公務員が宅建士を取得すると良いって本当?業務で役立つ場面を解説!
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宅建士
関口秀人
「公務員が宅建士を取得すると良いことがあるの?」「公務員が自己啓発以外の目的で資格を取る必要性はあるのかな?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないのでしょうか?
宅建は公務員が持っているとメリットのある資格の一つで、業務に役立つことはもちろん、転職を考えることになったときに有利になります。
この記事では、公務員が宅建士を取得するメリットや、業務で役立つ場面も詳しく解説します。
この記事を読めば、公務員が宅建士を持っていると良いというのは本当か?という疑問が解消できるはずです!
公務員が宅建士を取得することをざっくり説明すると
- 宅建を持っていると公務員の実務に役立つ場面がある
- 転職にも有利になり持っていた方がよい資格だといえる
- 宅建士は公務員の自己啓発におすすめである
- 公務員を退職した後も資格を活かせる
公務員と宅建士の相性
公務員と宅建士の資格は相性が良いといわれています。
宅建で勉強する内容は公務員の業務と関連があるので、勉強したことを仕事に活かしやすいという点でおすすめです。
宅建士を取得するにあたって学ぶこと
宅建士の試験内容は大きく以下の4つの科目に分けられます。
1. 宅建業法
重要事項の説明、37条書面(契約書に関すること)など、宅建士になってから仕事をする上でも必要な法律などについて学びます。内容がわかりやすく学習しやすいといえます。
2. 民法等
民法、借地借家法、不動産登記法など、主に権利関係を中心に学びます。理解するまでに多少時間が必要ですが、日常生活に役立つことも勉強できます。
3. 法令上の制限
国土利用計画法、都市計画法、建築基準法、農地法など、主に土地や建物の建築等における法令上の制限について学びます。重要事項の説明とも関連がある分野です。
4. 税・その他
固定資産税、不動産取得税、所得税、登録免許税などの税金、土地・建物について学びます。不動産に関する税金の知識などが身につきます。
公務員の業務との関係
公務員の業務と宅建士が学ぶ内容には関連性があります。
地方公務員の場合、様々な課を異動することで、都市計画や建築に関する課に配属されることがあります。
その際に「法令上の制限」における 「国土利用計画法」や「都市計画法」、「建築基準法」といった法律の勉強が活きてきます。宅建業法についても、許認可業務を行うことがあれば実務で関わりを持つことがあるのです。
宅建の勉強内容が業務にとても役立つ
公務員が行う業務のうち、宅建士資格の勉強をすることで得られる法律知識を活用するものは多く存在します。
まだ宅建士資格に関係する業務を行っていなくても、今後を見据えて勉強していく価値は十分にありますし、そのような業務に出会ってから勉強を始めても、周辺知識が深まり良い効果が得られるでしょう。
たとえば、都市整備や公共建築等の関連業務に関心がある場合、宅建士を取得して関連部署に異動を希望する、というのも勉強したことを活かす方法のひとつです。
公務員が宅建資格を得るメリット
ここからは公務員が宅建の資格を取得することのメリットについて、以下の見出しにより詳しくお伝えします。
実務に役立つ
資格について勉強した内容は実務で活かさなければ意味がなく、逆に実務でなんとなくやっていることも本来はきちんと体系的に学ぶ機会を得るべきです。その意味で資格の必要性があります。
資格を持っているということは、「この人はこの分野が得意なんだ」と周囲に対するアピールを行うことができます。
宅建の知識を活用することができる仕事を得られる可能性も広がるため、資格の勉強は実務において大いに役立つといえるでしょう。
転職時に役立つ
安定といわれている公務員でも、時代の流れや環境の変化によっては、将来的に転職を考えるという可能性もゼロではありません。副業はできなくとも、公務員を辞めた際に宅建資格は役に立ちます。
公務員が転職するときに宅建の資格があると有利になります。不動産業界において宅建士は多くの需要があり、転職を余儀なくされた際にも資格が役立ちます。
実際の業務で、さまざまな法律について学びそれらを扱ってきていたとしても、目に見える形、すなわち資格を持っておくことが大切だといえます。
宅建の転職事情については、下記の記事を詳しくご覧ください。
副業としては役立たない
残念ながら、職務専念義務といって、公務員は通常副業ができないことが法律で定められています。国家公務員法や地方公務員法によると、営利企業や自営は禁止されています。
信用をなくさないように、また副業により秘密情報が外部に漏れないように、そして本業に支障が出ないように、公務員の副業には制限がかかっています。
投資などは例外ですが、一般企業に勤めることはできません。したがって宅建士資格を取得しても副業で稼ぐ、といったことはできません。
この点には注意が必要です。
公務員が宅地建物取引士証の交付を受けるのは問題がある?
宅建試験に合格後、宅建士になるためには「宅地建物取引士の資格登録」を行い、「宅地建物取引士証の交付」を受ける必要があります。
このうち「宅地建物取引士証の交付」までを行うと副業の禁止に抵触する恐れがある、という話がありますが、実際にはそのような事例は起きていません。しかし念のため、実際に交付を受ける前に確認を取るべきです。
宅地建物取引士証は宅建士として業務を行う際には必要ですが、公務員である間には業務を行うことはないため、発行そのものが必要ありません。
実際に業務をすることになれば後から交付できるため、焦って発行しないように気を付けましょう。
定年後にも宅建資格が役立つ
宅建士資格を持っていると、公務員を定年退職した後にもさまざまな場面で資格が活きてきます。
長年の公務員の経験と不動産関連の知識が備わっている場合、さらなるキャリアアップが可能です。再就職で有利になったり独立開業を目指すこともできます。
セカンドライフを考えるときにも、宅建の知識が活きてきます。新しく家を購入するときに物件探しのコツが分かったり、契約の際に信頼できる業者を見極めることができたりと、生活にも多々役立つのです。
定年後に資格という保険がついていることで、気持ちに余裕が出てくるため年を取ったことを考えても取得は非常に有用な選択肢といえるのです。
公務員が宅建士を取得することまとめ
公務員が宅建士を取得することまとめ
- 公務員が宅建の資格を持っていると実務や転職でとても役立つ
- 宅建士の取得は公務員としてのスキルアップにおすすめである
- 公務員である間は、資格を活かした副業はできない
- 公務員を辞めた後も再就職や生活などで資格を活かせる
ここまで 公務員が宅建士を取得することについて、様々な観点から詳しくみてきました。
公務員が宅建士を取得すると、業務、転職、日常生活など、あらゆる場面で資格を役立てることができます。そのため宅建士は持っていた方が良い資格だといえます。
もし宅建の取得に迷っていたら、ぜひ前向きに検討してみてください!