基本情報技術者の目安の勉強時間はどれくらい?おすすめ勉強法から独学のコツまで解説!
「基本情報技術者試験に合格するには、どのくらいの勉強時間が必要なの?」
「独学は大変なのかな?」
こんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
新人エンジニアの登竜門である、基本情報技術者試験は、難易度のやや高い試験です。どのくらい勉強すれば合格できるのかは、気になるところでしょう。
今回は、基本情報技術者試験の勉強時間について、おすすめの勉強法や独学のやり方を含めて、詳しく解説します。
これを読めば、基本情報技術者試験の勉強がよく分かるはずです。
基本情報技術者試験の勉強時間についてざっくり説明すると
- IT初心者で200時間、経験者で50時間
- 勉強の工夫次第で勉強時間は短縮できる
- 独学には過去問演習、つまずきはその都度解消することも重要
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基本情報技術者の勉強時間
基本情報技術者試験の合格までの勉強時間は、IT初学者か経験者かによって大きく変わります。
IT初学者の場合200時間が目安
文系の学部・学校出身の人やITとは関係のない職種に就いている人など、IT初学者の場合には200時間程度の勉強が必要と言われています。
200時間というと、毎日3時間勉強しても2ヶ月以上はかかる計算です。合格には、コツコツと勉強を続けることが重要になります。
もちろんポテンシャルがあれば経験者と同じ50時間程度でも合格可能という人もいますが、あまり鵜呑みにせずにしっかりと勉強時間を確保しておくことが大切です。
ITの事前知識があれば50時間程度でも合格可能
ITパスポート資格をお持ちの方など、IT関連のしっかりとした事前知識があるならば50時間程度の勉強で十分でしょう。毎日3時間程度勉強すれば、3週間程度の短期集中型でも合格できるということです。
しかしIT系の人でも、ストラテジ系とマネジメント系は苦労する可能性があるので、注意しましょう。
これらの分野は、法務や経営などどちらかというと文系向けの内容です。理系のエンジニアには馴染みの薄い分野と言えるでしょう。苦手意識がある場合は、重点的に特訓すべきです。
なお、勉強時間は人によって異なるため、200時間や50時間というのはあくまで目安でしかありません。自分の知識量や得意不得意などを考え、自分なりに勉強時間を確保するようにしましょう。
勉強時間は短くできる
勉強時間は、集中力次第で短くすることも可能です。長時間だらだらと続けるのは、モチベーション維持の観点からも良くありません。
短期集中型で、一気に合格できるレベルまで仕上げてしまうのが理想と言えます。
以下では、勉強の質を上げることで、勉強時間を短縮する秘訣を紹介しましょう。
目標勉強時間を決めておこう
おおよその勉強時間をあらかじめ決め、勉強を始めましょう。
ゴールを設定しておくことで、それに向けてメリハリのある勉強が可能です。一方で、終わりが見えなければ、だらだらと効率の悪い勉強になってしまう恐れがあります。
自分に合った勉強時間を前もって設定し、それをノルマとして学習を進めましょう。毎回達成感を得られるため、勉強が継続しやすくなります。
正しい勉強法を身につけよう
正しい方法で勉強すれば、勉強時間も短縮できます。独学の成功体験がない場合、我流では成果が上がらずにダラダラと勉強時間を浪費してしまうことが多いです。
勉強したのに成績が上がらなければ、時間を無駄にすることになります。
成績に行き詰まりを感じる場合、勉強方法を一度見直してみましょう。勉強時間を短縮し、成績も改善できるかもしれません。正しい勉強法に関しては後述します。
おすすめテキストを使用
テキストの良し悪しによって、知識の習得具合も大きく変わります。分かりにくいテキストを使うと勉強が捗らず、成績も上がりません。また、モチベーションの維持も困難になります。
今回紹介するテキストは、インプットの負担を減らせるようなレイアウトのため、試験勉強の効率化に有用です。おすすめテキストに関しても後述します。
基本情報技術者試験の合格につながる勉強法
勉強時間を押さえたところで、次は合格するための勉強法をマスターしていきましょう。
基本情報技術者試験の勉強では、インプットとアウトプットのバランスが重要です。
