システムアーキテクトのおすすめ対策法は?論文の勉強法や人気の参考書も解説!

「システムアーキテクトってどう対策すればいい?」

「システムアーキテクトのおすすめ参考書は?」

システムアーキテクト試験に挑む人ならこのようなことでお悩みではないでしょうか。システムアーキテクトは情報処理技術者試験の中でも特に高度な試験です。

ここではシステムアーキテクトの独学での対策を紹介します。読み終えるころにはどう勉強すればよいのかがわかることでしょう。

システムアーキテクトの対策についてざっくり説明すると

  • システムアーキテクトは要件定義や設計を行う。
  • 独学でも合格できる。
  • テキストと過去問演習がポイント。

システムアーキテクトとは?

はてなマーク

アーキテクトとは設計や建築をする人のことで、日本語では建築家や設計者にあたります。システムアーキテクトは情報システムにおける設計者、つまり情報システムの設計や要件定義を主導する役目です。システム開発の上流工程に携わる上級エンジニアに最適の資格です。

主催している情報処理推進機構によると、システムアーキテクトの主な対象者は次のような方々です。

高度IT人材として確立した専門分野をもち、ITストラテジストによる提案を受けて、情報システム又は組込みシステム・IoTを利用したシステムの開発に必要となる要件を定義し、それを実現するためのアーキテクチャを設計し、情報システムについては開発を主導する者

システムアーキテクトは情報処理技術者試験の一区分として2009年から始まっています。ITストラテジストなどと同じく情報処理技術者試験の中でも最も難易度の高い高度試験の一つであり、合格率は15%弱で推移しています。

システムアーキテクトの試験では、システム設計だけでなくITに関するさまざまな内容が出題されます。エンジニアとして働いている人が取得することで、業務に役立つ知識を幅広く身に着けることができるでしょう。

システムアーキテクトの試験は4つある

システムアーキテクトの試験は午前試験Ⅰ・Ⅱと午後試験Ⅰ・Ⅱの4つに分かれています。論文式の午後Ⅱ試験を除いて、試験はいずれも100点満点です。それぞれの試験時間と出題形式、問題数は以下の表をご確認ください。

試験 試験時間 出題形式 問題数
午前Ⅰ 9:30~10:20(50分) 四肢択一式 30問(全て必須解答)
午前Ⅱ 10:50~11:30(40分) 四肢択一式 25問(全て必須解答)
午後Ⅰ 12:30~14:00(90分) 記述式 4問(2問選択解答)
午後Ⅱ 14:30~16:30(120分) 論文式 3問(1問選択解答)

システムアーキテクトの試験内容

午前Ⅰ

午前Ⅰ試験は情報処理技術者試験の一つ下のレベルの試験である応用情報技術者試験と同じ範囲から出題されます。配点は1問あたり3点または4点で、60点以上の得点で合格です。

試験構成はテクノロジ系17問、マネジメント系5問、ストラテジ系8問の合計30問です。この問題はすべて応用情報技術者試験の午前試験から選びだされています。出題数の多いテクノロジ系問題でどれだけ得点できるかがこの午前Ⅰ試験のカギと言えます。

応用情報技術者試験に合格できる程度の知識があれば大丈夫ですが、考察問題が中心で、文章題が少ない傾向にあります。そのため、考察問題が苦手な人にとっては応用情報技術者試験以上に難しい試験となるでしょう。

午前Ⅱ

午前Ⅱ試験では午前Ⅰ試験よりも狭い範囲が深く出題されます。試験範囲の詳細は以下の通りですが、午前Ⅱ試験では午前Ⅰ試験や応用情報技術者試験よりもより高度な内容が出題されます。

出題数は25問で、合格基準点は60点以上です。つまり、最低でも15問以上正解する必要があると考えておきましょう。

  • コンピュータ構成要素
  • システム構成要素
  • データベース
  • ネットワーク
  • セキュリティ
  • システム開発技術
  • ソフトウェア開発管理技術
  • システム戦略
  • システム企画

午後Ⅰ

午後Ⅰ試験では長文問題が出されます。文章や図表などから情報を読み取り、答えを記述で解答する必要があります。

大問が4つ出題されるので、そのうちの2つを解答しましょう。解答した大問2つの合計点が60点以上であれば合格です。大問によって内部の配点は異なります。

午後Ⅰ試験の出題範囲は情報システムと組み込みシステムで大きく分かれています。それぞれの大まかな出題範囲は以下の通りです。

情報システム

  • 契約・合意に関すること
  • 企画に関すること
  • 要件定義に関すること
  • 開発に関すること
  • 運用・保守に関すること
  • 関連知識

組み込みシステム

  • 機能要件の分析、機能仕様の決定に関すること
  • 機能仕様を満足させるシステムアーキテクチャ及びハードウェアとソフトウェアの要求仕様の決定に関すること
  • 対象とするシステムに応じた開発手法の決定に関すること
  • 汎用的モジュールの利用に関すること

