宅建に最短合格するための勉強法のコツ|独学での勉強時間やスケジュール管理の裏技を紹介!
この記事は専門家に監修されています
宅建士
関口秀人
「宅建の勉強を始めようと思うけど、非効率な勉強法になってしまわないか不安・・・」
「宅建試験に最短合格するためのコツが知りたい!」
宅建資格の取得を目指されている方の中には、このような悩みをお持ちの方も多いかと思います。
社会人の方でも学生の方でも、仕事や学校で忙しく思うように勉強時間が取れない場合が多いですよね。
宅建合格までに必要な勉強時間は約300時間と言われていますが、1日平均2時間勉強できたとしても半年近くかかってしまします。本番試験までにそこまで日数が残されていない方もいらっしゃるはずです。
勉強時間を捻出するのが難しいのであれば、効率的な勉強法を採用して学習の質を高めるほかありません。
そこでこの記事ではなるべく短い勉強時間で宅建試験の最短合格を狙うために、押さえておきたい勉強法のコツを具体的に解説します!
自己流で勉強を進めてしまいがちな独学者の方や、通信講座の効果をさらに高めたい方にもおすすめの内容となっています。
是非最後までご覧になって、勉強の質を最大限高めてください!
宅建試験に最短合格するための勉強法のコツ
- まずは多くの受験生がやりがちな失敗を知り、避ける
- 暗記の試験であることを意識して、効率的な学習スケジュールを立てる
- 科目間の繋がりを学び関連付けて学ぶ
- 国家試験である宅建士試験の特性を知る
宅建の最短合格に向けた勉強法でよくある失敗
宅建試験に向けて最短合格を目指して勉強していると、多くの人が同じような失敗を犯してしまいます。
その中でも特に学習効率の低下に直結してしまうのが以下の4つです。
- 過去問対策が十分でない
- 難問の理解に長い時間をかける
- 満点が狙えてしまう勉強をしている
- 民法を暗記科目として勉強する
普段から時間に余裕があり、十分な勉強時間が取れている方であれば、こうした勉強法をとってしまっていても本番試験は突破できるかもしれません。
しかし、忙しい中で隙間時間を縫って勉強している方にとっては、これらの方法はまずオススメできません。もちろん最短合格からは程遠いものであると言い切れます。
それでは、これらがなぜ致命的なミスであるのかについて具体的に説明していきます。
過去問の対策が不十分
宅建試験は「過去問ゲー」と言われるほど、本試験に占める過去の類題の割合が高くなっています。
過去の本試験と全く同じ問題が出ることは稀ですが、問われている論点が同じ問題は極めて多いです。
当然、受験生の大半が過去問対策に力を注いでいますから、そんな中で過去問の勉強を怠ると「誰もが解ける問題を落とす」という事態に陥りやすくなってしまいます。
宅建試験において過去問対策ほど最短合格に近づける勉強法はありません。テキストや問題集に取り組むのも大切ですが、日々の学習に過去問演習も取り入れなければなりません。
学習範囲を絞れていない
宅建試験の試験範囲は膨大であり、短い勉強時間で全てを理解しきることはほぼ不可能です。
一方で実際に本試験で出題される内容は試験範囲の中でも限られており、よく作り込まれた市販のテキストでもほとんど出ない内容がかなり沢山掲載されています。
これはテキストに掲載しておかないと試験に問題が出た際に「不十分なテキストだった」とレッテルを貼られてしまうからです。
こうした事情を考慮すれば、テキストにある内容を全て覚えなくてはならないという発想は間違っていることに気づくはずです。
独学の人であれば、過去問から試験の頻出問題を把握するのが試験範囲を絞るベストな方法となります。
難問対策に時間をかけてしまう
宅建試験では毎年のように、ほとんどの受験生が解くことのできない奇問・難問が数点分出題されます。
よくあるのがこうした問題でもしっかりと理解しようと時間を使ったり、今後こうした難問が出題されても対応できるように細かいところまで深く勉強しようとしてしまう失敗です。
しかし、実際に試験問題を見てみると試験の大半はこうした難問とは程遠い基礎基本からなる問題で構成されていることに気がつきます。
