安全確保支援士は午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ試験の4つに分かれています。
各試験の試験時間と出題形式は以下の表の通りです。
試験 | 試験時間 | 出題形式 |
---|---|---|
午前Ⅰ | 9:30~10:20(50分) | 四肢択一式 |
午前Ⅱ | 10:50~11:30(40分) | 四肢択一式 |
午後Ⅰ | 12:30~14:00(90分) | 記述式 |
午後Ⅱ | 14:30~16:30(120分) | 記述式 |
午後試験Ⅰに関しては、3つの設問の中から2問を選んで解答し、午後Ⅱに関しては2つの設問の中から1問を選んで解答する形となっています。
各試験100点満点であるため、試験全体では400点満点となります。
情報処理安全確保支援士の試験内容
午前Ⅰ
午前Ⅰの試験範囲は応用情報技術者の午前試験範囲と同じです。
出題構成はテクノロジ系が17問、マネジメント系が5問、ストラテジ系が8問の計30問が、四肢選択式で出題されます。
テクノロジ系の出題が多いため、重点的に勉強することが合格への近道です。
なお、午前Ⅰの配点は1問につき3~4点となっており、合格ラインは60点以上です。
問題は同じ時期に行われる応用情報技術者試験の午前問題から選定されています。
近年の出題傾向としては、考察問題が増えて文章問題が減っているため、考察問題を中心に対策すると良いでしょう。
午前Ⅱ
午前Ⅱ試験の出題範囲は、以下の通りです。
-
データベース
-
ネットワーク
-
セキュリティ
-
システム開発技術
-
ソフトウェア開発管理技術
-
サービスマネジメント
-
システム監査
出題範囲は午前Ⅰと重複する部分もありますが、出題のレベルが上がるため午前Ⅰよりも難しい試験です。
午前Ⅱ試験の配点は各4点で全25題が出題され、合格ラインは60点以上です。
午前Ⅱはセキュリティ分野から17問、ネットワーク分野から3問が出題され、この2つの分野のウェイトが高いです。
そのため、セキュリティ分野の勉強を重点的に行うと効率的です。
基本的な問題が多く過去問からの出題も多いため、過去問を中心に対策をしていきましょう。
午後Ⅰ
出題範囲は午後Ⅰ・Ⅱは同じ範囲が出題されます。
出題範囲は以下の通りです。
- 情報セキュリティの企画・要件定義・開発・運用・保守に関すること
この分野ではデータベースセキュリティ対策、ネットワークセキュリティ対策、システムセキュリティ対策などを学びます。
- 情報セキュリティの運用に関すること
この分野では、脆弱性分析、情報セキュリティ運用・管理などを学びます。
- 情報セキュリティ技術に関すること
この科目ではファイアウォール、セキュアな通信技術(VPN ほか)などを学びます。
- 開発の管理に関すること
この分野ではシステム文書構成管理、ソフトウェアの配布と操作などを学びます。
- 情報セキュリティ関連の法的要求事項などに関すること
この科目では、情報セキュリティ関連法規、国内・国際標準、ガイドラインなどを学びます。
午後試験Ⅰは3題が出題され、その中から2問を選択して解答します。
配点は各問50点であり、合格ラインは60点です。
設問の長文を読んだ上で、その内容を分かりやすく記述する能力が求められます。
午後Ⅱ
午後試験Ⅱでは2問が出題され、その中から1つ問を選んで解答する形となっています。
合格ラインは60点以上です。
午後Ⅰ試験と同様に、長文を読んで設問の内容について記述式で回答する試験です。
問題を解くためには情報セキュリティに関する幅広い知識を身に着けておかなければならず、出題内容も複合的な観点から出題されることが多い傾向にあります。
そのため、苦手分野を作らないように広く浅く勉強していくと良いでしょう。
解答はあくまでも長文の内容に沿った内容を答えていくものがメインになるため、過去問などを通じて出題形式に慣れておきましょう。
情報処理安全確保支援士の勉強法を押さえよう
4つの試験形態に共通する勉強法としてオススメなのが「バランスの良いインプットとアウトプット」です。
勉強の順番は必ずインプット→アウトプットで行い、最初は基礎知識を身に着ける作業を丁寧に行いましょう。
インプットは、テキストや参考書を読み問題を解いていくために必要な基礎知識を覚える作業です。
ここで基本的な知識をしっかりと押さえることと、情報処理安全確保支援士の全体像をしっかりと掴むことが重要です。
特に、初心者の場合はインプットに多くの時間を割くようにすると良いでしょう。
アウトプットは予想問題集や過去問題を通して、インプットができているか・知識に抜けが無いかを確認する作業です。
