宅建士になると出来ること8選!資格の使い道や持っていると役立つシーンを解説!
この記事は専門家に監修されています
宅建士
関口秀人
「宅建士の資格に興味があるけど、資格を持っているとどんなことができるの?」
そんな疑問を持っている人も多いかもしれません。
宅建士という名前から何となく住宅や建物に関する資格ではないかという想像はつくかもしれません。
実際はどのようなことが出来るようになり、どんな風に役に立つシーンがあるのでしょうか?
そこで今回の記事では、宅建士の資格を持っていると出来ることや役に立つシーンなどについて紹介していきます。
この記事を読めばきっと宅建士に対する興味が一段と湧いてくることでしょう。
宅建士の出来ることをざっくり説明すると
- 就職・転職から独立まで幅広く活用出来る
- 資格手当や身分証明書などを得るなどのメリットもある
- 非常に出来ることが多く費用対効果が高い資格と言える
このページにはプロモーションが含まれています
宅建士になると出来ること8選
独占業務が出来るようになる
宅建士には世の中で宅建士にしか出来ない仕事、いわゆる「独占業務」があります。
次ではどんな独占業務が存在するのか見ていきましょう。
重要事項説明書の説明
実際に家の購入の現場に立ち会ったことのある人、もしくは賃貸物件の契約などの場において重要事項の説明を受けたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
不動産の取引はとても多額になりがち。トラブルが発生すると損害が非常に大きくなり不動産業界の信頼に関わってきてしまいます。
このような損害を防ぐため、宅建士は不動産の買主・借主に損害が生じないよう最低限必要な情報を伝える義務を負います。この最低限必要な情報は宅建業法で「重要事項」と言います。
売買する土地や賃貸物件でできることやできないことなどを書面を通じて説明するわけです。
この説明は不動産に関するプロフェッショナルである宅建士でないとできないということですね。
重要事項説明書への記入
上記の「重要事項」をきちんと伝えたことを証明するため重要事項説明書に宅建取引士の記名(署名)および押印が必要になります。
この記名押印によって「この不動産に関する重要事項の説明は宅建士である私が責任を持って行いました」という証明になるのです。
とても責任が重い仕事であることが分かると思います。
契約書面への記入
契約書は宅建業法で言うところの37条書面です。
取引の内容を書面化し契約内容および買主・売主が契約を締結した事実を明確にします。
そして契約内容に誤りがないことを宅建取引士が記名・押印することによって証明することとなっています。
身分証明書がもらえる
宅建士に合格し協会で登録をすると宅地建物取引士証を貰うことができます。
この証書は顔写真つきのもので運転免許証やマイナンバーカードなどと同様、公的な身分証明書として使えます。
運転免許証を持っておらず健康保険証しか持ってない方などは、顔写真つきの身分証明書である宅地建物取引主任士証を持つことで、実生活で役に立つことがあります。
資格手当を貰うことが出来る
会社の就業規則などによりますが、不動産業界であればほぼ全ての会社で宅建士を保有している人に資格手当を上乗せして給与が支給されます。
資格手当の金額は月に1~3万円のケースが多く、相場は2万円。
実際に2万円もらえた場合、年換算24万円も給料がアップすることになります。
宅建士の資格手当についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
資格手当以外にもメリット
宅建士を保有し名刺などに明記することで、お客さんに不動産に詳しいプロフェッショナルであると認識してもらえます。
不動産業界はインセンティブの金額が高く、一件の契約で数十万円のインセンティブが支給されることもあります。