そもそも宅建試験では満点を狙う必要は全くなく、50点満点中38点もとれば十分合格が狙える試験です。
難問が一問も解けなくても合格できるように設計されているテストで、こうした問題の対策に終始するのは、誰の目から見ても非効率です。
確かに分からない問題をそのまま放置するのは不安な気持ちになりますが、実際の試験では基本問題をいかに落とさないかが合否の分かれ目です。
限られた時間でより多くの問題をマスターするためには、1つの難問よりも2つの基本問題に時間を使うという心がけが大切です。
民法を暗記しようとする
宅建試験の大部分が暗記が重要な科目となっていますが、民法だけは暗記では到底太刀打ちできない内容となっています。
特にやってしまいがちなミスが条文を暗記しようとすることです。
条文そのものは試験に出ない上に、仮に暗記できたとしてもその意図まで正確に理解できなければ問題に正解することはできません。
法律の勉強が初めての人ほど民法が暗記科目だと勘違いしやすいです。民法は基本的に理解重視の科目であるので、間違えないようにしましょう。
宅建試験の民法についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
宅建の最短合格のための勉強のコツ
宅建試験の昨年の合格率は17%で、近年は13~18%の間を推移しています。 このことから宅建試験を最短で合格することが難易度が高いことがわかると思います。
最短合格するためには、誤った勉強法で無駄にして良い時間はありません。
宅建試験の最短合格法を唄う体験談や勉強法の紹介ページは数多くありますが、結局のところ効率的な学習のポイントは以下の4つに絞られます。
- 合格基準点を意識して勉強を進めること
- 暗記中心の試験であることを意識し、正しいスケジュールを立てること
- 試験科目間の繋がりを理解すること
- 過去問演習を徹底すること
質の高い勉強をするためには、この4つは最低限知っておくことが必要になります。
これらを毎日意識しながら勉強するなんてできないと感じるかもしれませんが、一度正しい勉強法を身につければあとは自然と継続できるものです。
それでは、それぞれのポイントについて具体的に見ていきましょう。
合格ラインを見据えた勉強をする
以下は直近5回分の宅建試験の合格基準点です。この表を見れば宅建試験には38点も取れれば確実に合格できることが分かるかと思います。
試験年度 | 合格基準点 |
---|---|
2020年(10月試験) | 38点 |
2020年(12月試験) | 36点 |
2021年(10月試験) | 34点 |
2021年(12月試験) | 34点 |
2022年 | 36点 |
データ出典:試験実施概況(過去10年間)
宅建試験の総得点は50点であることを考えれば、全体の約75%が取れれば確実に合格できるということです。この事実を考えれば、満点を目指して勉強をすることがいかに非効率であるかは明白です。
そもそも国家試験である宅建試験では、出題者側も「ここまでは知っていてほしい」というラインを明確に用意してくれています。
あれもこれもと知識を詰め込むのではなく、覚えておくべき知識と捨てても大丈夫な知識をしっかりと分けて勉強に臨むことが大切です。
暗記の試験であることを意識する
まず誤解の無いように言い切ってしまいたいのですが、宅建試験は暗記の試験です。もちろん暗記以外の側面もなくはないですが、暗記なくして宅建試験の合格はありえません。
したがって宅建試験に臨む際には、暗記が必要な部分を適切に捉え、正しい暗記法によってそれを記憶に刻み込むことが極めて大切になってきます。
宅建試験の暗記科目
宅建試験において、暗記が学習のメインとなる科目は以下の科目です。
- 宅建業法
- 法令上の制限
- 税・その他
要するに民法を含む「権利関係」以外は全て暗記が中心となるということです。逆に言えば、民法だけは他の科目とは異なる対策が必要となるので注意してください。