インプットとアウトプットが、7:3の比率になるように意識しましょう。IT初心者の場合は、特にインプットが重要です。
ちなみにインプットとは、テキストの読み込みで知識を蓄えること、アウトプットは問題集や過去問を使った演習を指します。アウトプットは、インプットした知識を、実践的に使えるようにする練習です。
インプットでは、基本用語を中心に記憶し、試験内容の全容を大まかに把握しましょう。
アウトプットで重要な点は、まずは試験の形式に慣れることです。頻出範囲や出題傾向を体得しましょう。分からない問題はテキストに戻って復習し、弱点克服に努めます。弱点克服の目安は、人に説明できようになることです。
インプットからアウトプット、そして再びインプット(弱点克服)のサイクルが試験対策の必勝法となります。この方法は、知識が頭に定着しやすいことがメリットです。
なお、上記で解説した方法は、基本的にどの受験者に対してもおすすめできる内容です。
ただし、ITに関する事前知識がどれだけあるかによって、時間のかけ方の比重は変わってきます。以下では、IT初心者とIT経験者に分けて、勉強法をさらに深掘りします。
IT初心者
初心者の場合は、テキストを読んでも専門用語で詰まってしまい、勉強が進まないこともあるでしょう。しかし、それはただ単語や概念に不慣れなだけです。
基本の用語の意味を丁寧に調べながら進めていくことが大切になります。はじめは時間がかかるかもしれませんが、次第に理解が深まり、ペースも上がるはずです。
まずは基礎知識の習得を重視しましょう。基礎が固まっていないのにも関わらず、問題演習に移行するのは避けるべきです。
IT経験者
IT系の知識があれば、テクノロジ系は難なく勉強が進められるでしょう。インプットに書ける時間は少なくても良いかもしれません。
その分問題演習に時間を費やし、試験形式に慣れましょう。
ストラテジ系とマネジメント系は、理系にとっては馴染みの薄い分野とも言えるため、注意が必要です。
特に午後試験の問題は、読解力も要求されます。国語に苦手意識のある人は、長文読解を重点的に対策しましょう。設問に対して適切な解答が出せるように訓練が必要です。
分野の得意・不得意を早めに見極め、弱点克服を目指しましょう。文系向きとも言える暗記が必要な分野は、早めに覚え始めるべきです。
勉強時に気を付けるポイント5選
試験勉強は要領よく行うことが大切です。がむしゃらに勉強するだけでは、かえって合格が遠のいてしまうことさえあります。
以下では、勉強時に押さえておくべきポイントを紹介します。
過去問演習を必ず行う
基本情報技術者試験でも、他の資格試験同様、過去問演習が有効です。
過去問を解くことによって、出題傾向や頻出範囲を把握できます。また自らの苦手部分を克服するきっかけにすることも可能です。
過去問との類題が出題されることも十分考えられるため、まとまった年数の過去問を解くことは有効な学習方法であると言えるのです。
基本情報技術者試験の過去問は、過去問題集を買うことで入手できます。過去問は積極的に活用するようにしましょう。
つまずきはその都度解消
分からないところを発見した場合は、すぐにテキストを見て確認する習慣をつけましょう。
この際、ただテキストの説明を見てわかったつもりになるのではなく、それを実際に自分の言葉で説明できるかを確認することで、つまずきポイントを本当の意味で解消することができます。
つまずきを解消することで、知識の穴を埋めることができ、成績は上昇していきます。
つまずいた箇所を放置しておくと、知識が不完全に習得されるため、本番で足元をすくわれることになります。
スケジュールは最初に決める
合格には継続的な勉強が何より大切です。そのために、まずは学習スケジュールを立てましょう。
合格までの道筋をはっきりさせることで、勉強が継続しやすくなります。
スケジュールを立てる際は、試験範囲をきちんと把握した上で、適切な勉強時間を設定しましょう。
全てを満遍なくこなすのではなく、頻出範囲を重点的な対策するように予定を組むべきです。
配点の高い問題はマスターが必須
基本情報技術者の午後試験の中で配点が高い科目は
- データ構造および、アルゴリズム
- プログラミング言語・表計算
の2つになります。
こちらの大問で躓いてしまうと、合格ライン到達に大きな支障をきたしてしまうので、得点を安定して取れるよう重点的に対策を練る必要があります。
科目間の優先順位をしっかりと理解した上で、学習を進めるようにしましょう。
直前期は以前の知識の見直しに