不動産営業はお客さんから信頼を得ることで出来ることも増えるので、どのような印象を持ってもらうかはとても重要です。
このように資格手当以外にも、営業成績などで金銭的メリットが享受できる場合もあることがお分かりいただけると思います。
就職や転職に有利になる
宅建業法という法律により、宅建業をする企業は5人に1人以上の割合で宅建士を雇用しなければなりません。
不動産業界は人の出入りが激しいにも関わらず、一定数雇用を確保しなければならないため、どの会社も宅建士保有者は多く雇っておきたいと考えています。
要件を満たせないと宅建業を営むことができず、利益が一切上げられなくなるからです。
そのため不動産業界では宅建士保有者の需要は極めて高いです。
また不動産業界に限らず金融業界や建築業界などでも宅建資格は役に立つケースが多くあります。
金融業界では不動産を担保にローンを組むこともあり、不動産に関する知識を豊富に持っている宅建士は重宝されます。
建築業界においても同様に建物や土地に関する知識が必須となるため、貴重な人材として評価してもらえるでしょう。
宅建の資格が就職でどのように役立つかの詳細は、以下の記事で解説しています。
役立つ法律の知識が身に付く
宅建士の勉強をする上で民法は必ず勉強することになります。
民法は契約に関するトラブルなどを学べるため、もし実際にトラブルに巻き込まれてしまっても、得た知識を元に適切な対応が出来ます。
他にも不動産関連以外の民法や税金に関する法律など基礎知識を持っていることで調べたり勉強したことを応用出来るようにもなります。
特に固定資産税の計算については、以前に市町村が算定を誤ったことがニュースになりました。
不動産の税金などに関する知識を持っていれば、他人の誤りに気付く可能性が増え、結果的に自分自身を守る術としても役に立つのです。
独立開業が出来る
宅建士は士業ですので、その資格を活かして独立開業することも出来ます。
実力が物を言う世界ですので成功すれば企業勤めよりも稼ぐことが可能でしょう。
宅建の資格を使って独立する場合には大きく分けて2つのパターンがあります。
1つは 「賃貸」を中心に行う不動産会社として独立するパターン。そして2つめは「売買」を中心に行う不動産会社として独立するパターンです。
中には79歳で宅建士を取得し、80歳で会社を設立、その後年商5億円を超えるほどの成功を収めた女性もいるほどです。
未来の可能性を大きく広げる資格が宅建であるとお分かりいただけるかと思います。
他の国家資格取得が有利になる
実は宅建資格の知識は他の多くの資格にも応用が出来ます。
宅建で学んだ知識を活かし、他の国家資格に挑戦してみるのも自身のステップアップとしてとても良いことです。
- 司法書士
- 行政書士
- 管理業務主任者・マンション管理士
- 不動産鑑定士
- 土地家屋調査士・測量士補
- フィナンシャルプランナー 等
以上の資格は宅建との関連性がある資格です。
多くある関連深い資格の中には、ご自身の職種に役に立つものがきっとあることと思います。是非他の国家資格の受験によるステップアップも検討してみてくださいね。
自分に自信がつく
宅建士試験の合格率は例年15〜17%前後で推移しています。言い換えると、毎年8割以上の人が落ちているのです。
つまり宅建資格は決して容易に取得できる資格ではないのです。
このような難しい試験を勝ち抜いて宅建資格を取得したことは、必ず自分の自信に繋がります。
自信がつくことで、よりチャレンジングな仕事に挑戦できる意欲が沸いてきたり、普段から自己肯定感高く生活できるようになるので大切なメリットの1つといえるでしょう。
特に今まで誇れるものがなくて、自信がなかった人にとっては非常に頑張りがいのある資格なのではないのでしょうか?
宅建士になるのは難しい?