また、法令上の制限については曖昧な記憶では太刀打ちできない問題も多いので、頻出の論点を意識した暗記が必要となります。
反復学習のスケジュール
日本の学校教育では諸外国の教育と比べて暗記を非常に重視すると言われています。
皆さんも昔から数多くの暗記させられてきたと思いますが、その割に正しい暗記の方法については学んでこなかったのではないでしょうか。
効率よく物事を暗記するためには、大原則として「繰り返し同じところを勉強する」ことが必要になってきます。一回の時間をかけた勉強よりも2回3回と繰り返した勉強の方が圧倒的に記憶定着率が高いです。
また、「暗記した事柄は時間とともに急激に忘れていく」というのも確固たる事実として存在します。
これらを踏まえて宅建試験の勉強方法を考えると、以下の手順で勉強することが大切ということになります。
- 全学習期間の60%を使用して1周目の学習を終わらせる(全科目)
- 1周目の時間のおよそ3分の1の時間で2周目の学習を終わらせる
- 同じ要領で2周目、3周目の学習を時間の許す限り続ける
- 直前1ヶ月は暗記科目に絞って暗記の精度を高める
勉強期間が半年の場合は、最初の3ヶ月ほど1周目の学習に費やし、その後は1ヶ月、10日間のペースで2周目3周目の学習を終え、最後の1ヶ月で暗記を完璧にするというスケジュールになります。
ここで重要なのが、最低でも3周は周回学習をするという点と、元々の学習期間が1ヶ月程度しかない場合はかなり苦しくなってしまうというところです。
1ヶ月前後の超短期間での合格は不合格になる確率が極めて高いのでおすすめしません。「確実な最短合格」を狙うのであれば最低でも2~3ヶ月は時間を取るようにしてください。
加えて、おすすめの勉強法として、暗記項目の知識を集約した表を作成したり、間違えた問題をメモ用紙などに書き込み、家の中の至る所に貼り付けることが挙げられます。
日頃から何度も何度も目にすることで、記憶が定着していきますし、何より試験のことを常に意識させられるので、モチベーションの維持にもつながります。
試験科目ごとの関連を掴む
宅建試験の学習効率を高めるためには、科目ごとに完全に独立して勉強を進めるのではなく、横断的な学習をすることが大切です。
横断的な学習とはつまり、科目間の繋がりを意識して勉強を進めるということです。
宅建試験ではある専門に向かって勉強を進めているので、義務教育の英語と数学のようにそれぞれの科目が完全に独立しているわけではなく、科目間の共通点が多く存在します。
そこで横断的な学習が有効になってくるわけですが、逆に言えば横断的な学習ができないと各科目の内容が混在してしまうことになります。
科目間の繋がりを整理するためには図や表を使って関連事項をまとめることが非常に有効です。共通点や相違点を一目でわかる形にしておくことで混乱を避けることができる上に、記憶の定着率も高まります。
勉強時間を短縮するためには欠かせない勉強法なので、覚えておきましょう。
通信講座等の用意する工夫されたテキストであれば図表を使った整理をすでに行ってくれている場合もあります。その場合はなんとなく読み飛ばすのではなく、改めて自分のノートに書き写すことで理解が深まるはずです。
過去問演習は徹底的に行う
過去問対策は、宅建試験の最短合格を目指すにあたって最も大切なポイントです。
宅建試験ではほとんど過去問と同じ論点からしか問題が出題されないと言っても過言ではありません。
それは、以下の事実を考慮すれば当然のことです。
- これまでの試験で宅建試験の重要論点は網羅されてしまった
- 出題者は過去問を元に新しい本試験を作成している
- 過去問の傾向から大きく外れた本試験は、重要論点を反映していない「国家試験として意味のない試験」となってしまう
宅建士としての最低限の知識を身につけさせるのが目的の試験なのに、過去問から大きく外れた「無意味な知識」を問うても仕方ないですよね。
このことから分かるように、過去問の攻略無くして宅建試験の最短合格はありえません。どんなテキストや問題集よりも、まずは過去問をやり込むという意識を持つようにしてください。
過去問に出た問題は絶対に落とさない
