情報処理安全確保支援士の午後対策法はどうする?過去問の使い方などを解説

「情報処理安全確保支援士の試験って、どんな内容?」「情報処理安全確保支援士の試験対策の方法は?」

こんな疑問をお持ちの方も多いでしょう。そこで、今回は情報処理安全確保支援士の午後試験の内容と対策方法を紹介します。

この記事を読み終えた頃には、情報処理安全確保支援士の午後試験の内容を理解し、対策方法を知ることで安心して情報処理安全確保支援士の勉強を進められるでしょう。

情報処理安全確保支援士の午後試験についてざっくり説明すると

  • 情報処理安全確保支援士の試験は4つの試験に分かれている
  • 情報処理安全確保支援士の午前試験は四肢択一式、午後試験は記述式になっている
  • 情報処理安全確保支援士の午後試験は難易度が高め

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情報処理安全確保支援士の試験形式・内容

ノートの上に置かれた鉛筆

情報処理安全確保支援士は、サイバーセキュリティ分野における国家資格です。

情報処理安全確保支援士の資格を取得することで、政府機関や企業などで情報セキュリティの確保支援の仕事をすることができます。

情報処理安全確保支援士の資格は2016年に開始された比較的新しい資格になっています。

情報処理安全確保支援士は、サイバー攻撃から日本の重要産業を守る人材を増やすという役割も担っています。

そんな情報処理安全確保支援士の試験の形式や内容を紹介します。

情報処理安全確保支援士の試験は、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの4つの試験に分かれています。

各試験は全て100点満点になっています。この4つの試験の試験時間と出題形式を表で紹介します。

試験 試験時間 出題形式
午前Ⅰ 9:30~10:20(50分) 四肢択一式
午前Ⅱ 10:50~11:30(40分) 四肢択一式
午後Ⅰ 12:30~14:00(90分) 記述式
午後Ⅱ 14:30~16:30(120分) 記述式

このように情報処理安全確保支援士の試験は試験によって時間が異なり、午後試験は記述式になっています。

情報処理安全確保支援士の午後Ⅰの試験の記述式は3問提示され、そのうち2問に解答を行います。

そして午後Ⅱの記述式は2問提示され、そのうち1問に解答を行う試験になっています。

午前Ⅰ

続いては情報処理安全確保支援士の4つの試験の内容を紹介します。まず、午前Ⅰの試験内容から紹介します。

午前Ⅰの試験範囲は応用情報技術者の午前試験の範囲と同じ内容になっています。

午前Ⅰの配点は1問につき3から4点になっており、60点以上で合格点となります。

午前Ⅰの出題構成はテクノロジ系が17問、マネジメント系が5問、ストラテジ系が8問の合計30問となっています。

午前Ⅰで出題される全ての問題は、同じ時期に行われる応用情報技術者試験の午前問題から選定されています。

午前Ⅰの傾向としては考察問題が増え、文章題が減っています。

午前Ⅰを突破するには、テクノロジ系でいかに高得点を獲得できるかがポイントとなるでしょう。

午前Ⅱ

続いては情報処理安全確保支援士の午前Ⅱの試験内容を紹介します。

午前Ⅱの出題範囲は「データベース」「ネットワーク」「セキュリティ」「システム開発技術」「ソフトウェア開発管理技術」「サービスマネジメント」「システム監査」の7分野になっています。

午前Ⅱの出題範囲は午前Ⅰと重複する分野もありますが、午前Ⅱで出題される問題の方が難しく、難易度が高い試験内容になっています。

午前Ⅱの試験の配点は各4点で全問25題が出題され、60点以上で合格点となります。

午前Ⅱはセキュリティが17問、ネットワークが3問という問題配分になっており、この2つの分野の問題数が多く重点的に勉強する範囲になってきます。

午前Ⅱは基本的な問題が多く、過去問からの出題も多いので対策を立てやすい試験内容になっています。

午後Ⅰ

情報処理安全確保支援士の午後Ⅰと午後Ⅱの試験は、試験範囲が同じ内容になっています。

午後Ⅰ、午後Ⅱの出題範囲は大きく分けて5つに分類されます。

まず1つ目はデータベースセキュリティ対策やネットワークセキュリティ対策などが含まれる「情報セキュリティシステムの企画・要件定義・開発・運用・保守に関すること」です。

2つ目は誤使用分析、不正アクセス対策、リスク分析などが含まれる「情報セキュリティの運用に関すること」、3つ目は暗号技術、認証技術などが含まれる「情報セキュリティ技術に関すること」です。

そして、4つ目は開発ライフサイクル管理、システム文書構成管理などが含まれる「開発の管理に関すること」、5つ目は著作権法、個人情報保護が含まれる「情報セキュリティ関連の法的要求事項などに関すること」となっており、この5つが試験範囲となっています。