試験直前期には、解き終えた問題集の見直しや基本知識を覚え直す作業を行うことがおすすめです。
IT関連の専門用語に関しては、問題においても多数出題されるため、きちんと覚えられているかチェックしておきましょう。
特にテクノロジ系は、配点も多い重要分野です。直前期にもう一度重点的な対策を行いましょう。
独学で合格できる試験
基本情報技術者試験は、独学でも十分合格が可能な試験です。ただし、ITに全く馴染みなない場合、専門的な内容に取り掛かりにくいかもしれません。
その場合は、基本情報技術者試験の下位資格であるITパスポート試験から始めるのがおすすめです。ITパスポート試験は、全社会人を対象にした、ITの基本知識を身に付けための資格になります。
ちなみにITパスポート試験も、同じ情報処理技術者試験に分類される国家試験です。
独学で勉強する際は、モチベーション維持やスケジュール管理など、勉強以外の部分も重要になります。
学習スケジュールを立てて、継続的な勉強を行いましょう。短期でノルマを設定することも、やる気がアップするのでおすすめです。
独学者におすすめのテキスト
独学ではテキスト選び次第で勉強の進み具合が大きく変わってきます。
基本情報技術者試験の独学におすすめのテキストは、「キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者」です。
このテキストの特徴は、イラストが多いことです。時にはマンガも交えながら重要ポイントを分かりやすく解説しています。
IT初心者には馴染みのない機器や技術は、擬人化されたイラストで説明されているなど、とにかく丁寧なテキストです。
また、過去問の解説も収録されているので、インプットと共に、出題傾向の把握もできます。
特にIT初心者から合格を目指す人におすすめしたい一冊です。
通信講座での学習もおすすめ
基本情報技術者を勉強する際には、通信講座での学習がおすすめです。
通信講座は、専門的な内容もわかりやすく解説してくれ、さらには独学で困りがちな質問や学習管理等の学習サポートも万全なところが多いので、学習がはかどること間違いなしです。
資格Timesでは、数ある基本情報技術者の通信講座の中でも特にスタディングの講座をおすすめします。
スタディングの講座はスマホであらゆる学習をこなすことができるため、忙しい人に特におすすめの講座です。
スマホでも質の高い学習を行えるように、講義は1回あたりを短くして質の高い講義を集中して見れるように工夫したり、デジタルテキストをつけて内容を随時確認できるようにしています。
他にも魅力的な点がたくさんある講座となっていますので、基本情報技術者の対策を検討している人はぜひスタディングの講座をチェックしてみてください!
基本情報技術者の試験範囲
ここでは基本情報技術者の試験内容を見ていきましょう。
情報処理技術者試験はITエンジニアの登竜門
基本情報技術者試験は、新人エンジニアの登竜門とも言われる国家試験であり、「情報処理の促進に関する法律」に基づいた国家試験です。
経済産業省が、一定水準以上の「知識や技能」を持つ情報処理技術者を認定します。
IT関連の企業では、新入社員に受験を義務づけているところもあり、就職や転職には役に立つ資格だと言えます。
新人の場合、基本情報技術者試験の勉強を通して身に付けた知識や技能があれば、早く仕事に順応できるでしょう。業務上の意思疎通もスムーズに進みます。
また、一般企業からIT企業へ転職する場合、基本情報技術者の資格があれば、経験の浅さをカバーすることも可能です。前職の経験を活かして、エンジニアとして活躍するきっかけとなるでしょう。
情報処理技術者試験の範囲
情報処理技術者試験には、以下のような種類があります。
試験 | レベル | 対象者 |
---|---|---|
ITパスポート試験 | 1 | ITを利活用する者(全ての社会人) |
情報セキュリティマネジメント試験 | 2 | ITを利活用する者(ITの安全な利活用を推進する者) |
基本情報技術者試験 | 2 | 情報処理技術者 |
応用情報技術者試験 | 3 | 情報処理技術者 |
ITストラテジスト試験 | 4 | 情報処理技術者 |
システムアーキテクト試験 | 4 | 情報処理技術者 |
プロジェクトマネージャ試験 | 4 | 情報処理技術者 |
ネットワークスペシャリスト試験 | 4 | 情報処理技術者 |
データベーススペシャリスト試験 | 4 | 情報処理技術者 |