それでは具体的に過去問対策はどのように行えばいいのでしょうか。
分かりやすい指標としては「過去問10年分は満点を取れるようにしておく」というものが挙げられます。
もちろん毎年難問奇問は出題されるので、そういった問題についてはスルーしても構いません。大事なのは10年分の問題が完璧になるまで過去問演習を繰り返すというところです。
このレベルまで過去問を極めておけば、本試験で出題される過去問の類題は一瞬で解答することができるようになります。また、それさえできれば30点近くの点数は確保できてしまいます。
注意点として、本試験では過去問そのままの問題というよりは、少し見方や視点を変えた問題が中心に出題されます。
そこで過去問演習をする際には、テキストを活用して問題の周辺知識まで正しく覚えることがポイントとなってきます。
単に問題を解いて答え合わせをして終わり、では全く不十分となってしまうので注意しましょう。
過去問演習で法令文章の読解力を身につける
宅建試験では、法令について詳細な知識と理解が問われますが、用いられる一文が長く、文章表現も硬いです。
それにより、設問の意図を正確に理解できずに、自分が持ち合わせている知識で回答しようとするために、不合格になる受験者が多いです。
設問の題意を正確に理解し、適切な知識を用いて回答する訓練としても過去問演習が重要です。
過去問演習は基礎力を高める
過去問で何度も見かける論点は、当然宅建試験における重要論点です。
重要論点となればもちろん完璧に覚え、理解しなければならないと考えるのが普通ですが、実はこうした重要論点はそもそも過去問で何回も解いているので敢えて追加学習しなくても大丈夫になっている場合が多いです。
つまり、過去問演習を繰り返す事で必然的に重要論点を繰り返し学習することになるので、いつの間にか基礎基本が備わってしまうということです。
過去問を使って勉強することで、テキストや問題集で勉強するよりも遥かに効率よく基礎基本を身につけることができるのです。
宅建試験の合格率を大幅に上げる方法
宅建試験の受験者数は毎年20万人を超えます。そしてその多くが正しい勉強法に思いを巡らせることなく試験にチャレンジします。
したがって、ここに挙げた勉強法を意識するだけで、他の受験生よりも一歩リードした試験対策ができると言えます。
しかし、それでも宅建試験の合格率はたったの17%前後しかありません。最短合格を目指して試験に臨んでも、不合格になってしまっては結局勉強期間が1年近く伸びてしまうことになってしまいます。
結局、最短合格を達成するためには、大前提として一発合格する必要があるというわけです。
国家試験である宅建試験を一発合格するためには、高い合格率を誇る通信講座を利用するのが一番です。
例えばフォーサイトという通信講座では受講生の合格率が70%を超えています。他にも高い合格率を売りにしている予備校や通信講座は多く存在します。
平均合格率である17%は、こうした数多くの受講生を含めた数値です。つまり、独学者の合格率は17%よりも更に低いという事実が浮かびあがってきます。
こうした事実を踏まえた上で、敢えて独学で一発合格を目指すメリットはほとんどありません。
通信講座であれば独学に近い費用で合格を狙うことができます。宅建試験を目指す方であれば、一度は通信講座をチェックしておくことを強くおすすめします。
宅建試験に最短合格するための勉強法まとめ
宅建試験に最短合格するための勉強法
- 自己流だと陥りがちな失敗をまずは知っておく
- 満点ではなく合格ラインを超えることを見据えて勉強する
- 暗記の必要性を認め、正しいスケジュールで学習を進める
- 横断的な学習を心がける
- 過去問の重要性を知り、勉強法に反映する
宅建試験は正しい対策をすることで、勉強時間を大幅に短縮することができます。
一方で、初めて受験する人が正しい勉強法を完璧に身につけることは難しいのもまた事実です。独学での学習では非効率だと感じたのであれば、通信講座等を利用するのも良いでしょう。
これを読まれた方が最適な方法で見事合格を掴まれることを祈っております。