アウトプットでは、問題を通して出題形式に慣れるだけでなく、自分の弱点や苦手分野をしっかりと分析・把握することが重要です。
情報処理安全確保支援士の試験は、他の試験と同様にこなしてきた問題の量が如実に成績に反映される試験です。
そのため、インプットをこなした後は数多くの問題に触れて、実践力を鍛えることで合格に近付くことができるのです。
各試験ごとの具体的対策法
基本的な勉強法の流れを理解できたら、各試験ごとに有効な対策を考えましょう。
同じ情報処理安全確保支援士試験でも、4つの試験それぞれ特徴があるため、有効な対策法もそれぞれ違ってきます。
午前Ⅰ
午前Ⅰ試験の問題は、応用情報技術者試験や基本情報技術者試験の午前問題で出題された基本的な知識の出題が目立ちます。
そのため、これらの試験の過去問を数多くこなすことが効果的な対策となります。
少なくとも3~5年分くらいの過去問には取り組みようにして、自分の知識の穴を確認しながら埋めていくように勉強すると効果的です。
また、6割が合格ラインですが普段の演習では7~8割の得点を狙うイメージで勉強していきましょう。
普段から練習だからといって気を抜かずに、試験本番のつもりで勉強することで本番でも対応できる学力が身に着くのです。
なお、午前Ⅰ試験では特段目新しい知識は出題されないため、午前Ⅰ試験対策を通して基本の土台を盤石なものにしていきましょう。
午前Ⅱ
午前Ⅱ試験では、セキュリティとネットワークの分野が出題されやすいので、この科目を重点的に対策することが重要です。
この分野は午前試験対策をしっかりとこなせば高得点を狙える分野です。
そのため、もし苦手意識を持っている人は苦手意識がなくなるまで丁寧に勉強していきましょう。
また、セキュリティについては新しい技術がよく問われるため、常にチェックして最新の知識を取り入れておく必要があります。
過去問からの出題が多いため、主にインプットをして知識を詰め込んでから過去問演習を重点的に行うことで得点を伸ばすことができるでしょう。
午後Ⅰ
午後Ⅰ試験は長文問題が出題され、記述式での回答がメインです。
対策としては、午前Ⅱ試験がほぼ完璧に解けるレベルに仕上げておき、知識を体系化すると良いでしょう。
具体的には、1つの単語を見たらすぐに関連する語を複数連想できるようなレベルを目指しましょう。
また、知識だけでなく読解力をつける必要もあるため、この点も意識しましょう。
具体的には、制限時間内に問題文の文章の要旨を的確に理解する力と、記述を指定された文字数以内で簡潔に分かりやすく回答する力が求められます。
主な対策としては、問題文よりも先に設問を読んで出題者の意図を押さえ、その後に問題文の重要な部分を意識して読むことを心掛けると良いでしょう。
また、簡潔に分かりやすく記述する対策としては、参考書の解説を読み解答例の要素の使われ方を理解して過去問を繰り返し回していくと効果的です。
午後Ⅱ
午後Ⅱ試験は、午後Ⅰ試験と出題形式に大差がないため、午後Ⅰ試験の対策法が午後Ⅱ試験においても非常に有効と言えます。
午後Ⅰ試験と異なる点は、問題文が1問10ページ以上とかなりと長文になっているため、より国語力がより求められる点です。
出題の内容を途中で適宜問題分のポイントをまとめながら、展開を追っていく練習を積むことが大切です。
また、午後Ⅱ試験は午前Ⅱ試験よりも深い知識が要求されるため、より多くの知識も身に着けなければなりません。
そこで、参考書を読み込むことでインプット作業も同時に行うことが重要です。
おすすめ参考書
情報処理安全確保支援士を独学する場合のおすすめする参考書は
「うかる 情報処理安全確保支援士」
です。
出版社は翔泳社出版で、価格は3168円です。
この参考書は合格に必要な知識が網羅されている上に、解説も非常に充実している1冊となっています。
また、受験セミナー人気講師やその道のエキスパートによって合格に必要なエッセンスが詰め込まれているため、この参考書を使うことで効率の良い学習が可能になります。
続いて、午後試験対策のお勧め参考書としては
「情報処理安全確保支援士 「専門知識+午後問題」の重点対策」
があります。
出版社はアイテックで、価格は4070円です。
この参考書は第1回~第5回の過去問を詳細に解説しています。
問題に取り組み、この解説をしっかりと読み込むことで本試験に対応できる学力を身に着けることができるでしょう。
また、午後試験を解くための基本知識を効率よく身に着けることもできる上に、筆者ならではの過去問活用術を紹介しているため、とても参考になります。
難関である午後試験対策で困っている場合は、この参考書を選ぶと良いでしょう。