宅建士は士業系の国家資格なので、簡単に合格できるような資格ではありません。
しかし少しずつ着実に勉強すれば誰でも取得が目指せる難易度であるとも言えます。
決して高学歴の人や偏差値の高い人でないと受からないような試験ではありません。
半年から1年は勉強が必要
よく「1ヶ月で合格した」とか「3ヶ月で合格した」という声も聞こえてきますがそれはあくまでも少数派。あまりアテにしないのが吉です。
通常は半年から1年程度は勉強時間が必要な試験ですので、コツコツ真面目に勉強することが大切です。
よって、勉強習慣のなかった人はこれを機に毎日計画を立てて物事を確実に遂行する能力を身に着けていく必要があるでしょう。
試験合格後には資格登録が必要
試験に合格しただけでは宅建士として働くことは出来ません。
資格登録をした上で宅建士証の交付を受ける必要がありますので、注意が必要です。
また、この際にも登録要件として、実務経験やそれがなかったら登録実務講習を受ける必要があるため、覚えておくことが大切です。
試験に合格したら必ず資格登録を行いましょう。
メリットの割には取得しやすい
先述の通り、宅建資格の取得は決して容易ではありません。
しかしそれ以上に多くのメリットが存在していることは、この記事を読んでいる皆様にはお分かりいただけたと思います。
以上より宅建資格はコストパフォーマンスが非常に高くおすすめの資格であると言えます。
宅建士の効果的な学習方法
科目ごとにポイントをおさえる
宅建士試験の出題データを調べ試験に出題される科目ごとの問題数を把握してから学習を進めましょう。
特に宅建業法や法令上の制限は比較的暗記で対応できる問題が多く、得点源とする受験生が多いです。
中でも宅建業法は少ない勉強時間で得点が稼ぎやすい箇所なので、徹底的に勉強してください。
確実に点を取りたいのであれば、まずはこれらの科目の基礎をしっかりと固めることが大切です。
そしてこれらの箇所は当然、他に宅建試験を受験するライバルにだって得点源。周りの受験生が得点できている問題を落とすと致命傷になりかねません。集中して問題を解くなどしてケアレスミスなどに気をつけましょう。
通信講座を使う
宅建試験の対策として通信講座(オンライン予備校)を活用するのも1つの良い方法です。
宅建士は取得しやすい資格とはいえ、合格率は15%程度でしっかり難関資格のカテゴリに属しています。
そこで独学よりも合格のノウハウや過去問などのデータを提供してくれる通信講座を利用することで、効率よく合格を目指すことが出来ます。
不明点は講師に質問できるだけでなく、教材選びの手間がかからないというのが通信講座の魅力です。
また通信講座ではカリキュラムが予め組まれており、自身でスケジュールを練る必要もありません。
また宅建のみならず資格習得の際に厄介なのが法律の改正。突然の改正によって試験に出題する問題が変更されてしまうこともあります。
通信講座であれば都度都度行われる法改正への対応も丁寧な解説で行われるので、安心して勉強を続けることが出来ますね。
宅建の通信講座は以下のサイトで分かりやすく紹介しています。
過去問を有効活用する
宅建士試験は過去問を繰り返し解くことが合格への近道になります。
宅建試験では過去問の繰り返し問題や類似した出題が多いため、過去問を有効活用できれば合格が見えてきます。
ならどれくらい過去問を解けば良いのかというと最低でも過去五年分を三周程度です。
分からない問題があれば丁寧に解説を読み、必要があればテキストの該当箇所に付箋を貼るなどして重点的に覚えるようにしましょう。
宅建試験は出題の約7割が過去問の焼き直しだと言われており、過去問にしっかり取り組み理解することで、本試験のほとんどの問題に対応が出来るようになります。
過去問集をひたすら解き、丁寧に解説を読んで復習することが大切です。
模試を有効活用する
大手予備校ではどこでも、宅建模試が実施されています。
模試の受験により、今の実力で何点くらいとれるのか、また受験者全体でどのあたりのレベルにいるのかを知ることができます。
また本番と全く同じ時間配分によって雰囲気を体感することはとても重要なので、日程が合えば必ず模試は活用しましょう。
満点は目指さない
宅建士試験に合格ラインは年々推移していますが、概ね50問中35問程度以上得点することが必要です。
つまり7割程度以上正解する実力を身につければ良いため、日頃の勉強においては8割の得点を目標にして進めていけば良いでしょう。
主婦の方ですと特に勉強時間が限られていることと思います。中々満点レベルになるまで勉強するのは厳しいかも…と諦めてしまうのは非常にもったいないです。試験範囲の全てを完璧に勉強する必要はなく、的を絞って効率よく学習することが重要です。
宅建士になると出来ることまとめ
宅建士の出来ることまとめ
- 就職・転職から独立まで、活躍シーンは多岐にわたる
- 独占業務以外にも他資格への応用が可能などとメリットが多い
- メリットの多さの割に難易度も高すぎず費用対効果が高い
今回は宅建士の出来ることや役に立つシーンについて様々な観点からご紹介しました!
是非この記事を参考にして、宅建士の取得を検討してみてくださいね!