情報処理安全確保支援士の午後試験Ⅰは全部で3題の問題が出題され、そのうち2問を選び解答するような形式の試験になっています。

午後Ⅰの試験の配点は各問題50点となっており、60点以上で合格点となります。

午後Ⅰの試験問題は長文を読み、その内容を記述することが求められるため、午前試験の選択問題と比べて難易度が高いことが分かります。

午後Ⅱ

情報処理安全確保支援士の午後Ⅱの試験範囲は先ほど紹介したように午後Ⅰと同じ内容になっています。

午後試験Ⅱは問題が2問が出題され、その中から1つの問題を選んで解答します。

午後Ⅱ試験は午後Ⅰ試験と同様で、長文を読み、その内容について主に記述式で解答するような形式の試験になっています。

午後Ⅱ試験の記述式を解答するには、情報セキュリティの総合知識を身につける必要があります。

更に午後Ⅱ試験で出題される問題も、特定の技術に的を絞るよりは、複合的な観点から出題されるものが主になっています。

午後Ⅱの解答は、長文の内容に沿った内容を答えていくような形式の問題が主になってきます。

午後試験対策のコツ

参考書の上に置かれたメガネとペン

情報処理安全支援士の試験は午前試験が選択式に対して、午後試験は記述式になっていて難易度が高くなっています。

そのため、午後試験は情報処理安全確保支援の試験に合格するために最も力を入れて試験対策を行う必要があります。

そこで、情報処理安全確保支援士の午後試験を攻略するための対策方法を紹介します。

午後Ⅰ対策ではまず必要知識を押さえる

情報処理安全確保支援士の午後Ⅰ試験は長文問題が出題され、主に記述式での解答になります。

午後Ⅰ試験の対策としては、午前Ⅱ試験がしっかりと解ける状態まで勉強した後、それぞれの知識を関連づけてまとめる必要があります。

具体的には、1つの単語から関連語を複数連想できることが大事です。

また、午後試験は長文で出題されるため、長文が理解できるように読解力をつけることが大切です。

具体的には、制限時間内に文章の要旨を的確に捉える力を養うこと、記述を文字数以内に簡潔に解答する力を養うことが必要になってきます。

文字の要旨を捉える力を養うために行う勉強法は、出題されている設問を先に読み、出題者の要求を理解した上で、文章の大切な部分を意識して読む練習を行います。

記述を文字数以内に解答する力を養うために行う勉強法は、参考書の解説を読み、過去問の記述式の解答例を参考に解答例で使われているフレーズや言葉の使い方に注目します。

そして、どの言葉やフレーズ重要なのかを理解し、過去問を繰り返し解くことで記述式の解答を文字数以内に解答することができるようになります。

過去問を繰り返し解くことは時間がかかりますが、問題に慣れることができ効果的な勉強方法と言えるでしょう。

午後Ⅱは過去問を中心に対策

情報処理安全確保支援士の午後Ⅱ試験は、午後Ⅰ試験と試験問題の問われ方には大きな差はありません。

そのため、午後Ⅰ試験の試験対策方法が午後Ⅱ試験でも有効になります。

午後Ⅱ試験と午後Ⅰ試験の違う点は、午後Ⅱ試験の方が文章量が1問10ページ以上となっており、午後Ⅰ試験よりも国語の能力、つまり読解力が必要になってきます。

午後Ⅱ試験は文章量が多いため、問題の内容を途中でその都度、まとめながら文章の展開を追っていく練習を積むことが大事です。

午後Ⅱ試験は文章量が多いだけでなく、午前Ⅰ、午前Ⅱの試験よりも深い知識が求められます。

情報処理安全確保支援士の午後試験は午前試験と比べて、解答方法が難易度を上げているだけでなく、試験内容を比べても午後試験の方が難易度が高い試験になっています。

午後Ⅱ試験の難易度が高いので、参考書を読み込みインプットの作業も同時に行うことが重要な試験勉強になってきます。

午後Ⅱ試験の対策として行うインプットは基本知識が問われる午前Ⅱ試験の対策の内容を重点的に行うことが、午後Ⅱの対策としても有効的になります。

間違った問題はしっかりと復習

情報処理安全確保支援士の試験対策として演習中に間違えた設問に関しては、きちんと復習することが大切です。

自分が知識系の設問でミスをしたのか、文章読解の設問でミスをしたのかを理解しておくことで、その後の試験対策が変わってきます。

自分の弱いところを重点的に対策することが、資格取得への近道になり、とても重要になってきます。

もし、知識系の問題をミスしていたなら、テキストに戻って知識を再度復習することが大切です。

文章読解の問題をミスしていたなら、自分がどの部分で意味を取り違えたかを把握しておくことで、同じミスを防ぐことができます。

間違えた問題の復習を行うことで、問題を解く際の自分の癖も発見することができ、ミスをしないよう改善することに繋がり効果的な試験対策になります。

おすすめの午後試験参考書

情報処理安全確保支援士の午後試験の対策として、おすすめの参考書を紹介します。

おすすめする参考書は『情報処理安全確保支援士「専門知識+午後問題」の重点対策』です。

この参考書は 情報系の資格に強い資格予備校「アイテック」から出版されており、税込み4,070円で購入することができます。