論文式は一番の難関

午後Ⅱ試験は論文式になっています。午後Ⅰ試験と同じ範囲から出題される3つの大問から1つを選んで解答しましょう。いずれの大問も問題文は短く、自分の考えを論述することがこの試験のポイントです。

午後Ⅱ試験では論文式試験という性質上、配点に基づいた採点は行われません。評価基準に則して決定される評価ランクによって合否が決まります。評価ランクはAからDの4段階で、このうちAランクだけが合格とされます。

公式サイトによると評価基準は次のようなものが挙げられています。なお、問題冊子で示されている「解答にあたっての指示」を破った場合には評価ランクが下げられることもあります。評価ランクが下がればもちろん不合格です。

  • 設問で要求した項目の充足度
  • 内容の妥当性
  • 論理の一貫性
  • 見識に基づく主張

システムアーキテクトおすすめ対策法

ノートと鉛筆

上述のようにシステムアーキテクトには4つの試験があります。これら4つの試験にはそれぞれ試験ごとに有効な対策があります。しかし、どの試験の対策であってもインプット・アウトプットという基本の勉強法は共通しています。

インプット学習では、テキストを読み込んで基本事項を理解すること・覚えることが中心です。この時、基礎用語を中心にしっかりと覚えることと全体像を理解することが重要です。知識の多寡が勝負になる午前試験Ⅰ・Ⅱでは特に有効な勉強法です。

この後に行うアウトプット学習では知識が身についていることが前提になるので、ここで対策が不十分だと効率が良くありません。きっちりと暗記しましょう。特に初心者は時間をかけて勉強する必要があります

アウトプット学習では問題集や過去問を使用した問題演習を行います。この段階では問題の形式に慣れ、自分の弱点を把握することが大切です。

システムアーキテクトの試験では問題演習量がものを言います。やればやるだけ得点につながるので、問題演習は重点的に取り組みます。なお、知識を定着させるためにも必ずインプットの後にアウトプットを行うようにしましょう。

独学で合格できる

システムアーキテクトの試験は独学でも合格できる試験です。ただし、決して簡単でも楽でもありません。

独学で合格するには先ほど紹介した勉強法をまったく独力でしなければいけません。独学の場合、勉強法以外にもスケジュール管理とモチベーション管理も重要です。

通信講座や予備校と違い、独学では勉強時間や進捗状況を自分で制御する必要があります。仕事や学業があるため、勉強できる時間は限られます。人によってはあまり時間を割けないこともあるでしょう。そのため、勉強するべき内容を網羅できるように、あらかじめ1週間程度の計画にしておくとよいでしょう。

スケジュール管理ではノートに1週間程度の予定を記述しておくことをおすすめします。頭の中だけで計画を立てるよりも可視化しておく方が具体的な計画を立てやすく、振り返った時にも漏れや抜けが見抜きやすいでしょう。

また、システムアーキテクトは難易度が高い試験なので、必然的に長期間の勉強が必要です。長期にわたって勉強しているとやる気が落ちてくる時や意欲が失われる時があります

そういった時のために、目標点数や目標正解率を決めるなどしておくことがおすすめです。日々の勉強で達成感を味わえるとモチベーションを維持・回復しやすいでしょう。

学習時に意識すること

学習時には段階ごとに意識するべきポイントがあります。試験勉強はインプット期、アウトプット期、試験直前期の3つに分かれます。

インプット期はテキストを中心に知識を仕入れる時期です。アウトプット期は覚えた知識を使いこなす時期であり、試験直前期は試験本番が間近に迫っている時期です。

インプットは状況に応じて所要時間を変える

インプット期には状況に応じてかける時間を変えましょう。まずはテキストをざっと一読しましょう。最初は細部まで覚えようとせず、全体の流れをつかむことが大切です。

概要を理解したあとは各分野の詳細を覚えるためにテキストを繰り返し読みましょう。テキストは繰り返し読むことで徐々に知識を習得できます。すぐに覚えられなくても何度も繰り返し読むことが大切です。頻出事項や基本事項は特に時間をかけて勉強することがおすすめです。

また、自分の知識によって勉強時間を変えてもよいでしょう。システムアーキテクト試験の知識がそれなりにある人なら復習程度でも構いません。しかし、応用情報技術者試験に合格したばかりで知識が身についていないなら時間をかけるべきです。