勉強時に気を付けるポイント
工夫をせずにがむしゃらに勉強するだけでは、合格が遠のいてしまういます。
そこで、勉強するときに押さえておきたいポイントを紹介します。
過去問演習を必ずする
過去問演習を行うことによって、頻出範囲を把握することができ効率的な勉強が可能となります。
過去問は書店で過去問集を買うことによって入手できるため、積極的に活用していきましょう。
特に、午前Ⅱ試験では過去問がそのまま出題されるパターンや、似たような出題がされる傾向にあります。
午後試験を攻略する上で必要な長文形式や記述の書き方などは、過去問から効率よく学ぶことができるため、情報処理安全確保支援士試験での過去問演習は必須であると言えます。
わからないところは即確認
分からない問題に遭遇したときは、テキストや参考書を見ながらポイントを確認するようにしましょう。
そのまま分からないポイントを放置しておくと、知識の穴として溜まってしまいいつまでも苦手意識を払拭できません。
本番で同じ間違いをしないためにも、しっかりと復習を行うようにしましょう。
分からない問題や論点を放置するとデメリットしかないため、気をつけましょう。
スケジュールを決めておく
合格には継続的な勉強が何より大切です。
学習スケジュールをしっかりと立てることで合格までの自分のやるべきことが明確になり、勉強を継続しやすくなります。
また、試験範囲をしっかりと把握した上で自分にどれくらいの勉強期間が必要なのか、どの分野を重点的に勉強するべきかを把握することが大切です。
頻出範囲を中心に学習スケジュールを立てていくことで、効率的な勉強となります。
より詳しい勉強法については以下の記事をチェックしてください。
情報処理安全確保支援士の年収・取得メリット
IT業界は人手不足の状況であるため、情報処理安全確保支援士を取得しておくことで様々なメリットがあります。
また、IT関連の仕事に就きたいという希望がある人は、業務の幅を広げるためにも取得しておくとキャリアの選択肢が広がります。
年収について
情報処理安全確保支援士の資格を生かせる求人は、年収が550~600万円のものが多いです。
一般的なサラリーマンと比べるとやや高いレベルですが、入社してからキャリアアップしていくことで年収は徐々に上がっていきます。
IT業界はこれからますます発展していくと考えられるため、業績の良い企業の幹部クラスになれれば1000万円近い年収も狙えるでしょう。
また、資格手当の対象となるケースも多いため、資格を持っているだけで年収が上がるメリットもあります。
転職で有利になる
情報処理安全確保支援士は、情報セキュリティに関してはトップクラスの信頼度があります。
情報セキュリティに関する仕事に就きたいのであれば、この資格を取得することで様々な活躍ができるでしょう。
つまり、情報処理安全確保支援士は転職の際に大きな武器になり、キャリアアップにも直結します。
また、ITが発展しているにも関わらず情報処理安全確保支援士の取得者は多くないため、これからますます価値が高まり多くの企業から必要とされるでしょう。
今ではほとんどの企業でパソコンを使って作業を行っているため、情報漏洩や個人情報を安全に守るためにも情報セキュリティの専門家は重宝されます。
記憶に新しいところでは、ベネッセコーポレーションや日本年金機構が個人情報の漏洩をしてしまい大きな問題となりました。
一度そのような事故を起こしてしまうと信頼が失墜してしまい、業務に支障が出るのは言うまでもありません。
官公庁や大企業になるほど扱っている個人情報は多くなるため、情報セキュリティについて高い知識と技能を持っている人は重宝されるでしょう。
このように、情報処理安全確保支援士は様々な方面から高い評価をされ、転職の際に役立つのです。
情報処理安全確保支援士の勉強時間まとめ
情報処理安全確保支援士の勉強時間まとめ
- 自分流の勉強法で行き詰まった場合は、基礎に立ち返って勉強法を見直そう
- テキストや参考書は適当に選ぶのではなく、口コミや実際に見てから決めよう
- 勉強期間は長期に及ぶため、しっかり計画を立ててモチベーションの維持にも努めよう
- 各試験ごとの特徴や頻出論点を押さえて効果的な勉強を意識しよう
情報処理安全確保支援士は非常に難易度が高い試験なので、取得は容易ではありません。
500時間ほどの勉強が必要になるため、長期に渡る勉強に取り組む覚悟が必要となります。
効率的な勉強を心掛け、様々な工夫を重ねていくことで勉強時間は短縮できるので、こちらの記事で紹介した勉強法をぜひ参考にしてみてください。
情報処理安全確保支援士は今後ますます活躍できる資格なので、ぜひ合格を掴み取ってください!