この参考書の筆者は三好康之さんという方で、ITコンサルタントを行う傍ら、資格取得の対策研修などを実施されています。

三好康之さんご本人も、情報処理技術者試験全区分など多くの資格を保持されており、資格を知り尽くした方です。

この参考書は情報処理安全確保支援士試験の問題解説だけでなく、そのベースとなった情報セキュリティスペシャリスト試験の問題も詳細に解説されています。

更に情報処理安全確保支援士試験の過去問の効果的な使い方など筆者の三好康之さんが独自に編みだした過去問の活用術も掲載されています。

また、情報処理安全確保支援士の試験に合格するためには必ず覚えなくてはいけない用語の暗記項目なども分かりやすくまとめられています。

午後試験の解き方

積まれた本

情報処理安全確保支援士の午後試験の問題を解くには、長文の読解力が必要不可欠です。

設問で聞かれている部分の把握や問題にどのくらいの時間をかけるのかなど、問題によっての時間配分を行うことが大切です。

ここでは、情報処理安全確保支援士の午後試験の解き方や勉強法を具体的に解説していきます。

設問の要求部分を把握

午後試験を解くときのポイント1つ目は、最初に設問に目を通すことです。

長文の問題を解く際、初心者の人は文章を先に読みがちですが、文章を読む前に設問に目を通し、問われている箇所を把握することが大切です。

設問を最初に目を通すことで、文章を最初から最後まで時間をかけて読む必要がなくなり、設問で問われている重要な部分を重点的に読むことができ、時間の短縮に繋がります。

過去問の演習を行う際は、最初に設問に目を通し、設問の内容を意識した後、文章を正しく読解していく練習が必要になります。

過去問を解く際は、設問で問われているような重要な部分に線を引くなど工夫して、視覚的にも設問の重要箇所を把握していくことが大切です。

設問で問われている内容を意識したり、重要な部分に線を引いたりと慣れるまでは難しい作業ですが、地道に繰り返して行うことでマスターすることができます。

過去問を解くときは、紹介したように設問を意識しながら重要部分に線を引く習慣を付けましょう。

問題文の内容を使って解答

午後試験を解くときの2つ目のポイントは、記述式の問題に解答する際は問題文の内容や言葉を使うことです。

情報処理安全確保支援士の午後試験は長文形式であるため、記述で解答する際には、必ず問題文の内容や言葉を使う必要があります。

問題を解く際、初心者のうちは「どこが設問の内容と関連するのか」がわかりづらいですが、過去問を何度も繰り返し解くなど練習を重ねることで、会得することができるでしょう。

例えば、設問で影響について聞かれている場合は、影響の内容について書いている部分を重点的に探していくことで正解にたどり着くことができます。

また、午後試験は文章で解答する問題だけでなく、図や表を活用して問題に答える場合も多数存在します。

特に午後Ⅰ試験では、図や表を活用して解答する問題が多く出題される傾向にありまあす。

記述式は解答の型を押さえる

午後試験を解くときの3つ目のポイントは、記述式特有の解答の型を押さえることです。

記述式の解答は2つのパターンに分かれます。1つ目は「~をする」のように基本的な行動の流れを答えるパターンです。

そして2つ目は「~のためにする」のように理由や目的を答えるパターンです。

記述式の場合はこの2パターンに分かれるので、記述式の問題が来たら、まずは解答がどちらの型にはまるかをおおよそ想像して解答することで、考える時間を短縮することができます。

選択問題は絶対落とさない

午後試験を解くときの4つ目のポイントは、選択問題は絶対に落とさないことです。

選択問題は基本的に難易度が低く、他の受験者と差をつけられないためにも、確実に得点を確保することが重要になります。

また、もし選択問題を間違えてしまうと記述式のように途中点を考慮してもらえないので、点数に響いてしまいます。

試験問題を一通り解き終わり、見直しする際には記述式の解答を見直しする時間とは別に選択式の問題を見直しする時間を作ることをおすすめします。

情報処理安全確保支援士の午後試験まとめ

情報処理安全確保支援士午後試験まとめ

  • 情報処理安全確保支援士の午後Ⅰ、午後Ⅱ共に試験範囲は同じ
  • 情報処理安全確保支援士の午後試験には読解力が必要
  • 情報処理安全確保支援士の午後試験の対策は過去問を中心に解く

情報処理安全確保支援士の午後試験は記述式で難易度が高めになっています。

そのため、情報処理安全確保支援士の過去問を繰り返し解いたりと勉強時間がたくさん必要になってきます。

しかし、紹介したような午後試験の対策や勉強法を実行することで、効率よく問題を解き短い勉強時間で試験内容を習得することが可能になります。

紹介した勉強法などを参考にして、上手に勉強時間を使い、情報処理安全確保支援士の資格を取得しましょう。

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