アウトプットが最も重要

インプット学習で知識をある程度理解出来たら、アウトプット学習に入りましょう。ここでは過去問や問題集での演習が中心です。

過去問では出題傾向を理解することと、試験の形式に慣れることが重要です。特に頻出の知識は必ず覚えておきましょう。また、間違えた問題はテキストなどでの復習が必要です。解きっぱなしでは点数が伸びません。

午前Ⅰ試験に限っては、応用情報技術者試験から出題されるため、応用情報技術者試験の過去問を利用して勉強することもおすすめです。

論文試験では定番の出題形式や記述の流れを積む必要があります。そのため、基本的には過去問演習がほぼ必須であると思ってもよいでしょう。

直前期はいつも通り勉強

試験本番が近づいてきたら、苦手分野の対策を重点的に行いましょう。過去問で間違えた問題や自信が持てない分野な対策の穴を埋めることが重要です。

この時期に注意すべきことは、たとえ十分な実力身についていたとしても継続して勉強するべきであるということです。模擬試験や過去問などで合格点が取れていたとしても、油断してはいけません。

過去に覚えた知識も忘れてしまいやすいので、手を抜くと実力が落ちてしまうことも考えられます。テキストを読み返して復習しておきましょう。まら、論文対策に書き方や解き方などを確認しておくことも大切です。

試験ごとで対策法を変える

勉強する子供

午前Ⅰ

午前Ⅰ試験では応用情報技術者試験や基本情報技術者試験で出題されていた基本的な問題からの出題が大半です。そのため、これらの試験の過去問にひたすら取り組むことが午前Ⅰ試験対策には有効です。たくさん解いて出題形式や出題傾向などに慣れましょう。

少なくとも直近の3年分から5年分くらいは解いておくことをおすすめします。ここでの目標正解率は7割から8割くらいです。本番の合格基準が6割なので、余裕をもって合格できるように対策します。

応用情報技術者試験に合格できるくらいの知識があるのなら、特に目新しい知識はないでしょう。最新技術だけおさらいして、ひたすら問題演習で基礎知識を万全なものにしておきましょう。

午前Ⅱ

午前Ⅱ試験では9つの試験科目から出題されます。この中で最も多くの問題が出題されるのはシステム開発技術です。まずはこの科目を中心に勉強しましょう。

午前Ⅰ試験とは異なり、午前Ⅱ試験ではあまり定番問題が出題されません。開発の流れを一通り理解することが大事です。

一連の流れが理解出来たら過去問演習で出題形式に慣れましょう。問題そのものよりも、どのような観点から問われるのかを理解することが重要です。また、問題の背景知識や関連知識なども併せて押さえておきましょう。そのためにも繰り返し過去問を解くとよいでしょう。

午後Ⅰ

午後Ⅰ試験は長文問題で記述式での解答がメインです。記述式問題では答えるべき内容が問題文の中に書かれていることが多いので、問題文から正解を探し出す練習をするとよいでしょう。

記述式問題では書かれていることの正しさよりも的を射た内容であるかどうかが問われます。問題には出題者が何を答えさせたいのか、問題の意図があります。その意図に従った解答でなければ点数には結び付かないので、出題意図を正確に把握することが重要です。

また、長文問題では文章を読むだけでも時間がかかるため、時間が足りなくなる可能性があります。時間管理の徹底と、短い時間で問題を読み解く読解力が必要です。

もしここでつまづくようなら、一度模範解答と自分の答案を見比べてみてください。二つの差をきちんと分析して問題を見つめなおすと、どのような解き方が有効なのか見えてくるでしょう。

論文試験は特にしっかり

午後Ⅱ試験は長い論文を作成して解答する論述形式の試験です。システムアーキテクト試験で最も難易度が高く、特にしっかりとした対策をして試験に臨みましょう。

対策としては、まず論理的な文章を書けるようにしておきましょう。原因・結果や主語・述語などの論理関係が整っているか、助詞や助動詞は適切かなどの基本を身に着けることが大切です。

基本的な文章力が身についたら、次は問題演習に入ります。この時、システムアーキテクトという立場を崩さないよう気を付けてください。主な業務である要件定義や設計を意識するとよいでしょう。

最後は設問に沿った解答であることを心がけます。午後Ⅰ試験でも触れましたが、出題者の意図に適した解答でなければ点数になりません。聞かれたことに答えることを肝に銘じておきましょう。

参考書は何を使うといいか?