エンデッドシステムスペシャリスト試験 | 4 | 情報処理技術者 |
ITサービスマネージャ試験 | 4 | 情報処理技術者 |
システム監査技術者試験 | 4 | 情報処理技術者 |
情報安全確保支援士試験 | 4 | 情報処理技術者 |
基本情報技術者試験は、午前試験と午後試験に分けて行われます。午前試験は四肢択一のマークシート方式です。問題数は80問、試験時間は9時30分〜12時までの150分間で実施されます。
午後試験は多肢選択式で、11問から5問を選んで解答する試験です。試験時間は13時〜15時30分までの150分間になります。
午前試験および午後試験の出題範囲は以下の通りです。
【午前試験】
- テクノロジ系(50問前後)
大分類 | 中分類 |
---|---|
基礎理論 | 基礎理論 |
アルゴリズムとプログラミング | |
コンピュータシステム | コンピュータ構成要素 |
システム構成要素 | |
ソフトウェア | |
ハードウェア | |
技術要素 | ヒューマンインタフェース |
マルチメディア | |
データベース | |
ネットワーク | |
セキュリティ | |
開発技術 | システム開発 |
ソフトウェア開発管理技術 |
- マネジメント系(10問前後)
大分類 | 中分類 |
---|---|
プロジェクトマネジメント | プロジェクトマネジメント |
サービスマネジメント | サービスマネジメント |
システム監査 |
- ストラテジ系(20問前後)
大分類 | 中分類 |
---|---|
システム戦略 | システム戦略 |
システム企画 | |
経営戦略 | 経営戦略マネジメント |
技術戦略マネジメント | |
ビジネスインダストリ | |
企業と法務 | 企業活動 |
法務 |
午前試験では、各分野の出題数が決まっています。
過去問と共通の論点が問題の半分以上を占めるため、過去問対策が必要です。
また、応用情報技術者試験やITパスポート試験で出題された問題が、そのまま流用されることもあります。
【午後試験】
試験範囲 | 内容 |
---|---|
コンピュータシステムに関すること | ソフトウェア・ハードウェア、データベース、ネットワーク |
情報セキュリティに関すること | 情報セキュリティポリシ、情報セキュリティマネジメントなど |
データ構造及びアルゴリズムに関すること | 配列、リスト構造、木構造など |
ソフトウェア設計に関わること | ソフトウェア要件定義、ソフトウェア方式設計、ソフトウェア詳細設計など |
ソフトウェア開発に関すること | プログラミング、テスト、デバッグなど |
マネジメントに関すること | プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント |
ストラテジに関すること | システム戦略、経営戦略・企業と法務 |
長文形式の問題が、午後試験の特徴です。大問の中には複数の設問があります。
「情報セキュリティに関すること」と「データ構造及びアルゴリズムに関すること」については必須問題で、それ以外は選択式です。
「アルゴリズム」と「ソフトウェア開発」は特に配点が高いため、重点的な対策を行いましょう。
基本情報技術者の難易度
基本情報技術者試験はIT初心者にとっては、やや難易度の高い試験と言えます。
過去の合格率は20〜30%の間を推移していますが、近年では20%台前半のことが多いです。
IPA(情報処理推進機構)による情報処理技術者試験のレベル区分では、レベル2に分類されます。そのため、レベル1のITパスポート試験よりは難易度の高い試験です。
特にテクノロジ系の範囲で深い知識が要求されるため、IT初心者にとってはハードルが高くなっています。
基本情報技術者試験の合格基準点ですが、午前試験・午後試験共に、100点満点中60点の得点で合格です。
基本情報技術者の難易度は下記の記事をご覧ください。
基本情報技術者試験の勉強時間まとめ
基本情報技術者試験の勉強時間まとめ
- ITに馴染みがないなら200時間は必要
- 工夫次第では短期集中型での合格も可能
- 独学の場合は、学習スケジュールを立てよう
基本情報技術者試験の勉強時間について解説しました。
IT初心者には200時間の勉強が必要と言われていますが、工夫次第ではもっと短縮することも可能です。
テキスト選びや勉強方法にこだわって、効率よく勉強できるように心がけましょう。