本

システムアーキテクト試験の独学には優れた参考書が欠かせません。おすすめはTAC出版の「2020年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター システムアーキテクト」です。価格は3300円+税と十分手が届く価格です。

この本はシステムアーキテクト試験でつまずきやすい午前Ⅱ試験、午後1試験、午後Ⅱ試験の対策が充実した参考書です。ほとんどの受験者に適した1冊と言えるでしょう。

特に鬼門である午後Ⅱ試験対策が充実していて、「ユニット法」と「ステップ法」という二つの方法で実力を養成します。論文試験が苦手な人でも無理なく合格できる論文を作成できるようになるでしょう。

論文対策の参考書もおすすめ

論文試験はシステムアーキテクト試験でも特に難しい試験です。上記の1冊を読んだ上でまだ書けない、もっとノウハウが欲しいという人もいるでしょう。

そんな人におすすめの参考書が「システムアーキテクト 合格論文の書き方・事例集 第5版 (情報処理技術者試験対策書) 」です。アイテック出版から3300円で販売されています。

前半で論文作成のポイントや構成の立て方などが示され、後半で論文の作成例が紹介されています。ワークシート形式で論文を作成していくので初めて論文を書くという人でも無理なく作成できます。

いろいろな人の論文を参考にできるので、どのような論文が優れているのかわからない人や他の人の論文が気になる人にもおすすめできる1冊です。

勉強時に気を付けるポイントは?

読書

システムアーキテクト試験ではただやみくもに勉強しても効率が良くありません。ここでは普段の学習で気を付けるべきポイントを紹介します。

毎日勉強する

システムアーキテクトの勉強に限ったことではないのですが、勉強は毎日コツコツと取り組むことが大切です。やる日とやらない日があると、勉強が習慣になりにくく、勉強時間もあまり伸びません。

また、勉強した内容は一日経つだけでも大部分を忘れてしまうものです。やらない日が一日あるだけでも記憶が定着しにくくなるので、暗記の効率で見ても毎日の勉強は大切です。

たとえモチベーションの低い日であっても取り組むようにしましょう。勉強を継続するためには毎日小さな目標を作ることがおすすめです。日々達成感を得ることでモチベーションを維持しやすくなります。

スケジュールをきちんと立てる

システムアーキテクトのような難易度の高い試験に独学で挑む場合、学習スケジュールの管理が重要です。勉強期間が長くなりやすく、合格までの道筋をたてておくことで勉強を継続しやすくなります。

試験範囲を把握しておき、計画を立てることでモレやヌケを防ぐことができますし、勉強時間の進捗管理もできます。頻出範囲を中心に、学習スケジュールを立ててから勉強に取り組むようにしましょう。

わからない部分をそのままにしない

試験勉強をしていると、理解できない部分やわからない問題が出てくることがあります。そんな時は必ずテキストや参考書で確認しておきましょう。絶対にそのままにしてはいけません。

もしそのまま放置してしまうと、後々に知識の穴としてたまっていきます。こうした知識の穴は本番で出題されても答えることができませんし、失点につながります。

また、わからなかった部分は解決した後も付箋などでしるしをつけておくとよいでしょう。一度解決したとしてもまた同じところでつまづくこともあるため、確認しやすい状況を用意しておくことをおすすめします。

隙間時間も積極的に活用しよう

独学で勉強する場合には隙間時間も積極的に活用しましょう。通信講座や予備校と比べて、勉強する場所や時間帯に制約されないことが独学の強みです。どんどん有効利用しましょう。

具体的には、通勤・通学の際の移動時間です。参考書を読んだりして知識をつける時間にするといいでしょう。公共交通機関以外でも、カフェや喫茶店などで勉強するのもおすすめです。

ただし、問題演習は別です。集中できない場所で取り組んでも効果が薄いので、まとまった勉強時間をとれる状況で行うようにしましょう。こうした時間は意識しなければなかなか取れないので、問題園主するタイミングは意図的に作るようにするといいですよ。

システムアーキテクトの対策についてのまとめ

システムアーキテクトの対策についてのまとめ

  • 論文対策が役に立つ
  • 午前試験(1・2)、午後試験(1・2)ごとに対策を変える
  • 毎日勉強することが大事

ここではシステムアーキテクト試験について紹介しました。いかがでしたか?システムアーキテクトは非常に難易度の高い試験ですが、独学でも合格できます。

基本的にはテキストでインプット学習を行い、過去問でアウトプット学習を行うという流れで進めます。

重要なのは論文試験対策です。おすすめ参考書などを利用してしっかりと対策しましょう。難しい試験ですが、正しい対策を行い合格を勝ち取りましょう。